第21話
夢小説設定
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ロイは黙り込んで頭を抱えて沈没していた。
「あ~…大丈夫か?」
「大丈夫な訳あるか。
余計な暴露をしてしまった」
「だから、ストレス溜めるから。
普段から愚痴ればいいだろ?」
「ストレスは溜めてない」
「あんだけ暴露しといて?」
「うっさい」
『暴走はしますよね』
「はぁ?」
『嫌味が大量になると激しくなりますよね』
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…
君はなんてことを言ってるんだ。
まぁ、自覚はあるけど」
楽しそうに笑うセルシアにロイは苦笑い。
「士官学校だって理解してるか?」
「あ~…帰りたくない。
絶対に書類が増えてるぞ」
「寛ぐなよ」
「私の仕事は終わった」
「切り替えるなよ」
「あとは任せた」
「おまえの方が上官だろ」
「私はヒューズの直属の上官ではない」
「おまえなぁ…」
「甘えろと言った」
「そういうことじゃねぇよ。
おまえ、次々とうまい言葉で逃げるよな」
「そういうことが出来なかったら司令官にはなれんよ。
相手が年上だろうが、命令を出すのだからな」
腕を枕代わりにしてロイは目を閉じながら話す。
「こういうのも必要なんだよ。
こいつを見習えとは言わんが、頭の片隅にでも入れておくといい。
こういうのは本当に要領がいい奴じゃないと出来んからな。
その分、味方も少なくなる。
実力あって若くして出世はそういう面があるんだよ。
ロイの場合は覚悟して引き受けているんだがな」
「ヒューズ、私は寝てないんだが」
「ははっ…起きてた?」
「わざとだろ?」
不満そうに見つめるロイにヒューズは笑う。
立ち上がるヒューズにロイは不思議そうに見つめる。
「ロイ、やるか?」
「はっ?」
「どうせ身体が鈍ってんだろ。
それもストレスの原因。
いいから勝負しようぜ」
「勝負って。
どこでやるつもりだ?」
「貸してもらえますか?」
「それは構わんが…」
「ちょっ、待て待て!
教官もなに許可してるんですか!」
「いや、思わず。
体術なら見学で学べるだろうし」
「私が責任を問われるんですよ!」
「どうにかなるだろ。
黙ってれば分からんよ」
「あのなぁ…」
『いいんじゃないですか?
現役軍人の体術の見学も学べますし、言い訳なんて適当に作れますよ』
「リーゼル大佐の場合、ロイの体術が見たいだけだろうけどな」
『バレました?』
「それとも、一般軍人の俺とは勝負にはならんと?」
「そんなことは言ってない」
「だったら決まりだな」
強引なヒューズにロイは呆れたようにため息をつく。
(この強引な行動も私の為なんだろうな。
士官学校時代からこういうとこは変わらんな)
微かにロイは笑ってヒューズの背中を叩く。
「まったく、おまえは…」
「いでっ!」
「士官学校時代から変わらんな。
その強引なとこも」
「成長してないみたいなんだが」
「どこが成長したんだ?」
「ひでぇな~」
「私から一本取ったら何でも奢ってやるぞ」
「ハードル高いなぁ…」
冗談を言い合いながら野外の訓練場に向かう。
ロイは発火布を手から外し、装着していた銃も外してセルシアに手渡した。
「預かっておいてくれ」
『分かりました』
「えっ…」
「錬金術を使用するのはフェアじゃないだろ?
銃も使わないし、重いだけだし」
「体術オンリーか」
「ヒューズはクナイ使用するか?
それでも私は構わんぞ」
「いいや、やめておく。
おまえを掠り傷でも付けたらリーゼル大佐に吹き飛ばされそうだ」
ロイも安易に想像がついたようで苦笑いする。
「準備はいいか?
では、開始!」
講師の掛け声と共にヒューズとロイの体術対決が始まる。
(やっぱり、速いな。
今更ながらちょっと後悔。
避けるだけで精一杯な俺なんて格好悪すぎだろ)
息切れしながらヒューズはロイの足蹴りを必死に避けていた。
「おわっ!
なっ、耳に息を吹き掛けるな!」
「こんぐらいしないとおまえは止まらないだろうが」
「…っと」
「軽々と受け流すんじゃねぇよ」
「ヒューズ、接近戦でいいんだな?」
「しまった!
俺、何で近づいたんだ!」
瞬時に逃げるヒューズにロイは微かに笑う。
「マスタング将軍、スピードは衰えていませんね」
「いや、士官学校時代よりも速くなってますよ」
「というか…
ヒューズ中佐、逃げるのは早いですね」
「昔から逃げるのは早かったですからね。
走りまくってバテてましたけど」
教官達も思い出が蘇って微笑ましく見つめていた。
「あ~…大丈夫か?」
「大丈夫な訳あるか。
余計な暴露をしてしまった」
「だから、ストレス溜めるから。
普段から愚痴ればいいだろ?」
「ストレスは溜めてない」
「あんだけ暴露しといて?」
「うっさい」
『暴走はしますよね』
「はぁ?」
『嫌味が大量になると激しくなりますよね』
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…
君はなんてことを言ってるんだ。
まぁ、自覚はあるけど」
楽しそうに笑うセルシアにロイは苦笑い。
「士官学校だって理解してるか?」
「あ~…帰りたくない。
絶対に書類が増えてるぞ」
「寛ぐなよ」
「私の仕事は終わった」
「切り替えるなよ」
「あとは任せた」
「おまえの方が上官だろ」
「私はヒューズの直属の上官ではない」
「おまえなぁ…」
「甘えろと言った」
「そういうことじゃねぇよ。
おまえ、次々とうまい言葉で逃げるよな」
「そういうことが出来なかったら司令官にはなれんよ。
相手が年上だろうが、命令を出すのだからな」
腕を枕代わりにしてロイは目を閉じながら話す。
「こういうのも必要なんだよ。
こいつを見習えとは言わんが、頭の片隅にでも入れておくといい。
こういうのは本当に要領がいい奴じゃないと出来んからな。
その分、味方も少なくなる。
実力あって若くして出世はそういう面があるんだよ。
ロイの場合は覚悟して引き受けているんだがな」
「ヒューズ、私は寝てないんだが」
「ははっ…起きてた?」
「わざとだろ?」
不満そうに見つめるロイにヒューズは笑う。
立ち上がるヒューズにロイは不思議そうに見つめる。
「ロイ、やるか?」
「はっ?」
「どうせ身体が鈍ってんだろ。
それもストレスの原因。
いいから勝負しようぜ」
「勝負って。
どこでやるつもりだ?」
「貸してもらえますか?」
「それは構わんが…」
「ちょっ、待て待て!
教官もなに許可してるんですか!」
「いや、思わず。
体術なら見学で学べるだろうし」
「私が責任を問われるんですよ!」
「どうにかなるだろ。
黙ってれば分からんよ」
「あのなぁ…」
『いいんじゃないですか?
現役軍人の体術の見学も学べますし、言い訳なんて適当に作れますよ』
「リーゼル大佐の場合、ロイの体術が見たいだけだろうけどな」
『バレました?』
「それとも、一般軍人の俺とは勝負にはならんと?」
「そんなことは言ってない」
「だったら決まりだな」
強引なヒューズにロイは呆れたようにため息をつく。
(この強引な行動も私の為なんだろうな。
士官学校時代からこういうとこは変わらんな)
微かにロイは笑ってヒューズの背中を叩く。
「まったく、おまえは…」
「いでっ!」
「士官学校時代から変わらんな。
その強引なとこも」
「成長してないみたいなんだが」
「どこが成長したんだ?」
「ひでぇな~」
「私から一本取ったら何でも奢ってやるぞ」
「ハードル高いなぁ…」
冗談を言い合いながら野外の訓練場に向かう。
ロイは発火布を手から外し、装着していた銃も外してセルシアに手渡した。
「預かっておいてくれ」
『分かりました』
「えっ…」
「錬金術を使用するのはフェアじゃないだろ?
銃も使わないし、重いだけだし」
「体術オンリーか」
「ヒューズはクナイ使用するか?
それでも私は構わんぞ」
「いいや、やめておく。
おまえを掠り傷でも付けたらリーゼル大佐に吹き飛ばされそうだ」
ロイも安易に想像がついたようで苦笑いする。
「準備はいいか?
では、開始!」
講師の掛け声と共にヒューズとロイの体術対決が始まる。
(やっぱり、速いな。
今更ながらちょっと後悔。
避けるだけで精一杯な俺なんて格好悪すぎだろ)
息切れしながらヒューズはロイの足蹴りを必死に避けていた。
「おわっ!
なっ、耳に息を吹き掛けるな!」
「こんぐらいしないとおまえは止まらないだろうが」
「…っと」
「軽々と受け流すんじゃねぇよ」
「ヒューズ、接近戦でいいんだな?」
「しまった!
俺、何で近づいたんだ!」
瞬時に逃げるヒューズにロイは微かに笑う。
「マスタング将軍、スピードは衰えていませんね」
「いや、士官学校時代よりも速くなってますよ」
「というか…
ヒューズ中佐、逃げるのは早いですね」
「昔から逃げるのは早かったですからね。
走りまくってバテてましたけど」
教官達も思い出が蘇って微笑ましく見つめていた。