第25話
夢小説設定
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仕事が終わってロイとセルシアは私服に着替え、黒のローブを羽織って頭まで覆った布で顔も見えない。
身元がバレないように発火布とピアスは外している。
(ウィンリィがいるなら安全面も含めて強化した方がいいだろう)
家の柱と家の角すべてに錬成陣をチョークで書き込み、庭の敷地内の角すべてに同じく書き込んで錬成した宝石を庭の角から家を囲むように埋めた。
一瞬の薄い青白い光が放たれてそれを確認して人目がない隙に入る。
「はぁ…、疲れた。
さすがに100%ではないが。
ないよりはいいだろう」
『そうですね』
証拠の黒のローブは暖炉でロイが一瞬にして灰にした。
高度な古代の錬金術と現代の錬金術に加えて秘術が混ざっていてロイとセルシア以外は解けない結界のようなものが張られている。
「くくっ、悪党にでもなった気分だ。
巻き込む訳にはいかない。
何があるか分からんからな。
離れても狙われるかもしれんが、賢い子だし。
そこは信じるしかない」
『大丈夫ですよ。
あまり可能性ばかり考えないでください』
「…そうだな。
君をこんなに巻き込む予定ではなかったんだが」
『隠されるくらいなら私は巻き込まれます』
苦笑いしてロイはセルシアの頬を撫でた。
夜中にチャイムが鳴り、警戒しながらロイがドアを開ける。
「すまん、俺だ。
連れ帰って来たんだが」
「どうした?
よしよし、大丈夫か?」
「ごめっ…なさい。
錬金術、邪魔しちゃっ…」
「それは終わってるからいいが。
どうしたんだ?」
錬金術の研究をするからとヒューズの家にウィンリィを頼んで泊まって来る予定だった。
宥めながらヒューズと共にウィンリィを家に入れる。
「すぅ…すぅ…」
「ありゃ?
仕方ないな、とりあえずは寝かせて来るか」
ロイに抱きついたままでソファで泣き疲れたウィンリィをロイがお姫様抱っこで運ぶ。
『珈琲では眠れなくなりますから』
「ありがとう」
「それで、何かあったのか?」
「怖い夢を見たみたいで。
俺とグレイシアで宥めてはみたんだが。
なんていうか、普段は聞き分けがいいだけ感情が爆発してな。
帰るってさ。
最初は田舎と思ったら“お義父さんのどこに帰る”って。
あぁ、これはロイだなと」
「えっ?」
ヒューズの言葉に驚いてロイは一瞬止まる。
「おまえが思ってるよりもウィンリィには安心感あるんだよ。
ファザコンになってるし、おじさんはショックだよ」
「…誰がおじさんなんだ。
同い年だろうが」
「幼い頃に両親を亡くしてやっと小さな子みたいに甘えられたんだよ」
「それが私なんて皮肉だな」
「…そんなことない。
誰でもいい訳ではないさ。
おまえの想いと向き合って受け入れてくれたんだ」
やっと甘えられる存在を見つけて夢とごちゃ混ぜになり、幼い行動をしてしまうのかもしれない。
小さな音が聞こえて振り向くと気まずそうに縮まって真っ赤な顔をしたウィンリィがいた。
「あの、えっと…」
「ふはっ!
お帰り、ウィンリィ」
「えっ?
あ、はい。
ただいま…です」
笑いながら出迎えてくれるロイに戸惑いながら安堵する。
「追い出したりしないさ。
怒ったりもしない」
「迷惑、掛けたし。
ヒューズ中佐にも」
「こんなの迷惑に入らん。
可愛いものだ。
鋼のなんて教会を半壊させたり、怪獣並みだぞ。
言っただろ、甘えていいって」
「…怖かったんです。
起きたら知らない部屋ですぐに泊まりに来たと思い出したけど。
ばっちゃんもエドもアルもマスタングさんもセルシアさんもリザさんも居なくて。
なんかわかんないけど、怖くて。
急にマスタングさんが消えちゃう夢も見たし!」
「大丈夫、今は側に居る。
居なくなったりしない」
(…俺はリザちゃんより下か)
ヒューズはちょっと傷つきながらハーブティーを飲み、セルシアは苦笑いしておかわりを用意した。
ふわりと抱き締められてウィンリィは涙が滲み、安堵してロイの服をきゅっと掴む。
「もう夜遅いから寝なさい」
「…一緒に寝ます。
また嫌な夢を見たらイヤです」
「はいはい、帰るよ」
「悪かったな」
「ヒューズ中佐、ごめんなさい」
「ちゃんと甘えられる奴には甘えろよ。
俺もいつでも大歓迎だし。
また今度、嫌じゃなかったら遊びに来いよ」
「…はい」
くしゃっとヒューズはウィンリィの頭を撫でて帰って行く。
身元がバレないように発火布とピアスは外している。
(ウィンリィがいるなら安全面も含めて強化した方がいいだろう)
家の柱と家の角すべてに錬成陣をチョークで書き込み、庭の敷地内の角すべてに同じく書き込んで錬成した宝石を庭の角から家を囲むように埋めた。
一瞬の薄い青白い光が放たれてそれを確認して人目がない隙に入る。
「はぁ…、疲れた。
さすがに100%ではないが。
ないよりはいいだろう」
『そうですね』
証拠の黒のローブは暖炉でロイが一瞬にして灰にした。
高度な古代の錬金術と現代の錬金術に加えて秘術が混ざっていてロイとセルシア以外は解けない結界のようなものが張られている。
「くくっ、悪党にでもなった気分だ。
巻き込む訳にはいかない。
何があるか分からんからな。
離れても狙われるかもしれんが、賢い子だし。
そこは信じるしかない」
『大丈夫ですよ。
あまり可能性ばかり考えないでください』
「…そうだな。
君をこんなに巻き込む予定ではなかったんだが」
『隠されるくらいなら私は巻き込まれます』
苦笑いしてロイはセルシアの頬を撫でた。
夜中にチャイムが鳴り、警戒しながらロイがドアを開ける。
「すまん、俺だ。
連れ帰って来たんだが」
「どうした?
よしよし、大丈夫か?」
「ごめっ…なさい。
錬金術、邪魔しちゃっ…」
「それは終わってるからいいが。
どうしたんだ?」
錬金術の研究をするからとヒューズの家にウィンリィを頼んで泊まって来る予定だった。
宥めながらヒューズと共にウィンリィを家に入れる。
「すぅ…すぅ…」
「ありゃ?
仕方ないな、とりあえずは寝かせて来るか」
ロイに抱きついたままでソファで泣き疲れたウィンリィをロイがお姫様抱っこで運ぶ。
『珈琲では眠れなくなりますから』
「ありがとう」
「それで、何かあったのか?」
「怖い夢を見たみたいで。
俺とグレイシアで宥めてはみたんだが。
なんていうか、普段は聞き分けがいいだけ感情が爆発してな。
帰るってさ。
最初は田舎と思ったら“お義父さんのどこに帰る”って。
あぁ、これはロイだなと」
「えっ?」
ヒューズの言葉に驚いてロイは一瞬止まる。
「おまえが思ってるよりもウィンリィには安心感あるんだよ。
ファザコンになってるし、おじさんはショックだよ」
「…誰がおじさんなんだ。
同い年だろうが」
「幼い頃に両親を亡くしてやっと小さな子みたいに甘えられたんだよ」
「それが私なんて皮肉だな」
「…そんなことない。
誰でもいい訳ではないさ。
おまえの想いと向き合って受け入れてくれたんだ」
やっと甘えられる存在を見つけて夢とごちゃ混ぜになり、幼い行動をしてしまうのかもしれない。
小さな音が聞こえて振り向くと気まずそうに縮まって真っ赤な顔をしたウィンリィがいた。
「あの、えっと…」
「ふはっ!
お帰り、ウィンリィ」
「えっ?
あ、はい。
ただいま…です」
笑いながら出迎えてくれるロイに戸惑いながら安堵する。
「追い出したりしないさ。
怒ったりもしない」
「迷惑、掛けたし。
ヒューズ中佐にも」
「こんなの迷惑に入らん。
可愛いものだ。
鋼のなんて教会を半壊させたり、怪獣並みだぞ。
言っただろ、甘えていいって」
「…怖かったんです。
起きたら知らない部屋ですぐに泊まりに来たと思い出したけど。
ばっちゃんもエドもアルもマスタングさんもセルシアさんもリザさんも居なくて。
なんかわかんないけど、怖くて。
急にマスタングさんが消えちゃう夢も見たし!」
「大丈夫、今は側に居る。
居なくなったりしない」
(…俺はリザちゃんより下か)
ヒューズはちょっと傷つきながらハーブティーを飲み、セルシアは苦笑いしておかわりを用意した。
ふわりと抱き締められてウィンリィは涙が滲み、安堵してロイの服をきゅっと掴む。
「もう夜遅いから寝なさい」
「…一緒に寝ます。
また嫌な夢を見たらイヤです」
「はいはい、帰るよ」
「悪かったな」
「ヒューズ中佐、ごめんなさい」
「ちゃんと甘えられる奴には甘えろよ。
俺もいつでも大歓迎だし。
また今度、嫌じゃなかったら遊びに来いよ」
「…はい」
くしゃっとヒューズはウィンリィの頭を撫でて帰って行く。