第31話
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静かに後ろから現れた穏やかな綺麗な女性が見えた。
「私は自分で言うのもなんだが、有名な研究者で錬金術師だ。
私の妻も有名な科学者だ」
「ウィルほどではありませんよ」
「私の名はウィル・マスタング。
妻の名はアイリス。
ロイ、たとえ遠くに離れて会えずとも愛してるよ。
君の幸せを願ってる」
「ロイ、愛してるわ。
貴方はきっと強い男性になっているわよね。
私、ピアノも得意なの。
その才能も受け継いでくれていたら最高ね!」
((…バッチリ受け継いでいらっしゃいますよ))
「じゃあな、ロイ」
「幸せになりなさい」
映像が真っ暗になる前に岩が崩れ、飛び散る血が見えた。
「あ…っ」
「ロイ、おまえさんは見るな」
ヒューズが顔を歪めてロイの目を手で覆ってそれ以上を見せないように閣下が電気を付けるように指示した。
(なんだ…?
この映像は…、両親か?)
走馬灯のように脳裏に映像が浮かび、ロイは頭を抑える。
以前のような激しい頭痛はなくて両親という確信の記憶も戻らない。
「……っ…」
「ロイ、大丈夫か?
体調悪いなら医務室に行きなさい」
「大丈夫です」
『マスタング将軍…』
「リーゼル大佐、ロイを頼む。
緊急時で入って来たけど」
「ここより先には行けませんし、私達は戻らなくてはなりませんから」
『分かった』
頷いてロイの手を握ると精神的なものだろうが、手がひんやり冷えてた。
宝箱の中にはロイに宛てた両親からの手紙と父の形見であろう当時は今よりも高価なブランドの宝石を加工した腕時計。
「これもマスタング将軍の両親の形見の結婚指輪か?」
「ちょっと待て。
なにか彫ってあるぞ」
「家紋?
いや、まさか…」
「見たことない家紋だが」
「そんなはずないです。
私の家は一般的な家庭のはずです」
「危険が及ばないようにそう育てたのだろう。
ウィル・マスタングは数々の功績から貴族の称号を授与された。
ロイ、君は本来なら貴族の子息だったんだ。
隠しておくのも限度が過ぎた。
ウィルと私は友人で赤ん坊の君とも会ったんだ」
「…閣下が私を特別扱いするのは私を通して父と名乗る者を見ていたのですか?」
「確かに君とウィルは似てる。
だが、それはキッカケに過ぎない。
そう言っても信じてもらえないかもしれないが。
確信もなくて気づいたのは最近なんだよ。
君とウィルは違う。
比べてる訳でもなければ、重ねて見てる訳ではない。
重ねて見える時はあるが。
ロイ・マスタングとしてきちんと見ているよ」
「私にはよく分かりません。
どれも信じられません」
「今は混乱しているだけだ。
やはり、君は医務室に…」
「大丈夫です。
混乱しているのは否定しませんが」
閣下がロイを特別扱いする理由が明白になった。
宝箱にはほかの鉱山事故に巻き込まれた研究者や科学者達の遺族に宛てた手紙や遺品が入っていた。
閣下とロイの関係よりもロイが元とは言っても貴族家系だということに驚愕してザワつく。
「ロイ、調査があるから今すぐは渡せないが…
これは君のだからちゃんと返す。
ほかの遺族にも返さなくてはならんからな」
「閣下…
この鉱山を調査に行かせたのは」
「偶然この鉱山の名が上がったのは事実だ。
鉱山事故から数年経ってるし。
すまない、遺体は発見は出来なかった」
「…大丈夫です。
どちらにしても骨だけになっているはずですし。
誰か分かりませんから」
「そうだとしても。
君にも、ほかの家族の元にも帰してあげたかった」
「お気持ちだけで。
ありがとうございます」
ロイは気丈に振る舞い、両親の記憶がほとんどないのも原因だ。
両親のことを考えても今回は激しい頭痛はなく、これを発見したら術が薄れるような仕掛けがあったのかもしれない。
「なんか予想外な展開ばかりで。
将軍、大丈夫ですか?」
「えっ?」
「貴族家系にも驚きましたけど」
「あ~…そうだな。
鉱山事故も含めて聞いてないし」
『将軍は品格あるし、貴族家系と聞いて納得ですよね』
「…そっちなのか。
私は何もその記憶ないんだが」
執務室に戻って来てから部下達は明るく振る舞ってくれてそれでも思考はグルグル回り、ロイはぼんやりしてしまう。
「私は自分で言うのもなんだが、有名な研究者で錬金術師だ。
私の妻も有名な科学者だ」
「ウィルほどではありませんよ」
「私の名はウィル・マスタング。
妻の名はアイリス。
ロイ、たとえ遠くに離れて会えずとも愛してるよ。
君の幸せを願ってる」
「ロイ、愛してるわ。
貴方はきっと強い男性になっているわよね。
私、ピアノも得意なの。
その才能も受け継いでくれていたら最高ね!」
((…バッチリ受け継いでいらっしゃいますよ))
「じゃあな、ロイ」
「幸せになりなさい」
映像が真っ暗になる前に岩が崩れ、飛び散る血が見えた。
「あ…っ」
「ロイ、おまえさんは見るな」
ヒューズが顔を歪めてロイの目を手で覆ってそれ以上を見せないように閣下が電気を付けるように指示した。
(なんだ…?
この映像は…、両親か?)
走馬灯のように脳裏に映像が浮かび、ロイは頭を抑える。
以前のような激しい頭痛はなくて両親という確信の記憶も戻らない。
「……っ…」
「ロイ、大丈夫か?
体調悪いなら医務室に行きなさい」
「大丈夫です」
『マスタング将軍…』
「リーゼル大佐、ロイを頼む。
緊急時で入って来たけど」
「ここより先には行けませんし、私達は戻らなくてはなりませんから」
『分かった』
頷いてロイの手を握ると精神的なものだろうが、手がひんやり冷えてた。
宝箱の中にはロイに宛てた両親からの手紙と父の形見であろう当時は今よりも高価なブランドの宝石を加工した腕時計。
「これもマスタング将軍の両親の形見の結婚指輪か?」
「ちょっと待て。
なにか彫ってあるぞ」
「家紋?
いや、まさか…」
「見たことない家紋だが」
「そんなはずないです。
私の家は一般的な家庭のはずです」
「危険が及ばないようにそう育てたのだろう。
ウィル・マスタングは数々の功績から貴族の称号を授与された。
ロイ、君は本来なら貴族の子息だったんだ。
隠しておくのも限度が過ぎた。
ウィルと私は友人で赤ん坊の君とも会ったんだ」
「…閣下が私を特別扱いするのは私を通して父と名乗る者を見ていたのですか?」
「確かに君とウィルは似てる。
だが、それはキッカケに過ぎない。
そう言っても信じてもらえないかもしれないが。
確信もなくて気づいたのは最近なんだよ。
君とウィルは違う。
比べてる訳でもなければ、重ねて見てる訳ではない。
重ねて見える時はあるが。
ロイ・マスタングとしてきちんと見ているよ」
「私にはよく分かりません。
どれも信じられません」
「今は混乱しているだけだ。
やはり、君は医務室に…」
「大丈夫です。
混乱しているのは否定しませんが」
閣下がロイを特別扱いする理由が明白になった。
宝箱にはほかの鉱山事故に巻き込まれた研究者や科学者達の遺族に宛てた手紙や遺品が入っていた。
閣下とロイの関係よりもロイが元とは言っても貴族家系だということに驚愕してザワつく。
「ロイ、調査があるから今すぐは渡せないが…
これは君のだからちゃんと返す。
ほかの遺族にも返さなくてはならんからな」
「閣下…
この鉱山を調査に行かせたのは」
「偶然この鉱山の名が上がったのは事実だ。
鉱山事故から数年経ってるし。
すまない、遺体は発見は出来なかった」
「…大丈夫です。
どちらにしても骨だけになっているはずですし。
誰か分かりませんから」
「そうだとしても。
君にも、ほかの家族の元にも帰してあげたかった」
「お気持ちだけで。
ありがとうございます」
ロイは気丈に振る舞い、両親の記憶がほとんどないのも原因だ。
両親のことを考えても今回は激しい頭痛はなく、これを発見したら術が薄れるような仕掛けがあったのかもしれない。
「なんか予想外な展開ばかりで。
将軍、大丈夫ですか?」
「えっ?」
「貴族家系にも驚きましたけど」
「あ~…そうだな。
鉱山事故も含めて聞いてないし」
『将軍は品格あるし、貴族家系と聞いて納得ですよね』
「…そっちなのか。
私は何もその記憶ないんだが」
執務室に戻って来てから部下達は明るく振る舞ってくれてそれでも思考はグルグル回り、ロイはぼんやりしてしまう。