第⑳話
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小さい頃からよく言われたことでその度にマダムが怒鳴り散らしていた。
「嫉妬の塊だな。
ロイ、大丈夫か?」
「…ヒューズ」
「おまえさんはあまり表情に出ないからな。
それは軍人として時に羨ましくもあるんだが。
腕、痛むのか?」
「たいしたことない」
「怪我はそれでも構わない。
大丈夫なのか?」
「慣れてるよ」
「そういうのは言い続けられたって慣れるもんじゃない。
おまえにだって喜怒哀楽の感情がある。
まぁ、人よりは分かりづらいけど。
辛いことを俺にまで隠して封じ込めることない」
黙り込んでるロイにヒューズは苦笑いして頭をぐしゃっと撫でる。
「何するんだ。
髪が乱れるだろ」
「ほら、医務室に行くぞ。
それが嫌なら仮眠室。
痛むんだろ?」
「…仮眠室に行く」
諦めたようにため息をついてお節介について来るヒューズと共にロイは仮眠室に向かう。
「あのおっさん、随分と強く掴んだんだな。
包帯に血が滲んでるし。
軍服には付いてないけど。
かなり痛みあったろ?」
「ヒューズ、自分で出来るのだが」
「いいから。
このくらい甘えろ」
「…おまえの基準が分からん」
諦めてロイは素直に手当てしてもらった。
「仕事溜まってないんだろ?
会議もないなら少し寝ろ」
半ば強引にベッドに入れられてロイは苦笑い。
お節介にも程があると思いながらも悪い気はしない。
「まるで狙われているかのように事件や事故が起きるんだよな。
まぁ、狙われてるのは外れてないかもしれんが。
過激派にも…軍の奴等にも」
「…ロイ。
若手の将軍だからな。
知名度も人気もあるし」
「地位と外見だけだろ。
紳士だの優しいとか、私の何も知らない」
枕を抱えてロイは枕に顔を埋めて隠した。
「そんなもんだって。
それも一種の才能だろ。
騒がれるだけでも凄いんだよ。
だからなのか閣下の屋敷に招待されたりするんだ。
そう思ってた方が楽だし、あんまり自分だけで考え込むといいことなんてないぞ」
「私はそんな単純にはなれん。
鋼のではあるまいし」
「うん、まぁ…おまえがエドみたいになったらさすがに嫌だな。
というか、司令部は崩壊するわ」
「くくっ…そこまでじゃないだろ」
(少しはよくなったか。
自分がどれだけ周りに影響力あるか分かってねぇな。
どちらの意味でも本人の意思に関係なく目立ってしまうタイプなのかもな)
ヒューズは微かに笑うロイに安堵して笑う。
「ロイ…?
ありゃ、寝てるし。
珍し…少し熱あるな。
やれやれ、世話掛かる奴だ」
言葉とは裏腹にヒューズの声色は優しかった。
執務室のドアをノックしてヒューズは開ける。
「ヒューズ中佐、マスタング将軍なら居ませんが。
また居なくなってしまって」
「知ってる。
仮眠室で寝かせてる」
「えっ?」
「アイツ、ちょっと熱あったぞ」
「熱って…」
「将軍から怪我した腕を掴まれて。
リーゼル大佐、目が怖くなってるぞ」
『失礼しました』
「嫌がらせのつもりなんだろ。
表情変わらないから怒りながら去って言ったけど。
…不気味って言葉を残して」
「どこが不気味なんですか!」
「腐ってやがる」
「いやいや、俺じゃないから」
ヒューズは睨まれて後退りしそうになりながらロイは慕われてるなと微笑む。
「何をペラペラ話してんだ」
「熱あるのに」
「たいしたことない。
高熱でもない」
「気づかずに申し訳ありません」
「いや、午前は変化なかったし」
『飲み薬は?』
「そこまでじゃないよ」
『あまり無理はしないでください』
セルシアはロイの手を握りながらもう片手でロイの額に触れた。
「大丈夫だ。
こういう怪我すると微熱が出ることがたまにあるから。
思考が低下するだけで問題ない」
「いや、問題ありますよ」
「今日は定時にお帰りください。
重要書類はありませんし、大丈夫です」
「…そうだな」
((熱でなんだろうけど、いつも以上に色気倍増))
同性でさえも色気を感じるのならセルシアは尚更だろう。
2017.2.11
「嫉妬の塊だな。
ロイ、大丈夫か?」
「…ヒューズ」
「おまえさんはあまり表情に出ないからな。
それは軍人として時に羨ましくもあるんだが。
腕、痛むのか?」
「たいしたことない」
「怪我はそれでも構わない。
大丈夫なのか?」
「慣れてるよ」
「そういうのは言い続けられたって慣れるもんじゃない。
おまえにだって喜怒哀楽の感情がある。
まぁ、人よりは分かりづらいけど。
辛いことを俺にまで隠して封じ込めることない」
黙り込んでるロイにヒューズは苦笑いして頭をぐしゃっと撫でる。
「何するんだ。
髪が乱れるだろ」
「ほら、医務室に行くぞ。
それが嫌なら仮眠室。
痛むんだろ?」
「…仮眠室に行く」
諦めたようにため息をついてお節介について来るヒューズと共にロイは仮眠室に向かう。
「あのおっさん、随分と強く掴んだんだな。
包帯に血が滲んでるし。
軍服には付いてないけど。
かなり痛みあったろ?」
「ヒューズ、自分で出来るのだが」
「いいから。
このくらい甘えろ」
「…おまえの基準が分からん」
諦めてロイは素直に手当てしてもらった。
「仕事溜まってないんだろ?
会議もないなら少し寝ろ」
半ば強引にベッドに入れられてロイは苦笑い。
お節介にも程があると思いながらも悪い気はしない。
「まるで狙われているかのように事件や事故が起きるんだよな。
まぁ、狙われてるのは外れてないかもしれんが。
過激派にも…軍の奴等にも」
「…ロイ。
若手の将軍だからな。
知名度も人気もあるし」
「地位と外見だけだろ。
紳士だの優しいとか、私の何も知らない」
枕を抱えてロイは枕に顔を埋めて隠した。
「そんなもんだって。
それも一種の才能だろ。
騒がれるだけでも凄いんだよ。
だからなのか閣下の屋敷に招待されたりするんだ。
そう思ってた方が楽だし、あんまり自分だけで考え込むといいことなんてないぞ」
「私はそんな単純にはなれん。
鋼のではあるまいし」
「うん、まぁ…おまえがエドみたいになったらさすがに嫌だな。
というか、司令部は崩壊するわ」
「くくっ…そこまでじゃないだろ」
(少しはよくなったか。
自分がどれだけ周りに影響力あるか分かってねぇな。
どちらの意味でも本人の意思に関係なく目立ってしまうタイプなのかもな)
ヒューズは微かに笑うロイに安堵して笑う。
「ロイ…?
ありゃ、寝てるし。
珍し…少し熱あるな。
やれやれ、世話掛かる奴だ」
言葉とは裏腹にヒューズの声色は優しかった。
執務室のドアをノックしてヒューズは開ける。
「ヒューズ中佐、マスタング将軍なら居ませんが。
また居なくなってしまって」
「知ってる。
仮眠室で寝かせてる」
「えっ?」
「アイツ、ちょっと熱あったぞ」
「熱って…」
「将軍から怪我した腕を掴まれて。
リーゼル大佐、目が怖くなってるぞ」
『失礼しました』
「嫌がらせのつもりなんだろ。
表情変わらないから怒りながら去って言ったけど。
…不気味って言葉を残して」
「どこが不気味なんですか!」
「腐ってやがる」
「いやいや、俺じゃないから」
ヒューズは睨まれて後退りしそうになりながらロイは慕われてるなと微笑む。
「何をペラペラ話してんだ」
「熱あるのに」
「たいしたことない。
高熱でもない」
「気づかずに申し訳ありません」
「いや、午前は変化なかったし」
『飲み薬は?』
「そこまでじゃないよ」
『あまり無理はしないでください』
セルシアはロイの手を握りながらもう片手でロイの額に触れた。
「大丈夫だ。
こういう怪我すると微熱が出ることがたまにあるから。
思考が低下するだけで問題ない」
「いや、問題ありますよ」
「今日は定時にお帰りください。
重要書類はありませんし、大丈夫です」
「…そうだな」
((熱でなんだろうけど、いつも以上に色気倍増))
同性でさえも色気を感じるのならセルシアは尚更だろう。
2017.2.11