第⑯話
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文句を言っていたエドだが、セルシアが後ろに立つとビクッとして黙る。
『分かればよろしい』
((…猛獣使いだ))
エドの反応にウィンリィはキョトンとして苦笑い。
「話を戻してもいいかな?」
「あっ、はい」
「携帯型の通信機を作成した」
「はい?」
「これについては極秘だ。
ロックベル嬢の得意分野で頑丈なもので加工して欲しい。
必要ならば知恵も設備も貸そう」
「私でいいんですか?」
「裏切らない口の固い人物だと思っている。
子供の君を巻き込むことを許して欲しい」
「巻き込まれたなんて思いません。
材料にもよって様々ですが…」
「材料費はいくら掛かっても構わない。
とりあえずはこれで。
もちろん、タダでとは言わない」
「なっ!」
ロイが取り出した小切手には今まで見たことのない値段が表示されてる。
「口止め料と君の将来の資金にしなさい」
「資金に?」
「田舎で継ぐにしても独学では限界もあるはずだ。
君のような者はこの国には少ない。
その技術を途絶えさせないで欲しいんだ。
安心しなさい、軍人になれと言ってるんではないよ。
君のような少女が軍は来るべき場所ではないから」
「どうしてそこまで?」
「私は君の両親に借りがあるんだ。
いや、罪なんだろう」
「…マスタングさん?」
「勝手な願いなんだ、これは私の我儘
だから」
悲しそうに笑うロイにエドも何も言えなくなる。
ウィンリィは静かに小切手を受け取った。
「ありがとうございます。
満足してもらえるような製品を作らせて頂きます!」
「ウィンリィ…
その、いいのか?」
「私は戦争のことはよく分かりません。
一時期は貴方を恨んでました」
「…あぁ」
「でも、エドが何を言ってもマスタングさんは命の恩人です。
生きる希望を与えてくれた。
恨んでも両親は帰って来ないし、恨んだら両親に怒られちゃう。
それに、加害者だけどマスタングさんの意思じゃないから。
いっぱい傷ついて後悔してそんな人に私は責める言葉は持ってない。
何よりも私はマスタングさんを恨めなかった。
貴方の優しさ、温かさを知っているから。
ただ私の願いは…」
「何でも言ってくれ」
「生きてください、マスタングさん」
ウィンリィの言葉にロイは言葉を詰まらせる。
「ロックベル嬢…」
「生きる価値がない人なんて居ないと私は思ってます。
沢山の人を殺害したと後悔しているのなら尚更です」
「ははっ、それが一番辛いな。
君はバカな子だ。
私なんか優しくなどない」
「私は貴方を許します、ロイ・マスタングさん」
「どうして…っ」
「亡くなった人の分も幸せになってください。
幸せになってはいけない人なんて居ません」
「君は…、辛くないのか?」
「辛かった時も悲しかった時もありました。
でも、私は1人ではなかったし。
ばっちゃんもエドもアルも居てくれた。
村のみんなも優しくて」
微笑んで語るウィンリィにロイは見つめる。
微かにロイは笑みを浮かべてウィンリィの頭を撫でた。
「マスタングさん?」
「やはり、女の子の方が大人だ。
君のような考えは稀だろうな。
それでも君の言葉で救われたよ。
ありがとう」
「ウィンリィに触んな!」
「はいはい」
まるで番犬だなとエドを見て苦笑いした。
「どんな造りになってるか興味があります」
「ウィンリィ、頼むからそれは解体するなよ」
「しないわよ!」
「フュリーに頼んで作らせた」
「へぇ…凄いな」
「いえいえ、マスタング将軍の設計図がよかったので」
「あんた、何者なんだ。
調査にも使えそうだし」
「長距離では電波が不十分だけどな」
「2個で足りるのか?」
「今の段階では私とセルシアが持つ分だし」
「ほとんど一緒にいるのに?」
「ずっと一緒ではないよ」
ウィンリィは小型通信機を興味深そうに見ている。
「ん~…頑丈希望なら宝石を加工して作った方がいいかもしれないです。
そうなると街中よりも鉱山の方が手に入るかも」
「ここに行って私の名前を出すといい。
マスタングのお使いに来た、錬金術に使うと言えば出してくれる」
「おい、怪しい店じゃないだろうな」
「失礼だな。
宝石店の加工の工場だよ。
そこなら大きな宝石も手に入るし、錬金術の実験に使ったりしてるんだ。
場所は少し裏側にあって分かりづらくて店主も頑固ではあるが。
そんなに心配なら鋼のも行ってみればいいだろう?」
「別に心配なんて!」
からかったつもりはないのに勝手に慌てるエドに苦笑い。
-END-
2016.12.28
『分かればよろしい』
((…猛獣使いだ))
エドの反応にウィンリィはキョトンとして苦笑い。
「話を戻してもいいかな?」
「あっ、はい」
「携帯型の通信機を作成した」
「はい?」
「これについては極秘だ。
ロックベル嬢の得意分野で頑丈なもので加工して欲しい。
必要ならば知恵も設備も貸そう」
「私でいいんですか?」
「裏切らない口の固い人物だと思っている。
子供の君を巻き込むことを許して欲しい」
「巻き込まれたなんて思いません。
材料にもよって様々ですが…」
「材料費はいくら掛かっても構わない。
とりあえずはこれで。
もちろん、タダでとは言わない」
「なっ!」
ロイが取り出した小切手には今まで見たことのない値段が表示されてる。
「口止め料と君の将来の資金にしなさい」
「資金に?」
「田舎で継ぐにしても独学では限界もあるはずだ。
君のような者はこの国には少ない。
その技術を途絶えさせないで欲しいんだ。
安心しなさい、軍人になれと言ってるんではないよ。
君のような少女が軍は来るべき場所ではないから」
「どうしてそこまで?」
「私は君の両親に借りがあるんだ。
いや、罪なんだろう」
「…マスタングさん?」
「勝手な願いなんだ、これは私の我儘
だから」
悲しそうに笑うロイにエドも何も言えなくなる。
ウィンリィは静かに小切手を受け取った。
「ありがとうございます。
満足してもらえるような製品を作らせて頂きます!」
「ウィンリィ…
その、いいのか?」
「私は戦争のことはよく分かりません。
一時期は貴方を恨んでました」
「…あぁ」
「でも、エドが何を言ってもマスタングさんは命の恩人です。
生きる希望を与えてくれた。
恨んでも両親は帰って来ないし、恨んだら両親に怒られちゃう。
それに、加害者だけどマスタングさんの意思じゃないから。
いっぱい傷ついて後悔してそんな人に私は責める言葉は持ってない。
何よりも私はマスタングさんを恨めなかった。
貴方の優しさ、温かさを知っているから。
ただ私の願いは…」
「何でも言ってくれ」
「生きてください、マスタングさん」
ウィンリィの言葉にロイは言葉を詰まらせる。
「ロックベル嬢…」
「生きる価値がない人なんて居ないと私は思ってます。
沢山の人を殺害したと後悔しているのなら尚更です」
「ははっ、それが一番辛いな。
君はバカな子だ。
私なんか優しくなどない」
「私は貴方を許します、ロイ・マスタングさん」
「どうして…っ」
「亡くなった人の分も幸せになってください。
幸せになってはいけない人なんて居ません」
「君は…、辛くないのか?」
「辛かった時も悲しかった時もありました。
でも、私は1人ではなかったし。
ばっちゃんもエドもアルも居てくれた。
村のみんなも優しくて」
微笑んで語るウィンリィにロイは見つめる。
微かにロイは笑みを浮かべてウィンリィの頭を撫でた。
「マスタングさん?」
「やはり、女の子の方が大人だ。
君のような考えは稀だろうな。
それでも君の言葉で救われたよ。
ありがとう」
「ウィンリィに触んな!」
「はいはい」
まるで番犬だなとエドを見て苦笑いした。
「どんな造りになってるか興味があります」
「ウィンリィ、頼むからそれは解体するなよ」
「しないわよ!」
「フュリーに頼んで作らせた」
「へぇ…凄いな」
「いえいえ、マスタング将軍の設計図がよかったので」
「あんた、何者なんだ。
調査にも使えそうだし」
「長距離では電波が不十分だけどな」
「2個で足りるのか?」
「今の段階では私とセルシアが持つ分だし」
「ほとんど一緒にいるのに?」
「ずっと一緒ではないよ」
ウィンリィは小型通信機を興味深そうに見ている。
「ん~…頑丈希望なら宝石を加工して作った方がいいかもしれないです。
そうなると街中よりも鉱山の方が手に入るかも」
「ここに行って私の名前を出すといい。
マスタングのお使いに来た、錬金術に使うと言えば出してくれる」
「おい、怪しい店じゃないだろうな」
「失礼だな。
宝石店の加工の工場だよ。
そこなら大きな宝石も手に入るし、錬金術の実験に使ったりしてるんだ。
場所は少し裏側にあって分かりづらくて店主も頑固ではあるが。
そんなに心配なら鋼のも行ってみればいいだろう?」
「別に心配なんて!」
からかったつもりはないのに勝手に慌てるエドに苦笑い。
-END-
2016.12.28