第23話
夢小説設定
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ハッとしてウィンリィは照れ笑いして離れる。
「この家のベビーシッターみたいなことをしてパーティーにもお誘いを頂いて」
「ベビーシッターしなくても必要な金はあるだろう?
参加するならドレスを用意してやったのに」
「これで十分ですよ。
生活費は十分なほど、頂いてます。
街でしか出来ないことがあるかなって経験したくて。
自分だけで稼ぐって大変で難しかったです。
このお金も大変な思いをして稼いだんだって思ったらすっごく重くて。
ポンッと軽々と渡すし!」
「…すまん」
「でも、すっごく温かかったです。
大切にしてくれてるんだなって。
ありがとうございます!
だから、恥にならないように頑張ります」
「…ウィンリィ。
君がどんな道を選んでも恥になんてならないよ。
君の願いならセルシア同様に叶えるし、幸せを願ってるよ」
ロイは屈んでウィンリィの手を握って約束する。
「どんな願いも?」
「あぁ、君が望むなら」
「もう一度、ピアノ聴きたいです!」
『私もです!』
「なっ!」
ウィンリィとセルシアが瞳を輝かせてロイを見つめる。
ロイは硬直し、ヒューズは肩を震わせて笑う。
「よかったじゃねぇか、溺愛2人からのお願いだぞ」
「…ヒューズ」
「さっきは遠くてあまり見えなくて聞こえなかったし」
『ダメ、ですか?』
「あ~…そんな顔するなよ。
申し訳ありません、もう一度お借りしても?」
「構わないですよ。
皆さんも聞きたそうですからね」
苦笑いしてロイはピアノの椅子に座った。
嬉しそうなウィンリィとセルシアにロイは振り返ってふわりと笑う。
(せっかくのパーティーだし、明るい曲にしようか。
騒動にもさせてしまったからな)
先程の曲とは真逆の楽しくなるような曲調で盛り上がる。
「ありがとうございました」
弾き終わると先程同様に歓声と拍手喝采が会場に響く。
お辞儀して戻るとウィンリィとセルシアに抱きつかれ、倒れそうになりながらもロイはどうにか踏ん張って耐えた。
「凄いですっ!
とても楽しかったです!」
『素敵でした!
格好よかったし、楽しい曲で盛り上がりましたね!』
「あ、危なっ…
分かったから落ち着け」
その様子に貴族達でさえも苦笑いしてしまい、中尉とハボックは笑いを堪える。
「ご、ごめんなさい!」
『…思わず』
「構わないよ」
「お疲れさん。
ほらよ、ロイ」
「何だ?」
「カロリー消費したから肉料理」
「…どんな理由だ」
ヒューズから苦笑いして取り皿を受け取る。
「お嬢さん方にはジュースな」
「ありがとうございます、ヒューズ中佐」
『子供扱いしないでください。
まぁ、頂きますけど。
私は貴方よりも上官ですからね。
こういう場所では普段のような口調は気をつけてください』
「ははっ…手厳しいな」
『将軍の評価に関わります』
「やっぱり、それか」
『ほかに何があると?』
(堂々と言われるとそれ以上は言えないのだが)
ヒューズはグラスを渡して苦笑いを浮かべる。
セルシアがいるのにダンスをしたそうな視線を送られ、ロイは気づかないフリ。
「女性から誘うシステムがなくてよかったよ」
「品格のない行いは貴族のお嬢様はしないだろうからな」
「ダンスって楽しいんですか?」
「ん…?」
「あっ、いえ、村にはパーティーなんてないですし。
あったらそもそも驚きですけど。
楽しいのかなって。
踊れないんですけどね」
「私と踊ってみるか?
経験するのが一番だろう」
「いやいや、セルシアさんが居るじゃないですか」
『私、踊りは好きじゃないから。
それでもロイさんと踊るのは楽しいよ。
最初なら尚更、上手な人と踊るべきだから。
下手な人だとリードも全然だし。
ウィンリィちゃんになら貸してあげるわ』
「私、本当に何も知らなくて踊れないんですけど!」
『真似して身を任せれば大丈夫』
「いやいや、無理です!」
涙目で必死に否定するウィンリィにロイとヒューズは顔を見合わせて小さく笑う。
「…踊って頂けますか?」
「えっ!?」
「お嬢様、踊って頂けますか?」
「わ、分かりました」
丁寧なロイの誘いにウィンリィは周りからの視線もあって断れず。
「大丈夫、この曲なら。
もう少しこっちに。
身体を密着させて身を任せて。
足は同じステップだから。
そう、上手だ」
身体を密着させてロイがウィンリィの腰を支え、小声でダンスを教えていた。
「この家のベビーシッターみたいなことをしてパーティーにもお誘いを頂いて」
「ベビーシッターしなくても必要な金はあるだろう?
参加するならドレスを用意してやったのに」
「これで十分ですよ。
生活費は十分なほど、頂いてます。
街でしか出来ないことがあるかなって経験したくて。
自分だけで稼ぐって大変で難しかったです。
このお金も大変な思いをして稼いだんだって思ったらすっごく重くて。
ポンッと軽々と渡すし!」
「…すまん」
「でも、すっごく温かかったです。
大切にしてくれてるんだなって。
ありがとうございます!
だから、恥にならないように頑張ります」
「…ウィンリィ。
君がどんな道を選んでも恥になんてならないよ。
君の願いならセルシア同様に叶えるし、幸せを願ってるよ」
ロイは屈んでウィンリィの手を握って約束する。
「どんな願いも?」
「あぁ、君が望むなら」
「もう一度、ピアノ聴きたいです!」
『私もです!』
「なっ!」
ウィンリィとセルシアが瞳を輝かせてロイを見つめる。
ロイは硬直し、ヒューズは肩を震わせて笑う。
「よかったじゃねぇか、溺愛2人からのお願いだぞ」
「…ヒューズ」
「さっきは遠くてあまり見えなくて聞こえなかったし」
『ダメ、ですか?』
「あ~…そんな顔するなよ。
申し訳ありません、もう一度お借りしても?」
「構わないですよ。
皆さんも聞きたそうですからね」
苦笑いしてロイはピアノの椅子に座った。
嬉しそうなウィンリィとセルシアにロイは振り返ってふわりと笑う。
(せっかくのパーティーだし、明るい曲にしようか。
騒動にもさせてしまったからな)
先程の曲とは真逆の楽しくなるような曲調で盛り上がる。
「ありがとうございました」
弾き終わると先程同様に歓声と拍手喝采が会場に響く。
お辞儀して戻るとウィンリィとセルシアに抱きつかれ、倒れそうになりながらもロイはどうにか踏ん張って耐えた。
「凄いですっ!
とても楽しかったです!」
『素敵でした!
格好よかったし、楽しい曲で盛り上がりましたね!』
「あ、危なっ…
分かったから落ち着け」
その様子に貴族達でさえも苦笑いしてしまい、中尉とハボックは笑いを堪える。
「ご、ごめんなさい!」
『…思わず』
「構わないよ」
「お疲れさん。
ほらよ、ロイ」
「何だ?」
「カロリー消費したから肉料理」
「…どんな理由だ」
ヒューズから苦笑いして取り皿を受け取る。
「お嬢さん方にはジュースな」
「ありがとうございます、ヒューズ中佐」
『子供扱いしないでください。
まぁ、頂きますけど。
私は貴方よりも上官ですからね。
こういう場所では普段のような口調は気をつけてください』
「ははっ…手厳しいな」
『将軍の評価に関わります』
「やっぱり、それか」
『ほかに何があると?』
(堂々と言われるとそれ以上は言えないのだが)
ヒューズはグラスを渡して苦笑いを浮かべる。
セルシアがいるのにダンスをしたそうな視線を送られ、ロイは気づかないフリ。
「女性から誘うシステムがなくてよかったよ」
「品格のない行いは貴族のお嬢様はしないだろうからな」
「ダンスって楽しいんですか?」
「ん…?」
「あっ、いえ、村にはパーティーなんてないですし。
あったらそもそも驚きですけど。
楽しいのかなって。
踊れないんですけどね」
「私と踊ってみるか?
経験するのが一番だろう」
「いやいや、セルシアさんが居るじゃないですか」
『私、踊りは好きじゃないから。
それでもロイさんと踊るのは楽しいよ。
最初なら尚更、上手な人と踊るべきだから。
下手な人だとリードも全然だし。
ウィンリィちゃんになら貸してあげるわ』
「私、本当に何も知らなくて踊れないんですけど!」
『真似して身を任せれば大丈夫』
「いやいや、無理です!」
涙目で必死に否定するウィンリィにロイとヒューズは顔を見合わせて小さく笑う。
「…踊って頂けますか?」
「えっ!?」
「お嬢様、踊って頂けますか?」
「わ、分かりました」
丁寧なロイの誘いにウィンリィは周りからの視線もあって断れず。
「大丈夫、この曲なら。
もう少しこっちに。
身体を密着させて身を任せて。
足は同じステップだから。
そう、上手だ」
身体を密着させてロイがウィンリィの腰を支え、小声でダンスを教えていた。