第30話

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ウィンリィ達が話し合っていたようにロイとセルシアも話していて、その中には時より中尉やヒューズも第三者として参加していた。


戦争の残酷さ、ロイの間近の人間として分かるから。


「私とそうなると狙われる可能性も出て来る」
「…はい」
「多少なり護身術は覚えていても損はないかもな」
「スパナで殴るぞ」
「大人や犯罪者には効かない。
かと言って怪我させるのも嫌だな」
「心配性の溺愛かよ」
「習うにしても田舎だと…」
「それも含めて考えないとな」
「さあ、そうと決まればやることも多いな」
「「はい?」」


ピナコの行動はそこから更に速かった。


「ピナコ殿、これは…」
「権利書だ」
「それは見れば分かりますが」
「名義変更するから署名してくれ」
「譲って工房なら分かりますが、家の権利書まで」
「私はそこまで金を残せない。
実家を残す為には必要だ」


ロイはため息をつき、渋々ながら名義変更の書類にサインする。


「お義父さん、見て見て!」
「今行くから走るな。
迷子になるぞ」


翌日は休みを取っていたロイに連れられてウィンリィはクリスマスのイルミネーションを見に来た。


田舎にはない華やかなイルミネーションに瞳を輝かせる。


「…アル」
「なに?」
「俺だけかな、アイツがファザコンになりそうな予感するのは」


アルは答えられずにエドは呆れたようにため息をついた。


ピナコはイルミネーションに興味あるような年齢ではないと宿で留守番。


「あんなとこに屋台なんてあったか?」
「いつもはなかった気が…」
「そうなの?」
「クリスマスシーズンになるとこの辺りはイルミネーションで有名だから賑わうからな。
クリスマスシーズンから年末まで屋台を出店してるんだ」
「へぇ~」
「そういえば、クリスマスシーズンには居なかったもんな」
「クリスマス関連の雑貨やアクセサリー、食べ物はチキンとかチョコとかデザートも出店してるよ。
地方からの出店もあるし、軍のクリスマス市場よりも多いだろうな」
「クリスマスカードとかキャンドルも売ってますね」
「こっちにはクリスマスリースもあるよ」
「でっかいチキンだなぁ~」
(…こんなに綺麗に分かれるか?
やれやれ、こういうとこは子供なんだな)


ロイは遠巻きに見つめていて苦笑いしていた。


「ウィンリィちゃん、また来ていたんだね」
「こんにちは!
もう少しで帰るけどね」
「今日は将軍は一緒じゃないのかい?」
「…呼んだか?」
「やっぱり、一緒なんだね」


ロイと住んでいたこともあり、市場の人達にウィンリィは可愛がってもらっている。


「どうかしたのか?」
「いえ、話し掛けられていただけですよ」


ロイに優しく頭を撫でられてウィンリィは笑う。


セルシア同様にこの笑顔を失わないように守りたいとロイは思う。


(大切な人が増えてゆく。
不安がない訳ではないが、不思議と嫌ではない)


微かに笑みを浮かべるロイにウィンリィは嬉しそうに笑う。


エドからの視線にロイは微かに顔を歪める。


「…何だ?」
「いや、今までも私服を見てなかった訳じゃないけど。
軍服のイメージあるから変な感じがする」
「変って」
「兄さん、せめて違和感とか言いなよ」
「変に感じたから。
あんた、プライベートは地味だな」
「はぁ?」
「黒が多いし、ベラベラ喋らないから」
「…悪かったな」


年下にも言われるとは思わずにロイは苦笑い。


「エド! 失礼でしょ!?」
「すみません」
「構わんよ。
私の年齢で君みたいに派手な色を着ていたら変だろ。
将軍の地位もあるからな」
「派手な色を着たくないだけだろ。
ヒューズ中佐が言ってたし」
「君みたいに無駄に派手じゃないんだよ」
「誰が無駄に派手だ!」
「着ているものから行動も派手かと思うが?」
「行動は確かに自分でも…」
「何なら君が破壊したものを順番に言ってやろうか?」
「…全部覚えてんのかよ。
分かったよ、すみませんでした!」


黙って笑うロイにエドは不満顔で謝った。
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