第⑳話
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ロイからの視線に中尉は書類から顔を上げる。
「どうかなさいました?」
「君も甘えられたら嬉しい?」
「…人によりますが」
「私だったら?」
「書類に関してはともかく、頼られていることですから嬉しいですよ。
私が言う言葉ではありませんが、将軍はあまり人に甘えませんし。
甘えるのは信頼の証ですから」
「君も甘える?
すまん、セクハラ発言か?」
「大丈夫ですよ。
甘えるとは違うかもしれませんが、本音を言えるのはレベッカですね。
あとは…、将軍もです。
一番頼りにしてます」
「…そうか。
その期待を裏切らないようにしよう」
「書類以外で貴方が裏切るなんてありえませんよ」
珍しくストレートな中尉の言葉にロイは驚きながらも微笑む。
(中尉の柔らかい表情もストレートな言葉も将軍だからなんだろうな)
(恋愛ではなくても将軍は中尉の特別なんだろうから)
ロイと中尉の関係を言葉で伝えるのは難しい。
上官部下よりも特別だが、恋愛感情ではなくて家族にも近くて同志でもある。
「ロイ、大丈夫そうだな」
「もう大丈夫だ。
昨日は悪かったな。
付き合ってくれたんだろ?」
「急に呼び出すから何事かとは思ったが。
あの環境なら女性に慣れるなと実感したよ」
「…マダムは何を言ったんだ」
「からかって女性が裸を見せても動じずに冷ややかな対応だったとか」
「興奮より品格なくて呆れたんだ。
マダムには女性は叱られてたな」
「なんて羨ましい…」
「下心ある奴にはしないだろ」
「言っておくが、私がまだ10代の時だからな」
ほかにも暴露してそうだなとロイは苦笑い。
ヒューズの視線にロイは報告書から顔を上げる。
「何だ?」
「そういや、士官学校の食堂でも辛そうに食ってたなとか。
少食だったんならその体型も納得だな」
「…また余計なことを」
「俺に食わせてたのも納得だ」
「毎回ではないだろ」
「訓練が違うから」
「そうなんですか?」
「ロイは頭脳派のエリート組。
司令官候補だよ。
一部だし、居ない年もある」
「俺達の時はなかったのかな。
基準あるんですか?」
「さぁ?
どうなんだ?」
「入学時の筆記試験の上位と体力能力テストの上位とは聞いたな。
ほかにも基準あるみたいで途中で落とされてた奴もいたぞ」
「結局、何人残ったんだ?」
「言うのか?」
「そこまで言われたら気になるだろ」
「…1人。
だから、言うの嫌だったんだよ」
「なるほどな。
1人で教官に訓練を受けてたのは。
特別扱いではなかったんだな。
おまえも言えばいいだろ」
「言ったところで嫉妬に変わりはないだろ」
士官学校時代からロイは周りから嫉妬を向けられていたらしい。
教官のお気に入りではなかったが、実際に高い能力でクラスが結果的に1人になったロイを気にかけていたのもあるのだろう。
「失礼します。
マスタング将軍、お久しぶりです。
ヒューズ中佐も一緒でしたか」
「「教官!?」」
どうやらロイとヒューズの士官学校時代の教官らしい。
その反応に教官は笑いながら報告書をロイに手渡す。
「マスタング将軍は唯一のエリートですからね。
予想を遥かに越えた出世ですけど。
いや、失礼しました」
「構いませんよ」
「今は貴方の地位が上です。
ヒューズ中佐も頑張ってますね」
「はい!」
「この報告書は?」
「閣下にお会いしてどうせなら会って行きなさいと。
マスタング将軍に預けるように」
「つまりは私担当か」
「将軍、何なんですか?」
気になってハボックが覗き込み、ロイが見せる。
「士官学校の特別講師だな。
おまえが行くか?」
「勘弁してくださいよ!
俺は教えることないですって。
銃はそれなりには使えますけど」
「普通でいいじゃないか」
「俺だったら能力高い軍人に教わりたいし、普通なんて嫌だと思います」
「それも一理あるな」
「今すぐじゃないのなら将軍が行けばいいじゃないですか」
「国家錬金術師の規定があるんだ。
私は将軍だし」
『私は左官ですからね』
「そんな上が来たら驚きますね」
『初めまして、セルシア・リーゼルです』
「私の婚約者で彼女も国家錬金術師です」
「話題になっていたな。
初めまして。
女性の国家錬金術師とは凄いですね」
『両親の影響ですよ』
「アームストロング少佐辺りが適任か?」
「いや、いろんな意味でヤバイぞ」
「…だよな。
すぐ脱いで筋肉自慢しそうだ」
何故かヒューズも混ざって誰が適任か考える。
「どうかなさいました?」
「君も甘えられたら嬉しい?」
「…人によりますが」
「私だったら?」
「書類に関してはともかく、頼られていることですから嬉しいですよ。
私が言う言葉ではありませんが、将軍はあまり人に甘えませんし。
甘えるのは信頼の証ですから」
「君も甘える?
すまん、セクハラ発言か?」
「大丈夫ですよ。
甘えるとは違うかもしれませんが、本音を言えるのはレベッカですね。
あとは…、将軍もです。
一番頼りにしてます」
「…そうか。
その期待を裏切らないようにしよう」
「書類以外で貴方が裏切るなんてありえませんよ」
珍しくストレートな中尉の言葉にロイは驚きながらも微笑む。
(中尉の柔らかい表情もストレートな言葉も将軍だからなんだろうな)
(恋愛ではなくても将軍は中尉の特別なんだろうから)
ロイと中尉の関係を言葉で伝えるのは難しい。
上官部下よりも特別だが、恋愛感情ではなくて家族にも近くて同志でもある。
「ロイ、大丈夫そうだな」
「もう大丈夫だ。
昨日は悪かったな。
付き合ってくれたんだろ?」
「急に呼び出すから何事かとは思ったが。
あの環境なら女性に慣れるなと実感したよ」
「…マダムは何を言ったんだ」
「からかって女性が裸を見せても動じずに冷ややかな対応だったとか」
「興奮より品格なくて呆れたんだ。
マダムには女性は叱られてたな」
「なんて羨ましい…」
「下心ある奴にはしないだろ」
「言っておくが、私がまだ10代の時だからな」
ほかにも暴露してそうだなとロイは苦笑い。
ヒューズの視線にロイは報告書から顔を上げる。
「何だ?」
「そういや、士官学校の食堂でも辛そうに食ってたなとか。
少食だったんならその体型も納得だな」
「…また余計なことを」
「俺に食わせてたのも納得だ」
「毎回ではないだろ」
「訓練が違うから」
「そうなんですか?」
「ロイは頭脳派のエリート組。
司令官候補だよ。
一部だし、居ない年もある」
「俺達の時はなかったのかな。
基準あるんですか?」
「さぁ?
どうなんだ?」
「入学時の筆記試験の上位と体力能力テストの上位とは聞いたな。
ほかにも基準あるみたいで途中で落とされてた奴もいたぞ」
「結局、何人残ったんだ?」
「言うのか?」
「そこまで言われたら気になるだろ」
「…1人。
だから、言うの嫌だったんだよ」
「なるほどな。
1人で教官に訓練を受けてたのは。
特別扱いではなかったんだな。
おまえも言えばいいだろ」
「言ったところで嫉妬に変わりはないだろ」
士官学校時代からロイは周りから嫉妬を向けられていたらしい。
教官のお気に入りではなかったが、実際に高い能力でクラスが結果的に1人になったロイを気にかけていたのもあるのだろう。
「失礼します。
マスタング将軍、お久しぶりです。
ヒューズ中佐も一緒でしたか」
「「教官!?」」
どうやらロイとヒューズの士官学校時代の教官らしい。
その反応に教官は笑いながら報告書をロイに手渡す。
「マスタング将軍は唯一のエリートですからね。
予想を遥かに越えた出世ですけど。
いや、失礼しました」
「構いませんよ」
「今は貴方の地位が上です。
ヒューズ中佐も頑張ってますね」
「はい!」
「この報告書は?」
「閣下にお会いしてどうせなら会って行きなさいと。
マスタング将軍に預けるように」
「つまりは私担当か」
「将軍、何なんですか?」
気になってハボックが覗き込み、ロイが見せる。
「士官学校の特別講師だな。
おまえが行くか?」
「勘弁してくださいよ!
俺は教えることないですって。
銃はそれなりには使えますけど」
「普通でいいじゃないか」
「俺だったら能力高い軍人に教わりたいし、普通なんて嫌だと思います」
「それも一理あるな」
「今すぐじゃないのなら将軍が行けばいいじゃないですか」
「国家錬金術師の規定があるんだ。
私は将軍だし」
『私は左官ですからね』
「そんな上が来たら驚きますね」
『初めまして、セルシア・リーゼルです』
「私の婚約者で彼女も国家錬金術師です」
「話題になっていたな。
初めまして。
女性の国家錬金術師とは凄いですね」
『両親の影響ですよ』
「アームストロング少佐辺りが適任か?」
「いや、いろんな意味でヤバイぞ」
「…だよな。
すぐ脱いで筋肉自慢しそうだ」
何故かヒューズも混ざって誰が適任か考える。