第32話
夢小説設定
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諦めずに立ち向かい、そんなにも意思の強さがあるロイに勝てるはずもない。
「まぁ、予想外に衰弱していたので意識も朦朧としていて。
錬金術は身体に負担から使えなかったので」
「婚約者と仲間と会えた時はどうでしたか?」
「信じて頑張ってくれていたことが嬉しかったです。
泣かせてしまったけど。
そのあとの記憶はないので」
「限界が越えていたし、倒れたからな」
苦笑いして閣下が交代してロイが目覚めるまでの状況を話す。
「それでは、本日の記者会見は終わらせて頂きます」
護衛されながら閣下と共に司令部に入る。
「閣下、あれでよかったのですか?
騒動が収まるようには…」
「大丈夫だろう。
あとはマスコミの次第だな。
ちゃんと逃げずに嘘も言わずに記者会見をしたという事実も大事なんだ」
「それは分かりますが」
「心配いらないよ」
「では、信じます。
これで帰ってもいいのですか?」
「そんなにすぐ戻らなくても。
妻も君の心配していたよ。
落ち着いたら顔を見せに来てくれ」
「奥様にも御心配を掛けてしまって申し訳ないです。
はい、完治したら伺います」
「妻もセリムも喜ぶし、また一緒に食事をしよう」
「ありがとうございます。
閣下、ハーブティーを淹れに行っても?」
「もちろんだとも」
((…親子か?))
最近の閣下は息子を溺愛する父親にも見えてしまう。
ハーブティーを淹れてお茶菓子も用意していた辺りはさすがだ。
「意識を失っている時に両親の夢を見たんです。
両親は一緒でそれなりに幸せそうで躊躇していた呼び方も言えて。
でも、両親なのに両親でもなくて」
「記憶もないし、君は小さかったからな」
「失礼なのですが…
生きてる時の記憶もないからなんだと思いますが、閣下の方が私には父みたいな感じで。
父親ってこんな感じなのかなと思わせてもらいました」
「ロイ…
パパって呼ぶかい?」
「またそれですか。
パパって、私は何歳なんですか」
「違う呼び方がいいなら」
「いやいや、おかしいですよ」
「…将軍なら違和感ないかも」
「この溺愛っぷりだし」
「補佐官まで何を言い出すんですか!」
想像してしまったのか、ロイは微かに
耳を赤く染める。
聞かれてもいいと思える雑談なら出来るようになっていた。
「君、これに関してはいい反応するよな」
「…補佐官。
丸焼きと氷漬け、どちらにしますか?」
「どんな選択だよ!
分かった、悪かった」
「貴方は度が過ぎるんですよ」
降参だと補佐官は苦笑いして両手を上げる。
「そんなに怒るなよ。
君、今は何キロ?
まだ体重は戻ってないだろ」
「痩せてるって言われるから言いません」
元々が痩せているタイプなので目立ってしまう。
痩せ型ではないのに筋肉が付かないタイプだからなのか不思議だ。
「なに食ってるんだ?」
「普通ですよ。
ビーフシチューとかサンドイッチ、パスタとか。
たまにグラタンとか作ってくれますね」
「食べ物は普通だな。
量でもそこまで差は出ないか」
「リーゼル大佐が作ってくれるんですか?」
「まぁ、基本的には。
あまり外食もしないから」
「それでお弁当とかお菓子作って来るんですからね」
「料理は元々、好きみたいです。
休みになると凝った料理を作ってくれますよ。
デザートも作ってくれますし、ジャムも手作りだし」
「デザート付きの食事か。
なんていう贅沢だ。
そのわりには…、痩せてるよな」
「体質なんですよ。
筋肉も本当につきにくいし、なのに筋肉が落ちたから大変なんです。
せめて前の体重には戻さないと」
前よりも痩せてしまって国民に心配されるのでそれも困る。
「ロイ、君達は年越しはどうするんだね?」
「仕事ですよ。
それがなくても特には。
閣下は家でお過ごしですか?」
「パーティーをしていたが、今年は家で過ごすことになるな」
「たまにはよろしいかと。
奥様もセリムお坊っちゃまも喜んでるのでは?」
「…妻は意外とパーティー好きだから残念がっていたよ」
「あ~、そういえば、以前も言ってましたね」
軍人が少なくなって騒動にもなったから今年の年越しパーティーは見送ったのだろう。
「気にしなくていい。
君のせいではない」
「…はい」
雑談していてもロイが気にしていることに閣下は気づいていた。
-END-
2017.4.6
「まぁ、予想外に衰弱していたので意識も朦朧としていて。
錬金術は身体に負担から使えなかったので」
「婚約者と仲間と会えた時はどうでしたか?」
「信じて頑張ってくれていたことが嬉しかったです。
泣かせてしまったけど。
そのあとの記憶はないので」
「限界が越えていたし、倒れたからな」
苦笑いして閣下が交代してロイが目覚めるまでの状況を話す。
「それでは、本日の記者会見は終わらせて頂きます」
護衛されながら閣下と共に司令部に入る。
「閣下、あれでよかったのですか?
騒動が収まるようには…」
「大丈夫だろう。
あとはマスコミの次第だな。
ちゃんと逃げずに嘘も言わずに記者会見をしたという事実も大事なんだ」
「それは分かりますが」
「心配いらないよ」
「では、信じます。
これで帰ってもいいのですか?」
「そんなにすぐ戻らなくても。
妻も君の心配していたよ。
落ち着いたら顔を見せに来てくれ」
「奥様にも御心配を掛けてしまって申し訳ないです。
はい、完治したら伺います」
「妻もセリムも喜ぶし、また一緒に食事をしよう」
「ありがとうございます。
閣下、ハーブティーを淹れに行っても?」
「もちろんだとも」
((…親子か?))
最近の閣下は息子を溺愛する父親にも見えてしまう。
ハーブティーを淹れてお茶菓子も用意していた辺りはさすがだ。
「意識を失っている時に両親の夢を見たんです。
両親は一緒でそれなりに幸せそうで躊躇していた呼び方も言えて。
でも、両親なのに両親でもなくて」
「記憶もないし、君は小さかったからな」
「失礼なのですが…
生きてる時の記憶もないからなんだと思いますが、閣下の方が私には父みたいな感じで。
父親ってこんな感じなのかなと思わせてもらいました」
「ロイ…
パパって呼ぶかい?」
「またそれですか。
パパって、私は何歳なんですか」
「違う呼び方がいいなら」
「いやいや、おかしいですよ」
「…将軍なら違和感ないかも」
「この溺愛っぷりだし」
「補佐官まで何を言い出すんですか!」
想像してしまったのか、ロイは微かに
耳を赤く染める。
聞かれてもいいと思える雑談なら出来るようになっていた。
「君、これに関してはいい反応するよな」
「…補佐官。
丸焼きと氷漬け、どちらにしますか?」
「どんな選択だよ!
分かった、悪かった」
「貴方は度が過ぎるんですよ」
降参だと補佐官は苦笑いして両手を上げる。
「そんなに怒るなよ。
君、今は何キロ?
まだ体重は戻ってないだろ」
「痩せてるって言われるから言いません」
元々が痩せているタイプなので目立ってしまう。
痩せ型ではないのに筋肉が付かないタイプだからなのか不思議だ。
「なに食ってるんだ?」
「普通ですよ。
ビーフシチューとかサンドイッチ、パスタとか。
たまにグラタンとか作ってくれますね」
「食べ物は普通だな。
量でもそこまで差は出ないか」
「リーゼル大佐が作ってくれるんですか?」
「まぁ、基本的には。
あまり外食もしないから」
「それでお弁当とかお菓子作って来るんですからね」
「料理は元々、好きみたいです。
休みになると凝った料理を作ってくれますよ。
デザートも作ってくれますし、ジャムも手作りだし」
「デザート付きの食事か。
なんていう贅沢だ。
そのわりには…、痩せてるよな」
「体質なんですよ。
筋肉も本当につきにくいし、なのに筋肉が落ちたから大変なんです。
せめて前の体重には戻さないと」
前よりも痩せてしまって国民に心配されるのでそれも困る。
「ロイ、君達は年越しはどうするんだね?」
「仕事ですよ。
それがなくても特には。
閣下は家でお過ごしですか?」
「パーティーをしていたが、今年は家で過ごすことになるな」
「たまにはよろしいかと。
奥様もセリムお坊っちゃまも喜んでるのでは?」
「…妻は意外とパーティー好きだから残念がっていたよ」
「あ~、そういえば、以前も言ってましたね」
軍人が少なくなって騒動にもなったから今年の年越しパーティーは見送ったのだろう。
「気にしなくていい。
君のせいではない」
「…はい」
雑談していてもロイが気にしていることに閣下は気づいていた。
-END-
2017.4.6