第⑳話
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ロイは立ち上がってウィンリィに手を貸して立たせる。
「ウィンリィ!」
「大丈夫?
怪我はしてない!?」
「うん、大丈夫。
ごめんなさい」
ロイは視線だけで確保されていることを確認した。
「鋼の、私は下がれと命じたはずだ」
「それは…」
「ブレダ!」
「申し訳ありません」
「何をするか分からん奴から目を離すな」
「はい」
「俺が勝手に!」
「鋼の、分かってるのか?
今回はよかったが、ウィンリィが刺された可能性もある。
突き飛ばされて頭を打った可能性もあるんだ。
君のように頑丈ではない」
「無事だったんだからよかっ…」
「将軍!」
「頭を冷やせ。
冷静な行動しろ」
ロイはエドの頬を叩き、中尉が止めに入る。
「なっ…!」
「分かってるのか。
ウィンリィたけじゃない。
自分の身を危険に晒したんだ。
相手は過激派だ。
銃を隠し持ってる可能性もある」
「俺は頑丈だし」
「機械鎧以外に当たれば、怪我した可能性もある」
「将軍、銃を隠し持ってました」
「やはりな。
鋼の、反省しなさい」
「…兄さん。
ちゃんと言わないと」
「ご、ごめんなさい」
「マスタングさん、エドは私を助けようとして」
「報告書だけで許してやる。
ウィンリィと弟に感謝するんだな」
アルに諭されてエドはロイに渋々ながら謝罪した。
軍人の喚き声にロイはハッとしてエドとアルとウィンリィを突き飛ばす。
「ぐ…っ」
「マスタング将軍!」
「大丈夫、たいしたことない」
中尉が犯人を撃って中尉とハボック達は確保した。
腕を押さえてロイの軍服が血で染まってポタポタと血が垂れる。
「マスタングさんっ!」
「何で…っ」
「大丈夫ですか!?」
『将軍!』
セルシアが駆けつけて軍服を脱がしてYシャツを捲る。
「いって…」
『銃弾は当たってませんね』
「掠り傷だ。
避けきれなかったが」
救護班は連れて来ていないので救急箱で手当てした。
「マスタングさん、ごめんなさい」
「突き飛ばして悪かった。
ウィンリィ、怪我は?」
「大丈夫です!」
「兄さんが下敷きになってましたから」
「ははっ、そうか」
「少しは俺も心配しろよ」
「頑丈なんだろ?」
「…ムカつくな」
「セルシア、ありがとう」
『大丈夫ですか?
戻ったら医務室に行きましょう』
「分かってるよ」
不満顔のエドにロイは苦笑いして立ち上がる。
「鋼の」
「何だよ、報告書なら」
「そうではない。
…悪かったな」
「はっ?」
「私も冷静ではなかった。
叩いてすまなかった」
「別にいいよ。
元々は俺の責任だし」
「マスタング将軍」
「ブレダも報告書だ」
「で、ですよね」
「何なら減給するか?」
「勘弁してください」
「冗談だ」
怒られないことにブレダは安堵の息をつく。
咄嗟の行動だったが、ロイがウィンリィを庇って救出してそのあともエルリック兄弟とウィンリィを庇ったことが大きな写真と共に新聞の一面を飾った。
“若き将軍、焔の錬金術師が子供達を庇う!”
“その子供達は最年少の鋼の錬金術師と実弟、故郷の幼馴染”
“幼馴染の少女はマスタング将軍を「お義父さん」と呼んで慕っているほどだ”
“ちなみに金髪だが、マスタング将軍と副官の子供ではないので三角関係ではなかった(笑)”
オチに中尉が使われていて中尉は顔を歪めていた。
「マスタング将軍、大活躍のようだな。
怪我はどうだ?」
「滅相もございません。
掠り傷なので」
にこやかな会話から嫌味のオンパレードはいつものことだ。
「国民の少女を庇ったり、鋼の錬金術師を叩いても体罰ではなくて心ある説教などと言われて大層ご立派になられて」
「……っ…」
「怪我した腕を掴んでも表情ひとつ変えんのか、君は。
まるで機械のようで気色悪いな」
将軍が去ると腕をさすりながらロイは疲れたように壁に寄り掛かる。
(あんなこと、今に始まったことじゃない。
わりと強い力で掴んで来たな。
今になって地味に痛い。
こんな顔で戻る訳いかない。
切り替えないと)
そう思いながらも落ちた気持ちを取り戻すのは安易なことではない。
「ウィンリィ!」
「大丈夫?
怪我はしてない!?」
「うん、大丈夫。
ごめんなさい」
ロイは視線だけで確保されていることを確認した。
「鋼の、私は下がれと命じたはずだ」
「それは…」
「ブレダ!」
「申し訳ありません」
「何をするか分からん奴から目を離すな」
「はい」
「俺が勝手に!」
「鋼の、分かってるのか?
今回はよかったが、ウィンリィが刺された可能性もある。
突き飛ばされて頭を打った可能性もあるんだ。
君のように頑丈ではない」
「無事だったんだからよかっ…」
「将軍!」
「頭を冷やせ。
冷静な行動しろ」
ロイはエドの頬を叩き、中尉が止めに入る。
「なっ…!」
「分かってるのか。
ウィンリィたけじゃない。
自分の身を危険に晒したんだ。
相手は過激派だ。
銃を隠し持ってる可能性もある」
「俺は頑丈だし」
「機械鎧以外に当たれば、怪我した可能性もある」
「将軍、銃を隠し持ってました」
「やはりな。
鋼の、反省しなさい」
「…兄さん。
ちゃんと言わないと」
「ご、ごめんなさい」
「マスタングさん、エドは私を助けようとして」
「報告書だけで許してやる。
ウィンリィと弟に感謝するんだな」
アルに諭されてエドはロイに渋々ながら謝罪した。
軍人の喚き声にロイはハッとしてエドとアルとウィンリィを突き飛ばす。
「ぐ…っ」
「マスタング将軍!」
「大丈夫、たいしたことない」
中尉が犯人を撃って中尉とハボック達は確保した。
腕を押さえてロイの軍服が血で染まってポタポタと血が垂れる。
「マスタングさんっ!」
「何で…っ」
「大丈夫ですか!?」
『将軍!』
セルシアが駆けつけて軍服を脱がしてYシャツを捲る。
「いって…」
『銃弾は当たってませんね』
「掠り傷だ。
避けきれなかったが」
救護班は連れて来ていないので救急箱で手当てした。
「マスタングさん、ごめんなさい」
「突き飛ばして悪かった。
ウィンリィ、怪我は?」
「大丈夫です!」
「兄さんが下敷きになってましたから」
「ははっ、そうか」
「少しは俺も心配しろよ」
「頑丈なんだろ?」
「…ムカつくな」
「セルシア、ありがとう」
『大丈夫ですか?
戻ったら医務室に行きましょう』
「分かってるよ」
不満顔のエドにロイは苦笑いして立ち上がる。
「鋼の」
「何だよ、報告書なら」
「そうではない。
…悪かったな」
「はっ?」
「私も冷静ではなかった。
叩いてすまなかった」
「別にいいよ。
元々は俺の責任だし」
「マスタング将軍」
「ブレダも報告書だ」
「で、ですよね」
「何なら減給するか?」
「勘弁してください」
「冗談だ」
怒られないことにブレダは安堵の息をつく。
咄嗟の行動だったが、ロイがウィンリィを庇って救出してそのあともエルリック兄弟とウィンリィを庇ったことが大きな写真と共に新聞の一面を飾った。
“若き将軍、焔の錬金術師が子供達を庇う!”
“その子供達は最年少の鋼の錬金術師と実弟、故郷の幼馴染”
“幼馴染の少女はマスタング将軍を「お義父さん」と呼んで慕っているほどだ”
“ちなみに金髪だが、マスタング将軍と副官の子供ではないので三角関係ではなかった(笑)”
オチに中尉が使われていて中尉は顔を歪めていた。
「マスタング将軍、大活躍のようだな。
怪我はどうだ?」
「滅相もございません。
掠り傷なので」
にこやかな会話から嫌味のオンパレードはいつものことだ。
「国民の少女を庇ったり、鋼の錬金術師を叩いても体罰ではなくて心ある説教などと言われて大層ご立派になられて」
「……っ…」
「怪我した腕を掴んでも表情ひとつ変えんのか、君は。
まるで機械のようで気色悪いな」
将軍が去ると腕をさすりながらロイは疲れたように壁に寄り掛かる。
(あんなこと、今に始まったことじゃない。
わりと強い力で掴んで来たな。
今になって地味に痛い。
こんな顔で戻る訳いかない。
切り替えないと)
そう思いながらも落ちた気持ちを取り戻すのは安易なことではない。