第25話
夢小説設定
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ロイは不思議な組み合わせに苦笑いしてしまう。
「ウィンリィ、久しぶりだな」
「…お義父さん」
「大丈夫だよ。
もうすぐ退院だし。
心配かけて悪かった」
泣きそうな顔で抱きついて来るウィンリィを抱き締めた。
ウィンリィは何度も首を振ってしがみついている。
「洗面所、借りますね」
「…あぁ。
新しいタオルを使っていいよ」
「ありがとうございます」
「ところで鋼のは居ないのか?」
「図書館に調べものがあるって朝早くから居なくなりました。
しばらくは滞在だし、図書館なら騒ぎを起こすことはないので」
「君達の場合、本当にどっちが兄か分からんな。
確かに図書館なら騒ぎは起こさんだろう」
「また時間忘れてるんだろうから迎えに行きます」
(…親に近いな)
しっかり者のアルに管理されているエドだった。
「それでは、お大事に。
お気をつけて」
「お世話になりました」
『ありがとうございました』
マスコミが待機しているので裏口から出て軍車に乗り込んだ。
「出勤は明日からで大丈夫なので家で休んでください」
「ありがとう」
家まで送ってもらい、ウィンリィが出迎える。
「お帰りなさい!」
「ただいま、ウィンリィ」
『お帰りなさい』
「うん、ただいま」
長期入院ではなかったが、やはり家が一番落ち着く。
セルシアとウィンリィに退院祝いをしてもらった。
「美味しかったよ。
ありがとう」
『どういたしまして。
ウィンリィちゃんも手伝ってくれたんですよ』
「そうか。
ウィンリィもありがとう」
「はいっ!」
やっと日常に戻り、数日間の入院でも体力は多少なり落ちている。
「本日から復帰致します。
ご心配おかけしました」
「あまり無理しないようにな」
「それでは、失礼します」
出勤して閣下の執務室に行って挨拶する。
「やっと退院か。
あのまま居なくなってもよかったんだがな」
「強運の持ち主だ。
どちらにしても消えますよ」
「また異動させてやってもいいんだがな」
複数の将軍からの嫌味にも耐えてロイはため息をつく。
「…現場にも来なかったくせに。
異動になると面倒なんだが」
「相変わらず、口先だけのおっさん達ですね」
『小者っぷりが笑えますね。
事件で襲われて腰を抜かして逃げてましたよ』
「ハボック少尉、リーゼル大佐、言葉が過ぎます」
「すいません…」
『事実なんだけどね』
ロイは苦笑いしてセルシアの頭を撫でた。
セルシアが書類を代わりに片付けてくれていたお陰で溜まってないので日常的な書類の量で済んでる。
自分宛に届いている封筒に何だったかと一瞬疑問に思うが、入院していて忘れていた。
(そうだった。
渡してないし、所持してないと…)
未成年だから保護対象にはなるが、スカーの件もあってパトロール強化期間なので可能性が高い。
「ちょっと出て来る」
「将軍、どちらに…?」
「ウィンリィに渡してない。
今は強化期間だし、急がないと」
「今どちらに?」
『買い物を頼んでるから市場に…』
「色々あってウィンリィに説明するのも忘れてた!」
「…マジですか。
憲兵に聞かれても分からないのでは?」
「だから、急いでるんだろ」
護衛に中尉とハボックがついて来て市場に向かう。
「この子が何したんだい?」
「怖がらせるんじゃないよ!」
「おばさん…
言ってる意味が分かんなくて」
「身分証確認だ」
「それって、なに?」
「「………。」」
「聞かされてないのかい?
そうか、田舎では必要ないからな」
「所持してないのなら保護対象になるから」
「国家錬金術師だ。
その手を離せ」
「マスタングさん!」
「「マスタング将軍!」」
「はぁ…、間に合った。
ここにウィンリィの身分証がある。
入院していて軍に届いているのを今朝に封を開けた」
銀時計とウィンリィの身分証を憲兵に見せる。
憲兵は慌てて敬礼して確認してからロイに返却した。
-END-
2017.3.9
「ウィンリィ、久しぶりだな」
「…お義父さん」
「大丈夫だよ。
もうすぐ退院だし。
心配かけて悪かった」
泣きそうな顔で抱きついて来るウィンリィを抱き締めた。
ウィンリィは何度も首を振ってしがみついている。
「洗面所、借りますね」
「…あぁ。
新しいタオルを使っていいよ」
「ありがとうございます」
「ところで鋼のは居ないのか?」
「図書館に調べものがあるって朝早くから居なくなりました。
しばらくは滞在だし、図書館なら騒ぎを起こすことはないので」
「君達の場合、本当にどっちが兄か分からんな。
確かに図書館なら騒ぎは起こさんだろう」
「また時間忘れてるんだろうから迎えに行きます」
(…親に近いな)
しっかり者のアルに管理されているエドだった。
「それでは、お大事に。
お気をつけて」
「お世話になりました」
『ありがとうございました』
マスコミが待機しているので裏口から出て軍車に乗り込んだ。
「出勤は明日からで大丈夫なので家で休んでください」
「ありがとう」
家まで送ってもらい、ウィンリィが出迎える。
「お帰りなさい!」
「ただいま、ウィンリィ」
『お帰りなさい』
「うん、ただいま」
長期入院ではなかったが、やはり家が一番落ち着く。
セルシアとウィンリィに退院祝いをしてもらった。
「美味しかったよ。
ありがとう」
『どういたしまして。
ウィンリィちゃんも手伝ってくれたんですよ』
「そうか。
ウィンリィもありがとう」
「はいっ!」
やっと日常に戻り、数日間の入院でも体力は多少なり落ちている。
「本日から復帰致します。
ご心配おかけしました」
「あまり無理しないようにな」
「それでは、失礼します」
出勤して閣下の執務室に行って挨拶する。
「やっと退院か。
あのまま居なくなってもよかったんだがな」
「強運の持ち主だ。
どちらにしても消えますよ」
「また異動させてやってもいいんだがな」
複数の将軍からの嫌味にも耐えてロイはため息をつく。
「…現場にも来なかったくせに。
異動になると面倒なんだが」
「相変わらず、口先だけのおっさん達ですね」
『小者っぷりが笑えますね。
事件で襲われて腰を抜かして逃げてましたよ』
「ハボック少尉、リーゼル大佐、言葉が過ぎます」
「すいません…」
『事実なんだけどね』
ロイは苦笑いしてセルシアの頭を撫でた。
セルシアが書類を代わりに片付けてくれていたお陰で溜まってないので日常的な書類の量で済んでる。
自分宛に届いている封筒に何だったかと一瞬疑問に思うが、入院していて忘れていた。
(そうだった。
渡してないし、所持してないと…)
未成年だから保護対象にはなるが、スカーの件もあってパトロール強化期間なので可能性が高い。
「ちょっと出て来る」
「将軍、どちらに…?」
「ウィンリィに渡してない。
今は強化期間だし、急がないと」
「今どちらに?」
『買い物を頼んでるから市場に…』
「色々あってウィンリィに説明するのも忘れてた!」
「…マジですか。
憲兵に聞かれても分からないのでは?」
「だから、急いでるんだろ」
護衛に中尉とハボックがついて来て市場に向かう。
「この子が何したんだい?」
「怖がらせるんじゃないよ!」
「おばさん…
言ってる意味が分かんなくて」
「身分証確認だ」
「それって、なに?」
「「………。」」
「聞かされてないのかい?
そうか、田舎では必要ないからな」
「所持してないのなら保護対象になるから」
「国家錬金術師だ。
その手を離せ」
「マスタングさん!」
「「マスタング将軍!」」
「はぁ…、間に合った。
ここにウィンリィの身分証がある。
入院していて軍に届いているのを今朝に封を開けた」
銀時計とウィンリィの身分証を憲兵に見せる。
憲兵は慌てて敬礼して確認してからロイに返却した。
-END-
2017.3.9