第27話
夢小説設定
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執務室に戻ると閣下が真面目に仕事をしているので書類を確認して静かに提出させる。
「やれやれ…
真面目に久々に仕事したな」
「補佐官は苦労なさっているようですね。
どうぞ、ハーブティーです。
目の疲れにも良い効能があります。
書類作業は目が疲れますから。
差別する訳ではありませんが…」
「あぁ、片目だからな」
「そんなつもりでは」
「分かっておる。
負担になるのは事情だからな。
休憩を何度も入れていたのは負担を軽減しようとしてくれたのだろう?」
「…はい。
多少かもしれませんし、効果ないかもしれませんが」
「いや、その気持ちだけで有難い」
((意外に世話焼き))
ほかの補佐官は苦笑いして最初の頃の冷たさはなくなっている。
(これは…
閣下相手に随分と幼稚なことをするな)
ロイは発見して顔を歪め、ため息をついた。
「閣下、失礼します。
書類にガラスの破片が挟まってました。
証拠としますか?
破棄しますか?」
「まったく…幼稚だな。
怪我はしていないか?」
「触れる前に気づきましたから怪我はありません」
「捨てて構わんよ。
やれやれ、いつの時代もこういうのは変わらんな」
「いつの時代も?」
「何でもない、気にするな」
「…はい」
怪我しないように包みながらロイはゴミ箱に捨てる。
閣下の言葉も引っ掛かるが、ロイは書類の確認に戻る。
「マスタング将軍」
「はい?」
「おかわりを貰えるだろうか」
「承知しました。
同じ飲み物にしますか?
違うものもありますよ」
「では、君のオススメを」
「承知しました」
((…かなり気に入ってる))
いつもなら淹れても何口かしか飲まないので補佐官達は驚くが、確かに美味しかったと納得。
「マスタング将軍、お手伝いしましょうか?」
「大丈夫ですよ」
「男の方でこういう風に淹れられるなんて凄いですね。
バイトしていたのですか?」
「いえ、義母が好きなんですよ。
小さい時にはよく淹れてくれてました。
おまえは下手だって言いながらも不味くても飲んでくれてましたね。
それがダメなんだとか文句を言いながら」
「素敵な方ですね」
「口が悪いだけですよ」
「どこに売ってるんですか?」
「専門店があるんです。
はい、よかったらどうぞ。
店の名刺です」
「ありがとうございます。
私のオススメは紅茶のアールグレイです」
「ふふっ、ありがとうございます。
今度飲んでみます」
笑顔で会話しながらそれは偽りではないロイの姿。
「はい、どうぞ。
お口に合うといいのですが。
よければお菓子も」
「ありがとう。
餌付けされてる気分だ」
「やりすぎですか?
こういうことはしたことないので感覚が…」
中尉もセルシアもロイに尽くすのでそれが普通だと思っていた。
困惑する表情を浮かべるロイに閣下は微かに笑う。
「構わんよ。
たまには悪くない。
上官にしていなかったのか?
まぁ、女性がやるか」
「前の上官は放任主義でしたから。
それ以前は私に関わりたくないようで直接会っても仕事内容でも誰かを通して話す程度なので。
イシュヴァールの殺人だと仰ってました」
「マスタング将軍!」
「事実、なんですけどね。
恐がられてた…らしいです。
錬金術は知らない人からしたら恐ろしいものかもしれません」
心配そうな中尉の視線にロイは苦笑いする。
「マスタング将軍、どちらに…」
「書類を提出して来るよ」
「それなら私が」
「いや、大丈夫だ」
「1人では」
「大丈夫だと言ってる。
すまん、感情が高ぶってるな。
すぐ戻るからここに居なさい」
「承知…しました」
ロイは書類を手に執務室から出てため息をつく。
(この話をするといつもそうだ。
中尉に当たってしまった。
恐がらせてしまっただろうか。
私はただ命令に…
いや、そんなのは言い訳だ)
唇を噛み締めてロイは書類を手に早足で歩いていた。
書類を提出してヒューズの所属している執務室に向かう。
「ヒューズ中佐、いるか?」
「どうした?」
「…書類が提出されてない。
早く提出するように。
次の会議で使うから」
「分かった。
ロイ、何かあったか?」
「何もない」
(相変わらず、我慢してるな)
脳裏には元上官からの陰口の数々とイシュヴァール戦が浮かぶ。
「やれやれ…
真面目に久々に仕事したな」
「補佐官は苦労なさっているようですね。
どうぞ、ハーブティーです。
目の疲れにも良い効能があります。
書類作業は目が疲れますから。
差別する訳ではありませんが…」
「あぁ、片目だからな」
「そんなつもりでは」
「分かっておる。
負担になるのは事情だからな。
休憩を何度も入れていたのは負担を軽減しようとしてくれたのだろう?」
「…はい。
多少かもしれませんし、効果ないかもしれませんが」
「いや、その気持ちだけで有難い」
((意外に世話焼き))
ほかの補佐官は苦笑いして最初の頃の冷たさはなくなっている。
(これは…
閣下相手に随分と幼稚なことをするな)
ロイは発見して顔を歪め、ため息をついた。
「閣下、失礼します。
書類にガラスの破片が挟まってました。
証拠としますか?
破棄しますか?」
「まったく…幼稚だな。
怪我はしていないか?」
「触れる前に気づきましたから怪我はありません」
「捨てて構わんよ。
やれやれ、いつの時代もこういうのは変わらんな」
「いつの時代も?」
「何でもない、気にするな」
「…はい」
怪我しないように包みながらロイはゴミ箱に捨てる。
閣下の言葉も引っ掛かるが、ロイは書類の確認に戻る。
「マスタング将軍」
「はい?」
「おかわりを貰えるだろうか」
「承知しました。
同じ飲み物にしますか?
違うものもありますよ」
「では、君のオススメを」
「承知しました」
((…かなり気に入ってる))
いつもなら淹れても何口かしか飲まないので補佐官達は驚くが、確かに美味しかったと納得。
「マスタング将軍、お手伝いしましょうか?」
「大丈夫ですよ」
「男の方でこういう風に淹れられるなんて凄いですね。
バイトしていたのですか?」
「いえ、義母が好きなんですよ。
小さい時にはよく淹れてくれてました。
おまえは下手だって言いながらも不味くても飲んでくれてましたね。
それがダメなんだとか文句を言いながら」
「素敵な方ですね」
「口が悪いだけですよ」
「どこに売ってるんですか?」
「専門店があるんです。
はい、よかったらどうぞ。
店の名刺です」
「ありがとうございます。
私のオススメは紅茶のアールグレイです」
「ふふっ、ありがとうございます。
今度飲んでみます」
笑顔で会話しながらそれは偽りではないロイの姿。
「はい、どうぞ。
お口に合うといいのですが。
よければお菓子も」
「ありがとう。
餌付けされてる気分だ」
「やりすぎですか?
こういうことはしたことないので感覚が…」
中尉もセルシアもロイに尽くすのでそれが普通だと思っていた。
困惑する表情を浮かべるロイに閣下は微かに笑う。
「構わんよ。
たまには悪くない。
上官にしていなかったのか?
まぁ、女性がやるか」
「前の上官は放任主義でしたから。
それ以前は私に関わりたくないようで直接会っても仕事内容でも誰かを通して話す程度なので。
イシュヴァールの殺人だと仰ってました」
「マスタング将軍!」
「事実、なんですけどね。
恐がられてた…らしいです。
錬金術は知らない人からしたら恐ろしいものかもしれません」
心配そうな中尉の視線にロイは苦笑いする。
「マスタング将軍、どちらに…」
「書類を提出して来るよ」
「それなら私が」
「いや、大丈夫だ」
「1人では」
「大丈夫だと言ってる。
すまん、感情が高ぶってるな。
すぐ戻るからここに居なさい」
「承知…しました」
ロイは書類を手に執務室から出てため息をつく。
(この話をするといつもそうだ。
中尉に当たってしまった。
恐がらせてしまっただろうか。
私はただ命令に…
いや、そんなのは言い訳だ)
唇を噛み締めてロイは書類を手に早足で歩いていた。
書類を提出してヒューズの所属している執務室に向かう。
「ヒューズ中佐、いるか?」
「どうした?」
「…書類が提出されてない。
早く提出するように。
次の会議で使うから」
「分かった。
ロイ、何かあったか?」
「何もない」
(相変わらず、我慢してるな)
脳裏には元上官からの陰口の数々とイシュヴァール戦が浮かぶ。