第24話
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ロイは小さく笑って後ろからセルシアを抱き締める。
(…癒される。
嫌な気持ちもなくなるんだよな。
未来のことを考えても仕方ないか。
起きるかもしれないけど、今はそれよりも大切なことがある)
セルシアの肩に顔を埋めてロイは静かに目を閉じた。
『ロイさん?』
「すまない、大丈夫だ」
「…あんたらはいつもそうなのか?
それ、恥ずかしくないのかよ。
抱き合ったり、食べさせたりして。
甘ったるいというか…
変なの見せられてるし」
「何がだ?」
『おかしいことがあった?』
「…エドワードくん」
「それは言うだけ無駄だ」
(諦めてんのかよ!)
慣れすぎている中尉達にエドは顔が引きつる。
「こんにちは~!」
「エリシア、おいで。
子守してもらって悪かったな」
「楽しかったですから」
「ヤンチャしなかった?」
「あ~…それは否定はしません。
木登りしそうになったりして。
急いで止めました」
「ははっ、やっぱり?」
「もうエリシアったら。
危なっかしいわ」
「誰に似たんだろうな」
「そりゃ、おまえだろ」
「グレイシアさんがそんなヤンチャな訳ないですから」
「まぁ、エドの悪影響はあるかもしれませんけど」
「なっ!」
ヒューズはウィンリィと一緒に来たエリシアを抱えながら苦笑い。
ロイはウィンリィのコートを脱がしてハンガーに掛ける。
「あっ、すみません」
「構わないよ。
外は寒かったろ?」
『ロイさん、私がやりますよ。
エリシアちゃんのコートもありますから』
「…子供用のハンガーなんてないぞ」
『アルくんに作ってもらいました』
「ほぉ、犬のハンガーか。
よく出来てるな」
「ありがとうございます!」
「ワンちゃん!」
「持って帰っていいから」
「うん!」
嬉しそうに瞳を輝かせるエリシアに微笑んだ。
「すご~い!
飾り付けも可愛いです!」
「君の幼馴染が頑張ってくれたからな」
「アル、ありがとう」
「俺だって!」
「買い出し?」
「何で分かるんだよ!」
「センスがないあんたに飾り付けを頼む訳ないし、料理も出来ないし。
残りは買い出しでしょ?」
「うぐっ…」
さすがに幼馴染だけあって手加減がない。
「そのくらいにして始めようか。
料理が冷えてしまったら勿体ないからな」
「はい」
「「ウィンリィ、おめでとう!」」
「おめでとう。
ウィンリィちゃん」
『おめでとう!』
「ありがとうございます!」
「お祝いなんだし、何か買ってもらえよ」
「そうだな。
洋服でもアクセサリーでも本でも好きなものを言いなさい」
「…工具が欲しいです」
「「はぁ!?」」
予想外の答えに驚き、エドとアルは苦笑い。
「ダメ、ですか?」
「いや…イメージと違ったから。
構わないよ。
工具をプレゼントしよう。
まぁ、工具をプレゼントするのは初めてだが」
((そうだろうな))
ウィンリィらしいプレゼントだとロイは笑う。
男性が多いので1人ずつに取り皿に盛り付けて用意していた。
そうでないと女性達が食べれないだろうとロイの配慮だ。
「…ウィンリィが泊まりに来た時もこういうの食わせたのか?」
「何かおかしいか?
まぁ、今日は祝いだから以前よりも豪華にしているが」
「あんまり贅沢を覚えさせるなよ」
「贅沢?
どこが贅沢なんだ?
外食ではないし、この食材も市場で買ったものだぞ」
「高い肉とかじゃねぇのか?」
「だから、おまえは私を何だと思っているんだ。
中尉と買い出しにまで行って何を見ていたんだか」
「いや、そうだけど。
金遣い荒いし」
呆れたようにロイはエドを見てため息をつく。
「たまに外食やプレゼントには金は使っているが。
持っている人がそれなりに使わないと金は回らないんだ。
金遣い荒いのも否定はしないが、そこまで贅沢はさせておらんよ。
田舎では経験の出来ないことを経験はさせてたりはするが。
贅沢させすぎて田舎に戻った時に苦労するのはウィンリィだからな。
市場で売っているのも品質がそこまで悪くないし、工夫次第でうまくもなる」
「エドったら失礼でしょ!」
「金遣い荒いから」
「その言い方も失礼!」
「…っぶ!」
頭を思いっきり、エドはウィンリィに殴られた。
ほかの将軍達に比べたらプレゼントは例外にしてもロイは無駄な贅沢はしていない。
(情報の為に女性と外食したり、プレゼントもしてたからな。
それに比べたら減ったし。
セルシアが自炊してくれてるから外食も滅多にしてないんだが)
一般的な金銭感覚とのズレはあるが、そこまで最近は金遣い荒い訳でもない。
「一般的には金遣い荒い方かもな」
「そうか?」
「おまえは自覚ないからな。
でも、ほかの将軍達に比べたら豪遊もしてないし。
俺と飲むか、リーゼル大佐にプレゼントするくらいだろ」
『今でもプレゼントしてくれます』
「買いすぎとも言われるがな。
どれも似合いそうに見えるし」
「…いいですね」
「今度はウィンリィと買い物に行こうか」
「いえいえ、そういうつもりではなくて!」
憧れから呟いただけなのでウィンリィは慌てる。
「だから!
そういうのが余計だって言ってんだよ」
「鋼のが買う訳ないし、街でないと服は買えないだろ?」
「一応は売ってますよ。
シンプル過ぎますけどね」
「田舎でオシャレ過ぎる服は目立つだろうが」
「おまえ、本気出したら田舎にも店を作りそうだな」
「作ればいいのか?」
「ロイ、それは頼むからやめよう。
おまえは変なとこで抜けてるし、マイペースだよな」
「はぁ?」
(…これも自覚ないから厄介だ)
ヒューズはマイペースなロイに苦笑いする。
アルは食事が出来ないから最初は不参加にしていたが、それではウィンリィが気にするからと説得されて参加。
暇なので図書館から借りて来た本を読んでいたが、それも読み終えてしまった。
(暇だなぁ~。
まぁ、ウィンリィが楽しそうだからいっか。
これが兄さんなら暇だと口にするんだろうけど。
いつもは旅でこんなに同じ場所に留まることないし、新たな発見もあったりして楽しいことも多い。
都会だから古い宿でも高いと兄さんは文句を言ってたけど)
暇なのは変わりないが、楽しそうな笑顔に癒される。
年齢的にはウィンリィの方が年上でもたった1歳ではたいして変わりはない。
「…アルフォンス」
「あっ、はい」
「読み終わったのだろう?
何冊か貸してやろう」
「いいんですか!?」
「あぁ、構わないよ。
普通の錬金術の本だから。
それから、これも。
暇なら解読してごらん。
前に暇潰しで私が作ったやつだけど」
「うわぁ…
ありがとうございます!」
ロイから数冊の錬金術の本と紙を貰ってアルは嬉しそうな声を出す。
「マスタングさん、ありがとうございます」
「どういたしまして」
「…よく分かりましたね」
「鋼のよりは分かりづらいが、それでも子供だ。
見ていれば分かるさ」
ウィンリィも気づいていたようだからそこまでポーカーフェイスにはまだなれていないのだろう。
(…癒される。
嫌な気持ちもなくなるんだよな。
未来のことを考えても仕方ないか。
起きるかもしれないけど、今はそれよりも大切なことがある)
セルシアの肩に顔を埋めてロイは静かに目を閉じた。
『ロイさん?』
「すまない、大丈夫だ」
「…あんたらはいつもそうなのか?
それ、恥ずかしくないのかよ。
抱き合ったり、食べさせたりして。
甘ったるいというか…
変なの見せられてるし」
「何がだ?」
『おかしいことがあった?』
「…エドワードくん」
「それは言うだけ無駄だ」
(諦めてんのかよ!)
慣れすぎている中尉達にエドは顔が引きつる。
「こんにちは~!」
「エリシア、おいで。
子守してもらって悪かったな」
「楽しかったですから」
「ヤンチャしなかった?」
「あ~…それは否定はしません。
木登りしそうになったりして。
急いで止めました」
「ははっ、やっぱり?」
「もうエリシアったら。
危なっかしいわ」
「誰に似たんだろうな」
「そりゃ、おまえだろ」
「グレイシアさんがそんなヤンチャな訳ないですから」
「まぁ、エドの悪影響はあるかもしれませんけど」
「なっ!」
ヒューズはウィンリィと一緒に来たエリシアを抱えながら苦笑い。
ロイはウィンリィのコートを脱がしてハンガーに掛ける。
「あっ、すみません」
「構わないよ。
外は寒かったろ?」
『ロイさん、私がやりますよ。
エリシアちゃんのコートもありますから』
「…子供用のハンガーなんてないぞ」
『アルくんに作ってもらいました』
「ほぉ、犬のハンガーか。
よく出来てるな」
「ありがとうございます!」
「ワンちゃん!」
「持って帰っていいから」
「うん!」
嬉しそうに瞳を輝かせるエリシアに微笑んだ。
「すご~い!
飾り付けも可愛いです!」
「君の幼馴染が頑張ってくれたからな」
「アル、ありがとう」
「俺だって!」
「買い出し?」
「何で分かるんだよ!」
「センスがないあんたに飾り付けを頼む訳ないし、料理も出来ないし。
残りは買い出しでしょ?」
「うぐっ…」
さすがに幼馴染だけあって手加減がない。
「そのくらいにして始めようか。
料理が冷えてしまったら勿体ないからな」
「はい」
「「ウィンリィ、おめでとう!」」
「おめでとう。
ウィンリィちゃん」
『おめでとう!』
「ありがとうございます!」
「お祝いなんだし、何か買ってもらえよ」
「そうだな。
洋服でもアクセサリーでも本でも好きなものを言いなさい」
「…工具が欲しいです」
「「はぁ!?」」
予想外の答えに驚き、エドとアルは苦笑い。
「ダメ、ですか?」
「いや…イメージと違ったから。
構わないよ。
工具をプレゼントしよう。
まぁ、工具をプレゼントするのは初めてだが」
((そうだろうな))
ウィンリィらしいプレゼントだとロイは笑う。
男性が多いので1人ずつに取り皿に盛り付けて用意していた。
そうでないと女性達が食べれないだろうとロイの配慮だ。
「…ウィンリィが泊まりに来た時もこういうの食わせたのか?」
「何かおかしいか?
まぁ、今日は祝いだから以前よりも豪華にしているが」
「あんまり贅沢を覚えさせるなよ」
「贅沢?
どこが贅沢なんだ?
外食ではないし、この食材も市場で買ったものだぞ」
「高い肉とかじゃねぇのか?」
「だから、おまえは私を何だと思っているんだ。
中尉と買い出しにまで行って何を見ていたんだか」
「いや、そうだけど。
金遣い荒いし」
呆れたようにロイはエドを見てため息をつく。
「たまに外食やプレゼントには金は使っているが。
持っている人がそれなりに使わないと金は回らないんだ。
金遣い荒いのも否定はしないが、そこまで贅沢はさせておらんよ。
田舎では経験の出来ないことを経験はさせてたりはするが。
贅沢させすぎて田舎に戻った時に苦労するのはウィンリィだからな。
市場で売っているのも品質がそこまで悪くないし、工夫次第でうまくもなる」
「エドったら失礼でしょ!」
「金遣い荒いから」
「その言い方も失礼!」
「…っぶ!」
頭を思いっきり、エドはウィンリィに殴られた。
ほかの将軍達に比べたらプレゼントは例外にしてもロイは無駄な贅沢はしていない。
(情報の為に女性と外食したり、プレゼントもしてたからな。
それに比べたら減ったし。
セルシアが自炊してくれてるから外食も滅多にしてないんだが)
一般的な金銭感覚とのズレはあるが、そこまで最近は金遣い荒い訳でもない。
「一般的には金遣い荒い方かもな」
「そうか?」
「おまえは自覚ないからな。
でも、ほかの将軍達に比べたら豪遊もしてないし。
俺と飲むか、リーゼル大佐にプレゼントするくらいだろ」
『今でもプレゼントしてくれます』
「買いすぎとも言われるがな。
どれも似合いそうに見えるし」
「…いいですね」
「今度はウィンリィと買い物に行こうか」
「いえいえ、そういうつもりではなくて!」
憧れから呟いただけなのでウィンリィは慌てる。
「だから!
そういうのが余計だって言ってんだよ」
「鋼のが買う訳ないし、街でないと服は買えないだろ?」
「一応は売ってますよ。
シンプル過ぎますけどね」
「田舎でオシャレ過ぎる服は目立つだろうが」
「おまえ、本気出したら田舎にも店を作りそうだな」
「作ればいいのか?」
「ロイ、それは頼むからやめよう。
おまえは変なとこで抜けてるし、マイペースだよな」
「はぁ?」
(…これも自覚ないから厄介だ)
ヒューズはマイペースなロイに苦笑いする。
アルは食事が出来ないから最初は不参加にしていたが、それではウィンリィが気にするからと説得されて参加。
暇なので図書館から借りて来た本を読んでいたが、それも読み終えてしまった。
(暇だなぁ~。
まぁ、ウィンリィが楽しそうだからいっか。
これが兄さんなら暇だと口にするんだろうけど。
いつもは旅でこんなに同じ場所に留まることないし、新たな発見もあったりして楽しいことも多い。
都会だから古い宿でも高いと兄さんは文句を言ってたけど)
暇なのは変わりないが、楽しそうな笑顔に癒される。
年齢的にはウィンリィの方が年上でもたった1歳ではたいして変わりはない。
「…アルフォンス」
「あっ、はい」
「読み終わったのだろう?
何冊か貸してやろう」
「いいんですか!?」
「あぁ、構わないよ。
普通の錬金術の本だから。
それから、これも。
暇なら解読してごらん。
前に暇潰しで私が作ったやつだけど」
「うわぁ…
ありがとうございます!」
ロイから数冊の錬金術の本と紙を貰ってアルは嬉しそうな声を出す。
「マスタングさん、ありがとうございます」
「どういたしまして」
「…よく分かりましたね」
「鋼のよりは分かりづらいが、それでも子供だ。
見ていれば分かるさ」
ウィンリィも気づいていたようだからそこまでポーカーフェイスにはまだなれていないのだろう。