第②話
夢小説設定
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警戒しつつも書庫に向かうと何やら声が聞こえる。
「やはり、ここだ。
中尉、いいか?」
「…はい」
勢いよくドアを開け、そこには馬乗りになってセルシアの首を絞めている中年男性の姿。
「何をしている!
今すぐ離せ!!」
「若造が…」
セルシアに当たらないように中尉が男性に発泡した。
一瞬の隙を見てセルシアは蹴りつけ、男性が反応する前に逃げた。
「セルシアっ!」
『大佐…!!』
大佐が伸ばした手を掴んだ。
大佐はセルシアを守るように自分の背に隠し、睨み付ける。
それは中尉も同様でその眼は鋭く光る。
『大佐、私の元・上官です』
「…なるほど。
貴方のことは色々と聞いていますよ」
「大佐、どうしますか?」
「元・軍人でも今は部外者だ」
「く…っ」
中尉に銃を向けられ、無抵抗。
連行されて行き、セルシアは大佐と中尉に諭されて執務室に戻る。
『大佐、先程は名前で呼びましたね』
「そうだったか?
夢中だったから、ついな」
『…悪くはないですよ』
「そうか」
『‥‥はい』
何か話していないと不安なのだろう。
「では、仕事以外はそう呼ばせてもらおうかな」
『お好きに呼んでください』
大佐に呼ばれるなら、どんな呼び方でも嬉しい。
「中佐!」
「よかった、無事でしたか」
「何があったんだよ?」
「あぁ、それは…」
チラッと大佐がセルシアを見る。
『大丈夫です、話しても…』
「中佐、手当てを」
『ありがとう』
中尉に手当てされてるのを横目に大佐は事情を話す。
「何だよ、そいつ!!
辞めさせられたのだって、自分が仕事しないからだろ!?」
「そんな酷いこと…
中佐は何も悪いことしてないのに!!」
「権利を握ったり、そういう上官もいるのだよ」
「ワイロでその地位を買ったりする奴もいるからな」
エドとアルとは異なり、怒りがない訳ではないが、平然を装う。
手当てが済んだようでセルシアがソファに座る。
「中尉」
「大丈夫です、傷は残りません」
「…そうか」
大佐は安堵の息を吐いた。
セルシアの首元には絞められた微かな痕と手にも微かに血が滲んで怪我をしていた。
「でも、錬金術をどうして使わなかったんだ?」
『錬成陣の彫ってあるアクセサリーを奪われたのよ。
大佐の発火布みたいなものでね。
銃を発泡すれば、大佐なら気づいてくれるだろうと一種の賭けに出たの。
今の私では、敵わないと分かってたから。
仕事は出来なかったけど、戦闘能力はそれなりにあったみたいだし。
捕まってなければ私の方が上よ?
距離が近ければ、どう足掻いても悔しいけど力の差で敵うはずないんだから』
「…あんたは自分の力をちゃんと理解してるんだな」
『そうでなければ判断を間違うわ。
一瞬一秒の判断が分かれ道よ』
セルシアの瞳には強い意志が宿っている。
「やはり、ここだ。
中尉、いいか?」
「…はい」
勢いよくドアを開け、そこには馬乗りになってセルシアの首を絞めている中年男性の姿。
「何をしている!
今すぐ離せ!!」
「若造が…」
セルシアに当たらないように中尉が男性に発泡した。
一瞬の隙を見てセルシアは蹴りつけ、男性が反応する前に逃げた。
「セルシアっ!」
『大佐…!!』
大佐が伸ばした手を掴んだ。
大佐はセルシアを守るように自分の背に隠し、睨み付ける。
それは中尉も同様でその眼は鋭く光る。
『大佐、私の元・上官です』
「…なるほど。
貴方のことは色々と聞いていますよ」
「大佐、どうしますか?」
「元・軍人でも今は部外者だ」
「く…っ」
中尉に銃を向けられ、無抵抗。
連行されて行き、セルシアは大佐と中尉に諭されて執務室に戻る。
『大佐、先程は名前で呼びましたね』
「そうだったか?
夢中だったから、ついな」
『…悪くはないですよ』
「そうか」
『‥‥はい』
何か話していないと不安なのだろう。
「では、仕事以外はそう呼ばせてもらおうかな」
『お好きに呼んでください』
大佐に呼ばれるなら、どんな呼び方でも嬉しい。
「中佐!」
「よかった、無事でしたか」
「何があったんだよ?」
「あぁ、それは…」
チラッと大佐がセルシアを見る。
『大丈夫です、話しても…』
「中佐、手当てを」
『ありがとう』
中尉に手当てされてるのを横目に大佐は事情を話す。
「何だよ、そいつ!!
辞めさせられたのだって、自分が仕事しないからだろ!?」
「そんな酷いこと…
中佐は何も悪いことしてないのに!!」
「権利を握ったり、そういう上官もいるのだよ」
「ワイロでその地位を買ったりする奴もいるからな」
エドとアルとは異なり、怒りがない訳ではないが、平然を装う。
手当てが済んだようでセルシアがソファに座る。
「中尉」
「大丈夫です、傷は残りません」
「…そうか」
大佐は安堵の息を吐いた。
セルシアの首元には絞められた微かな痕と手にも微かに血が滲んで怪我をしていた。
「でも、錬金術をどうして使わなかったんだ?」
『錬成陣の彫ってあるアクセサリーを奪われたのよ。
大佐の発火布みたいなものでね。
銃を発泡すれば、大佐なら気づいてくれるだろうと一種の賭けに出たの。
今の私では、敵わないと分かってたから。
仕事は出来なかったけど、戦闘能力はそれなりにあったみたいだし。
捕まってなければ私の方が上よ?
距離が近ければ、どう足掻いても悔しいけど力の差で敵うはずないんだから』
「…あんたは自分の力をちゃんと理解してるんだな」
『そうでなければ判断を間違うわ。
一瞬一秒の判断が分かれ道よ』
セルシアの瞳には強い意志が宿っている。