第②話
夢小説設定
書庫には今までの事件や事故などの書類が保管してある。
「何か収穫はあったかい?」
『大佐!』
「好んで来るのは珍しいな」
『そうかもしれませんね。
前はダメ上官のせいで書庫にも行けませんでしたから。
必要な資料しか見ていませんし。
そんな時間がなかったので…』
「聞けば聞く程、凄い上官に当たってたんだな」
『えぇ、あんな上官がいるとは思っていませんでしたよ』
会話をしながらもセルシアは過去の資料を読んでいく。
「まさか、全部読むつもりか?」
『必要な知識は得て損はありません』
大佐は苦笑いし、セルシアの頭をなでた。
「あまり無理しないようにな。
先に戻ってる」
『はい』
(さすがは研究者の娘ってとこかな)
遺伝は濃く受け継がれているようだ。
大佐は執務室に戻り、ふと窓から空を見上げた。
「…さすがは風使いだな」
「風使い?」
「あぁ、知らないか?
中佐の別名だよ。
風を読める、風を使う錬金術師だからな」
「風を読めるのは初めて知りました」
「まぁ、それについてはあまり知る者がいないからな」
「だから、雨が止むと?」
「あぁ…」
空は雨が止み、晴れていた。
納得したように中尉が頷いた。
「国家錬金術師の人なら誰でも知っているんですか?」
「いや、これはまだ一部の人だ。
前に話してくれたんだよ。
特に言う必要ない能力と本人は言ってるが、使い方に寄っては頼りになる」
「大佐は特に焔ですからね」
「…それもあるが」
「それだけではないんですか?」
「風には匂いが流れて来るだろう?
風を読むということはそれが分かる」
「…なるほど。
確かに使い方に寄っては様々な方法がありますね」
「でも、利用される可能性もある。
そうならないように隠す必要もあるかもしれんな」
「‥‥そうですね」
それを理解し、あえて必要以外には使わないのかもしれない。
銀時計で時間を確認し、セルシアは資料を片付けて書庫から出た。
(なんか、引っ掛かるんだよね…。
あの本の錬金術師も気になるし)
考えながら歩き、こういうのは苦痛ではない。
どんな風に解いたらいいか、まるで推理小説を読んでいくように解読してゆく。
解けた時の達成感もたまらなく好き。
(‥‥こういうところが理解されないのよね。
小さい頃から回りには常に錬金術があったから、仕方ないと言ったらそこまでなんだけど)
思わず苦笑いを浮かべた。
「リーゼル中佐、どこに行くんだ?」
『えっ…
あ…!!』
考えていたら執務室を通り過ぎていた。
「考え事かい?」
『推理に近いんですけど…』
「それは興味深い。
収穫はあったようだね」
『まだ収穫とは言えませんけど…』
「報告を楽しみにしているよ」
ポンポンとセルシアの頭をなで、優しく微笑む。
「何か収穫はあったかい?」
『大佐!』
「好んで来るのは珍しいな」
『そうかもしれませんね。
前はダメ上官のせいで書庫にも行けませんでしたから。
必要な資料しか見ていませんし。
そんな時間がなかったので…』
「聞けば聞く程、凄い上官に当たってたんだな」
『えぇ、あんな上官がいるとは思っていませんでしたよ』
会話をしながらもセルシアは過去の資料を読んでいく。
「まさか、全部読むつもりか?」
『必要な知識は得て損はありません』
大佐は苦笑いし、セルシアの頭をなでた。
「あまり無理しないようにな。
先に戻ってる」
『はい』
(さすがは研究者の娘ってとこかな)
遺伝は濃く受け継がれているようだ。
大佐は執務室に戻り、ふと窓から空を見上げた。
「…さすがは風使いだな」
「風使い?」
「あぁ、知らないか?
中佐の別名だよ。
風を読める、風を使う錬金術師だからな」
「風を読めるのは初めて知りました」
「まぁ、それについてはあまり知る者がいないからな」
「だから、雨が止むと?」
「あぁ…」
空は雨が止み、晴れていた。
納得したように中尉が頷いた。
「国家錬金術師の人なら誰でも知っているんですか?」
「いや、これはまだ一部の人だ。
前に話してくれたんだよ。
特に言う必要ない能力と本人は言ってるが、使い方に寄っては頼りになる」
「大佐は特に焔ですからね」
「…それもあるが」
「それだけではないんですか?」
「風には匂いが流れて来るだろう?
風を読むということはそれが分かる」
「…なるほど。
確かに使い方に寄っては様々な方法がありますね」
「でも、利用される可能性もある。
そうならないように隠す必要もあるかもしれんな」
「‥‥そうですね」
それを理解し、あえて必要以外には使わないのかもしれない。
銀時計で時間を確認し、セルシアは資料を片付けて書庫から出た。
(なんか、引っ掛かるんだよね…。
あの本の錬金術師も気になるし)
考えながら歩き、こういうのは苦痛ではない。
どんな風に解いたらいいか、まるで推理小説を読んでいくように解読してゆく。
解けた時の達成感もたまらなく好き。
(‥‥こういうところが理解されないのよね。
小さい頃から回りには常に錬金術があったから、仕方ないと言ったらそこまでなんだけど)
思わず苦笑いを浮かべた。
「リーゼル中佐、どこに行くんだ?」
『えっ…
あ…!!』
考えていたら執務室を通り過ぎていた。
「考え事かい?」
『推理に近いんですけど…』
「それは興味深い。
収穫はあったようだね」
『まだ収穫とは言えませんけど…』
「報告を楽しみにしているよ」
ポンポンとセルシアの頭をなで、優しく微笑む。