第28話
夢小説設定
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ロイは小さくため息をつき、軍では無理だなと立ち上がる。
(こっちのピアノの音色の方が好きなんだけどな。
まぁ、仕方ないか。
マダムの店に行って弾かせてもらおう)
残念そうな女性達に気づいてロイは苦笑い。
『もういいんですか?』
「ん~っ!
弾きたい気分だったんだけど。
邪魔されるし、仕方ないな。
ピアノを買うか?」
『私は構いませんよ』
「君、反対しないね」
『弾くのであれば。
ロイさんのピアノの音色、好きですから』
「…そうか」
微かに笑ってロイはセルシアの頭を撫でた。
「マスタング将軍、もう弾かないんですか?」
「聞きたかったのに」
「気分ではなくなったからね」
「私を邪魔者扱いするな。
君が仕事中に遊んでるから」
「自分の仕事が終わったので。
時間をどう使うのも将軍の許可が必要なのですか?」
「貴様、閣下のお気に入りだからと…」
胸ぐらを掴まれそうになり、ロイは後ろに下がって避けて将軍の空振りした腕を足で弾いた。
「言ったはずですよ、私が本気を出したら貴方では敵わないと。
今回は手加減はしていますが」
「貴様っ!」
「将軍!」
「マスタング将軍、許可する」
将軍の攻撃を軽々と避けると足蹴りを寸止めする。
「なっ!」
「これくらいにしておきます。
閣下、お騒がせしました」
「蹴りつけるくらいしてもよかったんだぞ」
「医務室で騒がれても迷惑でしょうから」
「将軍!」
ロイを背中から狙おうとする将軍に気づいて誰か声を上げる。
セルシアが将軍の前に足を出して転ばせる。
『諦めが悪いですね』
「貴様、私を誰だと!」
『格好悪い将軍。
男としても上官としても』
「大佐の分際で!」
『だから?
貴方に忠誠など誓ってません。
私が生涯、忠誠を誓うのはロイさんです。
ロイさんを悪く言うなら私の敵です!』
((…敵って))
ロイは止めずに微かに笑って見つめている。
「女の貴様が!」
「セルシア、許可する」
『言われなくても。
国家錬金術師だからって錬金術だけに頼ってる訳じゃありませんから』
将軍を蹴りつけようとして足を掴まれたが、ニヤリと笑ってセルシアが肘を突いてそのまま飛んで背中を蹴りつけて倒す。
「なっ!」
『女だからってバカにしない方が身の為ですよ?』
「覚えておけよ!」
「何をするつもりだね」
「か、閣下…」
頭に血が上って将軍は閣下の存在を忘れていたようだ。
「マスタング将軍、君には非がないとは言ってもやりすぎだ」
「申し訳あり…」
「面白いではないか」
「はっ?」
((そっちかよ!))
補佐官が呆れて頭を抱えていたのは言うまでもない。
「マスタング将軍もリーゼル大佐も居ると飽きなくて良いな」
「私もですか?」
「そうだろうな。
おまえさん、ストレス溜まると暴走するし。
考えすぎて解消にピアノ使うし。
八つ当たりだと激しい曲になるんだよな。
ちょっ、ストップ!
悪かったって」
ロイから足蹴りされそうになってヒューズは慌てて逃げる。
閣下は将軍には厳重注意をしてロイとセルシアには笑って済ませる。
「閣下、あまり目立つ特別扱いは控えて欲しいと…」
「報告書にするか?」
「それは嫌です」
「嫌って誰に向かって」
「面倒なんですよ」
「君も書類が苦手だったな」
「現場主義なんですよ」
「マスタング将軍!」
「…中尉」
「何を言われるか理解しているようで助かります」
「閣下、それでは失礼します」
「マスタング将軍。
話があるのですが?」
「また騒ぎを起こしました。
ちなみに体術もしました」
「なっ!
貴方は何をしているんですか!?」
「閣下には許可を貰った」
『私もしました』
「貴方達は何をしているんですか!」
「くくっ、リザちゃんは大変だ」
頭を抱える中尉にロイは理解した上で涼しい表情を浮かべ、ヒューズは苦笑い。
『中尉、頭痛いの?
大丈夫?』
「誰のせいで…
いえ、お気になさらずに」
天然のセルシアは理解しておらず、中尉は諦めたようにため息をつく。
「マスタング将軍、明日決行だ」
「えっ?
それはどちらを…」
「まずは功績だ」
「分かりました。
ありがとうございます」
閣下とロイの会話に周りは理解が出来ていない。
「あの者には手を出すな。
君が手を汚す必要などない。
制裁はされるだろう」
「ですが!」
「許せと言ってる訳でも庇っている訳でもない。
ときには耐えるのも必要だと君なら分かるだろう?」
「…分かりました」
唇を噛み締めて俯くロイに閣下は苦笑いして頭を撫でる。
(こっちのピアノの音色の方が好きなんだけどな。
まぁ、仕方ないか。
マダムの店に行って弾かせてもらおう)
残念そうな女性達に気づいてロイは苦笑い。
『もういいんですか?』
「ん~っ!
弾きたい気分だったんだけど。
邪魔されるし、仕方ないな。
ピアノを買うか?」
『私は構いませんよ』
「君、反対しないね」
『弾くのであれば。
ロイさんのピアノの音色、好きですから』
「…そうか」
微かに笑ってロイはセルシアの頭を撫でた。
「マスタング将軍、もう弾かないんですか?」
「聞きたかったのに」
「気分ではなくなったからね」
「私を邪魔者扱いするな。
君が仕事中に遊んでるから」
「自分の仕事が終わったので。
時間をどう使うのも将軍の許可が必要なのですか?」
「貴様、閣下のお気に入りだからと…」
胸ぐらを掴まれそうになり、ロイは後ろに下がって避けて将軍の空振りした腕を足で弾いた。
「言ったはずですよ、私が本気を出したら貴方では敵わないと。
今回は手加減はしていますが」
「貴様っ!」
「将軍!」
「マスタング将軍、許可する」
将軍の攻撃を軽々と避けると足蹴りを寸止めする。
「なっ!」
「これくらいにしておきます。
閣下、お騒がせしました」
「蹴りつけるくらいしてもよかったんだぞ」
「医務室で騒がれても迷惑でしょうから」
「将軍!」
ロイを背中から狙おうとする将軍に気づいて誰か声を上げる。
セルシアが将軍の前に足を出して転ばせる。
『諦めが悪いですね』
「貴様、私を誰だと!」
『格好悪い将軍。
男としても上官としても』
「大佐の分際で!」
『だから?
貴方に忠誠など誓ってません。
私が生涯、忠誠を誓うのはロイさんです。
ロイさんを悪く言うなら私の敵です!』
((…敵って))
ロイは止めずに微かに笑って見つめている。
「女の貴様が!」
「セルシア、許可する」
『言われなくても。
国家錬金術師だからって錬金術だけに頼ってる訳じゃありませんから』
将軍を蹴りつけようとして足を掴まれたが、ニヤリと笑ってセルシアが肘を突いてそのまま飛んで背中を蹴りつけて倒す。
「なっ!」
『女だからってバカにしない方が身の為ですよ?』
「覚えておけよ!」
「何をするつもりだね」
「か、閣下…」
頭に血が上って将軍は閣下の存在を忘れていたようだ。
「マスタング将軍、君には非がないとは言ってもやりすぎだ」
「申し訳あり…」
「面白いではないか」
「はっ?」
((そっちかよ!))
補佐官が呆れて頭を抱えていたのは言うまでもない。
「マスタング将軍もリーゼル大佐も居ると飽きなくて良いな」
「私もですか?」
「そうだろうな。
おまえさん、ストレス溜まると暴走するし。
考えすぎて解消にピアノ使うし。
八つ当たりだと激しい曲になるんだよな。
ちょっ、ストップ!
悪かったって」
ロイから足蹴りされそうになってヒューズは慌てて逃げる。
閣下は将軍には厳重注意をしてロイとセルシアには笑って済ませる。
「閣下、あまり目立つ特別扱いは控えて欲しいと…」
「報告書にするか?」
「それは嫌です」
「嫌って誰に向かって」
「面倒なんですよ」
「君も書類が苦手だったな」
「現場主義なんですよ」
「マスタング将軍!」
「…中尉」
「何を言われるか理解しているようで助かります」
「閣下、それでは失礼します」
「マスタング将軍。
話があるのですが?」
「また騒ぎを起こしました。
ちなみに体術もしました」
「なっ!
貴方は何をしているんですか!?」
「閣下には許可を貰った」
『私もしました』
「貴方達は何をしているんですか!」
「くくっ、リザちゃんは大変だ」
頭を抱える中尉にロイは理解した上で涼しい表情を浮かべ、ヒューズは苦笑い。
『中尉、頭痛いの?
大丈夫?』
「誰のせいで…
いえ、お気になさらずに」
天然のセルシアは理解しておらず、中尉は諦めたようにため息をつく。
「マスタング将軍、明日決行だ」
「えっ?
それはどちらを…」
「まずは功績だ」
「分かりました。
ありがとうございます」
閣下とロイの会話に周りは理解が出来ていない。
「あの者には手を出すな。
君が手を汚す必要などない。
制裁はされるだろう」
「ですが!」
「許せと言ってる訳でも庇っている訳でもない。
ときには耐えるのも必要だと君なら分かるだろう?」
「…分かりました」
唇を噛み締めて俯くロイに閣下は苦笑いして頭を撫でる。