第27話
夢小説設定
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いろんな意味で疲れ、結局はみんなの前でピアノを弾かされる。
(前に新聞にも載ったから今更、隠すことでもないんだけど。
まぁ、昔から嫌いではないし。
この曲は昔から好きだった。
マダムが喜んでくれたし、唯一の残っている小さい頃の記憶。
マダムに引き取られる前の記憶。
両親が好きだった曲かもしれない。
顔も声も分からない両親の唯一の記憶なのだろうか?
私が弾いたら貴方達に聞こえますか?
貴方達の顔さえ分からないのにこんなこと願うなんて不思議ですね)
切なくも優しい音色で微かにロイは笑みを浮かべた。
弾き終わると静まり返っていて視線にロイは不思議に思う。
「ヒューズ、音はズレてない。
私も素人だから確信は持てないが。
ここの音が少し弱いな。
調整してもらった方が…
どうかしたか?」
「あっ、いや。
相変わらず凄いなと。
からかってないぞ。
俺には無縁だし、感心する。
クラシックとか眠たくなるけど、ロイのピアノの音だけは違うんだよな。
本当に普段と雰囲気も変わるし」
「褒め言葉として捉えるよ。
音とか雰囲気を言われても自分では分からんな」
『素敵でした!』
「はい、とっても!」
セルシアの言葉に珍しく中尉も力強く頷いて同意する。
ロイのピアノの音色は優しさと力強さと繊細が伝わって来る。
弾いている時のロイは本人に自覚はないようだが、穏やかで男性なのに美しさがあって魅了されてしまう。
「君の音色は不思議な魅力があるようだな」
「…閣下。
ありがとうございます。
帰りが遅いと奥様が心配しますよ。
セリムお坊っちゃまも待っていらっしゃるのでしょう?」
「そうだな。
君が送ってくれるのだろう?」
「護衛もつけずに閣下を1人で帰せませんよ。
中尉とセルシアも同行しますが」
「構わんよ」
ロイが運転して閣下を屋敷まで送り届ける。
「マスタング将軍、主人が我儘を言って申し訳ありません」
「お気になさらず。
次したら書類の仕事を増やすだけですから」
「マスタング将軍…」
「今回は大目に見ますよ、閣下。
次は本当にやりますから」
「君だと本当にやるからな」
「あらあら。
マスタング将軍は主人の扱いが上手ですこと」
「奥様の前で失礼致しました」
「構いませんよ。
主人の我儘を聞いて振り回されていたらキリがないですから」
「ありがとうございます。
では、失礼します」
敬礼して運転を中尉と交代してロイは後ろの席に乗り込んだ。
足を組んで目を閉じて眠っているロイにセルシアはブランケットを掛けた。
『おやすみなさい、ロイさん。
お疲れですよね』
中尉は横目で確認して出来る限り、揺らさないように運転する。
「んっ、ぅ…」
『起きました?
そろそろ着きますよ』
「あ~…寝てた?」
『眠ってましたよ』
「こんな調子で大丈夫かな。
疲れが全然取れないし」
『気を張っているでしょうから。
帰ったらマッサージをしてあげますよ。
少しは疲れが取れます』
「嬉しいけど、君も疲れてるんじゃないか?」
『大丈夫ですよ。
ロイさんに比べたら全然ですし、私はまだ慣れてる仕事でしたから。
ロイさんと中尉が留守の時にはしていることですし。
甘えてください』
「ん…、そうする。
ありがとう」
嬉しそうに笑ってセルシアはロイの手を握る。
「お帰りなさい!
マスタングさん、大丈夫ですか?」
「ただいま。
事件が多数発生するのも疲れるけど、閣下の補佐官は地味に疲れる」
『…何の感想なんですか』
「明日もやること沢山あるなと。
これをずっとしてるんだよなぁ~。
中尉もだけど、副官や補佐官の苦労がやっと本当の意味で少しだけ分かった気がする」
『ロイさんは士官学校でも特別クラスで国家錬金術師で左官からですし』
セルシアは士官学校にも行ってないので尚更だろう。
(前に新聞にも載ったから今更、隠すことでもないんだけど。
まぁ、昔から嫌いではないし。
この曲は昔から好きだった。
マダムが喜んでくれたし、唯一の残っている小さい頃の記憶。
マダムに引き取られる前の記憶。
両親が好きだった曲かもしれない。
顔も声も分からない両親の唯一の記憶なのだろうか?
私が弾いたら貴方達に聞こえますか?
貴方達の顔さえ分からないのにこんなこと願うなんて不思議ですね)
切なくも優しい音色で微かにロイは笑みを浮かべた。
弾き終わると静まり返っていて視線にロイは不思議に思う。
「ヒューズ、音はズレてない。
私も素人だから確信は持てないが。
ここの音が少し弱いな。
調整してもらった方が…
どうかしたか?」
「あっ、いや。
相変わらず凄いなと。
からかってないぞ。
俺には無縁だし、感心する。
クラシックとか眠たくなるけど、ロイのピアノの音だけは違うんだよな。
本当に普段と雰囲気も変わるし」
「褒め言葉として捉えるよ。
音とか雰囲気を言われても自分では分からんな」
『素敵でした!』
「はい、とっても!」
セルシアの言葉に珍しく中尉も力強く頷いて同意する。
ロイのピアノの音色は優しさと力強さと繊細が伝わって来る。
弾いている時のロイは本人に自覚はないようだが、穏やかで男性なのに美しさがあって魅了されてしまう。
「君の音色は不思議な魅力があるようだな」
「…閣下。
ありがとうございます。
帰りが遅いと奥様が心配しますよ。
セリムお坊っちゃまも待っていらっしゃるのでしょう?」
「そうだな。
君が送ってくれるのだろう?」
「護衛もつけずに閣下を1人で帰せませんよ。
中尉とセルシアも同行しますが」
「構わんよ」
ロイが運転して閣下を屋敷まで送り届ける。
「マスタング将軍、主人が我儘を言って申し訳ありません」
「お気になさらず。
次したら書類の仕事を増やすだけですから」
「マスタング将軍…」
「今回は大目に見ますよ、閣下。
次は本当にやりますから」
「君だと本当にやるからな」
「あらあら。
マスタング将軍は主人の扱いが上手ですこと」
「奥様の前で失礼致しました」
「構いませんよ。
主人の我儘を聞いて振り回されていたらキリがないですから」
「ありがとうございます。
では、失礼します」
敬礼して運転を中尉と交代してロイは後ろの席に乗り込んだ。
足を組んで目を閉じて眠っているロイにセルシアはブランケットを掛けた。
『おやすみなさい、ロイさん。
お疲れですよね』
中尉は横目で確認して出来る限り、揺らさないように運転する。
「んっ、ぅ…」
『起きました?
そろそろ着きますよ』
「あ~…寝てた?」
『眠ってましたよ』
「こんな調子で大丈夫かな。
疲れが全然取れないし」
『気を張っているでしょうから。
帰ったらマッサージをしてあげますよ。
少しは疲れが取れます』
「嬉しいけど、君も疲れてるんじゃないか?」
『大丈夫ですよ。
ロイさんに比べたら全然ですし、私はまだ慣れてる仕事でしたから。
ロイさんと中尉が留守の時にはしていることですし。
甘えてください』
「ん…、そうする。
ありがとう」
嬉しそうに笑ってセルシアはロイの手を握る。
「お帰りなさい!
マスタングさん、大丈夫ですか?」
「ただいま。
事件が多数発生するのも疲れるけど、閣下の補佐官は地味に疲れる」
『…何の感想なんですか』
「明日もやること沢山あるなと。
これをずっとしてるんだよなぁ~。
中尉もだけど、副官や補佐官の苦労がやっと本当の意味で少しだけ分かった気がする」
『ロイさんは士官学校でも特別クラスで国家錬金術師で左官からですし』
セルシアは士官学校にも行ってないので尚更だろう。