第⑰話
夢小説設定
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口では忠告しながらもロイは否定はしていない。
「ロイに関することは挑発的というか、強気だよな」
『そうでなければやっていけませんからね。
払っても来る人は来るので威嚇をしてみました』
「威嚇って」
『人のものを好きな女性もいますし、どんな手を使っても奪う人も居ますからね』
「笑顔で恐ろしいことを言うなよ。
目撃はしたことないけど、確かに居るよな」
「そんなことして楽しいのかね」
『達成感とか女性の悔しい顔が快感とか聞いたことありますけど。
私には理解不能です』
「…理解しなくていい。
というか、理解が出来なくて当然じゃないか?」
「そんなものは絶対に味わいたくはないな」
「味わいたいなんて言ってる奴が居たらそんなの変人だろ」
「ははっ、確かに」
聞かれてもたいして困らない雑談しながらも気を緩めることはしない。
「…いいよな。
うまそうなクリスマス料理に高級酒も味わえて」
「だったら、左官になるんだな」
「そう簡単に言うなよ。
寒いし、腹減った」
「食うか?」
「「将軍!?」」
「この辺りはほかの軍人も少ない。
酒は無理だけどな」
「…餌付けされてる気分」
「生き返る」
「寒い中、ご苦労さん」
『温かい飲み物もあるわよ。
ポットに珈琲を入れてもらったわ』
「リーゼル大佐まで…」
「中尉に受け取らせるなんてさすがだな」
「負けました」
不満顔で温かい珈琲を手にしている中尉に苦笑い。
毎年のように隙を見て差し入れを持って来てくれる。
『私は先に戻ってますね』
「女性達に気をつけなさい。
ヒューズの側に居ろよ」
『分かってます』
「男性じゃなくて女性?」
「嫉妬があるんだよ。
色々あるから正式には発表が出来ないからな。
まぁ、そこまで隠してはないけど」
「発表したら国家錬金術師夫婦と騒がれそうですね」
「…それも嫌だな」
「将軍はお戻りにならないんですか?」
「ちょっと外の空気を。
はぁ…、疲れる」
ネクタイを緩めてロイはため息をついて壁に寄り掛かる。
「大変そうですね」
「見知らぬ貴族の方々から声を掛けられるし、踊らないようにうまく避けて視線に気づかないフリしてさ」
「おっさん達の嫌味も?」
「さすがに人目があるパーティーではしないさ。
ゼロではないけどな」
想像以上の苦痛もあるのだろうとハボック達は苦笑い。
『そこを通して頂けます?
物騒なものをお持ちですね。
お嬢さん方の依頼かしら、それともお父様が?
執事さんも大変みたいね。
自分の手を汚せない小心者の代わりに動くのだから。
女だからってバカにしないでよね。
これでも軍人なんだから』
隠し持っていたクナイを投げつけ、走り込んで蹴りつける。
「リーゼル大佐!」
「…お見事だな」
『ヒューズ中佐直伝のクナイ技が役立ちましたよ』
数人の執事が床に倒されている姿にロイ以外が唖然としていた。
ロイは忠告もせずに笑っていてヒューズも苦笑い。
「おまえな、少しは忠告しろや。
普段はおとなしいくせに。
以前もキレて犯人を吹き飛ばすわ、蹴りつけたんだぞ」
「ぶはっ!」
『変なことを暴露しないでください!』
((…今回が初めてじゃないのか))
「正当防衛だろ。
相手から襲って来たんだし。
後処理はうまく頼むよ」
「…承知しました」
セルシアの肩を抱いて何事もなく、戻って行く。
「正当防衛なのは分かるが、男性相手にあまり無茶はしないでくれよ。
怪我はしていないか?」
『大丈夫です』
「駆けつけるのが遅れて悪かった」
『ちゃんと来てくれましたよ』
「やれやれ。
それにしても軍の左官相手に勝てると思ったのかね。
素人が集団になったとこで無駄だ。
それも、国家錬金術師に」
『私が女性だから下に見られたんでしょうね』
「まだそういう考えが多いのも事実なんだろうな」
『ロイさんが珍しいんですよ。
女性だからって理由にしないから』
「若くても女性でも才能があれば、上に行けるべきなんだよ。
下にいる者の為にも。
やはり、ある程度の“排除”は必要かもな」
才能がある訳でもないのにその地位に胡座をかいて威張り散らして居座っている将軍達を見つめる。
「ロイに関することは挑発的というか、強気だよな」
『そうでなければやっていけませんからね。
払っても来る人は来るので威嚇をしてみました』
「威嚇って」
『人のものを好きな女性もいますし、どんな手を使っても奪う人も居ますからね』
「笑顔で恐ろしいことを言うなよ。
目撃はしたことないけど、確かに居るよな」
「そんなことして楽しいのかね」
『達成感とか女性の悔しい顔が快感とか聞いたことありますけど。
私には理解不能です』
「…理解しなくていい。
というか、理解が出来なくて当然じゃないか?」
「そんなものは絶対に味わいたくはないな」
「味わいたいなんて言ってる奴が居たらそんなの変人だろ」
「ははっ、確かに」
聞かれてもたいして困らない雑談しながらも気を緩めることはしない。
「…いいよな。
うまそうなクリスマス料理に高級酒も味わえて」
「だったら、左官になるんだな」
「そう簡単に言うなよ。
寒いし、腹減った」
「食うか?」
「「将軍!?」」
「この辺りはほかの軍人も少ない。
酒は無理だけどな」
「…餌付けされてる気分」
「生き返る」
「寒い中、ご苦労さん」
『温かい飲み物もあるわよ。
ポットに珈琲を入れてもらったわ』
「リーゼル大佐まで…」
「中尉に受け取らせるなんてさすがだな」
「負けました」
不満顔で温かい珈琲を手にしている中尉に苦笑い。
毎年のように隙を見て差し入れを持って来てくれる。
『私は先に戻ってますね』
「女性達に気をつけなさい。
ヒューズの側に居ろよ」
『分かってます』
「男性じゃなくて女性?」
「嫉妬があるんだよ。
色々あるから正式には発表が出来ないからな。
まぁ、そこまで隠してはないけど」
「発表したら国家錬金術師夫婦と騒がれそうですね」
「…それも嫌だな」
「将軍はお戻りにならないんですか?」
「ちょっと外の空気を。
はぁ…、疲れる」
ネクタイを緩めてロイはため息をついて壁に寄り掛かる。
「大変そうですね」
「見知らぬ貴族の方々から声を掛けられるし、踊らないようにうまく避けて視線に気づかないフリしてさ」
「おっさん達の嫌味も?」
「さすがに人目があるパーティーではしないさ。
ゼロではないけどな」
想像以上の苦痛もあるのだろうとハボック達は苦笑い。
『そこを通して頂けます?
物騒なものをお持ちですね。
お嬢さん方の依頼かしら、それともお父様が?
執事さんも大変みたいね。
自分の手を汚せない小心者の代わりに動くのだから。
女だからってバカにしないでよね。
これでも軍人なんだから』
隠し持っていたクナイを投げつけ、走り込んで蹴りつける。
「リーゼル大佐!」
「…お見事だな」
『ヒューズ中佐直伝のクナイ技が役立ちましたよ』
数人の執事が床に倒されている姿にロイ以外が唖然としていた。
ロイは忠告もせずに笑っていてヒューズも苦笑い。
「おまえな、少しは忠告しろや。
普段はおとなしいくせに。
以前もキレて犯人を吹き飛ばすわ、蹴りつけたんだぞ」
「ぶはっ!」
『変なことを暴露しないでください!』
((…今回が初めてじゃないのか))
「正当防衛だろ。
相手から襲って来たんだし。
後処理はうまく頼むよ」
「…承知しました」
セルシアの肩を抱いて何事もなく、戻って行く。
「正当防衛なのは分かるが、男性相手にあまり無茶はしないでくれよ。
怪我はしていないか?」
『大丈夫です』
「駆けつけるのが遅れて悪かった」
『ちゃんと来てくれましたよ』
「やれやれ。
それにしても軍の左官相手に勝てると思ったのかね。
素人が集団になったとこで無駄だ。
それも、国家錬金術師に」
『私が女性だから下に見られたんでしょうね』
「まだそういう考えが多いのも事実なんだろうな」
『ロイさんが珍しいんですよ。
女性だからって理由にしないから』
「若くても女性でも才能があれば、上に行けるべきなんだよ。
下にいる者の為にも。
やはり、ある程度の“排除”は必要かもな」
才能がある訳でもないのにその地位に胡座をかいて威張り散らして居座っている将軍達を見つめる。