第30話
夢小説設定
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閣下は苦笑いしてロイの頭を優しく撫でる。
「違う意味で大丈夫かい?」
「申し訳ありません」
「顔色もよくない。
今日は帰りなさい」
「ですが、期限もありますから。
閣下はお帰りください」
「この辺りですね、将軍の書類は。
筆跡も将軍達に似てますから」
「なにを…っ」
「君がまた押し付けられていると教えてくれたよ。
君は私を利用しないな」
(ヒューズだろうか)
補佐官は確認して押しつけられた書類を持って行く。
「これでよしっと」
「帰りなさい。
減っただろう?
必要なら命じて期限も延長させてやるから」
「…分かりました」
これには逆らうだけ無駄だろうと渋々ながら帰り支度をする。
「ロイ、大丈夫か?」
「…ヒューズ?」
「呼び出されたんだよ、閣下に。
ロイを送るように。
いいから乗って寝てろ。
必要なら病院に連れて行くように言われた」
「言ったのはおまえか」
「悪かったよ。
でも…」
「助かった。
ヒューズ、悪かったな」
「珍しく素直だな」
「私は素直だが?」
「…どこがだよ」
いつもの調子に戻ったなとヒューズは安堵する。
家に帰ると着替えてベットに入り、セルシアを抱き締めてやっと熟睡が出来た。
たっぷり眠れた訳ではないが、酷い頭痛もなくなってロイは頭もスッキリしていた。
『おはようございます。
少し消化にいいものを食べましょうか』
「…おはよう。
うん、ありがとう」
自然体でいつも受け入れてくれるセルシアに感謝だ。
「呼び出される理由は分かるか?」
「い、いえ…」
「何もしてないと?」
「はい」
「それでは、これは?
君達の筆跡の書類が何故、ロイの執務室にある?
ロイは私に言わずにいた。
以前もあったし、忙しくしていたから執務室に行ったら案の定だ。
おまえ達はそんな幼稚なことしか出来ないのか!」
閣下に書類を見せられた上で将軍達は一喝された。
「閣下、それくらいにしては?」
「だが…」
「この書類は明日が期限ですし、優秀な将軍殿なら間に合わせられるはずですから。
まさか将軍の地位がある方々が口先だけではないでしょうから」
「…そうだな」
((さすが北方司令部出身だわ))
補佐官の意地悪な笑みと作戦に従い、将軍達は青ざめる。
“マスタング将軍に手出しすると閣下から報復される”
中央司令部でそんな噂が流れ、ヒューズや中尉達は苦笑い。
「閣下、失礼します。
何かなさったのですか?
将軍達が私を見た途端に青ざめて走って行きましたが」
((…そうなるでしょうね))
補佐官2人は納得し、閣下と補佐官は笑うだけでロイが首を傾げる。
にっこりと笑う笑顔が余計に不気味だと思うが、ロイは気にしない。
「これは聞かない方がよろしいですね。
ありがとうございました。
では、失礼しま…っ」
「まだ少し顔色悪いな」
頬に触れられてロイは一瞬硬直してしまう。
「大丈夫です。
ご心配おかけしました。
失礼します」
敬礼してロイは閣下の執務室から出て行く。
「あの噂ってさ」
「溺愛と言うか、寵愛?」
「とぼけてるけどさぁ。
何して気に入られたんだろうな」
「国家錬金術師様は得だよ」
年下の階級の低い者達の陰口が聞こえて来た。
(…やれやれ。
面倒だし、遠回りするか。
陰口を言うくらいなら直接言えよ。
言える奴なら陰口など言わんか)
今更だと特に気にせずにロイは引き返してスタスタと歩く。
『マスタング将軍、お帰りなさい』
「お帰りなさい」
「ただいま。
ハボック、どうした?
鼻血か?」
「言い合ってる店主達を止めに入ったんです」
「そうしたら店主の肘がハボの顔面にヒットしました」
「医務室に行って来い」
「大丈夫ですよ。
少し休めば」
「止血しないんだろ?
傷がある場合あるから」
「…ハボック少尉」
「分かりましたよ。
行って来ます」
ティッシュを鼻に詰めてハボックは医務室に向かう。
「違う意味で大丈夫かい?」
「申し訳ありません」
「顔色もよくない。
今日は帰りなさい」
「ですが、期限もありますから。
閣下はお帰りください」
「この辺りですね、将軍の書類は。
筆跡も将軍達に似てますから」
「なにを…っ」
「君がまた押し付けられていると教えてくれたよ。
君は私を利用しないな」
(ヒューズだろうか)
補佐官は確認して押しつけられた書類を持って行く。
「これでよしっと」
「帰りなさい。
減っただろう?
必要なら命じて期限も延長させてやるから」
「…分かりました」
これには逆らうだけ無駄だろうと渋々ながら帰り支度をする。
「ロイ、大丈夫か?」
「…ヒューズ?」
「呼び出されたんだよ、閣下に。
ロイを送るように。
いいから乗って寝てろ。
必要なら病院に連れて行くように言われた」
「言ったのはおまえか」
「悪かったよ。
でも…」
「助かった。
ヒューズ、悪かったな」
「珍しく素直だな」
「私は素直だが?」
「…どこがだよ」
いつもの調子に戻ったなとヒューズは安堵する。
家に帰ると着替えてベットに入り、セルシアを抱き締めてやっと熟睡が出来た。
たっぷり眠れた訳ではないが、酷い頭痛もなくなってロイは頭もスッキリしていた。
『おはようございます。
少し消化にいいものを食べましょうか』
「…おはよう。
うん、ありがとう」
自然体でいつも受け入れてくれるセルシアに感謝だ。
「呼び出される理由は分かるか?」
「い、いえ…」
「何もしてないと?」
「はい」
「それでは、これは?
君達の筆跡の書類が何故、ロイの執務室にある?
ロイは私に言わずにいた。
以前もあったし、忙しくしていたから執務室に行ったら案の定だ。
おまえ達はそんな幼稚なことしか出来ないのか!」
閣下に書類を見せられた上で将軍達は一喝された。
「閣下、それくらいにしては?」
「だが…」
「この書類は明日が期限ですし、優秀な将軍殿なら間に合わせられるはずですから。
まさか将軍の地位がある方々が口先だけではないでしょうから」
「…そうだな」
((さすが北方司令部出身だわ))
補佐官の意地悪な笑みと作戦に従い、将軍達は青ざめる。
“マスタング将軍に手出しすると閣下から報復される”
中央司令部でそんな噂が流れ、ヒューズや中尉達は苦笑い。
「閣下、失礼します。
何かなさったのですか?
将軍達が私を見た途端に青ざめて走って行きましたが」
((…そうなるでしょうね))
補佐官2人は納得し、閣下と補佐官は笑うだけでロイが首を傾げる。
にっこりと笑う笑顔が余計に不気味だと思うが、ロイは気にしない。
「これは聞かない方がよろしいですね。
ありがとうございました。
では、失礼しま…っ」
「まだ少し顔色悪いな」
頬に触れられてロイは一瞬硬直してしまう。
「大丈夫です。
ご心配おかけしました。
失礼します」
敬礼してロイは閣下の執務室から出て行く。
「あの噂ってさ」
「溺愛と言うか、寵愛?」
「とぼけてるけどさぁ。
何して気に入られたんだろうな」
「国家錬金術師様は得だよ」
年下の階級の低い者達の陰口が聞こえて来た。
(…やれやれ。
面倒だし、遠回りするか。
陰口を言うくらいなら直接言えよ。
言える奴なら陰口など言わんか)
今更だと特に気にせずにロイは引き返してスタスタと歩く。
『マスタング将軍、お帰りなさい』
「お帰りなさい」
「ただいま。
ハボック、どうした?
鼻血か?」
「言い合ってる店主達を止めに入ったんです」
「そうしたら店主の肘がハボの顔面にヒットしました」
「医務室に行って来い」
「大丈夫ですよ。
少し休めば」
「止血しないんだろ?
傷がある場合あるから」
「…ハボック少尉」
「分かりましたよ。
行って来ます」
ティッシュを鼻に詰めてハボックは医務室に向かう。