第27話
夢小説設定
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補佐官だと資料も隠されずに苦労が減るのも事実だ。
「それでは、閣下。
失礼します」
「お先に失礼します」
「あぁ、お疲れさん」
「お疲れ様です。
今日は会議はこれで終わりです。
会食のお誘いがありましたが…」
「断ってくれ」
「よろしいのですか?」
「媚びるだけの会食なら無意味だ。
確かに必要かもしれんが、私には邪魔になるだけなんだよ」
「承知しました」
「断りの電話なら彼女達で構わないから」
「ほかの会食も?」
「あぁ、この貴族達はいらない」
「分かりました。
そう伝えておきます」
話しながらもロイは手帳を開いて確認している。
「また書類か」
「追加の書類です。
確認は外出前にしておきました。
貴族の方々からの会食のお誘いはお断りしてください」
「はい、承知しました」
招待状を渡してロイは閣下の書類を確認する。
「…疲れたか?」
「えっ?」
「いつもはしてもらう側だろ?
雑用もしてないだろうし」
「疲れないと言うと嘘になります。
不馴れではありますが、新鮮でもありますね。
閣下の仕事も意外に地味な仕事も多いですから。
そういうのが必要なんですよね。
内部からも外部からも要望が沢山ありますし、優先順位をつけないと混乱も招いてしまいます。
資金も限界がありますから全部は難しいですし」
国のトップは判断力も頭脳も必要で判断を間違えれば、国民を路頭に迷わせてしまうこともある。
閣下は楽しそうに笑ってロイの頭をグシャグシャと撫でる。
「ちょっ…閣下!」
「やはり、君はいいな。
奴等のように汚さはない。
その気持ちを何があっても忘れんようにな」
「閣下…?」
(国が滅びるのが先か、私達が負けるのが先か。
そうなれば、君は…)
閣下の行動に戸惑いながらもロイは見つめた。
以前に感じなかった失った感覚が戻りつつあり、閣下は懐かしさと戸惑いがある。
「…何でもない。
さて、仕事に戻るとしようか」
ロイは乱された髪を直しながらも不思議に思うが、口にはしない。
聞いたところで閣下が話すことはないだろう。
「何をお考えか私には分かりませんが、この機会を与えてくれたことに感謝します。
責任重大で多すぎる仕事量にも閣下の逃亡率にも驚きましたが」
「…嫌味か?」
「いいえ、全部本心です」
((満面の笑みで嫌味爆発されていますけど))
これは逆らうべきではないと閣下も思ったのか黙って聞く。
「私は左官から始まりましたし、下の者の気持ちがよく分からなかったこともあります。
仕事内容を言われても雑用はいつもしてくれる部下が居ましたから。
そういう面では感謝しています。
少しは理解してあげれるかなって。
自分の仕事から離れて第三者として分かることも今日だけでも沢山ありました」
微かに笑みを浮かべるロイに閣下は少しだけ肩の力を抜いた。
こんな若い子に励まされている自分が可笑しくなってしまう。
「私が言うのは生意気ですし、まだ数時間しか仕事してないのですが。
閣下は悩んでるよりもお茶目な方が似合ってます。
公務をさぼっていなくなるのは困りますけど」
「…君には驚かされるよ。
心配かけてすまない、マスタング将軍」
「私が勝手に心配しているだけですからお気になさらず」
「パパって呼ぶかい?」
転びそうになってロイは書類を落としてしまう。
「閣下!
何を仰有るんですか!?
冗談が過ぎます!」
「お茶目な方がいいのだろう?」
「そういうことでは。
ぱ、パパって何なんですか!
寒気がしますよ!?」
「マスタング将軍、落ち着いてください。
動揺し過ぎです。
お気持ちは分かりますが」
「…すまない」
補佐官達と書類を拾ってロイに中尉が手渡した。
「君、こういうネタは弱いのか」
「小さい頃に両親とも亡くなったので。
そんな呼び方したことなかったので照れますね」
「マスタング将軍、顔赤いですよ」
「君も言うなよ!
あ~、もう…」
頬を赤らめてロイは書類で顔を隠しているが、耳が赤くなっていた。
「失礼します。
クリスマス市場の…
ロイ、どうした?」
「何も言うな。
突っ込むな!」
「それ、逆に気になるんだが」
「いいから閣下に用事があるんだろ?」
「やれやれ」
「パパって呼ぶかと言ったらあの調子なんだよ」
「閣下!
何を仰有っているんですか!」
(パパって。
そりゃ、こんな反応になるな)
かなり気に入られてしまっているなとヒューズは苦笑い。
-END-
2017.3.16
「それでは、閣下。
失礼します」
「お先に失礼します」
「あぁ、お疲れさん」
「お疲れ様です。
今日は会議はこれで終わりです。
会食のお誘いがありましたが…」
「断ってくれ」
「よろしいのですか?」
「媚びるだけの会食なら無意味だ。
確かに必要かもしれんが、私には邪魔になるだけなんだよ」
「承知しました」
「断りの電話なら彼女達で構わないから」
「ほかの会食も?」
「あぁ、この貴族達はいらない」
「分かりました。
そう伝えておきます」
話しながらもロイは手帳を開いて確認している。
「また書類か」
「追加の書類です。
確認は外出前にしておきました。
貴族の方々からの会食のお誘いはお断りしてください」
「はい、承知しました」
招待状を渡してロイは閣下の書類を確認する。
「…疲れたか?」
「えっ?」
「いつもはしてもらう側だろ?
雑用もしてないだろうし」
「疲れないと言うと嘘になります。
不馴れではありますが、新鮮でもありますね。
閣下の仕事も意外に地味な仕事も多いですから。
そういうのが必要なんですよね。
内部からも外部からも要望が沢山ありますし、優先順位をつけないと混乱も招いてしまいます。
資金も限界がありますから全部は難しいですし」
国のトップは判断力も頭脳も必要で判断を間違えれば、国民を路頭に迷わせてしまうこともある。
閣下は楽しそうに笑ってロイの頭をグシャグシャと撫でる。
「ちょっ…閣下!」
「やはり、君はいいな。
奴等のように汚さはない。
その気持ちを何があっても忘れんようにな」
「閣下…?」
(国が滅びるのが先か、私達が負けるのが先か。
そうなれば、君は…)
閣下の行動に戸惑いながらもロイは見つめた。
以前に感じなかった失った感覚が戻りつつあり、閣下は懐かしさと戸惑いがある。
「…何でもない。
さて、仕事に戻るとしようか」
ロイは乱された髪を直しながらも不思議に思うが、口にはしない。
聞いたところで閣下が話すことはないだろう。
「何をお考えか私には分かりませんが、この機会を与えてくれたことに感謝します。
責任重大で多すぎる仕事量にも閣下の逃亡率にも驚きましたが」
「…嫌味か?」
「いいえ、全部本心です」
((満面の笑みで嫌味爆発されていますけど))
これは逆らうべきではないと閣下も思ったのか黙って聞く。
「私は左官から始まりましたし、下の者の気持ちがよく分からなかったこともあります。
仕事内容を言われても雑用はいつもしてくれる部下が居ましたから。
そういう面では感謝しています。
少しは理解してあげれるかなって。
自分の仕事から離れて第三者として分かることも今日だけでも沢山ありました」
微かに笑みを浮かべるロイに閣下は少しだけ肩の力を抜いた。
こんな若い子に励まされている自分が可笑しくなってしまう。
「私が言うのは生意気ですし、まだ数時間しか仕事してないのですが。
閣下は悩んでるよりもお茶目な方が似合ってます。
公務をさぼっていなくなるのは困りますけど」
「…君には驚かされるよ。
心配かけてすまない、マスタング将軍」
「私が勝手に心配しているだけですからお気になさらず」
「パパって呼ぶかい?」
転びそうになってロイは書類を落としてしまう。
「閣下!
何を仰有るんですか!?
冗談が過ぎます!」
「お茶目な方がいいのだろう?」
「そういうことでは。
ぱ、パパって何なんですか!
寒気がしますよ!?」
「マスタング将軍、落ち着いてください。
動揺し過ぎです。
お気持ちは分かりますが」
「…すまない」
補佐官達と書類を拾ってロイに中尉が手渡した。
「君、こういうネタは弱いのか」
「小さい頃に両親とも亡くなったので。
そんな呼び方したことなかったので照れますね」
「マスタング将軍、顔赤いですよ」
「君も言うなよ!
あ~、もう…」
頬を赤らめてロイは書類で顔を隠しているが、耳が赤くなっていた。
「失礼します。
クリスマス市場の…
ロイ、どうした?」
「何も言うな。
突っ込むな!」
「それ、逆に気になるんだが」
「いいから閣下に用事があるんだろ?」
「やれやれ」
「パパって呼ぶかと言ったらあの調子なんだよ」
「閣下!
何を仰有っているんですか!」
(パパって。
そりゃ、こんな反応になるな)
かなり気に入られてしまっているなとヒューズは苦笑い。
-END-
2017.3.16