第25話
夢小説設定
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本当に何もしなければ、ロイはセルシアの元上官に生かして地獄を見せるつもりだろう。
「君は何をするつもりだ?」
「お答えするつもりはありません。
そんな方を守る価値があると?」
「いや、守るつもりはないが」
「自業自得の当然の対価ですよ」
罪ギリギリではなくて犯罪したとしても証拠を見つからないように行うつもりなのだろう。
「いや、頼むから落ち着こうか」
「私は落ち着いてますよ。
自分には苛立っていますが。
何故、あの時に出会った時に引き連れて行かなかったのか。
どうして気づいてやれなかったのかと。
嫌味を言われていたのにそれだけと思ってしまったんです」
「だが、それは仕方ないだろう?
初対面だったんだし、助けを求めた訳ではないし」
「助けを求めては来なかったからこそ、助けてあげたかったんです。
初めて会った時に彼女は寂しそうな悲しそうな瞳でした。
再会した時、瞳の奥に見えない闇を見えました。
放っておけば暴走する。
実際に吹き飛ばしたり、違う意味では暴走してましたが」
「その暴走は全部が君に関することだろう?」
「ははっ、そうなんですよね」
ロイは顔を引きつらせて補佐官から目を反らす。
「…君達は何の話をしてるんだね。
君と話すと何故か全員が話がズレていくんだ。
マスタング将軍も例外ではなかったようだな」
「失礼しました」
「構わんよ。
現住所も預かる。
君は手を出さないように。
悪いようにしないから」
「…分かりました。
ですが、私は元上官を許しません」
「許せとは言っておらんよ」
「そうですね。
失礼しました」
ロイは敬礼して閣下の執務室から出て行く。
補佐官は苦笑いしながら閣下に飲み物を出す。
「マスタング将軍、珍しく感情が顔に出てましたね。
すっごく不満そうに」
「君が感情を煽るからだろう。
抑えていたのに」
「いや、思わず。
殺気を向けられた時はちょっとヤバイと思いましたが」
「そう思うならやるな」
閣下は呆れたように補佐官の仕業にため息をつく。
「あ~…やってしまった」
それに気づいてロイは屈んで頭を抱えて後悔する。
「ロイ、どうした?
そんなとこで何やってんだ?」
「…落ち込んでる」
「それは見たら分かるが」
「閣下の補佐官に煽られて余計なことを暴露してしまった。
確かに元上官は許せないし、許すつもりもないが。
私は犯罪するみたいな言い方してしまったし!」
「意味分からんのだが。
ちょっ、揺らすな!
落ち着けって」
珍しく声を上げてロイは感情を露にしてヒューズの肩を揺らす。
「本当に犯罪するつもりないし、そんなことしても無意味だろ?
セルシアに迷惑かかるし!」
「おぉう!
頼むからそれはやめてくれ。
揺らすなって。
ちょっと移動しようか。なっ?」
ここでは人目があるとヒューズはロイを引っ張って行く。
「………。」
「黙るのかよ!」
「失敗した。
私は何をしてるんだ」
(違った。
すっごく落ち込んでるわ)
ヒューズは苦笑いしてポンポンと肩を叩いた。
こんなに感情的に落ち込むのは初めてかもしれない。
「なに笑ってるんだ、ヒューズ。
もういい…執務室に戻る」
「違うって。
誤解だから!
確かに笑ったのは悪かった。
嬉しかったんだよ」
「はぁ?」
「おまえさんがこんなに感情的になるのも、こんな風に落ち込むのも」
「……っ…」
「あの補佐官だし、それはロイだけではないんだろ?」
変わり者だと閣下の補佐官は有名だった。
「…そうだが。
言っても変わらないのも理解しているけど。
閣下の前で色々と言ったし」
「何か言われたのか?」
「特にはない」
「だったら、大丈夫だ。
閣下がそんな器が小さい男ではないだろ?」
「そういう問題ではなくて」
「何を言われたら満足するんだ?
ないんだろう?」
「…ない」
フェンスに寄りかかって座り、ロイは空を見上げてため息をついた。
「まだここで過ごすか?
風邪引くぞ」
「…寒い」
「真冬にコートも着ずに出てんだからな。
リザちゃんに叱られるぞ」
「そう、かもな」
分かっていても動きたくなくて腰が重たい。
「マスタング将軍、お迎えに参りました」
「よぉ、リザちゃん。
ちょっと色々あってな。
聞かずにやってくれないか?」
「分かりました。
休憩していいですから執務室に戻りましょう?
上官にするべきことではありませんが」
ロイの肩にコートを掛けて中尉は屈んでそっと頭を撫でる。
「君は何をするつもりだ?」
「お答えするつもりはありません。
そんな方を守る価値があると?」
「いや、守るつもりはないが」
「自業自得の当然の対価ですよ」
罪ギリギリではなくて犯罪したとしても証拠を見つからないように行うつもりなのだろう。
「いや、頼むから落ち着こうか」
「私は落ち着いてますよ。
自分には苛立っていますが。
何故、あの時に出会った時に引き連れて行かなかったのか。
どうして気づいてやれなかったのかと。
嫌味を言われていたのにそれだけと思ってしまったんです」
「だが、それは仕方ないだろう?
初対面だったんだし、助けを求めた訳ではないし」
「助けを求めては来なかったからこそ、助けてあげたかったんです。
初めて会った時に彼女は寂しそうな悲しそうな瞳でした。
再会した時、瞳の奥に見えない闇を見えました。
放っておけば暴走する。
実際に吹き飛ばしたり、違う意味では暴走してましたが」
「その暴走は全部が君に関することだろう?」
「ははっ、そうなんですよね」
ロイは顔を引きつらせて補佐官から目を反らす。
「…君達は何の話をしてるんだね。
君と話すと何故か全員が話がズレていくんだ。
マスタング将軍も例外ではなかったようだな」
「失礼しました」
「構わんよ。
現住所も預かる。
君は手を出さないように。
悪いようにしないから」
「…分かりました。
ですが、私は元上官を許しません」
「許せとは言っておらんよ」
「そうですね。
失礼しました」
ロイは敬礼して閣下の執務室から出て行く。
補佐官は苦笑いしながら閣下に飲み物を出す。
「マスタング将軍、珍しく感情が顔に出てましたね。
すっごく不満そうに」
「君が感情を煽るからだろう。
抑えていたのに」
「いや、思わず。
殺気を向けられた時はちょっとヤバイと思いましたが」
「そう思うならやるな」
閣下は呆れたように補佐官の仕業にため息をつく。
「あ~…やってしまった」
それに気づいてロイは屈んで頭を抱えて後悔する。
「ロイ、どうした?
そんなとこで何やってんだ?」
「…落ち込んでる」
「それは見たら分かるが」
「閣下の補佐官に煽られて余計なことを暴露してしまった。
確かに元上官は許せないし、許すつもりもないが。
私は犯罪するみたいな言い方してしまったし!」
「意味分からんのだが。
ちょっ、揺らすな!
落ち着けって」
珍しく声を上げてロイは感情を露にしてヒューズの肩を揺らす。
「本当に犯罪するつもりないし、そんなことしても無意味だろ?
セルシアに迷惑かかるし!」
「おぉう!
頼むからそれはやめてくれ。
揺らすなって。
ちょっと移動しようか。なっ?」
ここでは人目があるとヒューズはロイを引っ張って行く。
「………。」
「黙るのかよ!」
「失敗した。
私は何をしてるんだ」
(違った。
すっごく落ち込んでるわ)
ヒューズは苦笑いしてポンポンと肩を叩いた。
こんなに感情的に落ち込むのは初めてかもしれない。
「なに笑ってるんだ、ヒューズ。
もういい…執務室に戻る」
「違うって。
誤解だから!
確かに笑ったのは悪かった。
嬉しかったんだよ」
「はぁ?」
「おまえさんがこんなに感情的になるのも、こんな風に落ち込むのも」
「……っ…」
「あの補佐官だし、それはロイだけではないんだろ?」
変わり者だと閣下の補佐官は有名だった。
「…そうだが。
言っても変わらないのも理解しているけど。
閣下の前で色々と言ったし」
「何か言われたのか?」
「特にはない」
「だったら、大丈夫だ。
閣下がそんな器が小さい男ではないだろ?」
「そういう問題ではなくて」
「何を言われたら満足するんだ?
ないんだろう?」
「…ない」
フェンスに寄りかかって座り、ロイは空を見上げてため息をついた。
「まだここで過ごすか?
風邪引くぞ」
「…寒い」
「真冬にコートも着ずに出てんだからな。
リザちゃんに叱られるぞ」
「そう、かもな」
分かっていても動きたくなくて腰が重たい。
「マスタング将軍、お迎えに参りました」
「よぉ、リザちゃん。
ちょっと色々あってな。
聞かずにやってくれないか?」
「分かりました。
休憩していいですから執務室に戻りましょう?
上官にするべきことではありませんが」
ロイの肩にコートを掛けて中尉は屈んでそっと頭を撫でる。