第24話
夢小説設定
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マグカップを置かれてロイは不思議そうに見つめる。
『野菜スープ。
ちょっと飲んでみて』
「…うまい。
飲みやすいし、優しい味だな」
『よかった。
これなら大丈夫だね』
「コーンスープにも似てるけど」
『それに人参とジャガイモを濾して、ミルクで混ぜたの』
まだ甘え下手だなと思いながら仕方ないかと苦笑い。
「へぇ…凄いな」
『少なくなると飲みづらい?
スプーンあるから』
「仕事、悪かったな」
『急になら仕方ないよ。
二日酔いとかではないし。
事件もなかったから大丈夫』
「それならよかっ…
何をしてるんだ?」
『甘えてくれないから甘やかそうと思って。
こういう時しか甘えてくれないし。
はい、あ~ん?』
スプーンで掬ってスープを口元に持って行く。
「……っ…」
口を開けて食べさせられ、ロイは口を押さえて耳が赤く染まる。
『ロイさん?
ふふっ、全部食べれましたね』
「…面白がってないか?」
『そんなことないですよ。
一応、頭痛薬を飲みますか?』
「そうだな」
水を貰って市販の頭痛薬を念の為に飲んだ。
(お菓子とかそういうのは食べさせられるのは平気だし、照れたりしないのに不思議だな)
きっとこれもセルシアにしか見せないロイの顔だろう。
ベットに枕に顔を埋めて沈んでいるロイにやり過ぎたかなと苦笑い。
『ロイさん、レモンシャーベットを食べます?
そんなに食べれない?』
「…食べるけど」
『食べさせたりしないから。
ちょっと待っててね』
冷凍庫からレモンシャーベットを取り出して来る。
「舌触りもいいな。
サッパリするし」
『ゆっくり食べててね。
私はお風呂に入って来るから。
何かあったら呼んで』
「…分かった」
『片付けないで置いてていいから』
「了解」
大袈裟だと思いながらも説得力がないので頷いた。
あの頭痛は何だったのか翌朝はスッキリとした目覚め。
(脳裏に浮かんだ洞窟らしき場所の映像が正しいとすると…
試してみる価値はあるな。
解読に繋がるかもしれない)
セルシアの両親の研究書から違和感を見つけた。
「これは…っ」
『ロイさん、治ったばかりなんだから無茶してはダメですよ』
「秘術」
『えっ?』
「君の両親、秘術を隠してた。
ずっと気になっていた文面と見たことない錬成陣があって。
見たことないのに見たような気もあって。
そうしたら頭痛が起きたんだ」
『これって!』
「世間に知られたら大変だ。
これは処分するべきだが。
使えるのなら確かに力にはなるだろうが」
『…危険な秘術の儀式ではありますね』
ロイが解読した文面にお互いに知識があるならどれほどなのかと分かる。
同時にこれがあったから狙われたのではないかと脳裏に浮かぶ。
『…ロイさん。
処分、するべきです』
「分かってる」
『その前に覚悟があるなら儀式を。
貴方は狙われるはずです。
それの力になるなら。
こんな欲はいけないかもしれない。
でもっ、どんな手を使っても私は貴方を失いたくない!』
「…セルシア」
泣きながらセルシアはロイの服を掴み、ロイは躊躇しながらも抱き締めた。
『失敗したら命も…』
「あぁ、そうだな。
それでも手元に置いておく訳にはいかない」
材料を準備して何度も練習してどれくらい経ったのか。
不思議と疲れはなくて恐怖と不安もあるが、覚悟は決めた。
(何なんだ、これは。
身体が痺れるような痛みは。
拒否された…のか?
失敗、か?)
ビリビリと雷を全身に浴びてるような感覚と青白い光に包まれている。
気がつくと部屋に大きな錬成陣が浮かんで青白い光が放たれていた。
「セルシアっ!
聞こえるか!?」
『…ロイさん』
意識があることにロイは安堵の息を吐いた。
「これは失敗なのか?」
『そのわりには何も起きてません。
隠しているなら失敗で対価として奪われても』
「身体も記憶も錬金術の能力も変わらんな」
ヂリッと胸が痛み、服の上からでも分かる青白い光が放たれていることに気づく。
『野菜スープ。
ちょっと飲んでみて』
「…うまい。
飲みやすいし、優しい味だな」
『よかった。
これなら大丈夫だね』
「コーンスープにも似てるけど」
『それに人参とジャガイモを濾して、ミルクで混ぜたの』
まだ甘え下手だなと思いながら仕方ないかと苦笑い。
「へぇ…凄いな」
『少なくなると飲みづらい?
スプーンあるから』
「仕事、悪かったな」
『急になら仕方ないよ。
二日酔いとかではないし。
事件もなかったから大丈夫』
「それならよかっ…
何をしてるんだ?」
『甘えてくれないから甘やかそうと思って。
こういう時しか甘えてくれないし。
はい、あ~ん?』
スプーンで掬ってスープを口元に持って行く。
「……っ…」
口を開けて食べさせられ、ロイは口を押さえて耳が赤く染まる。
『ロイさん?
ふふっ、全部食べれましたね』
「…面白がってないか?」
『そんなことないですよ。
一応、頭痛薬を飲みますか?』
「そうだな」
水を貰って市販の頭痛薬を念の為に飲んだ。
(お菓子とかそういうのは食べさせられるのは平気だし、照れたりしないのに不思議だな)
きっとこれもセルシアにしか見せないロイの顔だろう。
ベットに枕に顔を埋めて沈んでいるロイにやり過ぎたかなと苦笑い。
『ロイさん、レモンシャーベットを食べます?
そんなに食べれない?』
「…食べるけど」
『食べさせたりしないから。
ちょっと待っててね』
冷凍庫からレモンシャーベットを取り出して来る。
「舌触りもいいな。
サッパリするし」
『ゆっくり食べててね。
私はお風呂に入って来るから。
何かあったら呼んで』
「…分かった」
『片付けないで置いてていいから』
「了解」
大袈裟だと思いながらも説得力がないので頷いた。
あの頭痛は何だったのか翌朝はスッキリとした目覚め。
(脳裏に浮かんだ洞窟らしき場所の映像が正しいとすると…
試してみる価値はあるな。
解読に繋がるかもしれない)
セルシアの両親の研究書から違和感を見つけた。
「これは…っ」
『ロイさん、治ったばかりなんだから無茶してはダメですよ』
「秘術」
『えっ?』
「君の両親、秘術を隠してた。
ずっと気になっていた文面と見たことない錬成陣があって。
見たことないのに見たような気もあって。
そうしたら頭痛が起きたんだ」
『これって!』
「世間に知られたら大変だ。
これは処分するべきだが。
使えるのなら確かに力にはなるだろうが」
『…危険な秘術の儀式ではありますね』
ロイが解読した文面にお互いに知識があるならどれほどなのかと分かる。
同時にこれがあったから狙われたのではないかと脳裏に浮かぶ。
『…ロイさん。
処分、するべきです』
「分かってる」
『その前に覚悟があるなら儀式を。
貴方は狙われるはずです。
それの力になるなら。
こんな欲はいけないかもしれない。
でもっ、どんな手を使っても私は貴方を失いたくない!』
「…セルシア」
泣きながらセルシアはロイの服を掴み、ロイは躊躇しながらも抱き締めた。
『失敗したら命も…』
「あぁ、そうだな。
それでも手元に置いておく訳にはいかない」
材料を準備して何度も練習してどれくらい経ったのか。
不思議と疲れはなくて恐怖と不安もあるが、覚悟は決めた。
(何なんだ、これは。
身体が痺れるような痛みは。
拒否された…のか?
失敗、か?)
ビリビリと雷を全身に浴びてるような感覚と青白い光に包まれている。
気がつくと部屋に大きな錬成陣が浮かんで青白い光が放たれていた。
「セルシアっ!
聞こえるか!?」
『…ロイさん』
意識があることにロイは安堵の息を吐いた。
「これは失敗なのか?」
『そのわりには何も起きてません。
隠しているなら失敗で対価として奪われても』
「身体も記憶も錬金術の能力も変わらんな」
ヂリッと胸が痛み、服の上からでも分かる青白い光が放たれていることに気づく。