第25話
夢小説設定
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病院だとセルシアがいないので眠りが浅い。
(嫌な夢は見ないが、微かな音で目覚めてしまう。
それで寝不足になることはないんだけど)
お見舞いに来てくれる人と雑談以外はロイは本を読んで過ごすだけなので暇なようだ。
『はい、どうぞ』
「…うまいな。
病室で食べる予定ではなかったが」
『ふふっ、そうですね』
サクサクな食感と甘酸っぱい柔らかすぎない林檎のアップルパイ。
「ご馳走さま」
『そうだった。
着替えはここに置いて行きますね。
持って帰りますから。
新しい本とか買って来ますか?』
「いや、大丈夫だ。
仕事あるのに平気か?」
『大丈夫です。
迷惑…?』
「そんな訳ないだろう?」
髪に触れて抱き寄せて優しくキスを交わした。
『ロイさん?』
「なんか久々で安心するな」
『膝枕、どうぞ』
「どうぞって」
苦笑いしながらもロイはセルシアの膝に頭を預け、膝枕してもらう。
『ゆっくり休んでください』
「すぅ…すぅ…」
セルシアのぬくもりに安心して何日ぶりに熟睡が出来た。
「リザちゃん、ロイのお見舞い?」
「ヒューズ中佐。
お見舞いではありません。
仕事の書類があるので。
出来るだけ休ませてあげたいのですが」
「まぁ、仕方ないよな」
途中で遭遇したヒューズと共に中尉が病室に向かっている。
ヒューズが足を止めて中尉の腕を引いた。
「しばらく待った方がいい」
「えっ?」
「見られたくはないだろ。
何か飲もうぜ。
おじさんが奢ってやるからさ」
「…はい」
静かに病室のドアを閉めて中尉はヒューズについて行く。
「やっぱり、特別なんだろうな」
「そうですね。
でも、安心しました」
「安心?」
「どんなに酷い嫌味でも辛いことがあっても私達に気遣って。
泣いたりしないので」
「…そうだな」
余程でない限り、ロイは涙を見せないが、その相手は自分達ではないと理解しながらも少し切ない気持ちにもなる。
「うっ、く…ッ」
『大丈夫です、側に居ます。
ずっと強くなくていいんですよ。
弱い貴方も見せてください』
「君の元に…帰るんだって。
でも、錬成しても光が見えなくて!
どれだけ続けても…っ」
『ロイさん…』
「暗闇で怖くなって。
方向も時間も分からなくて。
戦争を経験してるのにな」
『それとは別です。
お帰りなさい、ロイさん。
貴方が無事でよかった』
「……っ…」
ロイはセルシアの胸に顔を埋めて微かに型が震えていた。
『ロイさん、落ち着きました?』
「…すまない」
『大丈夫ですよ。
温かい飲み物と冷たい飲み物、どちらにします?』
「冷たい飲み物」
『はい、ちょっと待っててくださいね』
飲み物を淹れているセルシアの後ろ姿をベットから見つめる。
ノックして病室にヒューズと中尉が入って来る。
「珍しい組み合わせだな」
「偶然会ったんです。
ご加減は?」
「大丈夫だよ。
書類だろ?」
「はい、お願い出来ますか?」
「分かった」
「さすが将軍様の個室は豪華だな。
トイレにシャワーもついてるし、冷蔵庫もあるのか」
「私は普通の個室でよかったんだが…」
「将軍が入院では普通の個室にはならんだろうな。
軍の病院だし」
「そうだな」
「これ、見舞い品な」
「悪いな」
ヒューズからグレイシアが選んだお見舞い品を渡された。
『はい、どうぞ』
「ありがとう」
「病院でも尽くされてんなぁ…」
「今更ですよ」
「リーゼル大佐、いつ仕事してるんだ?」
「朝に来て速攻で終わらせて将軍の病室に面会時間開始から終了時間まで居るみたいです」
「あ~…なるほどな」
「自分が出来る書類なら将軍の分までやってますから」
安易に想像がついてヒューズは苦笑いした。
それなら司令部で姿が見えないのも納得だ。
「中尉、終わったぞ。
これでいいのか?」
「…ありがとうございます」
「なに抱えてんだよ」
「いつものことです、言うだけ無駄ですから」
(それは慣れすぎだろうよ、リザちゃん)
ロイはいつものように膝にセルシアを抱えていた。
ウィンリィは寂しくて不安に感じながらも言われたお手伝いをしていた。
(大丈夫、検査入院だし。
まだ1週間も経ってないんだし)
自分に言い聞かせないと不安でたまらなくなるから。
『ただいま、ウィンリィちゃん。
やっと決まったよ!』
「お帰りなさい。
決まったって…もしかして!」
『そう、退院決定!
異常もなかったし、大丈夫みたい。
もっと太れとは言われてたけど』
「何か作ります?」
『普通でいいとは言ってたけど。
ロイさんの好きなものを作ろうね』
「はいっ!」
嬉しそうな安心したように笑うウィンリィにセルシアは頭を撫でる。
「ウィンリィちゃん、アルフォンスくん、散歩ありがとね」
「楽しかったですから!」
「将軍が入院中で大変だし、忙しいんですから僕達に出来るのは頼ってください」
「ありがとう」
「また遊ぼうね、ハヤテ号」
「ウィンリィちゃんもそういう服を持っていたのね」
「マスタングさんが前に買ってくれたんです」
「…そう。
よく似合ってるわ」
「ありがとうございます!」
セルシア同様にウィンリィはロイから溺愛されてる。
『ウィンリィちゃん、ハヤテ号の散歩終わった?』
「はい!」
『アルフォンスくんも一緒だったんだね。
今から病院行くけど、今日は一緒に行く?』
「行きます!」
『アルフォンスくんもおいで』
「は~い!」
『中尉、お疲れ様』
「お疲れ様です」
まるで姉について行く妹弟みたいで中尉は微かに笑う。
(嫌な夢は見ないが、微かな音で目覚めてしまう。
それで寝不足になることはないんだけど)
お見舞いに来てくれる人と雑談以外はロイは本を読んで過ごすだけなので暇なようだ。
『はい、どうぞ』
「…うまいな。
病室で食べる予定ではなかったが」
『ふふっ、そうですね』
サクサクな食感と甘酸っぱい柔らかすぎない林檎のアップルパイ。
「ご馳走さま」
『そうだった。
着替えはここに置いて行きますね。
持って帰りますから。
新しい本とか買って来ますか?』
「いや、大丈夫だ。
仕事あるのに平気か?」
『大丈夫です。
迷惑…?』
「そんな訳ないだろう?」
髪に触れて抱き寄せて優しくキスを交わした。
『ロイさん?』
「なんか久々で安心するな」
『膝枕、どうぞ』
「どうぞって」
苦笑いしながらもロイはセルシアの膝に頭を預け、膝枕してもらう。
『ゆっくり休んでください』
「すぅ…すぅ…」
セルシアのぬくもりに安心して何日ぶりに熟睡が出来た。
「リザちゃん、ロイのお見舞い?」
「ヒューズ中佐。
お見舞いではありません。
仕事の書類があるので。
出来るだけ休ませてあげたいのですが」
「まぁ、仕方ないよな」
途中で遭遇したヒューズと共に中尉が病室に向かっている。
ヒューズが足を止めて中尉の腕を引いた。
「しばらく待った方がいい」
「えっ?」
「見られたくはないだろ。
何か飲もうぜ。
おじさんが奢ってやるからさ」
「…はい」
静かに病室のドアを閉めて中尉はヒューズについて行く。
「やっぱり、特別なんだろうな」
「そうですね。
でも、安心しました」
「安心?」
「どんなに酷い嫌味でも辛いことがあっても私達に気遣って。
泣いたりしないので」
「…そうだな」
余程でない限り、ロイは涙を見せないが、その相手は自分達ではないと理解しながらも少し切ない気持ちにもなる。
「うっ、く…ッ」
『大丈夫です、側に居ます。
ずっと強くなくていいんですよ。
弱い貴方も見せてください』
「君の元に…帰るんだって。
でも、錬成しても光が見えなくて!
どれだけ続けても…っ」
『ロイさん…』
「暗闇で怖くなって。
方向も時間も分からなくて。
戦争を経験してるのにな」
『それとは別です。
お帰りなさい、ロイさん。
貴方が無事でよかった』
「……っ…」
ロイはセルシアの胸に顔を埋めて微かに型が震えていた。
『ロイさん、落ち着きました?』
「…すまない」
『大丈夫ですよ。
温かい飲み物と冷たい飲み物、どちらにします?』
「冷たい飲み物」
『はい、ちょっと待っててくださいね』
飲み物を淹れているセルシアの後ろ姿をベットから見つめる。
ノックして病室にヒューズと中尉が入って来る。
「珍しい組み合わせだな」
「偶然会ったんです。
ご加減は?」
「大丈夫だよ。
書類だろ?」
「はい、お願い出来ますか?」
「分かった」
「さすが将軍様の個室は豪華だな。
トイレにシャワーもついてるし、冷蔵庫もあるのか」
「私は普通の個室でよかったんだが…」
「将軍が入院では普通の個室にはならんだろうな。
軍の病院だし」
「そうだな」
「これ、見舞い品な」
「悪いな」
ヒューズからグレイシアが選んだお見舞い品を渡された。
『はい、どうぞ』
「ありがとう」
「病院でも尽くされてんなぁ…」
「今更ですよ」
「リーゼル大佐、いつ仕事してるんだ?」
「朝に来て速攻で終わらせて将軍の病室に面会時間開始から終了時間まで居るみたいです」
「あ~…なるほどな」
「自分が出来る書類なら将軍の分までやってますから」
安易に想像がついてヒューズは苦笑いした。
それなら司令部で姿が見えないのも納得だ。
「中尉、終わったぞ。
これでいいのか?」
「…ありがとうございます」
「なに抱えてんだよ」
「いつものことです、言うだけ無駄ですから」
(それは慣れすぎだろうよ、リザちゃん)
ロイはいつものように膝にセルシアを抱えていた。
ウィンリィは寂しくて不安に感じながらも言われたお手伝いをしていた。
(大丈夫、検査入院だし。
まだ1週間も経ってないんだし)
自分に言い聞かせないと不安でたまらなくなるから。
『ただいま、ウィンリィちゃん。
やっと決まったよ!』
「お帰りなさい。
決まったって…もしかして!」
『そう、退院決定!
異常もなかったし、大丈夫みたい。
もっと太れとは言われてたけど』
「何か作ります?」
『普通でいいとは言ってたけど。
ロイさんの好きなものを作ろうね』
「はいっ!」
嬉しそうな安心したように笑うウィンリィにセルシアは頭を撫でる。
「ウィンリィちゃん、アルフォンスくん、散歩ありがとね」
「楽しかったですから!」
「将軍が入院中で大変だし、忙しいんですから僕達に出来るのは頼ってください」
「ありがとう」
「また遊ぼうね、ハヤテ号」
「ウィンリィちゃんもそういう服を持っていたのね」
「マスタングさんが前に買ってくれたんです」
「…そう。
よく似合ってるわ」
「ありがとうございます!」
セルシア同様にウィンリィはロイから溺愛されてる。
『ウィンリィちゃん、ハヤテ号の散歩終わった?』
「はい!」
『アルフォンスくんも一緒だったんだね。
今から病院行くけど、今日は一緒に行く?』
「行きます!」
『アルフォンスくんもおいで』
「は~い!」
『中尉、お疲れ様』
「お疲れ様です」
まるで姉について行く妹弟みたいで中尉は微かに笑う。