第32話
夢小説設定
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リビングに移動してソファに座り、ロイの腰に抱きつきながらセルシアは泣いている。
(そういえば、泣き虫だったな)
苦笑いしながらロイはセルシアの頭を撫でた。
「すまなかった。
君の涙は堪えるよ」
『んっ…』
「心配かけて不安にさせて、寂しい思いをさせたよな」
『無事に帰って来てくれるだけで。
貴方を失ったら私は全滅させます』
「君、何をする気なんだ。
まったく…これだから目を離せないんだ」
微笑んで自分の膝に抱えるとロイはキスを交わす。
『ロイさん、怪我は…』
「大丈夫だ。
私も痩せたが、君も痩せたな」
『一緒にいっぱい食べます』
「あぁ、そうだな」
『ロイさんが帰って来たら食欲が戻りました!
病院では香りの強いものは持って行けなかったので』
ビーフシチューを始めとしたロイの好物を作ってくれた。
「…暇だ」
監禁される日から現在までの出来事を新聞や閣下の許可を貰って中尉に頼んで報告書に目を通す。
(報道にはなれていないが、小さな事件でも密輸が多い。
テロが起きなければいいのだが。
この辺りは私の事件だから飛ばそうか)
小さな事件や事故でもロイは読み込んでいた。
報告書を取りに来た中尉からロイは手紙を渡された。
「これは…?」
「暇ならお返事を書いては?」
「そうだな」
裏に書いてある“ウィンリィ・ロックベル”の名にロイは微笑んだ。
“お義父さん。
大丈夫ですか?
報道を知って驚きました。
とても心配です。
行きたいけど、私に出来ることはないから。
でも、祈ってます。
お義父さんが早く良くなりますように。
ウィンリィより”
四つ葉のクローバーの栞が入っていてロイは小さく笑う。
(多忙の時は休みが欲しくなって、休みになると何もすることがなくて困るな。
出掛けられないのもあるけど。
怪我や病気で休ませられてるのもあるからな)
閣下のお気に入りゆえのお休みではあるのだが。
「何故だ。
私がこんな小さな事件の現場に来なくてはならないんだ!」
「人手不足ですので…」
「まったく、君達だけで片付ければいいだろう」
傲慢な態度の上官にため息が出そうになる。
「やれやれ。
マスタング将軍なら事件の大きさで言わないのにな」
「解決が出来てから文句は言って欲しいよ」
「そう考えるとマスタング将軍がどれだけ有能か実感するな」
上官に聞こえないようにヒソヒソと話していた。
人手不足に加えて現場に不馴れな上官に時間が掛かる。
セルシアが仕切ってる事件現場よりも何倍も遅い。
「そりゃ、当然だろ。
何年も現場に来ずに任せっきりなんだからよ。
元々は現場に来る必要もない地位だからな。
ロイとは解決している数も違いすぎるし、ロイは勘も鋭くて多方面の知識も備わってる。
頭脳の差があるんだし、比べてやるなよ」
「「………。」」
庇っているようでヒューズはまったくと言うほど庇っていなかった。
親友をあんな目に合わせた手助けとまで言わずとも見捨てた奴を許せるほどヒューズも穏和ではない。
「おまえは何なんだ!」
「あ~…もう。
お下がりください」
傲慢な態度で国民とトラブルを起こすのも多々。
((…マスタング将軍がどれだけ凄かったのか))
軍人達も国民達も呆れ、ロイの復帰を望んでいた。
「これは何なんだ!
瓦礫の山ではないか」
「まぁ、爆発事件で破壊されましたからね」
「国民の生活を手助けするのも軍の役割ですから」
「下官にやらせればいいだろう!」
「ですから、人手不足なので」
怒り狂っている様子に軍人達も呆れてしまう。
結局は自分中心なんだと幻滅していた。
「覚悟しやがれ!」
「「将軍!」」
「なっ!?」
物陰に隠れていた男がナイフを手に襲い掛かる。
パチンッと指が鳴る音と同時に男の服が焼ける。
煙の向こうに現れた人物に中尉達は驚きながらも安堵して敬礼。
「中尉、みんなも無事かね?」
「「マスタング将軍!」」
「くっそ!」
「それ以上の抵抗は無駄だ。
諦めるんだな」
男が軍人に連行されながら叫んでいた。
「何故、こちらに?」
「閣下から申し出があってな」
「さすがに使い物にならないし、ロイに早めてもらったんだ」
「「閣下!」」
「十分に休ませて頂きました」
「すまないね。
君は司令部に戻って書類作業を」
「ですが!」
「君が現場にいても足手まといだし、邪魔になるから。
あとはロイに任せなさい」
「…承知しました」
悔しそうに将軍は閣下に敬礼して早速と去る。
「閣下、言い過ぎですよ」
「事実だろう?」
「どうなのでしょうか。
私は見ておりませんので」
「それを理解したから戻って来てくれたのだろうが、そういうことにしておくよ」
「閣下まで来なくても」
「あの調子ならロイに八つ当たりするだろうからな」
「毒牙を抜かれてましたけど。
まったく、何を言ったのですか」
「事実だが?」
「それがストレート過ぎて恐ろしいのですよ」
閣下と言い合いながらもロイは現場検証をしている。
(そういえば、泣き虫だったな)
苦笑いしながらロイはセルシアの頭を撫でた。
「すまなかった。
君の涙は堪えるよ」
『んっ…』
「心配かけて不安にさせて、寂しい思いをさせたよな」
『無事に帰って来てくれるだけで。
貴方を失ったら私は全滅させます』
「君、何をする気なんだ。
まったく…これだから目を離せないんだ」
微笑んで自分の膝に抱えるとロイはキスを交わす。
『ロイさん、怪我は…』
「大丈夫だ。
私も痩せたが、君も痩せたな」
『一緒にいっぱい食べます』
「あぁ、そうだな」
『ロイさんが帰って来たら食欲が戻りました!
病院では香りの強いものは持って行けなかったので』
ビーフシチューを始めとしたロイの好物を作ってくれた。
「…暇だ」
監禁される日から現在までの出来事を新聞や閣下の許可を貰って中尉に頼んで報告書に目を通す。
(報道にはなれていないが、小さな事件でも密輸が多い。
テロが起きなければいいのだが。
この辺りは私の事件だから飛ばそうか)
小さな事件や事故でもロイは読み込んでいた。
報告書を取りに来た中尉からロイは手紙を渡された。
「これは…?」
「暇ならお返事を書いては?」
「そうだな」
裏に書いてある“ウィンリィ・ロックベル”の名にロイは微笑んだ。
“お義父さん。
大丈夫ですか?
報道を知って驚きました。
とても心配です。
行きたいけど、私に出来ることはないから。
でも、祈ってます。
お義父さんが早く良くなりますように。
ウィンリィより”
四つ葉のクローバーの栞が入っていてロイは小さく笑う。
(多忙の時は休みが欲しくなって、休みになると何もすることがなくて困るな。
出掛けられないのもあるけど。
怪我や病気で休ませられてるのもあるからな)
閣下のお気に入りゆえのお休みではあるのだが。
「何故だ。
私がこんな小さな事件の現場に来なくてはならないんだ!」
「人手不足ですので…」
「まったく、君達だけで片付ければいいだろう」
傲慢な態度の上官にため息が出そうになる。
「やれやれ。
マスタング将軍なら事件の大きさで言わないのにな」
「解決が出来てから文句は言って欲しいよ」
「そう考えるとマスタング将軍がどれだけ有能か実感するな」
上官に聞こえないようにヒソヒソと話していた。
人手不足に加えて現場に不馴れな上官に時間が掛かる。
セルシアが仕切ってる事件現場よりも何倍も遅い。
「そりゃ、当然だろ。
何年も現場に来ずに任せっきりなんだからよ。
元々は現場に来る必要もない地位だからな。
ロイとは解決している数も違いすぎるし、ロイは勘も鋭くて多方面の知識も備わってる。
頭脳の差があるんだし、比べてやるなよ」
「「………。」」
庇っているようでヒューズはまったくと言うほど庇っていなかった。
親友をあんな目に合わせた手助けとまで言わずとも見捨てた奴を許せるほどヒューズも穏和ではない。
「おまえは何なんだ!」
「あ~…もう。
お下がりください」
傲慢な態度で国民とトラブルを起こすのも多々。
((…マスタング将軍がどれだけ凄かったのか))
軍人達も国民達も呆れ、ロイの復帰を望んでいた。
「これは何なんだ!
瓦礫の山ではないか」
「まぁ、爆発事件で破壊されましたからね」
「国民の生活を手助けするのも軍の役割ですから」
「下官にやらせればいいだろう!」
「ですから、人手不足なので」
怒り狂っている様子に軍人達も呆れてしまう。
結局は自分中心なんだと幻滅していた。
「覚悟しやがれ!」
「「将軍!」」
「なっ!?」
物陰に隠れていた男がナイフを手に襲い掛かる。
パチンッと指が鳴る音と同時に男の服が焼ける。
煙の向こうに現れた人物に中尉達は驚きながらも安堵して敬礼。
「中尉、みんなも無事かね?」
「「マスタング将軍!」」
「くっそ!」
「それ以上の抵抗は無駄だ。
諦めるんだな」
男が軍人に連行されながら叫んでいた。
「何故、こちらに?」
「閣下から申し出があってな」
「さすがに使い物にならないし、ロイに早めてもらったんだ」
「「閣下!」」
「十分に休ませて頂きました」
「すまないね。
君は司令部に戻って書類作業を」
「ですが!」
「君が現場にいても足手まといだし、邪魔になるから。
あとはロイに任せなさい」
「…承知しました」
悔しそうに将軍は閣下に敬礼して早速と去る。
「閣下、言い過ぎですよ」
「事実だろう?」
「どうなのでしょうか。
私は見ておりませんので」
「それを理解したから戻って来てくれたのだろうが、そういうことにしておくよ」
「閣下まで来なくても」
「あの調子ならロイに八つ当たりするだろうからな」
「毒牙を抜かれてましたけど。
まったく、何を言ったのですか」
「事実だが?」
「それがストレート過ぎて恐ろしいのですよ」
閣下と言い合いながらもロイは現場検証をしている。