第31話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
軍の病院に運び込まれ、速急に検査と治療が行われた。
「…ロイは?」
「かなり衰弱してるみたいで。
防寒具もないまま、雪道を歩いて来たらしくて。
生きてるのが奇跡だと。
意識も戻らなくて医師から面会禁止されてます。
閣下、そちらは?」
「将軍達や協力者、脅されて協力していた部下も多数だ。
ロイが拒否していた食事や飲み物にまで毒物が仕込まれていた」
「ここまでされるなんて!」
「音声には気絶するまで暴力されていたと報告があった」
「…アイツに何かあったら俺は閣下を許しません」
「ヒューズ中佐!」
「構わんよ。
リーゼル大佐にもロイの副官、部下達にも言われた」
会えずとも病室の前にいて助けられなかったことを悔やんでいた。
「皆さん、揃って何日も居られては迷惑なんですよ。
まったく、閣下まで」
「…すまんな」
「マスタング将軍は幸せですね。
早く目が覚めるといいのですが」
『熱はどうですか?』
「まだ高いですね」
「仕方ない。
別室で現在の状態を話しますよ」
担当医が折れて家族ではないが、話してくれた。
「やはり、酷いのか?」
「暴力の痣はかなり酷いです。
1日に何時間も暴力されていたのは間違いないでしょう。
何日も飲まず食わずでそれで雪山を降りて来たのですから奇跡ですよ。
気力だけで耐えて来たのでしょう。
運ばれた直後には脱水症状に意識障害、栄養失調もありました。
身体の治療をしていますが、目を覚まさないことには…」
どれだけ過酷だったのか物語っているだろう。
夢の中なのか、どこをさ迷っているのかさえも分からない。
暗闇が怖くてただ歩き続けても出口が見えない。
“ロイ、こっちに来てはいけないよ”
声が聞こえて立ち止まって目を凝らして見る。
“貴方を待っている人達がいるのだから。
頑張りなさい。
成長したロイを見れてよかった”
“ロイ、生きなさい。
いつまでも見守っているよ”
うっすらと見えた姿にロイは目を見開いた。
「父さん…?
母さん…?」
あれだけ言えなかったのに言葉に出て両親は嬉しそうに微笑んで頷き、指を差した。
向こうから光が見えてロイは敬礼して歩き出す。
“ロイさん!”
“マスタング将軍!”
“ロイ!”
セルシアや中尉達が呼ぶ声が聞こえて意識が遠退いた。
「先生っ!
マスタング将軍の意識が戻りました!」
看護師が呼びに来て主治医がロイの病室に駆けつける。
「マスタング将軍、ここがどこか分かりますか?」
「私に触るな!」
「大丈夫です。
ここは軍の病院で私は主治医です」
「軍の、病院?
私は生きてるのか?」
「はい。
よく御無事で」
「セルシアは?」
「居ますよ。
面会禁止にしてましたが、少しなら大丈夫でしょう」
『ロイさん…っ』
「すまない、心配かけて。
会いたかった」
『私も会いたかったです。
生きて帰ると信じてました』
セルシアに抱きつかれてロイは微かに顔を歪める。
「セルシア、すまん。
痛い…」
『ごめんなさい!』
慌てて離れるセルシアにロイは苦笑い。
中尉が離れて立っていてロイの視線に気づいたヒューズが連れて来る。
「ほら、リザちゃん」
「……っ…」
「ただいま、中尉。
待たせて悪かった」
「待つのは…慣れてますから。
全然、平気です!」
((どんな意地っ張りなんだ))
「…そうか。
中尉、おいで」
「何を…っ」
「眠れなかったのだろう?
すまなかった」
「マスタング将軍…」
頬を撫でられて中尉は耐えられずに涙が零れ落ちた。
「お前さんも悪運だな。
無事でよかった」
「ヒューズ…」
「マスタング将軍、よく無事で」
「よかったです!」
「すまなかった」
「…ロイ」
「閣下!?」
「起き上がらんでいい。
ちゃんと療養しなさい。
事件のことは任せておきなさい」
「ありがとうございます」
「すまなかった。
無事に生きて帰ってくれてありがとう」
「…はい」
閣下に頭を撫でられてロイは小さく頷く。
あまり長居するのは身体に負担掛かるだろうと帰って行き、衰弱している身体が負担にならない程度に検査された。
「また明日にしましょう。
何かあれば、お知らせください」
「分かりました。
病室前の軍人達は?」
「特別措置として閣下が護衛隊の一部のメンバーにマスタング将軍を護衛するようにと命じたようですね」
「はぁ?」
「事件が事件なのでマスタング将軍の安全を兼ねての特別措置だと。
マスタング将軍だからかと思いますが」
「…拉致されてしまったのだから否定は出来ないな」
苦笑いした主治医の説明にロイはため息をつく。
「…ロイは?」
「かなり衰弱してるみたいで。
防寒具もないまま、雪道を歩いて来たらしくて。
生きてるのが奇跡だと。
意識も戻らなくて医師から面会禁止されてます。
閣下、そちらは?」
「将軍達や協力者、脅されて協力していた部下も多数だ。
ロイが拒否していた食事や飲み物にまで毒物が仕込まれていた」
「ここまでされるなんて!」
「音声には気絶するまで暴力されていたと報告があった」
「…アイツに何かあったら俺は閣下を許しません」
「ヒューズ中佐!」
「構わんよ。
リーゼル大佐にもロイの副官、部下達にも言われた」
会えずとも病室の前にいて助けられなかったことを悔やんでいた。
「皆さん、揃って何日も居られては迷惑なんですよ。
まったく、閣下まで」
「…すまんな」
「マスタング将軍は幸せですね。
早く目が覚めるといいのですが」
『熱はどうですか?』
「まだ高いですね」
「仕方ない。
別室で現在の状態を話しますよ」
担当医が折れて家族ではないが、話してくれた。
「やはり、酷いのか?」
「暴力の痣はかなり酷いです。
1日に何時間も暴力されていたのは間違いないでしょう。
何日も飲まず食わずでそれで雪山を降りて来たのですから奇跡ですよ。
気力だけで耐えて来たのでしょう。
運ばれた直後には脱水症状に意識障害、栄養失調もありました。
身体の治療をしていますが、目を覚まさないことには…」
どれだけ過酷だったのか物語っているだろう。
夢の中なのか、どこをさ迷っているのかさえも分からない。
暗闇が怖くてただ歩き続けても出口が見えない。
“ロイ、こっちに来てはいけないよ”
声が聞こえて立ち止まって目を凝らして見る。
“貴方を待っている人達がいるのだから。
頑張りなさい。
成長したロイを見れてよかった”
“ロイ、生きなさい。
いつまでも見守っているよ”
うっすらと見えた姿にロイは目を見開いた。
「父さん…?
母さん…?」
あれだけ言えなかったのに言葉に出て両親は嬉しそうに微笑んで頷き、指を差した。
向こうから光が見えてロイは敬礼して歩き出す。
“ロイさん!”
“マスタング将軍!”
“ロイ!”
セルシアや中尉達が呼ぶ声が聞こえて意識が遠退いた。
「先生っ!
マスタング将軍の意識が戻りました!」
看護師が呼びに来て主治医がロイの病室に駆けつける。
「マスタング将軍、ここがどこか分かりますか?」
「私に触るな!」
「大丈夫です。
ここは軍の病院で私は主治医です」
「軍の、病院?
私は生きてるのか?」
「はい。
よく御無事で」
「セルシアは?」
「居ますよ。
面会禁止にしてましたが、少しなら大丈夫でしょう」
『ロイさん…っ』
「すまない、心配かけて。
会いたかった」
『私も会いたかったです。
生きて帰ると信じてました』
セルシアに抱きつかれてロイは微かに顔を歪める。
「セルシア、すまん。
痛い…」
『ごめんなさい!』
慌てて離れるセルシアにロイは苦笑い。
中尉が離れて立っていてロイの視線に気づいたヒューズが連れて来る。
「ほら、リザちゃん」
「……っ…」
「ただいま、中尉。
待たせて悪かった」
「待つのは…慣れてますから。
全然、平気です!」
((どんな意地っ張りなんだ))
「…そうか。
中尉、おいで」
「何を…っ」
「眠れなかったのだろう?
すまなかった」
「マスタング将軍…」
頬を撫でられて中尉は耐えられずに涙が零れ落ちた。
「お前さんも悪運だな。
無事でよかった」
「ヒューズ…」
「マスタング将軍、よく無事で」
「よかったです!」
「すまなかった」
「…ロイ」
「閣下!?」
「起き上がらんでいい。
ちゃんと療養しなさい。
事件のことは任せておきなさい」
「ありがとうございます」
「すまなかった。
無事に生きて帰ってくれてありがとう」
「…はい」
閣下に頭を撫でられてロイは小さく頷く。
あまり長居するのは身体に負担掛かるだろうと帰って行き、衰弱している身体が負担にならない程度に検査された。
「また明日にしましょう。
何かあれば、お知らせください」
「分かりました。
病室前の軍人達は?」
「特別措置として閣下が護衛隊の一部のメンバーにマスタング将軍を護衛するようにと命じたようですね」
「はぁ?」
「事件が事件なのでマスタング将軍の安全を兼ねての特別措置だと。
マスタング将軍だからかと思いますが」
「…拉致されてしまったのだから否定は出来ないな」
苦笑いした主治医の説明にロイはため息をつく。