第23話
夢小説設定
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機械鎧技師資格の受験受け付け書でそこにはロイの署名があった。
「マスタングさん、これって」
「ピナコ殿の許可は貰った。
特例の事情により、保護者が署名が出来ない場合は国家軍の将軍クラスの署名で受験は許可するとある。
孤児の為に作られたものではあるが、君も当てはまるだろう。
あとは君の判断に任せよう。
ちなみに試験は3日後だ」
「えっ…」
「「3日後!?」」
「ロイ、おまえなぁ。
何でもっと早く言わないんだ!」
「仕方ないだろ。
調べたのが今朝でそうしたら試験が3日後だったんだよ」
「3日後を逃したら?」
「受験生が少ないから不定期だし。
これを逃せば、半年後?」
「「はぁ!?」」
驚きの声が上がり、ウィンリィは驚き過ぎて声も出ない。
「ちょっと待てよ。
受験料、半端ないぞ。
そんな金ないだろ」
「待って、兄さん。
ここに小切手が…」
「私が払う」
「そこまでしてもらう訳には!」
「いいかい、ウィンリィ。
これは未来の君に対する投資だ。
ギャンブルって意味ではないぞ。
自分に投資も必要なんだよ。
それが結果的に成長に繋がる」
「成長…」
「路頭に迷わない為の保険と思っても構わない。
ただ私は貸しとは思ってない」
(確かにこの金額は私では貯めたとしても何年掛かるのか。
ばっちゃんに協力してもらっても難しいかもしれない。
心配かけちゃうし)
迷っているウィンリィにロイは優しく頭を撫でて屈んでウィンリィの手を両手で包む。
ピクンとしてウィンリィは顔を上げた。
「やっと顔を上げてくれた。
下を見ていても何も起きないよ」
「私、マスタングさんに何も返せません…っ」
「あ~…泣くなって」
「私はマスタングさんから貰ってばかりで。
金銭面も優しさも安心感とか、環境や知識とか」
「安心感って」
「私は何を返せますか?」
「別に返して欲しくてしてる訳じゃないんだが。
言っただろ、甘えろと。
君が助けを求めるなら私は迷わず手を差し伸べる。
ウィンリィ、手を取りなさい」
「…ありがとうございます。
この恩は忘れません。
貴方が助けを求めるなら私は全力で助けに向かいます!
絶対に約束しますから!」
「おわっ…」
ウィンリィに勢いよく抱きつかれ、ロイはバランスを崩して倒れる。
「あらら…」
「なっ!」
「大丈夫か~?」
「ご、ごめんなさい!」
「ぶはっ!
いきなりすぎだ。
ウィンリィ、受けてもらえるかな?」
「はいっ!
頑張ります!」
立ち上がってウィンリィは笑顔で大きく頷いた。
「試験は大丈夫なのかよ」
「現役でやっているんだ。
知識も問題ないだろう。
ピナコ殿の側で教わっているんだ」
「まぁ、そうかもしれんが」
それでもウィンリィの機械鎧技師の試験の3日後は不安が募る。
自分では手を貸せない状況にエドは不満顔。
「あんた、ウィンリィを利用するつもりじゃないよな?
それなら許さないからな!」
「はっ?」
「あんたの署名で受験なら試験官からも注目されて場合によって待遇されるかもしれない。
点数の不正はされないだろうけど。
ウィンリィが合格したら未成年の女だし、あんたの功績になる」
「………。」
「ウィンリィは言いくるめられても俺は騙されねぇからな!」
エドの言葉にロイは黙って瞬きして見つめる。
「あ~…エド、落ち着け。
ロイにそんな気ないから。
というか、言われて今気づいたみたいだし」
「はっ?」
「いや、言われて見てそうだなと。
待遇についてもそれはあるかもしれないが。
功績になるとか利用するとかじゃなくて。
気づいたからと言って私はそんなものを利用せずとも功績を残せるんだよ、鋼の。
そんな小さいことをしたくないんでね」
「俺は利用されてっけど」
「利用はしたが、自分の功績にはしておらん」
「えっ?」
「それに、受験生を不正で仮に合格させたとしても無理だろ。
機械鎧技師として働くんだ。
そこでボロが出ておしまいだよ」
「まぁ、そうだけどよ」
未だに不満そうなエドに苦笑いをする。
「マスタングさん、これって」
「ピナコ殿の許可は貰った。
特例の事情により、保護者が署名が出来ない場合は国家軍の将軍クラスの署名で受験は許可するとある。
孤児の為に作られたものではあるが、君も当てはまるだろう。
あとは君の判断に任せよう。
ちなみに試験は3日後だ」
「えっ…」
「「3日後!?」」
「ロイ、おまえなぁ。
何でもっと早く言わないんだ!」
「仕方ないだろ。
調べたのが今朝でそうしたら試験が3日後だったんだよ」
「3日後を逃したら?」
「受験生が少ないから不定期だし。
これを逃せば、半年後?」
「「はぁ!?」」
驚きの声が上がり、ウィンリィは驚き過ぎて声も出ない。
「ちょっと待てよ。
受験料、半端ないぞ。
そんな金ないだろ」
「待って、兄さん。
ここに小切手が…」
「私が払う」
「そこまでしてもらう訳には!」
「いいかい、ウィンリィ。
これは未来の君に対する投資だ。
ギャンブルって意味ではないぞ。
自分に投資も必要なんだよ。
それが結果的に成長に繋がる」
「成長…」
「路頭に迷わない為の保険と思っても構わない。
ただ私は貸しとは思ってない」
(確かにこの金額は私では貯めたとしても何年掛かるのか。
ばっちゃんに協力してもらっても難しいかもしれない。
心配かけちゃうし)
迷っているウィンリィにロイは優しく頭を撫でて屈んでウィンリィの手を両手で包む。
ピクンとしてウィンリィは顔を上げた。
「やっと顔を上げてくれた。
下を見ていても何も起きないよ」
「私、マスタングさんに何も返せません…っ」
「あ~…泣くなって」
「私はマスタングさんから貰ってばかりで。
金銭面も優しさも安心感とか、環境や知識とか」
「安心感って」
「私は何を返せますか?」
「別に返して欲しくてしてる訳じゃないんだが。
言っただろ、甘えろと。
君が助けを求めるなら私は迷わず手を差し伸べる。
ウィンリィ、手を取りなさい」
「…ありがとうございます。
この恩は忘れません。
貴方が助けを求めるなら私は全力で助けに向かいます!
絶対に約束しますから!」
「おわっ…」
ウィンリィに勢いよく抱きつかれ、ロイはバランスを崩して倒れる。
「あらら…」
「なっ!」
「大丈夫か~?」
「ご、ごめんなさい!」
「ぶはっ!
いきなりすぎだ。
ウィンリィ、受けてもらえるかな?」
「はいっ!
頑張ります!」
立ち上がってウィンリィは笑顔で大きく頷いた。
「試験は大丈夫なのかよ」
「現役でやっているんだ。
知識も問題ないだろう。
ピナコ殿の側で教わっているんだ」
「まぁ、そうかもしれんが」
それでもウィンリィの機械鎧技師の試験の3日後は不安が募る。
自分では手を貸せない状況にエドは不満顔。
「あんた、ウィンリィを利用するつもりじゃないよな?
それなら許さないからな!」
「はっ?」
「あんたの署名で受験なら試験官からも注目されて場合によって待遇されるかもしれない。
点数の不正はされないだろうけど。
ウィンリィが合格したら未成年の女だし、あんたの功績になる」
「………。」
「ウィンリィは言いくるめられても俺は騙されねぇからな!」
エドの言葉にロイは黙って瞬きして見つめる。
「あ~…エド、落ち着け。
ロイにそんな気ないから。
というか、言われて今気づいたみたいだし」
「はっ?」
「いや、言われて見てそうだなと。
待遇についてもそれはあるかもしれないが。
功績になるとか利用するとかじゃなくて。
気づいたからと言って私はそんなものを利用せずとも功績を残せるんだよ、鋼の。
そんな小さいことをしたくないんでね」
「俺は利用されてっけど」
「利用はしたが、自分の功績にはしておらん」
「えっ?」
「それに、受験生を不正で仮に合格させたとしても無理だろ。
機械鎧技師として働くんだ。
そこでボロが出ておしまいだよ」
「まぁ、そうだけどよ」
未だに不満そうなエドに苦笑いをする。