第31話
夢小説設定
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補佐官から渡されて閣下は受け取って頷く。
「そして、これは私から君に授与する」
「ベルトチェーン…、ですか?
この家紋って」
「貴族に戻るように言っている訳ではない。
君にはその価値がある。
今はなくなった貴族でも父の功績も努力も消えてはいない」
「ですが!」
「身に付けるのか、そうでないのも君の自由だ。
助けられなかったことも君に真実を伝えられなかったことを謝罪する。
ウィルは…、ウィルを始めとした戦士達は最期まで立派だった。
その息子としてではなく、これからも変わらずにいて欲しい。
君は君で何も変わる必要はない。
態度が変わる人が増えて辛い思いもしているのだろう」
「閣下…
はい、閣下に忠誠を」
辛い思いを理解した上で閣下は贈り物をしてくれた。
「…ロイ坊」
「私が来た理由は言わなくても分かるだろう?」
店のカウンターに両親の結婚指輪とウィルの腕時計を置いた。
「あぁ、そうだね」
「どうして教えてくれなかったんだ?」
「あれ以上、傷ついて欲しくなかったんだよ。
記憶も感情も表情もなくしていたから。
でも、話すべきだったね」
「…ありがとう。
謝らないでくれ、マダム。
責めに来たんじゃないんだ」
嬉しそうに笑ってロイはマダムに抱きついた。
「マダムって、マスタングさんの笑顔に弱いですよね」
「うるさいよ。
余計なことを言うんじゃない。
ロイ坊もなに笑ってるんだ」
「くくっ、すまない。
愛してるよ」
「…おまえねぇ~」
呆れたようにマダムはため息をつきながらも嬉しそうだ。
「貴族って私達には無縁ですね」
「勿体ない気もするけど」
「貴族を相手にするのも面倒ですからね」
近寄って来ても分かりやすく媚びないから心地良い。
2017.4.2
「そして、これは私から君に授与する」
「ベルトチェーン…、ですか?
この家紋って」
「貴族に戻るように言っている訳ではない。
君にはその価値がある。
今はなくなった貴族でも父の功績も努力も消えてはいない」
「ですが!」
「身に付けるのか、そうでないのも君の自由だ。
助けられなかったことも君に真実を伝えられなかったことを謝罪する。
ウィルは…、ウィルを始めとした戦士達は最期まで立派だった。
その息子としてではなく、これからも変わらずにいて欲しい。
君は君で何も変わる必要はない。
態度が変わる人が増えて辛い思いもしているのだろう」
「閣下…
はい、閣下に忠誠を」
辛い思いを理解した上で閣下は贈り物をしてくれた。
「…ロイ坊」
「私が来た理由は言わなくても分かるだろう?」
店のカウンターに両親の結婚指輪とウィルの腕時計を置いた。
「あぁ、そうだね」
「どうして教えてくれなかったんだ?」
「あれ以上、傷ついて欲しくなかったんだよ。
記憶も感情も表情もなくしていたから。
でも、話すべきだったね」
「…ありがとう。
謝らないでくれ、マダム。
責めに来たんじゃないんだ」
嬉しそうに笑ってロイはマダムに抱きついた。
「マダムって、マスタングさんの笑顔に弱いですよね」
「うるさいよ。
余計なことを言うんじゃない。
ロイ坊もなに笑ってるんだ」
「くくっ、すまない。
愛してるよ」
「…おまえねぇ~」
呆れたようにマダムはため息をつきながらも嬉しそうだ。
「貴族って私達には無縁ですね」
「勿体ない気もするけど」
「貴族を相手にするのも面倒ですからね」
近寄って来ても分かりやすく媚びないから心地良い。
2017.4.2