第30話
夢小説設定
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将来、自分は何をしたいのかとウィンリィは少しずつ考えていた。
(ばっちゃんのようになりたいのも沢山の人を救いたい気持ちは今も変わらない。
でも、詳しい計画性はない。
私は何になりたいんだろう)
街で見た同世代の女の子は綺麗でしっかりしているように感じた。
まだ男社会が強いが、それでも都会では女医やウィンリィと同世代の女の子達が大学に行ってたりもする。
ロイと出会って一緒に暮らすようになり、ロイの知識や教わった本から視野が広くなったかもしれない。
「…ウィンリィ」
「なに?」
「家を留守にして街に行こう」
「どこに?」
「マスタング将軍と会う約束をしてる。
ウィンリィも来るだろう?」
「行く!
でも、お金が…」
「そこまで困ってないよ。
準備しようか」
「うん!」
(少しは大人に近づいたかと思ったけど、まだまだ子供だね)
瞳を輝かせて嬉しそうなウィンリィにピナコは苦笑い。
「お義父さん!」
「久しぶりだな、ウィンリィ」
「待たせてしまったかな」
「お久しぶりです、ピナコ殿。
お気になさらずに。
疲れておりませんか?」
「大丈夫だよ」
「…中尉」
「はい、あちらに待機しておりますから。
何かあればお呼びください」
「ありがとう」
喫茶店で待ち合わせをしてロイの斜め向かいに座る。
ウィンリィはピナコとロイを交互に見つめた。
「えっと…大人の話なら私も席を外した方がいい?」
「ウィンリィは鋼のとは違って気遣いが出来るな」
「気遣いが出来たらそれはエドではないよ」
「確かに遠慮がないのが鋼のですからね。
私も会話の内容までは聞いてない。
話がしたいと聞かされて」
「そうなんですか」
「ウィンリィに関係することだから居なさい」
「うん、分かった」
いつもと異なるピナコの様子を感じながらウィンリィは頷く。
「まずは孫が世話になったこと、お礼を言わせてくれ。
ありがとう。
急に頼みだったのに」
「私の意思です。
ピナコ殿に頼まれたから引き受けた訳ではないですよ」
「視野が広がって学ぶ姿勢が変わって資格まで取らせてもらった。
全部とは言わないが、マスタング将軍の影響は大きいはずだ」
「ピナコ殿…」
「黙っていたが、入院してたんだ。
たいしたことではなかったが」
「えっ!?」
「風邪が悪化してね。
年齢を高いことを実感したよ。
おまえを任せる相手はマスタング将軍しか浮かばなくてね。
村の大人でもよかったんだが、入院を知られたくなくて」
村の大人ならウィンリィに話してしまうだろうとロイは納得する。
今まで病気なんてしたことなかったからショックや葛藤もあったが、それを乗り越えると孫のウィンリィの将来の不安が大きくなった。
「娘のように可愛がってくれて、優しさだけではなくてちゃんと厳しさもあって。
私では教えてやれないこともあるから感謝してるよ」
「甘やかしていると鋼のには言われてましたが」
「アイツはガキだから誰にだって言うさ。
ウィンリィのこと、真剣に考えてくれてると思っていいのかい?」
「…はい」
「まだウィンリィは未成年だ。
知識が及ばない点もある。
長生きしたいが、私は年齢が高いのも事実だ。
ウィンリィの未成年後見人になってはくれないだろうか」
ピナコの言葉は予想外でロイは驚いて見つめる。
ウィンリィも驚いてピナコを凝視していた。
「ばっちゃん!?」
「…私は軍人です。
国家錬金術師ですし、戦争に行く可能性があります」
「それを理解した上でウィンリィを頼みたい」
「何で…?」
「ウィンリィを捨てるとかそういう訳じゃないよ。
一緒に暮らすのも関係性も何も変わらない」
「まさかと思いますが、ウィンリィには…」
「今初めて話した」
ロイは頭を抱えて呆れたようにため息をついた。
「それでは答えが出ませんよ。
私も考えては見ますが、まずはウィンリィがどうしたいか考えてからまた来てください。
ウィンリィ、ピナコ殿としっかり話し合いなさい」
「…はい」
「これだけは言っておく。
驚きはしたが、迷惑ではないよ」
「マスタングさん…」
伝票を手にロイは待機してた中尉を連れて出る。
(ばっちゃんのようになりたいのも沢山の人を救いたい気持ちは今も変わらない。
でも、詳しい計画性はない。
私は何になりたいんだろう)
街で見た同世代の女の子は綺麗でしっかりしているように感じた。
まだ男社会が強いが、それでも都会では女医やウィンリィと同世代の女の子達が大学に行ってたりもする。
ロイと出会って一緒に暮らすようになり、ロイの知識や教わった本から視野が広くなったかもしれない。
「…ウィンリィ」
「なに?」
「家を留守にして街に行こう」
「どこに?」
「マスタング将軍と会う約束をしてる。
ウィンリィも来るだろう?」
「行く!
でも、お金が…」
「そこまで困ってないよ。
準備しようか」
「うん!」
(少しは大人に近づいたかと思ったけど、まだまだ子供だね)
瞳を輝かせて嬉しそうなウィンリィにピナコは苦笑い。
「お義父さん!」
「久しぶりだな、ウィンリィ」
「待たせてしまったかな」
「お久しぶりです、ピナコ殿。
お気になさらずに。
疲れておりませんか?」
「大丈夫だよ」
「…中尉」
「はい、あちらに待機しておりますから。
何かあればお呼びください」
「ありがとう」
喫茶店で待ち合わせをしてロイの斜め向かいに座る。
ウィンリィはピナコとロイを交互に見つめた。
「えっと…大人の話なら私も席を外した方がいい?」
「ウィンリィは鋼のとは違って気遣いが出来るな」
「気遣いが出来たらそれはエドではないよ」
「確かに遠慮がないのが鋼のですからね。
私も会話の内容までは聞いてない。
話がしたいと聞かされて」
「そうなんですか」
「ウィンリィに関係することだから居なさい」
「うん、分かった」
いつもと異なるピナコの様子を感じながらウィンリィは頷く。
「まずは孫が世話になったこと、お礼を言わせてくれ。
ありがとう。
急に頼みだったのに」
「私の意思です。
ピナコ殿に頼まれたから引き受けた訳ではないですよ」
「視野が広がって学ぶ姿勢が変わって資格まで取らせてもらった。
全部とは言わないが、マスタング将軍の影響は大きいはずだ」
「ピナコ殿…」
「黙っていたが、入院してたんだ。
たいしたことではなかったが」
「えっ!?」
「風邪が悪化してね。
年齢を高いことを実感したよ。
おまえを任せる相手はマスタング将軍しか浮かばなくてね。
村の大人でもよかったんだが、入院を知られたくなくて」
村の大人ならウィンリィに話してしまうだろうとロイは納得する。
今まで病気なんてしたことなかったからショックや葛藤もあったが、それを乗り越えると孫のウィンリィの将来の不安が大きくなった。
「娘のように可愛がってくれて、優しさだけではなくてちゃんと厳しさもあって。
私では教えてやれないこともあるから感謝してるよ」
「甘やかしていると鋼のには言われてましたが」
「アイツはガキだから誰にだって言うさ。
ウィンリィのこと、真剣に考えてくれてると思っていいのかい?」
「…はい」
「まだウィンリィは未成年だ。
知識が及ばない点もある。
長生きしたいが、私は年齢が高いのも事実だ。
ウィンリィの未成年後見人になってはくれないだろうか」
ピナコの言葉は予想外でロイは驚いて見つめる。
ウィンリィも驚いてピナコを凝視していた。
「ばっちゃん!?」
「…私は軍人です。
国家錬金術師ですし、戦争に行く可能性があります」
「それを理解した上でウィンリィを頼みたい」
「何で…?」
「ウィンリィを捨てるとかそういう訳じゃないよ。
一緒に暮らすのも関係性も何も変わらない」
「まさかと思いますが、ウィンリィには…」
「今初めて話した」
ロイは頭を抱えて呆れたようにため息をついた。
「それでは答えが出ませんよ。
私も考えては見ますが、まずはウィンリィがどうしたいか考えてからまた来てください。
ウィンリィ、ピナコ殿としっかり話し合いなさい」
「…はい」
「これだけは言っておく。
驚きはしたが、迷惑ではないよ」
「マスタングさん…」
伝票を手にロイは待機してた中尉を連れて出る。