第⑳話
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ソファで仮眠しているロイの隣にセルシアは膝枕しながら書類の仕事をしていた。
「んっ、ぅ…」
((寝返りをしてるだけなのに。
その色気はどこから出るんだ!))
熱があると分かりながらもハボック達はロイを見て羨ましく思う。
「リーゼル大佐、将軍は出来そうにありませんから」
『あら、中尉からなんて珍しい』
「どちらにしても大佐がこっそり片付けてしまいますから」
『よくお分かりで』
テーブルに中尉は将軍の書類も置いて終わった分の書類を確認する。
「結局、寝てんのかよ。
仮眠室にロイを連れて行かなかったのか?」
『仮眠室だと将軍は気を張って休めませんから』
「あぁ、なるほど。
ロイは眠りも浅いからな」
「んんっ…」
「起こしちまうな。
何かあったら呼んでくれ」
『大丈夫ですよ。
でも、ありがとうございます』
ヒューズはどうやら様子を見に来たようだ。
定時には帰って自宅の寝室で軍服から部屋着に着替えて寝る。
「…セルシア?」
『起きました?
まだ少し熱が高いかな。
体調はどうですか?』
「ん~…良くはない。
頭がぼんやりする」
『熱ありますからね。
食欲は?』
「食べたくない」
『スープやゼリーとかも?
少しは食べないと』
「…分かってるんだけど」
『水分補給して果物をちょっとだけでいいから食べない?』
「少しだけなら」
半分も食べれずに寝ているロイに心配になった。
マダムの店に頼んで連れて行ってもらった。
「…あんたはバカなのかい?
果物食って水分補給もしてんなら大丈夫だろ」
『ば、バカって』
「口が悪すぎだよ、マダム」
「あの子は元々が食が細いんだよ。
ガキの頃に一人前も食えなかったからね」
『そうなんですか?』
「無理に食わすと吐いちまうし、余計に具合悪くしてね」
「マダム…極端過ぎるよ」
「だろうね。
怯えさせちまって店の子達からも非難されてしばらくロイ坊に近づくのも許されなかったよ」
小さい頃は店の女性達のマスコット的存在だったようだ。
『そういうのが聞きたいのではなくて』
「とは言ってもねぇ。
熱はわりと出してたけど、看病をあまりさせてくれなかったからね。
店の子達が可愛がってたし」
「熱出しても可愛いとか言って遊ばれてたパターンか。
心配はしてるんだろうけど」
「まぁ、うるさいって追い出されてロイ坊に鍵掛けられてたけどね。
店の子がからかって裸を見せても“何したいんだ”と冷ややかな対応だし」
「いや、見せるの止めろよ」
そんな環境なら女性の扱いも慣れるなとヒューズとセルシアは苦笑い。
怪しまれないようにヒューズは軍服ではあるが。
「あぁ、そうだ。
これは食欲ない時に食ってたな」
「それを聞いてんだよ!」
このマイペースっぷりは遺伝だなとヒューズは苦笑い。
マダムからレシピを教わってヒューズと分かれる。
『ありがとうございました。
ヒューズ中佐、夜にすみません』
「構わんよ。
礼はいいから早く戻ってやれ」
『はい、ありがとうございます。
おやすみなさい』
セルシアはロイが待っている自宅に帰った。
「…お帰り。
どこに行ってたんだ?
こんな夜遅くに何かあったら」
『ヒューズ中佐に付き合ってもらいました』
「ヒューズ?
中尉ではなくて?」
『ちょっとレシピを聞いて来たので。
食べれなかったら私が食べるのでちょっと作りますから待っててくださいね』
不思議に思いながらもロイはそれ以上は聞かずに待つことにした。
「えっ…これって」
『覚えてます?』
「何度かマダムが小さい頃に風邪引いた時に作って食べさせてくれた。
もしかして、ヒューズと行った場所は…」
『マダムの店に』
「余計なことを言ってそうだな」
『ふふっ、そんなことないですよ』
「熱いから気をつけてくださいね。
それとも、食べさせましょうか?』
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…
しなくて、いいから」
吹き出しそうになってロイは咳き込んでしまう。
(マダムが小さい頃に作ってくれたポトフと同じ味…
マダムからレシピを聞いて再現してくれたのか)
絶品と言う味ではないが、ロイには懐かしくて優しい味だった。
「んっ、ぅ…」
((寝返りをしてるだけなのに。
その色気はどこから出るんだ!))
熱があると分かりながらもハボック達はロイを見て羨ましく思う。
「リーゼル大佐、将軍は出来そうにありませんから」
『あら、中尉からなんて珍しい』
「どちらにしても大佐がこっそり片付けてしまいますから」
『よくお分かりで』
テーブルに中尉は将軍の書類も置いて終わった分の書類を確認する。
「結局、寝てんのかよ。
仮眠室にロイを連れて行かなかったのか?」
『仮眠室だと将軍は気を張って休めませんから』
「あぁ、なるほど。
ロイは眠りも浅いからな」
「んんっ…」
「起こしちまうな。
何かあったら呼んでくれ」
『大丈夫ですよ。
でも、ありがとうございます』
ヒューズはどうやら様子を見に来たようだ。
定時には帰って自宅の寝室で軍服から部屋着に着替えて寝る。
「…セルシア?」
『起きました?
まだ少し熱が高いかな。
体調はどうですか?』
「ん~…良くはない。
頭がぼんやりする」
『熱ありますからね。
食欲は?』
「食べたくない」
『スープやゼリーとかも?
少しは食べないと』
「…分かってるんだけど」
『水分補給して果物をちょっとだけでいいから食べない?』
「少しだけなら」
半分も食べれずに寝ているロイに心配になった。
マダムの店に頼んで連れて行ってもらった。
「…あんたはバカなのかい?
果物食って水分補給もしてんなら大丈夫だろ」
『ば、バカって』
「口が悪すぎだよ、マダム」
「あの子は元々が食が細いんだよ。
ガキの頃に一人前も食えなかったからね」
『そうなんですか?』
「無理に食わすと吐いちまうし、余計に具合悪くしてね」
「マダム…極端過ぎるよ」
「だろうね。
怯えさせちまって店の子達からも非難されてしばらくロイ坊に近づくのも許されなかったよ」
小さい頃は店の女性達のマスコット的存在だったようだ。
『そういうのが聞きたいのではなくて』
「とは言ってもねぇ。
熱はわりと出してたけど、看病をあまりさせてくれなかったからね。
店の子達が可愛がってたし」
「熱出しても可愛いとか言って遊ばれてたパターンか。
心配はしてるんだろうけど」
「まぁ、うるさいって追い出されてロイ坊に鍵掛けられてたけどね。
店の子がからかって裸を見せても“何したいんだ”と冷ややかな対応だし」
「いや、見せるの止めろよ」
そんな環境なら女性の扱いも慣れるなとヒューズとセルシアは苦笑い。
怪しまれないようにヒューズは軍服ではあるが。
「あぁ、そうだ。
これは食欲ない時に食ってたな」
「それを聞いてんだよ!」
このマイペースっぷりは遺伝だなとヒューズは苦笑い。
マダムからレシピを教わってヒューズと分かれる。
『ありがとうございました。
ヒューズ中佐、夜にすみません』
「構わんよ。
礼はいいから早く戻ってやれ」
『はい、ありがとうございます。
おやすみなさい』
セルシアはロイが待っている自宅に帰った。
「…お帰り。
どこに行ってたんだ?
こんな夜遅くに何かあったら」
『ヒューズ中佐に付き合ってもらいました』
「ヒューズ?
中尉ではなくて?」
『ちょっとレシピを聞いて来たので。
食べれなかったら私が食べるのでちょっと作りますから待っててくださいね』
不思議に思いながらもロイはそれ以上は聞かずに待つことにした。
「えっ…これって」
『覚えてます?』
「何度かマダムが小さい頃に風邪引いた時に作って食べさせてくれた。
もしかして、ヒューズと行った場所は…」
『マダムの店に』
「余計なことを言ってそうだな」
『ふふっ、そんなことないですよ』
「熱いから気をつけてくださいね。
それとも、食べさせましょうか?』
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…
しなくて、いいから」
吹き出しそうになってロイは咳き込んでしまう。
(マダムが小さい頃に作ってくれたポトフと同じ味…
マダムからレシピを聞いて再現してくれたのか)
絶品と言う味ではないが、ロイには懐かしくて優しい味だった。