第21話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
言いたくないことはロイはヒューズにでさえも話さない。
「…ヒューズが嫌な訳ではない。
男に抱きつかれる趣味はないが」
「まだ言うのかよ」
「人のぬくもりが苦手なんだ」
「はぁ?」
「潔癖症ではないけど、髪を触られるのも嫌だし。
セルシアや中尉は平気だし、ヒューズのは慣れた」
「な、馴れたって。
それは昔からなのか?」
「多分な」
「ロイ、埃臭いのも嫌がってたな。
潔癖症気味だよな」
「違う!」
不満顔を露にするロイにヒューズは苦笑い。
「相変わらず、ガードが固いと言うべきか。
足を引っ張る奴にならともかくとしておまえはもう少し、人に甘えて頼れよ」
「じゃあ、食え」
「そういうことじゃなくて。
いや、食うのはいいんだけどさ」
「分かってるよ。
そんなのは言われなくても。
性格なんだから仕方ない」
『ロイさんはそれでいいんですよ。
少しずつ、甘えて頼ってください。
辛い時や悲しい時だけではなくて日常でも』
「…セルシア」
「俺も甘えてもらいたいんだけど。
たまには本心を見せろよ」
「それなりにヒューズには見せている」
「あのな、それなりって。
何年の付き合いなんだ。
いでっ、肘で突くなよ!」
「すまん。
本当に気色悪かった」
「真顔で言うか!?」
「…笑顔で言うのか?」
「いや、それはもっと傷つくから」
まだダメかとヒューズは苦笑いを浮かべる。
性格は理解していてもそう簡単には変わらないと分かりながらもヒューズは心配で言ってしまう。
「分かってるよ。
どうせ、私は人より欠けてるし」
「別にそこまで言ってないだろ?」
「無表情、不気味、何を考えてるか分からない。
気色悪いとも言われたな。
士官学校を含めた学生時代も軍人にやってからも上官にも嫌と言うほど。
閣下やグラマン将軍は言われたことはなかったな。
まぁ、閣下の場合は思っても言わないだけかもしれんが」
『…ヒューズ中佐』
「いや、すまん。
別にそんなつもりはなくて。
おまえは落ちると自分を責めるんだよな。
心配で言っただけで悪いと責めてる訳じゃないぞ?」
ヒューズは慌てて宥めるが、聞かずにロイはテーブルに顔を埋めたまま。
「…何人も離れて行った。
嫉妬を剥き出しにして、金で買収された奴も」
「なっ!」
「驚くこともないだろ。
まぁ、覚悟していた以上の離れっぷりだったが。
そんな心掛けもない奴は居られても迷惑だけどな。
そういう奴はどこに行っても誰に対しても強い奴に媚びて裏切って結局は孤立するんだよ。
そんなのつまらん人生だ。
誰もおまえみたいに強くないって。
いつ誰が強いんだよ。
ふざけるなと叫びそうになった」
「本音を言えとは言ったが、暴露し過ぎだろ」
「…本当に強かったら落ち込んだりするものか」
ポツリと呟いてロイはため息をつき、ヒューズがポンポンとロイの肩を慰めるように軽く叩いた。
2017.2.17
「…ヒューズが嫌な訳ではない。
男に抱きつかれる趣味はないが」
「まだ言うのかよ」
「人のぬくもりが苦手なんだ」
「はぁ?」
「潔癖症ではないけど、髪を触られるのも嫌だし。
セルシアや中尉は平気だし、ヒューズのは慣れた」
「な、馴れたって。
それは昔からなのか?」
「多分な」
「ロイ、埃臭いのも嫌がってたな。
潔癖症気味だよな」
「違う!」
不満顔を露にするロイにヒューズは苦笑い。
「相変わらず、ガードが固いと言うべきか。
足を引っ張る奴にならともかくとしておまえはもう少し、人に甘えて頼れよ」
「じゃあ、食え」
「そういうことじゃなくて。
いや、食うのはいいんだけどさ」
「分かってるよ。
そんなのは言われなくても。
性格なんだから仕方ない」
『ロイさんはそれでいいんですよ。
少しずつ、甘えて頼ってください。
辛い時や悲しい時だけではなくて日常でも』
「…セルシア」
「俺も甘えてもらいたいんだけど。
たまには本心を見せろよ」
「それなりにヒューズには見せている」
「あのな、それなりって。
何年の付き合いなんだ。
いでっ、肘で突くなよ!」
「すまん。
本当に気色悪かった」
「真顔で言うか!?」
「…笑顔で言うのか?」
「いや、それはもっと傷つくから」
まだダメかとヒューズは苦笑いを浮かべる。
性格は理解していてもそう簡単には変わらないと分かりながらもヒューズは心配で言ってしまう。
「分かってるよ。
どうせ、私は人より欠けてるし」
「別にそこまで言ってないだろ?」
「無表情、不気味、何を考えてるか分からない。
気色悪いとも言われたな。
士官学校を含めた学生時代も軍人にやってからも上官にも嫌と言うほど。
閣下やグラマン将軍は言われたことはなかったな。
まぁ、閣下の場合は思っても言わないだけかもしれんが」
『…ヒューズ中佐』
「いや、すまん。
別にそんなつもりはなくて。
おまえは落ちると自分を責めるんだよな。
心配で言っただけで悪いと責めてる訳じゃないぞ?」
ヒューズは慌てて宥めるが、聞かずにロイはテーブルに顔を埋めたまま。
「…何人も離れて行った。
嫉妬を剥き出しにして、金で買収された奴も」
「なっ!」
「驚くこともないだろ。
まぁ、覚悟していた以上の離れっぷりだったが。
そんな心掛けもない奴は居られても迷惑だけどな。
そういう奴はどこに行っても誰に対しても強い奴に媚びて裏切って結局は孤立するんだよ。
そんなのつまらん人生だ。
誰もおまえみたいに強くないって。
いつ誰が強いんだよ。
ふざけるなと叫びそうになった」
「本音を言えとは言ったが、暴露し過ぎだろ」
「…本当に強かったら落ち込んだりするものか」
ポツリと呟いてロイはため息をつき、ヒューズがポンポンとロイの肩を慰めるように軽く叩いた。
2017.2.17