第23話

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足音が聞こえてウィンリィは振り向いて驚く。


「よかった、司令部を出てなくて。
将軍達に絡まれてたらと…」
「マスタングさん!」
「ちゃんと否定してなかったから。
誤解されたと思って。
迷惑じゃないよ。
鋼のはアルフォンスに叱られてる」
「ははっ、本当にアルの方が兄貴みたいだな」
「…お仕事の邪魔してるのは本当だし」
「邪魔じゃないよ。
忙しかったら言うし。
ほら、戻っておいで?
貰ったお菓子があるから出してあげるから。
廊下は寒いだろ」


手を差し伸べられ、おずおずとウィンリィはロイの手を掴む。


「ウィンリィ…
その、悪かった」
「エドなんか知らない。
次また変なことを言ったら壊れても直してあげないんだからね!」
「うぐっ…」
「それはウィンリィにしか使えない脅し文句だね。
兄さんにはいい薬だよ」
「そうだな。
可愛い子に意地悪するなんて幼稚だぞ、鋼の。
ウィンリィにブランド店を紹介してやろう。
鋼のに好きなものを買ってもらってはどうだ?」
「げっ…
将軍が行く店なら半端なく高いんだろ!」
「高いが、それがどうした?
傷つけた分くらい買えばよかろう」
「はぁ!?」
「エドにブランド物を?
気持ち悪い。
似合わなすぎて」
「おまえなぁ!」
「「…確かに」」


脳裏に浮かんで想像したようで似合わないと笑ってしまう。


「くくっ…それは否定しないが。
まぁ、本でも買ってもらってはどうだ?
田舎では手に入らない本もあるし、医療本も今後必要になるだろう」
「医療本?」


キョトンとして不思議そうにウィンリィは首を傾げた。


ロイは微かに笑ってウィンリィの頭を撫でた。


「医者や看護師になれと言っている訳ではないよ。
もちろん、君が決めて目指すのなら応援する。
ピナコ殿は医師でもある。
鋼のは例外としても機械鎧は病気や戦争で失った人だろう。
病気や怪我、リハビリの知識も今はピナコ殿の知識がある。
一人立ちになればそれはすべて自分の責任になるんだ。
その為には必ず必要な知識になる。
1人ずつ、事情や環境も違う。
さすがに鋼のように戦う奴はそう居ないだろうが。
田舎暮らしなのか、都会暮らし、職業によっても変わるだろう?」
「そういえば、ばっちゃんは聞いて素材を換えたりしてた。
そういうこと…だったんだ。
私、気づかなかった」
「それが大人と子供の違いだ。
大人は全員ではないが、子供よりも視野が広い。
だがな、子供にしか気づけない視点もあるのだよ。
今の君は子供と大人の間だ。
いろんな人々に会って意見や話を聞いて様々な経験を得て、将来のことを少しずつ考えなさい。
機械鎧技師をやめろと言っている訳ではないよ。
いろんな道があり、それはひとつではない。
君が帰れば私は君の側に今みたいに居てすぐには駆けつけられないからな」


田舎の大人のように騒がしくはなく、それでも優しくて暖かくてその中には厳しさもあってそれが居心地もよかった。


嫌われる覚悟でロイは伝えてくれるのだろう。


「将来のこと、私は曖昧であまり考えていませんでした。
ばっちゃんみたいになりたいって。
でも、都会に来て住んでみていろんなことが分かりました。
市場や街とか、いろんな人々やいろんな職業がいてそれぞれが支え合って生きてる。
田舎では野菜を作ってその人が売ってるけど、都会では作る人や売る人が別にいてそれぞれがプロとして利益を得ながら成り立ってる」


ウィンリィの言葉に満足そうにロイは頷いた。


「そこまで分かっている君ならきっと大丈夫だ。
まだ男性社会ではあるが、女性が社会進出も少しずつ増えている。
機械鎧技師しかない訳ではない」
「将軍!」
「鋼の、勘違いするな。
私は否定してる訳ではない。
鋼のも口出しをすることではない。
これはウィンリィが自分で決める問題なんだ。
機械鎧技師はまだ少ないから君がなるなら必要な人材だろう。
女性の技師も少なく、女性ならではの視点で作り上げることも可能だ。
同時に…、険しい道でもある。
ピナコ殿が仮に亡くなれば、君は技師の活動が出来ない」
「はぁ!?」
「その通りです」
「どういうことだよ」
「…ウィンリィは機械鎧技師の資格を持っていない。
今はピナコ殿がいるし、鋼のを治すにもピナコ殿の年齢的な理由に代理としてやっているのだろう?」
「はい、そうです」
「速急に資格を取りなさい。
君なら資格を取れるはずだし、街でしか試験はしてない」
「で、でも…
保護者の許可が必要だし」


ロイに1枚の紙を見せられてウィンリィは驚く。
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