第⑳話
夢小説設定
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スカーが逃亡中にクリスマス市場なんてという批判も一部には起きてる。
全員が賛成する政策はなく、こういう時期だからこその娯楽が必要だと閣下は諭していた。
「まぁ、どちらの意見も間違いではないよな。
閣下がそこまで深く考えてるとは思えないけど」
「ロイならどっちを取る?」
「そんなの両方取ればいいだろ。
安全対策して国民が喜んでくれたらパーフェクトだ」
「そういうとこは閣下と感覚がに似てるよ。
だから、奥様も気に入ったのかもしれんな」
ヒューズの言葉にロイは不満そうに微かに顔を歪める。
「クリスマス市場はどうした?」
「もう大変だぞ。
あっちこっち走りまくって、トラブルも多いし。
かと思えば、待たされたりして。
今も待ってる最中だ」
「今のところは順調か」
「…どこが順調なんだよ」
「それを聞いて順調なんて言うのは将軍くらいですよ」
「こういうのはトラブルなんて当たり前だし、途中でどんなトラブルが起きても本番で成功させればいいんだ。
成功させれば、文句なんて言われないし。
お喋りが出来る余裕があるなら大丈夫だろ」
「おまえは専門家かよ」
((…慣れすぎてる))
面倒な行事は上官からよく押しつけられていたから慣れている。
執務室がノックされ、返事と共にドアを開けた。
「閣下!?
どうかなされましたか?」
「マスタング将軍、今日は暇かね?」
「は、はい…?
事件がなければ、定時には帰れる予定ではありますが」
意図が分からずに戸惑ったように閣下を見てしまう。
「リーゼル大佐もかね?」
『はい、事件がなければ』
「それなら事件がなければ、家に招こう」
「はっ?
閣下の御自宅…ですか?
何かありましたか?」
「いや、食事会だ」
「ほかには誰が?」
「君達だけだ。
別に罠ではないぞ」
「いえ、そういうことではなくて」
閣下の補佐官がいない理由を理解したが、ロイはどう返すべきか戸惑う。
「妻が君達をどうやら気に入ってな。
食事会に招待したいと」
「…お店ではなく?」
「手料理を振る舞いたいと。
毒を盛ったりはしていないのは約束しよう。
怪しいと不安なら補佐官や護衛を共に来ても構わない」
(どうしてそこまで?
奥様を大事にしているのは伝わるが、何かあるのだろうか)
心配そうな不安そうな中尉達の視線にロイは微かに笑みを浮かべる。
「招待をお受けします。
護衛はつけません」
「将軍!」
「命令だ、中尉。
護衛はつけない」
「…承知しました」
微かに顔を歪める中尉にロイは苦笑いする。
「では、また夜に」
「承知しました」
閣下が去るとため息と共に不満の視線が向けられた。
呆れたように中尉はため息をついて見つめる。
「何をお考えなのか分かりませんが、あまり危ないことはなさらないように。
私には閣下も将軍も何をお考えなのか分かりませんし、説明されても理解が出来ないと思います」
「…私はそこまで謎か?」
「少なくても私には似たようなものです」
「罠ではないとしても考えが読めないんだから気をつけろよ」
「どうかご無事で」
「恐ろしいことを言うなよ」
「まぁ、罠ではないと俺も思うぞ」
「何故ですか?」
「軽々しく言ってる訳じゃない。
今の軍は人手不足だし、それも国家錬金術師が少ない。
その中で最もの戦力はロイだ。
国家錬金術師での戦力ナンバーワンと言っても過言ではないだろう。
友人だからと言っている訳じゃないぞ。
リーゼル大佐は唯一の女性の国家錬金術師で価値があるし。
そんな時期に閣下が罠を仕掛けるのは考えづらい。
好感度も知名度もあるロイを利用して使える。
そんな奴を手放す訳はないからな」
「酷い言われようだな」
『…ですね』
ヒューズの言葉にロイとセルシアは苦笑い。
「おまえの考えも似たものだろ」
「まぁ、な」
「リーゼル大佐も?」
『そうですね。
罠なら自宅ではなくて店にするだろうし、奥様を参加させないはずでしょ?』
「知られたらまた嫌味のオンパレードだろうな」
安易に想像がついてロイは食事会よりも将軍達に憂鬱を感じる。
全員が賛成する政策はなく、こういう時期だからこその娯楽が必要だと閣下は諭していた。
「まぁ、どちらの意見も間違いではないよな。
閣下がそこまで深く考えてるとは思えないけど」
「ロイならどっちを取る?」
「そんなの両方取ればいいだろ。
安全対策して国民が喜んでくれたらパーフェクトだ」
「そういうとこは閣下と感覚がに似てるよ。
だから、奥様も気に入ったのかもしれんな」
ヒューズの言葉にロイは不満そうに微かに顔を歪める。
「クリスマス市場はどうした?」
「もう大変だぞ。
あっちこっち走りまくって、トラブルも多いし。
かと思えば、待たされたりして。
今も待ってる最中だ」
「今のところは順調か」
「…どこが順調なんだよ」
「それを聞いて順調なんて言うのは将軍くらいですよ」
「こういうのはトラブルなんて当たり前だし、途中でどんなトラブルが起きても本番で成功させればいいんだ。
成功させれば、文句なんて言われないし。
お喋りが出来る余裕があるなら大丈夫だろ」
「おまえは専門家かよ」
((…慣れすぎてる))
面倒な行事は上官からよく押しつけられていたから慣れている。
執務室がノックされ、返事と共にドアを開けた。
「閣下!?
どうかなされましたか?」
「マスタング将軍、今日は暇かね?」
「は、はい…?
事件がなければ、定時には帰れる予定ではありますが」
意図が分からずに戸惑ったように閣下を見てしまう。
「リーゼル大佐もかね?」
『はい、事件がなければ』
「それなら事件がなければ、家に招こう」
「はっ?
閣下の御自宅…ですか?
何かありましたか?」
「いや、食事会だ」
「ほかには誰が?」
「君達だけだ。
別に罠ではないぞ」
「いえ、そういうことではなくて」
閣下の補佐官がいない理由を理解したが、ロイはどう返すべきか戸惑う。
「妻が君達をどうやら気に入ってな。
食事会に招待したいと」
「…お店ではなく?」
「手料理を振る舞いたいと。
毒を盛ったりはしていないのは約束しよう。
怪しいと不安なら補佐官や護衛を共に来ても構わない」
(どうしてそこまで?
奥様を大事にしているのは伝わるが、何かあるのだろうか)
心配そうな不安そうな中尉達の視線にロイは微かに笑みを浮かべる。
「招待をお受けします。
護衛はつけません」
「将軍!」
「命令だ、中尉。
護衛はつけない」
「…承知しました」
微かに顔を歪める中尉にロイは苦笑いする。
「では、また夜に」
「承知しました」
閣下が去るとため息と共に不満の視線が向けられた。
呆れたように中尉はため息をついて見つめる。
「何をお考えなのか分かりませんが、あまり危ないことはなさらないように。
私には閣下も将軍も何をお考えなのか分かりませんし、説明されても理解が出来ないと思います」
「…私はそこまで謎か?」
「少なくても私には似たようなものです」
「罠ではないとしても考えが読めないんだから気をつけろよ」
「どうかご無事で」
「恐ろしいことを言うなよ」
「まぁ、罠ではないと俺も思うぞ」
「何故ですか?」
「軽々しく言ってる訳じゃない。
今の軍は人手不足だし、それも国家錬金術師が少ない。
その中で最もの戦力はロイだ。
国家錬金術師での戦力ナンバーワンと言っても過言ではないだろう。
友人だからと言っている訳じゃないぞ。
リーゼル大佐は唯一の女性の国家錬金術師で価値があるし。
そんな時期に閣下が罠を仕掛けるのは考えづらい。
好感度も知名度もあるロイを利用して使える。
そんな奴を手放す訳はないからな」
「酷い言われようだな」
『…ですね』
ヒューズの言葉にロイとセルシアは苦笑い。
「おまえの考えも似たものだろ」
「まぁ、な」
「リーゼル大佐も?」
『そうですね。
罠なら自宅ではなくて店にするだろうし、奥様を参加させないはずでしょ?』
「知られたらまた嫌味のオンパレードだろうな」
安易に想像がついてロイは食事会よりも将軍達に憂鬱を感じる。