第21話
夢小説設定
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素直なセルシアの反応にロイは微笑んだ。
「いや、昔のイメージがあるから不思議ですね」
「本当に笑わなかったですから」
「笑わなくてもクールって言われてモテてましたけどね。
でも、わりと最近ですよ。
本当の意味で笑えるようになったのは」
「そうなのか?」
「ロイが一番、あの戦争で貢献しました。
つまりは心の負担も一般の軍人よりも大きすぎてまた無表情になりかけてました。
いや、そうしなければ心が破壊されていたんでしょうね。
それを結果的に救ったのは鋼の錬金術師の兄弟の存在と戦争遺族でもある兄弟の幼馴染。
そして、リーゼル大佐です。
自分と環境が似ている彼女を最初は放っておけなかった。
アイツは冷静に見えて本当は誰よりも優しいんですよ。
だからこそ、傷ついてしまう。
やっと幸せになると認めてくれたんだから幸せになって欲しいです」
「…おまえはマスタング将軍の父親か?」
「なに目線なんだ」
「分かってますよ、自分でも心配し過ぎだって」
ヒューズは教官達から苦笑いしながら突っ込まれて自分も苦笑い。
「ヒューズ、もうすぐ準備終わるらしいぞ。
どうかしたのか?」
「いや、な~んでもない。
おまえは気になさんな」
「おわっ!
ちょっ、髪が乱れるだろうが!」
ワシャワシャとロイの髪を掻き乱すように頭を撫でてヒューズは去って行く。
『将軍、大丈夫ですか?』
「…何なんだ」
意味が分からずに顔を歪めるロイに苦笑いしてセルシアはロイの髪を整えた。
違和感を感じながらもロイはあえて、そこに踏み込まない。
「聞いたとこで答えないだろうな。
アイツは同期で下のくせに私を子供扱いするんだから」
『将軍が1人で抱えて甘えないから心配なんですよ。
ヒューズ中佐にもう少し甘えてみては?』
「…嫌だ」
『ふふっ、そのうちに。
行きましょうか』
「君も子供扱いしてないか?」
『お互い様です。
将軍だって私を子供扱いして心配性じゃないですか』
「うむ、溺愛も追加な」
『自分で言います?』
「君を溺愛してるのは自覚しているからな。
さあ、行こうか」
『ちょっ…将軍!』
一瞬の隙に唇にキスされてセルシア は唇を手で押さえて頬を赤らめ、ロイを追いかける。
「…っと。
気をつけなさい。
怪我はしてないか?」
『はい、ありがとうございます』
転びそうになるセルシアをロイが抱き寄せた。
「大丈夫か?
意外にドジだよな」
『違います!』
ヒューズにからかわれて反論するセルシアが可愛くてロイは微かに笑う。
「さてと、次の授業はこのクナイを使って授業をする。
銃とは違って得意だから安心しろ」
「ヒューズ、堂々と言うなよ」
「いや、思わずな。
クナイは普段は脇役ではあるが、援護にも役立つ。
銃が使える現場だけとは限らないからな」
ヒューズはクナイの役目をエピソードを交えながら話す。
ヒューズはクナイを勢いよく投げて用意された的に当てる。
「これも必要な道具だ。
銃よりは地味で目立たないが、主役がすべてじゃない。
それぞれ、自分が何に向いているのか見つけ出して欲しい。
それによって闘い方も変わる。
銃でも小型銃なのかライフル銃なのか、クナイや体術もあるだろう。
先に言っておくが、ロイのようにすべてが得意な奴なんて稀だ。
目指すのは自由だが、困難だと言っておこう。
すべて中途半端になるだろう。
ひとつに絞っておいた方が賢明だ。
軍人になる覚悟をした君達なら見つけ出せるだろう。
俺達の部下として司令部に全員が卒業して来てくれることを願ってる」
(…私を何だと思っているんだ。
こういう話し方はヒューズらしいけど)
真剣に聞き入る生徒達にロイは見つめていた。
「ロイ、何だよ。
言いたいことあるんだろ」
「…その距離でいいのか?」
「はっ?
訓練でもこの距離だろ」
「女子生徒にもその距離をやらせるのか?」
「あっ、そうか。
女子生徒の距離は…
どこだっけ?」
「ここから。
だが、まだ慣れてないから届かないだろうし。
慣れるまではもう一歩、手前でもいいだろう。
男子生徒も慣れるまでは一歩手前でもいいんじゃないか?」
「やっちまったな。
こういう配慮が頭に入ってなかった」
「私は何度も来てるから」
ため息をつくヒューズにロイは苦笑いして背中を叩く。
「いや、昔のイメージがあるから不思議ですね」
「本当に笑わなかったですから」
「笑わなくてもクールって言われてモテてましたけどね。
でも、わりと最近ですよ。
本当の意味で笑えるようになったのは」
「そうなのか?」
「ロイが一番、あの戦争で貢献しました。
つまりは心の負担も一般の軍人よりも大きすぎてまた無表情になりかけてました。
いや、そうしなければ心が破壊されていたんでしょうね。
それを結果的に救ったのは鋼の錬金術師の兄弟の存在と戦争遺族でもある兄弟の幼馴染。
そして、リーゼル大佐です。
自分と環境が似ている彼女を最初は放っておけなかった。
アイツは冷静に見えて本当は誰よりも優しいんですよ。
だからこそ、傷ついてしまう。
やっと幸せになると認めてくれたんだから幸せになって欲しいです」
「…おまえはマスタング将軍の父親か?」
「なに目線なんだ」
「分かってますよ、自分でも心配し過ぎだって」
ヒューズは教官達から苦笑いしながら突っ込まれて自分も苦笑い。
「ヒューズ、もうすぐ準備終わるらしいぞ。
どうかしたのか?」
「いや、な~んでもない。
おまえは気になさんな」
「おわっ!
ちょっ、髪が乱れるだろうが!」
ワシャワシャとロイの髪を掻き乱すように頭を撫でてヒューズは去って行く。
『将軍、大丈夫ですか?』
「…何なんだ」
意味が分からずに顔を歪めるロイに苦笑いしてセルシアはロイの髪を整えた。
違和感を感じながらもロイはあえて、そこに踏み込まない。
「聞いたとこで答えないだろうな。
アイツは同期で下のくせに私を子供扱いするんだから」
『将軍が1人で抱えて甘えないから心配なんですよ。
ヒューズ中佐にもう少し甘えてみては?』
「…嫌だ」
『ふふっ、そのうちに。
行きましょうか』
「君も子供扱いしてないか?」
『お互い様です。
将軍だって私を子供扱いして心配性じゃないですか』
「うむ、溺愛も追加な」
『自分で言います?』
「君を溺愛してるのは自覚しているからな。
さあ、行こうか」
『ちょっ…将軍!』
一瞬の隙に唇にキスされてセルシア は唇を手で押さえて頬を赤らめ、ロイを追いかける。
「…っと。
気をつけなさい。
怪我はしてないか?」
『はい、ありがとうございます』
転びそうになるセルシアをロイが抱き寄せた。
「大丈夫か?
意外にドジだよな」
『違います!』
ヒューズにからかわれて反論するセルシアが可愛くてロイは微かに笑う。
「さてと、次の授業はこのクナイを使って授業をする。
銃とは違って得意だから安心しろ」
「ヒューズ、堂々と言うなよ」
「いや、思わずな。
クナイは普段は脇役ではあるが、援護にも役立つ。
銃が使える現場だけとは限らないからな」
ヒューズはクナイの役目をエピソードを交えながら話す。
ヒューズはクナイを勢いよく投げて用意された的に当てる。
「これも必要な道具だ。
銃よりは地味で目立たないが、主役がすべてじゃない。
それぞれ、自分が何に向いているのか見つけ出して欲しい。
それによって闘い方も変わる。
銃でも小型銃なのかライフル銃なのか、クナイや体術もあるだろう。
先に言っておくが、ロイのようにすべてが得意な奴なんて稀だ。
目指すのは自由だが、困難だと言っておこう。
すべて中途半端になるだろう。
ひとつに絞っておいた方が賢明だ。
軍人になる覚悟をした君達なら見つけ出せるだろう。
俺達の部下として司令部に全員が卒業して来てくれることを願ってる」
(…私を何だと思っているんだ。
こういう話し方はヒューズらしいけど)
真剣に聞き入る生徒達にロイは見つめていた。
「ロイ、何だよ。
言いたいことあるんだろ」
「…その距離でいいのか?」
「はっ?
訓練でもこの距離だろ」
「女子生徒にもその距離をやらせるのか?」
「あっ、そうか。
女子生徒の距離は…
どこだっけ?」
「ここから。
だが、まだ慣れてないから届かないだろうし。
慣れるまではもう一歩、手前でもいいだろう。
男子生徒も慣れるまでは一歩手前でもいいんじゃないか?」
「やっちまったな。
こういう配慮が頭に入ってなかった」
「私は何度も来てるから」
ため息をつくヒューズにロイは苦笑いして背中を叩く。