第⑳話
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まだ心からマダムを信頼が出来てない頃に風邪を引いて寝込んでいた時に作ってくれた。
何度も風邪を引いても嫌な顔せずに仕事で忙しくても夜中でも朝方でも看病してくれていた。
1人で大丈夫だと言うロイを無視して強引に看病してくれたのだが。
風邪引きながら謝ると“謝ることじゃない、気づいてやれなくて悪かったね。辛かっただろう?”と優しく頭を撫でてくれた。
不器用ながらも一生懸命で優しくて温かい家庭を教えてくれたのがマダムだった。
『ロイさん…?』
「どうしてそこまで。
うん、マダムの味だな」
『食べて欲しかったから。
ロイさんの思い出の味を教えてください。
再現しますから。
マダムの手料理もお店で食べた料理でも構いません』
「セルシア…」
屈んでロイの両手を握って見つめて微笑む。
『貴方はもっと甘えるべきです。
私でもヒューズ中佐でもマダム、中尉達にでも構いません。
甘えるのが苦手なのは分かってますから無理強いはしませんけど。
お願いだから1人では抱え込まないでくださいね』
「甘えたらダメになりそうで。
そっから出れなくなって弱くなりそうで怖かった。
今でも怖いんだ」
『ロイさん…
確かに甘えは人をダメにする場合もあります。
でもね、甘えは頼るってことなんだよ。
甘えられたら私は嬉しいです。
私だけじゃなくてヒューズ中佐もマダムも中尉達だってそうですよ』
諭すような優しい言葉にロイはセルシアの肩に顔を埋める。
震えているロイの肩に気づき、優しく背中をさする。
「身体が弱ると心まで弱まるなら困るな。
涙腺まで弱くなるんだから」
『いいんですよ、弱くなっても』
「ふ…っ、く…」
『そんなに唇を噛んだら傷がついちゃうからダメですよ。
泣くのが下手なんですから。
我慢しなくていいんです。
恥ずかしいことじゃないですよ』
「セルシア…」
顔を上げられて指で涙を拭われ、ロイは目を閉じて涙を静かに流す。
(不謹慎だけど、泣いてる姿でさえも綺麗。
男の人の涙で綺麗なんて不思議なんだけど)
優しく頭を撫でながらロイが落ち着くまで待った。
普段は泣いたりしないので恥ずかしくなったのか、寝室に籠ってしまってセルシアは苦笑い。
『ロイさん、ポトフを温め直しましたよ』
(聞かないのが君の優しさだな)
『どれから食べます?』
「へっ?」
『ロイさんが甘えないなら甘やかそうと思って。
私は普段、十分なくらいにロイさんから甘やかしてもらってるから』
布団から出ると半ば強引に食べさせられ、照れながらも渋々ながらロイは2口以降も口を開く。
「う~…もういいだろ。
自分で食べれる」
(恥ずかしさが限界かな)
珍しく真っ赤になるロイにクスクスと笑ってスプーンを渡す。
気まずそうにロイは目を反らしながら食べる。
『私は片付けを…』
「もう少しで食べ終わる」
セルシアの服を掴んで止めて、1人になりたくなくて傍に居て欲しいとぎこちないロイの甘え方に微笑んで座り直した。
『ちゃんと全部食べれたし、寝ればよくなるよ』
「ん…おやすみ」
食べて身体も温まり、セルシアの気配に安心して眠りについた。
(これなら大丈夫そうかな)
自分も食事して片付け、再び寝室に来てロイの様子を確認。
そっと額に触れるとまだ熱はあるが、先程より下がっている。
『ロイさん、おはようございます。
熱は下がりましたね』
「…おはよう」
朝の支度をして戻ると昨夜とは違う味のポトフを用意してくれていた。
(そういえば、マダムとヒューズにも言われたな)
熱が下がったとセルシアが報告すると中尉達は安堵する。
「すまなかったな」
「構いませんよ。
あまり無理はなさらないでくださいね」
「ありがとう」
『私は資料を取って来ますね』
「分かりました。
将軍、本日のスケジュールの前に今日は必要以外は外に出ないでくださいね」
「必要以外とは?」
「トイレと事件事故、会議や閣下からの呼び出しは必要条件にします」
「…了解」
「それでは本日のスケジュールですが」
中尉から聞きながらロイは新聞を読んでいた。
(相変わらずの器用だな)
(あれで聞いてるんだもんな)
聞き流しているように見えるが、実際に頭に入っている。
何度も風邪を引いても嫌な顔せずに仕事で忙しくても夜中でも朝方でも看病してくれていた。
1人で大丈夫だと言うロイを無視して強引に看病してくれたのだが。
風邪引きながら謝ると“謝ることじゃない、気づいてやれなくて悪かったね。辛かっただろう?”と優しく頭を撫でてくれた。
不器用ながらも一生懸命で優しくて温かい家庭を教えてくれたのがマダムだった。
『ロイさん…?』
「どうしてそこまで。
うん、マダムの味だな」
『食べて欲しかったから。
ロイさんの思い出の味を教えてください。
再現しますから。
マダムの手料理もお店で食べた料理でも構いません』
「セルシア…」
屈んでロイの両手を握って見つめて微笑む。
『貴方はもっと甘えるべきです。
私でもヒューズ中佐でもマダム、中尉達にでも構いません。
甘えるのが苦手なのは分かってますから無理強いはしませんけど。
お願いだから1人では抱え込まないでくださいね』
「甘えたらダメになりそうで。
そっから出れなくなって弱くなりそうで怖かった。
今でも怖いんだ」
『ロイさん…
確かに甘えは人をダメにする場合もあります。
でもね、甘えは頼るってことなんだよ。
甘えられたら私は嬉しいです。
私だけじゃなくてヒューズ中佐もマダムも中尉達だってそうですよ』
諭すような優しい言葉にロイはセルシアの肩に顔を埋める。
震えているロイの肩に気づき、優しく背中をさする。
「身体が弱ると心まで弱まるなら困るな。
涙腺まで弱くなるんだから」
『いいんですよ、弱くなっても』
「ふ…っ、く…」
『そんなに唇を噛んだら傷がついちゃうからダメですよ。
泣くのが下手なんですから。
我慢しなくていいんです。
恥ずかしいことじゃないですよ』
「セルシア…」
顔を上げられて指で涙を拭われ、ロイは目を閉じて涙を静かに流す。
(不謹慎だけど、泣いてる姿でさえも綺麗。
男の人の涙で綺麗なんて不思議なんだけど)
優しく頭を撫でながらロイが落ち着くまで待った。
普段は泣いたりしないので恥ずかしくなったのか、寝室に籠ってしまってセルシアは苦笑い。
『ロイさん、ポトフを温め直しましたよ』
(聞かないのが君の優しさだな)
『どれから食べます?』
「へっ?」
『ロイさんが甘えないなら甘やかそうと思って。
私は普段、十分なくらいにロイさんから甘やかしてもらってるから』
布団から出ると半ば強引に食べさせられ、照れながらも渋々ながらロイは2口以降も口を開く。
「う~…もういいだろ。
自分で食べれる」
(恥ずかしさが限界かな)
珍しく真っ赤になるロイにクスクスと笑ってスプーンを渡す。
気まずそうにロイは目を反らしながら食べる。
『私は片付けを…』
「もう少しで食べ終わる」
セルシアの服を掴んで止めて、1人になりたくなくて傍に居て欲しいとぎこちないロイの甘え方に微笑んで座り直した。
『ちゃんと全部食べれたし、寝ればよくなるよ』
「ん…おやすみ」
食べて身体も温まり、セルシアの気配に安心して眠りについた。
(これなら大丈夫そうかな)
自分も食事して片付け、再び寝室に来てロイの様子を確認。
そっと額に触れるとまだ熱はあるが、先程より下がっている。
『ロイさん、おはようございます。
熱は下がりましたね』
「…おはよう」
朝の支度をして戻ると昨夜とは違う味のポトフを用意してくれていた。
(そういえば、マダムとヒューズにも言われたな)
熱が下がったとセルシアが報告すると中尉達は安堵する。
「すまなかったな」
「構いませんよ。
あまり無理はなさらないでくださいね」
「ありがとう」
『私は資料を取って来ますね』
「分かりました。
将軍、本日のスケジュールの前に今日は必要以外は外に出ないでくださいね」
「必要以外とは?」
「トイレと事件事故、会議や閣下からの呼び出しは必要条件にします」
「…了解」
「それでは本日のスケジュールですが」
中尉から聞きながらロイは新聞を読んでいた。
(相変わらずの器用だな)
(あれで聞いてるんだもんな)
聞き流しているように見えるが、実際に頭に入っている。