第28話
夢小説設定
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ロイは黙って飲み物を口にして苦笑いを浮かべる。
「知ってもいいことないぞ」
「それでも知らないよりはいいです!」
「まったく、誰に似たんだか」
「それはおまえさんだろ」
「…セルシア。
私は外に出ているから」
『分かりました』
「あとは頼む。
嫌なことを任せて悪いな」
『お気になさらずに。
貴方に頼られるのは嬉しいですし、事情が事情です。
自分では話しづらいでしょう?』
頷いてロイはセルシアの肩を軽く叩いて執務室から出た。
(油断したな。
このバッチの効果も微力か。
最初から守ってもらうつもりなどないけど。
また心配かけてしまうな)
耐えながらも腕でガードしながら噛み締める。
「かはっ!」
「やっとそれらしい声を出したな、マスタング将軍。
不気味な奴を何故か閣下は気に入っているみたいだし」
「顔はやめろよ。
バレたら面倒だからな」
「ぐっ…はぁ…っ」
「骨折なんてヘマはしないさ」
(根性が腐ってるな)
上官相手に複数では手を出せないと理解しながらも周りも見て見ぬフリ。
「何をしている。
君達はどれだけ私を幻滅させたら気が済むのだろうな」
「「閣下!」」
「言ったはずだ、手を出すなと」
「これは…」
「君達も同罪だ。
戦力の国家錬金術師がやられていても上官だからと助けないのか!」
「ゲホッ…ゲホッ…」
「閣下、それくらいに」
お腹を抑えて立てずに咳き込むロイに補佐官が背中をさする。
風の音がして将軍達が一斉に吹き飛ばされて行く。
『言ったはずですよ、私はロイさんに手を出したら許さないと。
将軍だろうが関係ありませんよ』
「リーゼル大佐、落ち着いてください」
「マスタング将軍、ご無事ですか!
命令があるなら撃ちますが」
「中尉も落ち着いて!」
「セルシア、中尉、落ち着きなさい。
私は大丈夫だから。
君達が手を汚す必要はない。
私には私のやり方がある。
暴力を暴力で片付けても何も解決にはならんよ。
私は国家錬金術師です。
体術でも銃撃でも本気を出さずとも将軍方には勝てます」
「貴様っ!
バカにするのか!」
将軍達が怒っても冷ややかにロイは見つめる。
「それが事実ですよ。
私が抵抗せずに殴られて蹴られた意味を理解して頂きたい。
まぁ、さすがに手加減はしていなかったのでガードはしておりましたが。
暴力に墜ちた貴方達とは違います。
一緒にされるのは不愉快です。
貴方達が危機の時に助けに来る仲間はいるのですか?」
「そんなものはいらん!」
「計算間違いだとそのうち分かりますよ。
絶対など世の中にありえない。
権力の塊もある軍なら尚更です。
私の危機にはちゃんと助けに、守ってくれようとする部下達がいます。
それは時に弱味にはなるでしょう。
しかし、それこそが私の強みです。
貴方達にはない強さです」
中尉達は微かに笑みを浮かべてロイに敬礼する。
ロイも微かに笑って閣下に向き合って敬礼した。
「申し訳ありません。
お騒がせ致しました」
「…構わんよ。
これ以上は追跡はしない。
おまえ達が私の特別補佐官に手を出さなければな。
マスタング将軍、行きなさい」
「承知しました」
あとは閣下に任せてロイは去って行った。
「ロイ、仲間には俺は入ってるのか?」
「…さぁな」
「酷くないか?」
「おまえ次第だろ。
抜けるのも入るのも」
「はっ?」
「私と居れば危険がある。
愛する妻と娘がいるのだから。
必要以上は踏み入らない方がいい」
「それは俺の戦闘能力が足らないと言いたいのか?
確かにおまえさんみたいなデタラメ人間じゃないけどよ」
「…そうじゃない。
おまえを失えば、壊れるよ」
「えっ?」
「私を止められるのはおまえくらいだろうな。
おまえがいなかったら暴走してた」
「止めたつもりないんだが」
「そうだろうな」
「主語がなくておまえさんとの会話は理解が大変だ」
呆れながらもヒューズは笑って済ませた。
「あ~っ…地味に痛い。
本気で蹴りつけて来たからな」
「湿布、用意しましょうか?」
「臭いから嫌だ」
「なに子供みたいなことを。
痛むのでしょう?」
執務室に戻って横腹を押さえながらロイは椅子に座り、小さく唸る。
「知ってもいいことないぞ」
「それでも知らないよりはいいです!」
「まったく、誰に似たんだか」
「それはおまえさんだろ」
「…セルシア。
私は外に出ているから」
『分かりました』
「あとは頼む。
嫌なことを任せて悪いな」
『お気になさらずに。
貴方に頼られるのは嬉しいですし、事情が事情です。
自分では話しづらいでしょう?』
頷いてロイはセルシアの肩を軽く叩いて執務室から出た。
(油断したな。
このバッチの効果も微力か。
最初から守ってもらうつもりなどないけど。
また心配かけてしまうな)
耐えながらも腕でガードしながら噛み締める。
「かはっ!」
「やっとそれらしい声を出したな、マスタング将軍。
不気味な奴を何故か閣下は気に入っているみたいだし」
「顔はやめろよ。
バレたら面倒だからな」
「ぐっ…はぁ…っ」
「骨折なんてヘマはしないさ」
(根性が腐ってるな)
上官相手に複数では手を出せないと理解しながらも周りも見て見ぬフリ。
「何をしている。
君達はどれだけ私を幻滅させたら気が済むのだろうな」
「「閣下!」」
「言ったはずだ、手を出すなと」
「これは…」
「君達も同罪だ。
戦力の国家錬金術師がやられていても上官だからと助けないのか!」
「ゲホッ…ゲホッ…」
「閣下、それくらいに」
お腹を抑えて立てずに咳き込むロイに補佐官が背中をさする。
風の音がして将軍達が一斉に吹き飛ばされて行く。
『言ったはずですよ、私はロイさんに手を出したら許さないと。
将軍だろうが関係ありませんよ』
「リーゼル大佐、落ち着いてください」
「マスタング将軍、ご無事ですか!
命令があるなら撃ちますが」
「中尉も落ち着いて!」
「セルシア、中尉、落ち着きなさい。
私は大丈夫だから。
君達が手を汚す必要はない。
私には私のやり方がある。
暴力を暴力で片付けても何も解決にはならんよ。
私は国家錬金術師です。
体術でも銃撃でも本気を出さずとも将軍方には勝てます」
「貴様っ!
バカにするのか!」
将軍達が怒っても冷ややかにロイは見つめる。
「それが事実ですよ。
私が抵抗せずに殴られて蹴られた意味を理解して頂きたい。
まぁ、さすがに手加減はしていなかったのでガードはしておりましたが。
暴力に墜ちた貴方達とは違います。
一緒にされるのは不愉快です。
貴方達が危機の時に助けに来る仲間はいるのですか?」
「そんなものはいらん!」
「計算間違いだとそのうち分かりますよ。
絶対など世の中にありえない。
権力の塊もある軍なら尚更です。
私の危機にはちゃんと助けに、守ってくれようとする部下達がいます。
それは時に弱味にはなるでしょう。
しかし、それこそが私の強みです。
貴方達にはない強さです」
中尉達は微かに笑みを浮かべてロイに敬礼する。
ロイも微かに笑って閣下に向き合って敬礼した。
「申し訳ありません。
お騒がせ致しました」
「…構わんよ。
これ以上は追跡はしない。
おまえ達が私の特別補佐官に手を出さなければな。
マスタング将軍、行きなさい」
「承知しました」
あとは閣下に任せてロイは去って行った。
「ロイ、仲間には俺は入ってるのか?」
「…さぁな」
「酷くないか?」
「おまえ次第だろ。
抜けるのも入るのも」
「はっ?」
「私と居れば危険がある。
愛する妻と娘がいるのだから。
必要以上は踏み入らない方がいい」
「それは俺の戦闘能力が足らないと言いたいのか?
確かにおまえさんみたいなデタラメ人間じゃないけどよ」
「…そうじゃない。
おまえを失えば、壊れるよ」
「えっ?」
「私を止められるのはおまえくらいだろうな。
おまえがいなかったら暴走してた」
「止めたつもりないんだが」
「そうだろうな」
「主語がなくておまえさんとの会話は理解が大変だ」
呆れながらもヒューズは笑って済ませた。
「あ~っ…地味に痛い。
本気で蹴りつけて来たからな」
「湿布、用意しましょうか?」
「臭いから嫌だ」
「なに子供みたいなことを。
痛むのでしょう?」
執務室に戻って横腹を押さえながらロイは椅子に座り、小さく唸る。