第32話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ロイは発火布を外し、ウィンリィお手製のブレスレットの彫られた錬成陣に触れる。
地面に巨大な錬成陣が現れて冷風が吹いた。
「な、なんだ?」
「おいっ!
ビビるんじゃねぇ!」
「余所見してる暇はないぞ」
「「なっ!?」」
青白い錬金術の光が放たれ、雨の降る中で速いスピードで鋭い氷柱が過激派を襲う。
「うわぁッ!」
「あんたは焔の錬金術師だろ!?
卑怯じゃねぇか!
詐欺か!?」
「…おまえらには言われたくはないな」
((確かに))
「焔しか使わないとも私は言ってないし、国民全員が知ってるぞ」
「「何だと!」」
「新聞を読めよ!」
「そうそう、載ってたぞ」
国民にまで煽られていて過激派はワナワナと怒りに震える。
「…遅い」
「ぐはっ!」
ロイに蹴り飛ばされ、銃も足蹴りで奪われる。
「「ボス!」」
「あんた達の相手は私よ」
「くっそ!」
「逃がすとでも?」
当然ながら中尉は圧勝で過激派の数人は銃を奪われて確保される。
「これで全員?
そのわりには少ない…」
「中尉!
建物の中だ!」
ロイの声に反応して中尉は瞬時に銃を変更して射撃する。
「申し訳ありません。
助かりました。
将軍、お怪我は?」
「大丈夫だ」
「過激派は全員捕らえました!」
「あとは我々が。
ありがとうございました!」
ロイに敬礼して過激派を連れて軍人達は去って行く。
ロイは振り向いて野次馬の中に入って行く。
「閣下、何をしているのですか」
「はっはっ!
バレてしまったか。
さすがだな、誰かさん達とは違う。
氷の錬金術も使いこなせるようになったな」
「補佐官はどうしたのですか?」
「ロイ、まだパパって呼んでくれないのかい?」
「い゛…っ」
「将軍!
大丈夫ですか!?」
ゴンッと額をぶつけてロイは声にならずに額を押さえて屈む。
「おやおや、大丈夫かい?」
「だ、誰のせいで…
どちらに行かれるのですか。
補佐官か護衛隊を連れて行ってください」
痛みで涙目になりながらもロイは閣下を止める。
「心配するな、私もパトロールしているだけだ」
「閣下が自らパトロールをしなくてもいいですから」
「大丈夫だ。
ほら、君は戻りなさい」
「そういう訳にはいきません」
「はっはっ!」
「ちょっ…閣下!
お待ちください」
「将軍!
せめて傘を」
「すまない、助かる。
あ~っ…もう!」
((面白がられて大変だな))
苦笑いして中尉もその後ろからついて行く。
「はっはっ!」
「笑い事じゃないのですが。
どこまで行くつもりなのですか。
閣下、一旦戻りましょう」
「大晦日の街の雰囲気が好きなんだよ」
「それは分かりますが」
雨の中で傘を差していても歩き回られては雨音で気づかない場合もある。
逃亡した閣下を見つけて司令部に一緒に帰るのが最近はロイの役目になっていた。
「閣下、寒いから帰りましょう」
「君は氷の錬金術も使うのに寒さに弱いな」
「…閣下が強すぎるんですよ」
「痩せてるから寒さに弱いんじゃないか?」
「そこは放っておいてくださいよ」
「はっはっ!」
言い合っていて会話だけでは軍のトップと将軍には思えない。
「報告書も書かないといけないんですけど」
「だから、先に帰りなさい」
「私が怒られますよ。
閣下を連れて帰らないと」
「そんなことないだろう?」
「いつの間にか私の役目になっているんですよ。
どうしたら帰ってくれますか?」
「ある程度したらな」
(それが長いんですけどね)
ロイは白い息になるのを見ながら閣下について行く。
国民達も慣れたようで苦笑いしながら見守っていた。
「息が白くなってるし、本当に今日は寒いんですよ」
「天気予報でも言ってたぞ。
夜には雪が降るかもしれんな。
まぁ、真冬だから」
「…最悪じゃないですか」
「君は猫みたいだな」
「はぁ?」
「上品な室内猫。
寒さに弱いし」
「犬ではなくて?」
「愛想を振り撒きもせずに警戒心も強いだろう」
「中尉、なに笑っているんだ」
「すみません…つい。
似合いますよ?」
「嬉しくない」
笑いを堪える中尉にロイは不満顔で見つめていた。
地面に巨大な錬成陣が現れて冷風が吹いた。
「な、なんだ?」
「おいっ!
ビビるんじゃねぇ!」
「余所見してる暇はないぞ」
「「なっ!?」」
青白い錬金術の光が放たれ、雨の降る中で速いスピードで鋭い氷柱が過激派を襲う。
「うわぁッ!」
「あんたは焔の錬金術師だろ!?
卑怯じゃねぇか!
詐欺か!?」
「…おまえらには言われたくはないな」
((確かに))
「焔しか使わないとも私は言ってないし、国民全員が知ってるぞ」
「「何だと!」」
「新聞を読めよ!」
「そうそう、載ってたぞ」
国民にまで煽られていて過激派はワナワナと怒りに震える。
「…遅い」
「ぐはっ!」
ロイに蹴り飛ばされ、銃も足蹴りで奪われる。
「「ボス!」」
「あんた達の相手は私よ」
「くっそ!」
「逃がすとでも?」
当然ながら中尉は圧勝で過激派の数人は銃を奪われて確保される。
「これで全員?
そのわりには少ない…」
「中尉!
建物の中だ!」
ロイの声に反応して中尉は瞬時に銃を変更して射撃する。
「申し訳ありません。
助かりました。
将軍、お怪我は?」
「大丈夫だ」
「過激派は全員捕らえました!」
「あとは我々が。
ありがとうございました!」
ロイに敬礼して過激派を連れて軍人達は去って行く。
ロイは振り向いて野次馬の中に入って行く。
「閣下、何をしているのですか」
「はっはっ!
バレてしまったか。
さすがだな、誰かさん達とは違う。
氷の錬金術も使いこなせるようになったな」
「補佐官はどうしたのですか?」
「ロイ、まだパパって呼んでくれないのかい?」
「い゛…っ」
「将軍!
大丈夫ですか!?」
ゴンッと額をぶつけてロイは声にならずに額を押さえて屈む。
「おやおや、大丈夫かい?」
「だ、誰のせいで…
どちらに行かれるのですか。
補佐官か護衛隊を連れて行ってください」
痛みで涙目になりながらもロイは閣下を止める。
「心配するな、私もパトロールしているだけだ」
「閣下が自らパトロールをしなくてもいいですから」
「大丈夫だ。
ほら、君は戻りなさい」
「そういう訳にはいきません」
「はっはっ!」
「ちょっ…閣下!
お待ちください」
「将軍!
せめて傘を」
「すまない、助かる。
あ~っ…もう!」
((面白がられて大変だな))
苦笑いして中尉もその後ろからついて行く。
「はっはっ!」
「笑い事じゃないのですが。
どこまで行くつもりなのですか。
閣下、一旦戻りましょう」
「大晦日の街の雰囲気が好きなんだよ」
「それは分かりますが」
雨の中で傘を差していても歩き回られては雨音で気づかない場合もある。
逃亡した閣下を見つけて司令部に一緒に帰るのが最近はロイの役目になっていた。
「閣下、寒いから帰りましょう」
「君は氷の錬金術も使うのに寒さに弱いな」
「…閣下が強すぎるんですよ」
「痩せてるから寒さに弱いんじゃないか?」
「そこは放っておいてくださいよ」
「はっはっ!」
言い合っていて会話だけでは軍のトップと将軍には思えない。
「報告書も書かないといけないんですけど」
「だから、先に帰りなさい」
「私が怒られますよ。
閣下を連れて帰らないと」
「そんなことないだろう?」
「いつの間にか私の役目になっているんですよ。
どうしたら帰ってくれますか?」
「ある程度したらな」
(それが長いんですけどね)
ロイは白い息になるのを見ながら閣下について行く。
国民達も慣れたようで苦笑いしながら見守っていた。
「息が白くなってるし、本当に今日は寒いんですよ」
「天気予報でも言ってたぞ。
夜には雪が降るかもしれんな。
まぁ、真冬だから」
「…最悪じゃないですか」
「君は猫みたいだな」
「はぁ?」
「上品な室内猫。
寒さに弱いし」
「犬ではなくて?」
「愛想を振り撒きもせずに警戒心も強いだろう」
「中尉、なに笑っているんだ」
「すみません…つい。
似合いますよ?」
「嬉しくない」
笑いを堪える中尉にロイは不満顔で見つめていた。