第32話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
お世話になるのだから手土産は最低限の礼儀作法としても重要だ。
「マダム、頼んでた酒はある?」
「…まったく。
いきなりで大変だったよ」
「急な誘いだし。
でも、助かったよ。
代金にプラスしといたからさ」
「よく分かってるね」
「無茶を頼んだからね。
それから、これはみんなに。
空いた時間に食べてくれ」
マダムからボトルを受け取り、お金の入った封筒と共にカウンターにケーキの箱を置いた。
「いつもありがとうございます」
「これ、有名なスィーツ専門店じゃないですか。
いつも行列が出来てるのに。
この忙しい時期によく買えましたね!」
「オーナーと知り合いでね、待遇してくれるんだ」
「どうせおまえさんのファンだろ」
「ははっ!
また今度寄るから。
マダムも素敵な年越しを。
とは言ってもあまり変わらないか」
「あぁ、そうだね。
無理はするなよ」
「…出来るだけ努力するよ」
マダムは苦笑いしながらロイの後ろ姿を見つめる。
(やはり、いつもより街が賑わっているな。
事件もなければいいのだが)
記者会見の効果もあって事件の報道はされていても今は落ち着いてる。
煙草を押し付けられた無数の火傷などのエピソードでロイは完全な“被害者” となり、同情票もあるのだろう。
それは想定内なので特に気にする様子もない。
大きな事件よりも国民達の喧嘩などの騒動が大きい。
報告書の量も多いが、国民同士の喧嘩の報告書は左官より下の階級の仕事なのでハボック達が苦労している。
「減らねぇ!
何で毎年毎年、こんなに喧嘩してるんだ」
「同じ人物ではないだろ」
「そうだけどさぁ~」
『…大変そうだね』
「すっごくムカつくんですが」
「リーゼル大佐、煽らないでくださいよ」
クスクスと笑ってミルクティーを飲んでるセルシアに中尉達は苦笑い。
こういうとこはロイの影響だなと実感する。
「ただいま」
「お帰りなさい」
「外出して大丈夫なんですか?」
「昼間だし、今は落ち着いてるからな。
中尉とセルシアには話して行ったから」
「いつまでも禁止にしてられないでしょ?」
『国民の目もあるし、あんなことは起きないわよ。
それ以前に起こせないから』
「今の状態で手を出すバカもいないですからね」
「ほら、おまえらにも差し入れ。
休憩も出来てないだろ。
片手で食べれるし」
「「ありがとうございます」」
「マスタング将軍、すみません。
ありがとうございます」
こういうとこもほかの上官と違うなと実感する。
「失礼する。
ヒューズ、いるか?」
「珍しいな。
どうした?」
「差し入れ。
おまえのとこにもやるから」
「助かるよ、今忙しくて」
「あぁ、またな」
ヒューズが来ないと忙しい時なのですぐに分かる。
ふと目が覚めて隣にいるセルシアに安堵して抱き締める。
(可愛いなぁ。
もう明日は大晦日か。
いや、12時は過ぎてるから今日になるんだよな)
事件もあったのでロイには大晦日まで短い感覚。
『…ロイさん?』
「すまない、起こしたか?」
『また眠れない?』
「えっ?」
『退院してからも夜はあまり眠れてなかったでしょ?』
「あぁ、気づいてたのか」
『場所を確認して私を抱き締めてたから』
「…逃亡して助かったのが都合の良い夢に思えたんだ」
『大丈夫、こっちが現実だよ』
「そうだな。
大晦日まであっという間なのに今まで以上に濃くて。
生きていることが幸せなんだと心から実感するよ」
『一緒に過ごせないのは残念だけど、
来年再来年、もっと先も私には機会がありますから』
セルシアは抱きついてロイの唇にキスして微笑んだ。
「あぁ、そうだな。
離れて過ごすと遠距離みたいだ」
『ふふっ…そうですね』
何度もキスを交わしてセルシアの手の指を絡めるように握ってベットに押し倒す。
「ずっとこうしたかった。
たまらなく愛しくて。
会いたくて会いたくて!」
『…ロイさん』
「何度も君の幻を見ていた。
手を伸ばしても届かなくて。
でも、そのお陰で苦痛にも激痛にさえも心を壊されずに耐えられたんだ」
ポタポタとロイの涙が落ちて来て手を伸ばして涙を指で拭う。
「マダム、頼んでた酒はある?」
「…まったく。
いきなりで大変だったよ」
「急な誘いだし。
でも、助かったよ。
代金にプラスしといたからさ」
「よく分かってるね」
「無茶を頼んだからね。
それから、これはみんなに。
空いた時間に食べてくれ」
マダムからボトルを受け取り、お金の入った封筒と共にカウンターにケーキの箱を置いた。
「いつもありがとうございます」
「これ、有名なスィーツ専門店じゃないですか。
いつも行列が出来てるのに。
この忙しい時期によく買えましたね!」
「オーナーと知り合いでね、待遇してくれるんだ」
「どうせおまえさんのファンだろ」
「ははっ!
また今度寄るから。
マダムも素敵な年越しを。
とは言ってもあまり変わらないか」
「あぁ、そうだね。
無理はするなよ」
「…出来るだけ努力するよ」
マダムは苦笑いしながらロイの後ろ姿を見つめる。
(やはり、いつもより街が賑わっているな。
事件もなければいいのだが)
記者会見の効果もあって事件の報道はされていても今は落ち着いてる。
煙草を押し付けられた無数の火傷などのエピソードでロイは完全な“被害者” となり、同情票もあるのだろう。
それは想定内なので特に気にする様子もない。
大きな事件よりも国民達の喧嘩などの騒動が大きい。
報告書の量も多いが、国民同士の喧嘩の報告書は左官より下の階級の仕事なのでハボック達が苦労している。
「減らねぇ!
何で毎年毎年、こんなに喧嘩してるんだ」
「同じ人物ではないだろ」
「そうだけどさぁ~」
『…大変そうだね』
「すっごくムカつくんですが」
「リーゼル大佐、煽らないでくださいよ」
クスクスと笑ってミルクティーを飲んでるセルシアに中尉達は苦笑い。
こういうとこはロイの影響だなと実感する。
「ただいま」
「お帰りなさい」
「外出して大丈夫なんですか?」
「昼間だし、今は落ち着いてるからな。
中尉とセルシアには話して行ったから」
「いつまでも禁止にしてられないでしょ?」
『国民の目もあるし、あんなことは起きないわよ。
それ以前に起こせないから』
「今の状態で手を出すバカもいないですからね」
「ほら、おまえらにも差し入れ。
休憩も出来てないだろ。
片手で食べれるし」
「「ありがとうございます」」
「マスタング将軍、すみません。
ありがとうございます」
こういうとこもほかの上官と違うなと実感する。
「失礼する。
ヒューズ、いるか?」
「珍しいな。
どうした?」
「差し入れ。
おまえのとこにもやるから」
「助かるよ、今忙しくて」
「あぁ、またな」
ヒューズが来ないと忙しい時なのですぐに分かる。
ふと目が覚めて隣にいるセルシアに安堵して抱き締める。
(可愛いなぁ。
もう明日は大晦日か。
いや、12時は過ぎてるから今日になるんだよな)
事件もあったのでロイには大晦日まで短い感覚。
『…ロイさん?』
「すまない、起こしたか?」
『また眠れない?』
「えっ?」
『退院してからも夜はあまり眠れてなかったでしょ?』
「あぁ、気づいてたのか」
『場所を確認して私を抱き締めてたから』
「…逃亡して助かったのが都合の良い夢に思えたんだ」
『大丈夫、こっちが現実だよ』
「そうだな。
大晦日まであっという間なのに今まで以上に濃くて。
生きていることが幸せなんだと心から実感するよ」
『一緒に過ごせないのは残念だけど、
来年再来年、もっと先も私には機会がありますから』
セルシアは抱きついてロイの唇にキスして微笑んだ。
「あぁ、そうだな。
離れて過ごすと遠距離みたいだ」
『ふふっ…そうですね』
何度もキスを交わしてセルシアの手の指を絡めるように握ってベットに押し倒す。
「ずっとこうしたかった。
たまらなく愛しくて。
会いたくて会いたくて!」
『…ロイさん』
「何度も君の幻を見ていた。
手を伸ばしても届かなくて。
でも、そのお陰で苦痛にも激痛にさえも心を壊されずに耐えられたんだ」
ポタポタとロイの涙が落ちて来て手を伸ばして涙を指で拭う。