第21話
夢小説設定
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ロイの優しい声色におずおずと顔を上げる。
「君が怒るのも当然だし、私はそういう君も愛しいよ。
あ~…もう、泣くなって。
相変わらずの泣き虫だな」
『だって…っ』
「まだ特別講習は終わってないぞ。
すまん、ヒューズ。
バトンタッチ」
「はいよ。
俺はロイよりは教え方は下手だが、銃の腕はわりとあるから。
まぁ、ロイと比べたら凡人だが。
ロイはエリート組だが、俺は同期なんだよ。
おまえら、場所を考えろ!」
抱き合ってキスしているロイにヒューズは叫ぶ。
「気にせずにどうぞ。
私達は見学してようか」
「おまえ、俺が銃を教えるの苦手なの分かってんだろ」
下手ではないが、普段は銃を使わない所属なので基本的にヒューズは訓練以外で必要ないから教えるのは苦手。
「教えれば多少はよくなるんじゃないか?」
「俺はクナイでいいんだよ!」
「訓練の度に銃でクナイを吹き飛ばされてるよな」
「分かったよ、教えればいいんだろ!」
ヒューズが叫んでも慣れてるロイは平然としている。
『…苦手でしたっけ?』
「苦手意識なだけ。
実戦も教えるのも下手ではない。
まぁ、うまくもないんだが」
「マスタング将軍の傍に居たから自分が下手なように錯覚するんだろ」
「教官…」
「ロイ、もう無理だって。
これはどう教えたらいいんだ!」
「…教官に教えてもらったように教えれば。
分かったから引っ張るなよ」
よほど苦手意識が強いんだなとセルシアは苦笑い。
結局はロイとヒューズはペアになって教えていた。
「ヒューズ、次はクナイ講習だからな」
「この鬼…っ」
「体力ないな」
「おまえがパワフル過ぎるんだ!
その細身の身体で」
「誰が細身だ。
まぁ、軍では平均より細いけどな」
「こっちは普段はデスクワークなんだよ。
訓練にも参加してないくせに」
「たまには参加してる」
「「えっ!?」」
「あぁ、国家錬金術師は優遇されてるから訓練は自主判断に任せられてるんだよ」
ヒューズからの説明に生徒達は納得したように頷く。
「どうかしたか?」
「いや、意地を張らないで銃を教われば変わってたかなと。
士官学校時代におまえに教わればいいんじゃないかと言われてさ。
俺も若かったし」
「ヒューズは銃はC判定だったな。
士官学校で銃のテストが行われているんだよ。
それがすべてとは言わないが、配属を決める判断材料だな。
S判定から…、一番下は何だっけ?」
「Dだろ。
何で分かんないんだよ」
「仕方ないだろ」
「おまえ、判定は?」
「…S判定」
「ずっとか?」
「マスタング将軍は入学の最初の判定から卒業までS判定だよ」
教官からの暴露にヒューズは不満顔で見つめる。
「このデタラメ人間。
そうやって簡単にやるからムカつくんだよ。
少しは努力を見せろよ。
だから、努力してないとか誤解されるんだよ!」
「ヒューズ、それは怒ってるのか?
心配してるのか?」
「どっちもだよ!
このバカっ!」
「ば、バカって。
私は将軍なのだが」
「俺にはおまえの地位なんて関係ないんだよ」
ヒューズに悪く言われてもロイは苦笑いするだけだった。
どんなに昇格してもヒューズだけは友人としてロイに対する態度は変わらなかった。
「努力を見せたとこで変わらんぞ」
「そうか?」
「嫌味のオンパレード」
「だから、そうなる前に…」
「無理だね。
昔からそうだから慣れた」
「そんなもん慣れる訳ないだろうが!」
叫ぶヒューズにロイだけではなく、教官達も驚く。
「おい、ヒューズ」
「おまえはいっつもそうなんだよ!
いいか、ロイ・マスタング!
そんなもんは何度経験しようが慣れる訳がないんだよっ!」
胸ぐらを掴まれて叫ぶヒューズにロイは見つめる。
「ヒューズ…」
「そうやって結局、傷つくのはおまえなんだよ。
慣れてるなんて言うなよ。
もっと頼れよ」
「苦しいのだが。
というか、場所を考えてくれ」
「俺はもっとおまえに頼って欲しいんだよ!」
「いや、だからさ。
頼むから人の話を聞いてくれ」
呆れたようにロイはため息と共に苦笑いする。
「冷静なくせに仲間の為ならおまえは自分を犠牲にするから。
頼むからもっと自分を大切にしてくれよ」
「分かってるよ。
まぁ、確かに慣れんな。
傷つくのも当然ある。
覚悟していても辛いし」
「ロイ…」
「そう言えば満足か?」
「おまっ、騙したな!?」
「こういう場所で言う訳ないだろ。
セルシア、行くぞ」
ロイの後ろ姿を見てため息をつき、ヒューズは微かに笑う。
「まぁ、大丈夫そうか。
もっと頼って欲しいのは本音なんだけどな」
ポツリと呟いてヒューズは追いかけて行く。
「君が怒るのも当然だし、私はそういう君も愛しいよ。
あ~…もう、泣くなって。
相変わらずの泣き虫だな」
『だって…っ』
「まだ特別講習は終わってないぞ。
すまん、ヒューズ。
バトンタッチ」
「はいよ。
俺はロイよりは教え方は下手だが、銃の腕はわりとあるから。
まぁ、ロイと比べたら凡人だが。
ロイはエリート組だが、俺は同期なんだよ。
おまえら、場所を考えろ!」
抱き合ってキスしているロイにヒューズは叫ぶ。
「気にせずにどうぞ。
私達は見学してようか」
「おまえ、俺が銃を教えるの苦手なの分かってんだろ」
下手ではないが、普段は銃を使わない所属なので基本的にヒューズは訓練以外で必要ないから教えるのは苦手。
「教えれば多少はよくなるんじゃないか?」
「俺はクナイでいいんだよ!」
「訓練の度に銃でクナイを吹き飛ばされてるよな」
「分かったよ、教えればいいんだろ!」
ヒューズが叫んでも慣れてるロイは平然としている。
『…苦手でしたっけ?』
「苦手意識なだけ。
実戦も教えるのも下手ではない。
まぁ、うまくもないんだが」
「マスタング将軍の傍に居たから自分が下手なように錯覚するんだろ」
「教官…」
「ロイ、もう無理だって。
これはどう教えたらいいんだ!」
「…教官に教えてもらったように教えれば。
分かったから引っ張るなよ」
よほど苦手意識が強いんだなとセルシアは苦笑い。
結局はロイとヒューズはペアになって教えていた。
「ヒューズ、次はクナイ講習だからな」
「この鬼…っ」
「体力ないな」
「おまえがパワフル過ぎるんだ!
その細身の身体で」
「誰が細身だ。
まぁ、軍では平均より細いけどな」
「こっちは普段はデスクワークなんだよ。
訓練にも参加してないくせに」
「たまには参加してる」
「「えっ!?」」
「あぁ、国家錬金術師は優遇されてるから訓練は自主判断に任せられてるんだよ」
ヒューズからの説明に生徒達は納得したように頷く。
「どうかしたか?」
「いや、意地を張らないで銃を教われば変わってたかなと。
士官学校時代におまえに教わればいいんじゃないかと言われてさ。
俺も若かったし」
「ヒューズは銃はC判定だったな。
士官学校で銃のテストが行われているんだよ。
それがすべてとは言わないが、配属を決める判断材料だな。
S判定から…、一番下は何だっけ?」
「Dだろ。
何で分かんないんだよ」
「仕方ないだろ」
「おまえ、判定は?」
「…S判定」
「ずっとか?」
「マスタング将軍は入学の最初の判定から卒業までS判定だよ」
教官からの暴露にヒューズは不満顔で見つめる。
「このデタラメ人間。
そうやって簡単にやるからムカつくんだよ。
少しは努力を見せろよ。
だから、努力してないとか誤解されるんだよ!」
「ヒューズ、それは怒ってるのか?
心配してるのか?」
「どっちもだよ!
このバカっ!」
「ば、バカって。
私は将軍なのだが」
「俺にはおまえの地位なんて関係ないんだよ」
ヒューズに悪く言われてもロイは苦笑いするだけだった。
どんなに昇格してもヒューズだけは友人としてロイに対する態度は変わらなかった。
「努力を見せたとこで変わらんぞ」
「そうか?」
「嫌味のオンパレード」
「だから、そうなる前に…」
「無理だね。
昔からそうだから慣れた」
「そんなもん慣れる訳ないだろうが!」
叫ぶヒューズにロイだけではなく、教官達も驚く。
「おい、ヒューズ」
「おまえはいっつもそうなんだよ!
いいか、ロイ・マスタング!
そんなもんは何度経験しようが慣れる訳がないんだよっ!」
胸ぐらを掴まれて叫ぶヒューズにロイは見つめる。
「ヒューズ…」
「そうやって結局、傷つくのはおまえなんだよ。
慣れてるなんて言うなよ。
もっと頼れよ」
「苦しいのだが。
というか、場所を考えてくれ」
「俺はもっとおまえに頼って欲しいんだよ!」
「いや、だからさ。
頼むから人の話を聞いてくれ」
呆れたようにロイはため息と共に苦笑いする。
「冷静なくせに仲間の為ならおまえは自分を犠牲にするから。
頼むからもっと自分を大切にしてくれよ」
「分かってるよ。
まぁ、確かに慣れんな。
傷つくのも当然ある。
覚悟していても辛いし」
「ロイ…」
「そう言えば満足か?」
「おまっ、騙したな!?」
「こういう場所で言う訳ないだろ。
セルシア、行くぞ」
ロイの後ろ姿を見てため息をつき、ヒューズは微かに笑う。
「まぁ、大丈夫そうか。
もっと頼って欲しいのは本音なんだけどな」
ポツリと呟いてヒューズは追いかけて行く。