第32話
夢小説設定
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マスコミはロイの姿を撮ろうと試みるが、一瞬は見つけられても軍人と素人では勝負にならない。
「…絶対に怒られる」
「心配かけてたのは事実だし、長引かせていても仕方ないだろ?
入院中も来れなかったし」
「意識が戻らなかった時も心配されていましたよ。
両親のようになるなって」
「…そうか」
ロイは憂鬱に感じながらため息をついてしまう。
「マダム、久しぶりだな。
約束通りに連れて来た」
「このバカ者!」
「…ごめん」
店に大きな音が響き、マダムがロイの頬を叩く。
「ちょっ、マダム!」
「マスタング将軍っ!」
「気持ちは分かるけど…」
「大丈夫だから」
「まったく、おまえさんは。
無事でよかった。
後遺症はないんだな?」
小さく頷くロイにマダムは頬を優しく撫でる。
「マダム…?」
「心配の度合いが高過ぎだろう。
心臓が止まるかと思ったよ。
心配かけて、大切な女まで泣かせて何してるんだい」
「今回のことはマスタング将軍だけの責任では」
『集団でしたから』
「詰めが甘いんだよ。
油断していたのは変わらん」
「……っ…」
マダムに叱られて中尉とセルシアがロイを庇う。
「マダム、それくらいにしてやれって。
非がないとは言えないけどさ。
前代未聞の集団犯罪だし」
ヒューズが苦笑いしながらマダムを宥めた。
マダムがやっと許してくれてカウンター席に座る。
「何でそんなに離れて座るんだ」
「マダム、それは自業自得だ」
ロイは一番奥のカウンター席に座っていた。
「…やりすぎたかね。
ロイ坊」
「何だよ?」
「そんなに警戒しなくたっていいだろう?」
「警戒なんてしておらん。
もう帰るから」
「もう帰るのかよ」
「おまえらは居ればいい」
「そう機嫌悪くなるなって」
立ち上がろうとするロイをヒューズが苦笑いして止める。
「ロイ坊、もう酒は飲めるのかい?」
「…少しなら」
「珍しいものが手に入ったんだ」
「はぁ?」
「この酒はおまえの父親が好きだった」
「えっ?
見たことない酒だな」
ピクリと反応して座り直してマダムが出したお酒を見る。
「異国の酒だからね。
アイツは異国の人々とも交流があったんだよ。
少し飲ましてやるから」
グラスに注がれたお酒に匂いを嗅いでロイは少し飲む。
「ん…、悪くない」
「匂いだけでやられそう」
「度数は高いからな。
少しずつ飲むんだよ」
「…分かった。
これ、甘い香りがする。
果物か?」
「異国の果物だよ」
「へぇ…」
どうやら父親が好きだったお酒で機嫌は直ったらしい。
「ロイ坊、死ぬんじゃないよ?」
「うっわ!
ちょッ…マダム!」
マダムに抱き締められてジタバタして抵抗するロイに苦笑い。
ベシベシとマダムの腕をロイが叩いている。
「マダム、マダム。
そのくらいにしないと窒息するから!」
「すまないね」
「ゲホッ…ゲホッ…
殺す気か?」
「おまえさん、弱いね」
「…マダムは自分の体系に自覚しろよ」
「おまえが痩せすぎてるんだろ」
「確かに痩せたけど!」
((…始まったよ))
いつもの親子喧嘩なので店の娘達もヒューズ達も気にしない。
「筋肉があってもこの細いウエストは何なんだ」
「筋肉が付かないんだよ。
分かって言って…うっわ!?」
「ほら、女の私にも抱えあげられるじゃないか」
「なっ!?
降ろせ、バカなのか!」
マダムに抱えれてロイは店の隅に座り込む。
「マダム、やりすぎ。
男のプライドを壊してやるなよ」
「いや、思わずね」
「マダムは可愛がり方がおかしいんですよ」
店の娘達はマダムに呆れるように苦笑いする。
「マスタング将軍。
もう、いつまでそんなことしてるんですか」
『大丈夫ですから』
「…軽々持ち上げられても大丈夫ですから」
「ハボック!」
「傷口に思いっきり塩を塗ったな」
「どうせ痩せてるよ!
悪かったな!
マダム、高い酒を出せ」
「こらこら。
まだ完治してないだろう」
暴走するロイを苦笑いしてヒューズは止める。
「…絶対に怒られる」
「心配かけてたのは事実だし、長引かせていても仕方ないだろ?
入院中も来れなかったし」
「意識が戻らなかった時も心配されていましたよ。
両親のようになるなって」
「…そうか」
ロイは憂鬱に感じながらため息をついてしまう。
「マダム、久しぶりだな。
約束通りに連れて来た」
「このバカ者!」
「…ごめん」
店に大きな音が響き、マダムがロイの頬を叩く。
「ちょっ、マダム!」
「マスタング将軍っ!」
「気持ちは分かるけど…」
「大丈夫だから」
「まったく、おまえさんは。
無事でよかった。
後遺症はないんだな?」
小さく頷くロイにマダムは頬を優しく撫でる。
「マダム…?」
「心配の度合いが高過ぎだろう。
心臓が止まるかと思ったよ。
心配かけて、大切な女まで泣かせて何してるんだい」
「今回のことはマスタング将軍だけの責任では」
『集団でしたから』
「詰めが甘いんだよ。
油断していたのは変わらん」
「……っ…」
マダムに叱られて中尉とセルシアがロイを庇う。
「マダム、それくらいにしてやれって。
非がないとは言えないけどさ。
前代未聞の集団犯罪だし」
ヒューズが苦笑いしながらマダムを宥めた。
マダムがやっと許してくれてカウンター席に座る。
「何でそんなに離れて座るんだ」
「マダム、それは自業自得だ」
ロイは一番奥のカウンター席に座っていた。
「…やりすぎたかね。
ロイ坊」
「何だよ?」
「そんなに警戒しなくたっていいだろう?」
「警戒なんてしておらん。
もう帰るから」
「もう帰るのかよ」
「おまえらは居ればいい」
「そう機嫌悪くなるなって」
立ち上がろうとするロイをヒューズが苦笑いして止める。
「ロイ坊、もう酒は飲めるのかい?」
「…少しなら」
「珍しいものが手に入ったんだ」
「はぁ?」
「この酒はおまえの父親が好きだった」
「えっ?
見たことない酒だな」
ピクリと反応して座り直してマダムが出したお酒を見る。
「異国の酒だからね。
アイツは異国の人々とも交流があったんだよ。
少し飲ましてやるから」
グラスに注がれたお酒に匂いを嗅いでロイは少し飲む。
「ん…、悪くない」
「匂いだけでやられそう」
「度数は高いからな。
少しずつ飲むんだよ」
「…分かった。
これ、甘い香りがする。
果物か?」
「異国の果物だよ」
「へぇ…」
どうやら父親が好きだったお酒で機嫌は直ったらしい。
「ロイ坊、死ぬんじゃないよ?」
「うっわ!
ちょッ…マダム!」
マダムに抱き締められてジタバタして抵抗するロイに苦笑い。
ベシベシとマダムの腕をロイが叩いている。
「マダム、マダム。
そのくらいにしないと窒息するから!」
「すまないね」
「ゲホッ…ゲホッ…
殺す気か?」
「おまえさん、弱いね」
「…マダムは自分の体系に自覚しろよ」
「おまえが痩せすぎてるんだろ」
「確かに痩せたけど!」
((…始まったよ))
いつもの親子喧嘩なので店の娘達もヒューズ達も気にしない。
「筋肉があってもこの細いウエストは何なんだ」
「筋肉が付かないんだよ。
分かって言って…うっわ!?」
「ほら、女の私にも抱えあげられるじゃないか」
「なっ!?
降ろせ、バカなのか!」
マダムに抱えれてロイは店の隅に座り込む。
「マダム、やりすぎ。
男のプライドを壊してやるなよ」
「いや、思わずね」
「マダムは可愛がり方がおかしいんですよ」
店の娘達はマダムに呆れるように苦笑いする。
「マスタング将軍。
もう、いつまでそんなことしてるんですか」
『大丈夫ですから』
「…軽々持ち上げられても大丈夫ですから」
「ハボック!」
「傷口に思いっきり塩を塗ったな」
「どうせ痩せてるよ!
悪かったな!
マダム、高い酒を出せ」
「こらこら。
まだ完治してないだろう」
暴走するロイを苦笑いしてヒューズは止める。