第28話
夢小説設定
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セルシアはロイの頭を撫でて額にキスする。
「なっ!」
驚いて顔を上げると唇にキスされてロイは一瞬止まり、微かに口元が緩んだ。
『んっ…ちょ…っ』
「煽った君が悪い」
『もう八つ当たりしないでくださいよ。
痛みやストレス溜まると激しくなるんだから!』
それでも抱き寄せて長いキスをしても抵抗はしない。
「執務室で盛るな!
おまえはガキか。
人に心配させやがって」
「ヒューズ、頭を叩くなよ」
「そうじゃないとおまえは止まらんだろ!」
((これを止められるとは…))
それでもヒューズも毎回止められる訳ではない。
「思いっきり叩いた」
「何気に落ち込むな。
マダムにされたことあるだろ」
「そんなことされたことない。
軽くはあるけど」
(あ~…そういや、意外にマダムは溺愛だったな)
不満そうなロイにヒューズは苦笑いして謝る。
痛みが増して結局は湿布を貼られることになった。
「失礼する。
マスタング将軍、いるかね?」
「閣っ…」
蹴られた横腹を机の角に打ってロイは声にならずに沈む。
「マスタング将軍!」
『大丈夫ですか!?』
「すっごい音しましたが」
「君、意外にやるよな。
補佐官の時もぶつかってたし」
「視力が低下してる時に…
閣下、何か御用で?」
「声が震えてるぞ」
「そこは突っ込まないでくださると助かります」
横腹を押さえながらロイは涙目になって立ち上がって向き合う。
閣下が笑いながらロイの頭を撫でるとロイは微かに顔を歪める。
「まだ期間はあるが、北方司令部に視察に向かう」
「…同行ですか?」
「嫌そうだな」
「同行ではなく、場所が」
「寒いのは苦手か?」
「それもありますが。
それ以上に北方司令官と相性が良くないみたいですから」
「マスタング将軍、喧嘩はしないでくださいね。
仕事は調整しておきます」
「私から言ったことはないのだが」
「それでも相手になさらないでください」
「…努力はする」
呆れたような中尉の視線にロイはにっこりと笑う。
「マスタング将軍、大丈夫かね」
「訓練並みですね。
冬の北方司令部は雪で予想以上に到着まで大変です。
この状態なら攻撃されても…」
「気がついたか?」
「随分と手荒い歓迎ですね。
まったく、北の司令官らしいですけど。
この雪では錬金術は弱いんですよ」
護衛よりも先にロイが銃撃で北方司令部の軍人達を倒す。
もちろん、武器の破壊や武器を弾くだけで無傷。
「相変わらずの歓迎だな」
「そういや、視察は今日か。
何でそいつがいるんだ?」
「お久しぶりです」
「わざわざ閣下が来なくても何も怪しいもんはない」
「それも含めてだからな」
「閣下、こちらを」
「ありがとう」
「…おまえはいつから閣下の補佐官みたいなことをしている?」
「みたいなというか、補佐官ですが?」
「何をして左遷された!?
何を監視されてるんだ!?」
エドと同じような勘違いをされてしまった。
北方司令部には情報が行ってないのかとロイは閣下を見る。
「すべての司令部に送った」
「では、見てないのでしょうか」
「マスタング将軍の任務について報告書が届いていましたが?」
「そんなものは見ていない」
「また見ないで捨ててたんですね」
補佐官が渡しても見ないことが多いようだ。
「それでは、マスタング将軍」
「はっ!
将軍の地位は変わらずに特例の新しい役職を与えられました。
閣下の特別補佐官の任命を頂き、同行しております」
「特別補佐官?
まったく似合わんな。
いつになったら副官を寄越すんだ。
貴様に使われるよりも良いだろう」
「いい加減に諦めてください」
「将軍、相手は特別補佐官の役職です」
「そんなものはどうでもいい。
強いか弱いか、その二つだ」
ロイの首元に軍刀が当たる前に閣下の抜いた剣に弾き飛ばされる。
「閣下!」
「私の補佐官に対する侮辱が過ぎるぞ。
これは軍法違反だ」
「お気に入りは健在か」
「閣下、申し訳ありません。
少し油断しておりました」
「気をつけなさい」
「以後、気をつけます。
今回は視察の箇所が多いので始めましょう。
早くしないと真っ暗になりますし、危険です」
「そうしようか」
「…頭に入っているのか?」
「前日に閣下から資料を頂いておりましたから」
「なるほど、補佐官にしたくなる訳だな」
自分の記憶力にあまり自覚のないロイは首を傾げた。
「なっ!」
驚いて顔を上げると唇にキスされてロイは一瞬止まり、微かに口元が緩んだ。
『んっ…ちょ…っ』
「煽った君が悪い」
『もう八つ当たりしないでくださいよ。
痛みやストレス溜まると激しくなるんだから!』
それでも抱き寄せて長いキスをしても抵抗はしない。
「執務室で盛るな!
おまえはガキか。
人に心配させやがって」
「ヒューズ、頭を叩くなよ」
「そうじゃないとおまえは止まらんだろ!」
((これを止められるとは…))
それでもヒューズも毎回止められる訳ではない。
「思いっきり叩いた」
「何気に落ち込むな。
マダムにされたことあるだろ」
「そんなことされたことない。
軽くはあるけど」
(あ~…そういや、意外にマダムは溺愛だったな)
不満そうなロイにヒューズは苦笑いして謝る。
痛みが増して結局は湿布を貼られることになった。
「失礼する。
マスタング将軍、いるかね?」
「閣っ…」
蹴られた横腹を机の角に打ってロイは声にならずに沈む。
「マスタング将軍!」
『大丈夫ですか!?』
「すっごい音しましたが」
「君、意外にやるよな。
補佐官の時もぶつかってたし」
「視力が低下してる時に…
閣下、何か御用で?」
「声が震えてるぞ」
「そこは突っ込まないでくださると助かります」
横腹を押さえながらロイは涙目になって立ち上がって向き合う。
閣下が笑いながらロイの頭を撫でるとロイは微かに顔を歪める。
「まだ期間はあるが、北方司令部に視察に向かう」
「…同行ですか?」
「嫌そうだな」
「同行ではなく、場所が」
「寒いのは苦手か?」
「それもありますが。
それ以上に北方司令官と相性が良くないみたいですから」
「マスタング将軍、喧嘩はしないでくださいね。
仕事は調整しておきます」
「私から言ったことはないのだが」
「それでも相手になさらないでください」
「…努力はする」
呆れたような中尉の視線にロイはにっこりと笑う。
「マスタング将軍、大丈夫かね」
「訓練並みですね。
冬の北方司令部は雪で予想以上に到着まで大変です。
この状態なら攻撃されても…」
「気がついたか?」
「随分と手荒い歓迎ですね。
まったく、北の司令官らしいですけど。
この雪では錬金術は弱いんですよ」
護衛よりも先にロイが銃撃で北方司令部の軍人達を倒す。
もちろん、武器の破壊や武器を弾くだけで無傷。
「相変わらずの歓迎だな」
「そういや、視察は今日か。
何でそいつがいるんだ?」
「お久しぶりです」
「わざわざ閣下が来なくても何も怪しいもんはない」
「それも含めてだからな」
「閣下、こちらを」
「ありがとう」
「…おまえはいつから閣下の補佐官みたいなことをしている?」
「みたいなというか、補佐官ですが?」
「何をして左遷された!?
何を監視されてるんだ!?」
エドと同じような勘違いをされてしまった。
北方司令部には情報が行ってないのかとロイは閣下を見る。
「すべての司令部に送った」
「では、見てないのでしょうか」
「マスタング将軍の任務について報告書が届いていましたが?」
「そんなものは見ていない」
「また見ないで捨ててたんですね」
補佐官が渡しても見ないことが多いようだ。
「それでは、マスタング将軍」
「はっ!
将軍の地位は変わらずに特例の新しい役職を与えられました。
閣下の特別補佐官の任命を頂き、同行しております」
「特別補佐官?
まったく似合わんな。
いつになったら副官を寄越すんだ。
貴様に使われるよりも良いだろう」
「いい加減に諦めてください」
「将軍、相手は特別補佐官の役職です」
「そんなものはどうでもいい。
強いか弱いか、その二つだ」
ロイの首元に軍刀が当たる前に閣下の抜いた剣に弾き飛ばされる。
「閣下!」
「私の補佐官に対する侮辱が過ぎるぞ。
これは軍法違反だ」
「お気に入りは健在か」
「閣下、申し訳ありません。
少し油断しておりました」
「気をつけなさい」
「以後、気をつけます。
今回は視察の箇所が多いので始めましょう。
早くしないと真っ暗になりますし、危険です」
「そうしようか」
「…頭に入っているのか?」
「前日に閣下から資料を頂いておりましたから」
「なるほど、補佐官にしたくなる訳だな」
自分の記憶力にあまり自覚のないロイは首を傾げた。