第⑳話
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定時に帰れることになり、更衣室で私服に着替えて司令部から出た。
「ここで待つように言われたんだが…」
『居ませんね』
「やあ、すまんな。
待たせてしまったかな」
「いえ…大丈夫です」
補佐官と護衛と共に閣下が話しかけて来るから周りからの視線を感じる。
「閣下、本当によろしいのですか?」
「妻の要望だ」
「何かあってからでは遅いです。
マスタング将軍、もし閣下や奥様に手を出せば…」
『マスタング将軍を信頼しないと?
それこそ、貴方がマスタング将軍に手を出せば…』
閣下の補佐官が脅そうとしてセルシアはロイの前に出て来る。
「やれやれ。
まったく度が過ぎてる」
「申し訳ありません」
「リーゼル大佐が君にべったりなやのは有名だからな。
それなのにあんなことを言えば、分かるだろうに。
勝負はついたみたいだな」
「勝負になっていませんよ」
「国家錬金術師を挑発したのだから仕方ない」
セルシアに吹き飛ばされていたのは言うまでもない。
「セルシア、それくらいにしておきなさい。
お怪我はありませんか?」
「どんな教育しているんだ!
上官に対して!」
『私の上官はマスタング将軍だけですから。
従う価値も守る価値もありません』
「なっ!」
「君が彼女のいる前で言葉が過ぎたのだろ。
さて、行こうか」
「閣下…私達も乗るのですか?」
「同じ場所に行くのだから構わん」
「ですが…」
「ワシが許可する」
閣下専用の送迎車に半ば強引に乗せられる。
補佐官と護衛からの視線に気まずいなとロイは苦笑い。
『…むさ苦しい。
ロイさんを睨まないでください』
「むさ苦しいって」
「睨んではおりませんが」
「名前でお呼びになるのですか?」
『司令部から出ましたから。
何か問題ありますか?』
ロイの腕に抱きつきながら補佐官と護衛を見つめる。
「マスタング将軍!
リーゼル大佐もようこそ。
我儘を聞いてくださってありがとうございます」
「お久しぶりです。
いえ、ご招待ありがとうございます」
『ありがとうございます』
「安全の為に確認を」
閣下の豪邸に入る前に荷物とボディーチェックをされた。
当然ながらセルシアは女性軍人が担当している。
軍人関係者だろうと親戚だろうと客人は調べられるようだ。
「ここでお待ちになってね。
あの人も着替えて来るから」
「ありがとうございます」
客間に案内されて閣下の奥様が紅茶を淹れてくれた。
セルシアがカップを持ち上げて匂いを嗅いで頷き、ロイも小さく頷いて口にする。
『美味しいです』
「よかった」
「奥様はこのアンティークがお好きなんですか?
あちらにあるのも同ブランドですし」
「よくお分かりになりましたね。
えぇ、私はこれが好きなの」
『薔薇が特徴のアンティークなんですよね。
私は詳しくないですけど』
「マスタング将軍の方が詳しいのかしら」
「そこまで詳しい訳ではありませんよ。
有名な作品しか知りませんし」
「男の人で知ってるだけで十分だわ」
奥様は嬉しそうに微笑みながら満足そうだ。
閣下が来ると大広間に移動し、料理が並ぶ。
(さすがに豪華だ。
あの絵画も高そうだし。
ロイさんは平気そうだけど、落ち着かない)
テーブルマナーは大丈夫ではあるが、それでも慣れない。
「マスタング将軍、聞いてもよろしいかしら?」
「私に話せる程度でしたから」
「お肉とお魚、どちらがお好きかしら?」
「は、はい…?」
予想外の問いに思わず、瞬きしてしまう。
「それとも、御野菜の方がお好き?
細身ではありませんけど、お痩せになっているから」
「あっ、いえ…
そういう訳では。
筋肉がつきにくい体質みたいで」
『脱いだら意外と筋肉ありますよ』
「…っぶ!
失礼しました」
セルシアの言葉に飲みを吹き出しそうになった。
「あら、そうなのね」
「閣下…」
「なんかすまんな」
「構わないのですが。
その、奥様はいつもこういう感じなのですか?」
「良家育ちでな。
のんびりしているのだよ。
会話に掴み所がなくて。
安心したまえ、いろんな人を振り回しておるから」
(それ、安心が出来ませんが…)
さすがに閣下には突っ込めずにロイは苦笑い。
『休日や時間ある時にスィーツを作ってます。
ロイさんに作ってますけど、中尉達にも御裾分けしているんですよ』
「それは興味あるわね。
今度頂いてみたいわ」
『ありがとうございます。
機会があれば。
閣下のお許しを頂ければですけど』
(さすがと言うべきか…
振り回されてないな)
言葉が巧いのか天然ゆえなのか振り回されてない。
「ここで待つように言われたんだが…」
『居ませんね』
「やあ、すまんな。
待たせてしまったかな」
「いえ…大丈夫です」
補佐官と護衛と共に閣下が話しかけて来るから周りからの視線を感じる。
「閣下、本当によろしいのですか?」
「妻の要望だ」
「何かあってからでは遅いです。
マスタング将軍、もし閣下や奥様に手を出せば…」
『マスタング将軍を信頼しないと?
それこそ、貴方がマスタング将軍に手を出せば…』
閣下の補佐官が脅そうとしてセルシアはロイの前に出て来る。
「やれやれ。
まったく度が過ぎてる」
「申し訳ありません」
「リーゼル大佐が君にべったりなやのは有名だからな。
それなのにあんなことを言えば、分かるだろうに。
勝負はついたみたいだな」
「勝負になっていませんよ」
「国家錬金術師を挑発したのだから仕方ない」
セルシアに吹き飛ばされていたのは言うまでもない。
「セルシア、それくらいにしておきなさい。
お怪我はありませんか?」
「どんな教育しているんだ!
上官に対して!」
『私の上官はマスタング将軍だけですから。
従う価値も守る価値もありません』
「なっ!」
「君が彼女のいる前で言葉が過ぎたのだろ。
さて、行こうか」
「閣下…私達も乗るのですか?」
「同じ場所に行くのだから構わん」
「ですが…」
「ワシが許可する」
閣下専用の送迎車に半ば強引に乗せられる。
補佐官と護衛からの視線に気まずいなとロイは苦笑い。
『…むさ苦しい。
ロイさんを睨まないでください』
「むさ苦しいって」
「睨んではおりませんが」
「名前でお呼びになるのですか?」
『司令部から出ましたから。
何か問題ありますか?』
ロイの腕に抱きつきながら補佐官と護衛を見つめる。
「マスタング将軍!
リーゼル大佐もようこそ。
我儘を聞いてくださってありがとうございます」
「お久しぶりです。
いえ、ご招待ありがとうございます」
『ありがとうございます』
「安全の為に確認を」
閣下の豪邸に入る前に荷物とボディーチェックをされた。
当然ながらセルシアは女性軍人が担当している。
軍人関係者だろうと親戚だろうと客人は調べられるようだ。
「ここでお待ちになってね。
あの人も着替えて来るから」
「ありがとうございます」
客間に案内されて閣下の奥様が紅茶を淹れてくれた。
セルシアがカップを持ち上げて匂いを嗅いで頷き、ロイも小さく頷いて口にする。
『美味しいです』
「よかった」
「奥様はこのアンティークがお好きなんですか?
あちらにあるのも同ブランドですし」
「よくお分かりになりましたね。
えぇ、私はこれが好きなの」
『薔薇が特徴のアンティークなんですよね。
私は詳しくないですけど』
「マスタング将軍の方が詳しいのかしら」
「そこまで詳しい訳ではありませんよ。
有名な作品しか知りませんし」
「男の人で知ってるだけで十分だわ」
奥様は嬉しそうに微笑みながら満足そうだ。
閣下が来ると大広間に移動し、料理が並ぶ。
(さすがに豪華だ。
あの絵画も高そうだし。
ロイさんは平気そうだけど、落ち着かない)
テーブルマナーは大丈夫ではあるが、それでも慣れない。
「マスタング将軍、聞いてもよろしいかしら?」
「私に話せる程度でしたから」
「お肉とお魚、どちらがお好きかしら?」
「は、はい…?」
予想外の問いに思わず、瞬きしてしまう。
「それとも、御野菜の方がお好き?
細身ではありませんけど、お痩せになっているから」
「あっ、いえ…
そういう訳では。
筋肉がつきにくい体質みたいで」
『脱いだら意外と筋肉ありますよ』
「…っぶ!
失礼しました」
セルシアの言葉に飲みを吹き出しそうになった。
「あら、そうなのね」
「閣下…」
「なんかすまんな」
「構わないのですが。
その、奥様はいつもこういう感じなのですか?」
「良家育ちでな。
のんびりしているのだよ。
会話に掴み所がなくて。
安心したまえ、いろんな人を振り回しておるから」
(それ、安心が出来ませんが…)
さすがに閣下には突っ込めずにロイは苦笑い。
『休日や時間ある時にスィーツを作ってます。
ロイさんに作ってますけど、中尉達にも御裾分けしているんですよ』
「それは興味あるわね。
今度頂いてみたいわ」
『ありがとうございます。
機会があれば。
閣下のお許しを頂ければですけど』
(さすがと言うべきか…
振り回されてないな)
言葉が巧いのか天然ゆえなのか振り回されてない。