第⑳話
夢小説設定
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媚びずに嫌な感覚もない自然体のセルシアにロイは微笑む。
「それくらいなら許可しよう。
ワシも興味はある」
『補佐官が煩そうですが』
「どうにかなるだろう」
「補佐官に適当に仕事を与えれば良いのでは?」
「うむ、そうだな」
ここに中尉が居たら顔を歪めていたなと安易に想像がつく。
「ふふっ、楽しみにしてますね。
さあ…冷めないうちにどうぞ」
「頂きます」
『ありがとうございます』
「美味しいです」
「それはよかったわ」
『見た目よりもサッパリしてますね』
「身体のことがあるし、脂っこいのはよくないから気をつけないとね」
閣下の身体を考えて毎日メニューを決めているらしい。
「マスタング将軍、まだ飲めるかね?」
「飲めますが…」
「では、次はこちらにしよう。
お気に入りの酒なんだが」
「ありがとうございます」
「貴方、あまり飲み過ぎないようにしてくださいね」
「分かってるよ」
「ふふっ、私は飲まないから嬉しいのかしらね」
閣下は自慢のコレクションから取り出してグラスに注ぐ。
「ありがとうございます」
「ほかの将軍はガバガバ飲むし、媚びるから嫌なのだが。
ここだけの話にしてくれよ」
「皆さん、お酒に強いですから。
美味しいです。
まろやかで香りも爽やかですし、女性でも飲めそうですね」
「やはり、君はちゃんと味わってくれるな」
(…過去にどんな飲み方されたんですか)
さすがに閣下には突っ込めずにロイは苦笑い。
よほど嬉しかったのか、閣下はコレクションのお酒まで見せてくれた。
何故か気に入られてしまってそれは複雑でもある。
これを機に定時に帰れそうな時は閣下からロイはセルシアと共に閣下の自宅の食事会に招待されていた。
「なんていうか、凄いですね」
「違う心配はあるけどな。
将軍達の嫉妬が」
「十分に警戒しましょう」
「閣下のお気に入りなんて言われてますからね」
「お気に入りは分からんが、閣下からの誘いを断れないよな」
距離感を縮めるのも言葉が巧いロイとセルシアだからこそ、結果的に気に入られてしまった。
周りと違って媚びないから居心地も良いのだろう。
「お気に入りが本当かともかくとして分かるよな。
将軍は言葉の引き出しも知識も豊富だし、話していて楽しいから。
自分からは話さないけど」
「分かる分かる。
雰囲気というか、聞いてくれてるとつい話しちゃうんだよな。
くだらない話もプライベートの話でもちゃんと聞いてくれてバカにしないし」
「そうなんですよね」
「アドバイスも的確ですから」
「威張るだけの上官とは全然比べ物になりませんよ」
部下達からの評価に中尉は密かに笑っていつか教えようと思う。
食事会に加えて閣下から呼び出しをされるようになった。
「閣下、失礼します。
連れて来ました」
「失礼します。
お呼びでしょうか?」
「うむ…補佐官は弱くてな」
「チェス、ですか?」
「言っておくが、わざと負けてないからな」
どうやら閣下の補佐官はチェスが弱いのは本当のようだ。
「本気で勝負しようではないか。
負けようとしなくて構わんよ」
「お強いのですか?」
「それは勝負してみれば分かるさ」
「…そうですね」
そこまで自分で言うのだから強いのだろう。
(これは予想以上に…、強い。
補佐官が弱いのではなくて異常に強いのでは。
戦略が予想外の繰り返しだ。
こうして翻弄されるのか)
(うむ、意外とついて来るな。
ほかの奴等は翻弄されて自爆するのだが。
負けず嫌いなんだろうな)
悔しさが滲み出て来ている様子に閣下は笑う。
「失礼します。
マスタング将軍、ここで何をしているんだ」
「あっ、失礼しました。
お仕事の話なら私はそろそろ…」
「すぐ終わるから構わんよ。
ワシがマスタング将軍を呼んだのだから文句を言うのではない」
「失礼しました」
(視線が痛い…)
将軍からの嫉妬の視線を感じながらロイはわざと目を合わせない。
「それくらいなら許可しよう。
ワシも興味はある」
『補佐官が煩そうですが』
「どうにかなるだろう」
「補佐官に適当に仕事を与えれば良いのでは?」
「うむ、そうだな」
ここに中尉が居たら顔を歪めていたなと安易に想像がつく。
「ふふっ、楽しみにしてますね。
さあ…冷めないうちにどうぞ」
「頂きます」
『ありがとうございます』
「美味しいです」
「それはよかったわ」
『見た目よりもサッパリしてますね』
「身体のことがあるし、脂っこいのはよくないから気をつけないとね」
閣下の身体を考えて毎日メニューを決めているらしい。
「マスタング将軍、まだ飲めるかね?」
「飲めますが…」
「では、次はこちらにしよう。
お気に入りの酒なんだが」
「ありがとうございます」
「貴方、あまり飲み過ぎないようにしてくださいね」
「分かってるよ」
「ふふっ、私は飲まないから嬉しいのかしらね」
閣下は自慢のコレクションから取り出してグラスに注ぐ。
「ありがとうございます」
「ほかの将軍はガバガバ飲むし、媚びるから嫌なのだが。
ここだけの話にしてくれよ」
「皆さん、お酒に強いですから。
美味しいです。
まろやかで香りも爽やかですし、女性でも飲めそうですね」
「やはり、君はちゃんと味わってくれるな」
(…過去にどんな飲み方されたんですか)
さすがに閣下には突っ込めずにロイは苦笑い。
よほど嬉しかったのか、閣下はコレクションのお酒まで見せてくれた。
何故か気に入られてしまってそれは複雑でもある。
これを機に定時に帰れそうな時は閣下からロイはセルシアと共に閣下の自宅の食事会に招待されていた。
「なんていうか、凄いですね」
「違う心配はあるけどな。
将軍達の嫉妬が」
「十分に警戒しましょう」
「閣下のお気に入りなんて言われてますからね」
「お気に入りは分からんが、閣下からの誘いを断れないよな」
距離感を縮めるのも言葉が巧いロイとセルシアだからこそ、結果的に気に入られてしまった。
周りと違って媚びないから居心地も良いのだろう。
「お気に入りが本当かともかくとして分かるよな。
将軍は言葉の引き出しも知識も豊富だし、話していて楽しいから。
自分からは話さないけど」
「分かる分かる。
雰囲気というか、聞いてくれてるとつい話しちゃうんだよな。
くだらない話もプライベートの話でもちゃんと聞いてくれてバカにしないし」
「そうなんですよね」
「アドバイスも的確ですから」
「威張るだけの上官とは全然比べ物になりませんよ」
部下達からの評価に中尉は密かに笑っていつか教えようと思う。
食事会に加えて閣下から呼び出しをされるようになった。
「閣下、失礼します。
連れて来ました」
「失礼します。
お呼びでしょうか?」
「うむ…補佐官は弱くてな」
「チェス、ですか?」
「言っておくが、わざと負けてないからな」
どうやら閣下の補佐官はチェスが弱いのは本当のようだ。
「本気で勝負しようではないか。
負けようとしなくて構わんよ」
「お強いのですか?」
「それは勝負してみれば分かるさ」
「…そうですね」
そこまで自分で言うのだから強いのだろう。
(これは予想以上に…、強い。
補佐官が弱いのではなくて異常に強いのでは。
戦略が予想外の繰り返しだ。
こうして翻弄されるのか)
(うむ、意外とついて来るな。
ほかの奴等は翻弄されて自爆するのだが。
負けず嫌いなんだろうな)
悔しさが滲み出て来ている様子に閣下は笑う。
「失礼します。
マスタング将軍、ここで何をしているんだ」
「あっ、失礼しました。
お仕事の話なら私はそろそろ…」
「すぐ終わるから構わんよ。
ワシがマスタング将軍を呼んだのだから文句を言うのではない」
「失礼しました」
(視線が痛い…)
将軍からの嫉妬の視線を感じながらロイはわざと目を合わせない。