第28話
夢小説設定
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爆破だけで壊してないからセルシアが風で煙を吹き飛ばして片付けは終了。
『執務室に戻りましょうか』
「そうだな」
執務室に戻って身体も冷えたので温かい飲み物で一息ついた。
『北方司令部や近辺はどうでした?』
「…過酷だったな。
少し離れた町に行ったが、殺風景で暮らしも生きるだけで大変なのだろうと分かるくらいだ」
『そう、ですか。
ウィンリィちゃん達の田舎はまだ良い方なんですね』
「苦労して復興させたのだろうな」
『貴方のせいではありません』
「えっ?」
『そういうのを見る度に自分を責めなくていいんですよ。
誰かに言われましたか?』
「…言われてない」
『それなら罪悪感に苦しむのではなくて今の貴方が出来る最善の方法で生きる楽しさを与えてあげましょう。
私もお手伝いしますから』
屈んでロイの手を両手で握るセルシアにロイは肩に頭を預けて目を閉じる。
中尉達は言葉を交わすこともなく、全員が執務室から出た。
「衣服も汚れていて料理も店なのに薄味で。
そんな生活をおまえのせいで…って、言われてるような気がして。
誰も責めてないのに!」
『ロイさん…』
「情けなくてすまない」
『弱い姿も情けないと思う姿も見せてください。
甘えて頼っていいですから。
それで幻滅したり、嫌ったりしませんよ』
ロイの涙を指で拭い、唇に優しくキスをする。
ソファで仮眠して起きるといつの間にか中尉達も戻っていた。
「すまない、眠ってた」
「構いませんよ」
「少し出て来る。
セルシア、来るか?」
『はい!』
「外出なら戻って来てくださいね」
「分かってるよ」
『大丈夫だよ』
ロイと共に執務室から出てクリスマス市場の準備中の司令部の広間に向かう。
「ヒューズ、忙しそうだな」
「見れば分かるだろ」
「ピアノ、触っても大丈夫か?」
「構わないぞ。
嫌がってたくせに」
「もう隠す必要ないからな」
「…そうですか。
好きにしろよ。
おまえなら別に構わないだろ」
閣下のお気に入りに文句は言えないだろうと思いながらもヒューズは叱られるから言わない。
『弾くんですか?』
「ん…、気分転換に」
嬉しそうに微笑んでセルシアは瞳を輝かせた。
広間にピアノの静かな音色が響き、徐々に激しさが増す。
(これは何かあったな。
ストレスと言うよりは考えが溜まっているって感じか)
ヒューズはロイの様子に何か感じながらもそれを言葉にはしない。
「また弾いてるのか」
「君は何故、弾き終わるまで待てないんだ」
「閣下!」
嫌味を言った将軍が結果的にピアノを止めてしまい、女性軍人や軍関係者の女性などから冷たい視線を浴びせられていた。
-END-
2017.3.22
『執務室に戻りましょうか』
「そうだな」
執務室に戻って身体も冷えたので温かい飲み物で一息ついた。
『北方司令部や近辺はどうでした?』
「…過酷だったな。
少し離れた町に行ったが、殺風景で暮らしも生きるだけで大変なのだろうと分かるくらいだ」
『そう、ですか。
ウィンリィちゃん達の田舎はまだ良い方なんですね』
「苦労して復興させたのだろうな」
『貴方のせいではありません』
「えっ?」
『そういうのを見る度に自分を責めなくていいんですよ。
誰かに言われましたか?』
「…言われてない」
『それなら罪悪感に苦しむのではなくて今の貴方が出来る最善の方法で生きる楽しさを与えてあげましょう。
私もお手伝いしますから』
屈んでロイの手を両手で握るセルシアにロイは肩に頭を預けて目を閉じる。
中尉達は言葉を交わすこともなく、全員が執務室から出た。
「衣服も汚れていて料理も店なのに薄味で。
そんな生活をおまえのせいで…って、言われてるような気がして。
誰も責めてないのに!」
『ロイさん…』
「情けなくてすまない」
『弱い姿も情けないと思う姿も見せてください。
甘えて頼っていいですから。
それで幻滅したり、嫌ったりしませんよ』
ロイの涙を指で拭い、唇に優しくキスをする。
ソファで仮眠して起きるといつの間にか中尉達も戻っていた。
「すまない、眠ってた」
「構いませんよ」
「少し出て来る。
セルシア、来るか?」
『はい!』
「外出なら戻って来てくださいね」
「分かってるよ」
『大丈夫だよ』
ロイと共に執務室から出てクリスマス市場の準備中の司令部の広間に向かう。
「ヒューズ、忙しそうだな」
「見れば分かるだろ」
「ピアノ、触っても大丈夫か?」
「構わないぞ。
嫌がってたくせに」
「もう隠す必要ないからな」
「…そうですか。
好きにしろよ。
おまえなら別に構わないだろ」
閣下のお気に入りに文句は言えないだろうと思いながらもヒューズは叱られるから言わない。
『弾くんですか?』
「ん…、気分転換に」
嬉しそうに微笑んでセルシアは瞳を輝かせた。
広間にピアノの静かな音色が響き、徐々に激しさが増す。
(これは何かあったな。
ストレスと言うよりは考えが溜まっているって感じか)
ヒューズはロイの様子に何か感じながらもそれを言葉にはしない。
「また弾いてるのか」
「君は何故、弾き終わるまで待てないんだ」
「閣下!」
嫌味を言った将軍が結果的にピアノを止めてしまい、女性軍人や軍関係者の女性などから冷たい視線を浴びせられていた。
-END-
2017.3.22