第⑯話
夢小説設定
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ロイは複雑そうに顔を歪めるとセルシアがロイの頬に手を伸ばした。
『貴方の強さも弱さもすべて分けてください』
「どうして、なんだ。
君は自由になれるのに。
私なんかに…っ」
『貴方が私の希望で生きる理由で道標だからです。
両親が見つかる要素もなくて嫌味のオンパレードだし、逃げるだけの何もしないバカな上官だったし。
両親が残してくれた資料と共に死ぬ場所を探してました』
「なっ!」
『生きる気力もなくしてました。
そんな時に貴方が声を掛けてくれました。
この人だと思いました。
1度は死のうと思った人生です。
貴方は嫌がるだろうけど、命を賭けれます。
貴方の代わりに人質として差し出すことだって出来ますよ』
「そんなこと!」
『例え話です。
でも、そう思っていたはずなのに今は死ぬのが怖いです。
貴方の笑顔がもっと見たい、貴方との思い出を増やしたいって。
欲張りになりました』
「セルシア…」
切なそうに笑うセルシアにロイは手を握る。
「おまえらは深く考えすぎなんだ。
未来のことは分からんが、今を生きろよ。
そんなのは欲張りじゃない。
俺は…、俺達はおまえらに生きていて欲しい。
ロイが逮捕されたら俺達は足掻いて反対して反旗を起こしてやるよ」
「ヒューズ…」
「イシュヴァール人を殺害した罪は消えない。
それはロイだけじゃない。
だが、その人達の分まで生きて幸せになるのもダメなことじゃない。
何度でも言うぞ、幸せになれよ」
『私は貴方を見捨てません』
「参ったな、本当に…」
ロイの声は微かに震えてセルシアを抱き締めた。
ヒューズは静かに資料室を出て中尉達の姿を発見した。
「ヒューズ中佐!」
「将軍と大佐を見かけなかったですか?」
「今はそっとしてやってくれ。
何も言わずに」
ヒューズの表情で中尉は理解してハボックを連れて去って行く。
「ロイ、大丈夫か?」
「…何がだ」
「強がっちゃって。
充血してるぞ」
「うっさい!」
目撃されないように資料室の前でヒューズは待機していた。
しばらくするとロイが出て来てヒューズにからかわれる。
スタスタと歩いて行くロイにヒューズは笑う。
「リーゼル大佐、ロイを頼んだ。
俺ではそこまで傍に居てやれないからさ。
でも、安心したよ」
『安心…?』
「軽く愚痴ったりはするけど、強引に吐かせないと弱音は言わないから。
でも、それを言える人が出来たのは強いよ。
知ってるか?
ロイの表情が柔らかくなった。
だから、ありがとう」
『私は役立ってますか?』
「自信ないのか?」
『私は将軍の…、ロイさんの隣に立つ価値があるか。
イシュヴァール戦も話には聞いている程度です』
「聞きたいか?」
『いつかロイさんの口から聞きたいですから。
聞けなくてもいいと思ってます』
「それだよ。
イシュヴァール戦を知らないからいいんだ。
大丈夫、ロイが選んだんだって自信持て。
自信家よりも全然いいさ」
『…はい』
セルシアは微かに笑みを浮かべて歩いて行く。
執務室に戻って来たロイに中尉は安堵する。
「将軍、大佐と一緒だったのでは?」
「あっ…忘れて来た」
「物じゃないんですから」
『ただいま戻りました』
「すまない」
『ふふっ、大丈夫ですよ』
「懐かしい本を持ってますね」
「士官学校の頃に見た記憶があります」
「どうしたんですか?」
『私は士官学校卒業じゃないから』
「そういえば、そうでしたね」
「訓練は入隊してから?
でも、将軍も大佐も訓練で見覚えないんですけど」
「国家錬金術師は訓練を免除されるんだよ」
「免除なんてあるんですか」
「戦力というのもあってな。
まぁ、アームストロング少佐は参加してるから自由だけど。
私もたまには参加してるぞ」
『ほとんど参加してるません。
だって、分からないし』
「だろうな」
士官学生なら知っている知識さえもセルシアは分からない。
「リーゼル大佐なら自ら学んでいたかと」
『それはしてたけど』
「独自と教わるのでは違うし、限界もあるからな」
「将軍が自ら?」
「士官学校で教官もさせられたことあるし」
「そうでしたね」
銃の資料を手にしながらロイは解説する。
「へぇ…」
「そんな歴史あるんですか」
「おまえらが興味深く聞くな」
「いや、意外に分かりやすくて」
いつの間にかハボック達まで混ざってるからロイは苦笑い。
『貴方の強さも弱さもすべて分けてください』
「どうして、なんだ。
君は自由になれるのに。
私なんかに…っ」
『貴方が私の希望で生きる理由で道標だからです。
両親が見つかる要素もなくて嫌味のオンパレードだし、逃げるだけの何もしないバカな上官だったし。
両親が残してくれた資料と共に死ぬ場所を探してました』
「なっ!」
『生きる気力もなくしてました。
そんな時に貴方が声を掛けてくれました。
この人だと思いました。
1度は死のうと思った人生です。
貴方は嫌がるだろうけど、命を賭けれます。
貴方の代わりに人質として差し出すことだって出来ますよ』
「そんなこと!」
『例え話です。
でも、そう思っていたはずなのに今は死ぬのが怖いです。
貴方の笑顔がもっと見たい、貴方との思い出を増やしたいって。
欲張りになりました』
「セルシア…」
切なそうに笑うセルシアにロイは手を握る。
「おまえらは深く考えすぎなんだ。
未来のことは分からんが、今を生きろよ。
そんなのは欲張りじゃない。
俺は…、俺達はおまえらに生きていて欲しい。
ロイが逮捕されたら俺達は足掻いて反対して反旗を起こしてやるよ」
「ヒューズ…」
「イシュヴァール人を殺害した罪は消えない。
それはロイだけじゃない。
だが、その人達の分まで生きて幸せになるのもダメなことじゃない。
何度でも言うぞ、幸せになれよ」
『私は貴方を見捨てません』
「参ったな、本当に…」
ロイの声は微かに震えてセルシアを抱き締めた。
ヒューズは静かに資料室を出て中尉達の姿を発見した。
「ヒューズ中佐!」
「将軍と大佐を見かけなかったですか?」
「今はそっとしてやってくれ。
何も言わずに」
ヒューズの表情で中尉は理解してハボックを連れて去って行く。
「ロイ、大丈夫か?」
「…何がだ」
「強がっちゃって。
充血してるぞ」
「うっさい!」
目撃されないように資料室の前でヒューズは待機していた。
しばらくするとロイが出て来てヒューズにからかわれる。
スタスタと歩いて行くロイにヒューズは笑う。
「リーゼル大佐、ロイを頼んだ。
俺ではそこまで傍に居てやれないからさ。
でも、安心したよ」
『安心…?』
「軽く愚痴ったりはするけど、強引に吐かせないと弱音は言わないから。
でも、それを言える人が出来たのは強いよ。
知ってるか?
ロイの表情が柔らかくなった。
だから、ありがとう」
『私は役立ってますか?』
「自信ないのか?」
『私は将軍の…、ロイさんの隣に立つ価値があるか。
イシュヴァール戦も話には聞いている程度です』
「聞きたいか?」
『いつかロイさんの口から聞きたいですから。
聞けなくてもいいと思ってます』
「それだよ。
イシュヴァール戦を知らないからいいんだ。
大丈夫、ロイが選んだんだって自信持て。
自信家よりも全然いいさ」
『…はい』
セルシアは微かに笑みを浮かべて歩いて行く。
執務室に戻って来たロイに中尉は安堵する。
「将軍、大佐と一緒だったのでは?」
「あっ…忘れて来た」
「物じゃないんですから」
『ただいま戻りました』
「すまない」
『ふふっ、大丈夫ですよ』
「懐かしい本を持ってますね」
「士官学校の頃に見た記憶があります」
「どうしたんですか?」
『私は士官学校卒業じゃないから』
「そういえば、そうでしたね」
「訓練は入隊してから?
でも、将軍も大佐も訓練で見覚えないんですけど」
「国家錬金術師は訓練を免除されるんだよ」
「免除なんてあるんですか」
「戦力というのもあってな。
まぁ、アームストロング少佐は参加してるから自由だけど。
私もたまには参加してるぞ」
『ほとんど参加してるません。
だって、分からないし』
「だろうな」
士官学生なら知っている知識さえもセルシアは分からない。
「リーゼル大佐なら自ら学んでいたかと」
『それはしてたけど』
「独自と教わるのでは違うし、限界もあるからな」
「将軍が自ら?」
「士官学校で教官もさせられたことあるし」
「そうでしたね」
銃の資料を手にしながらロイは解説する。
「へぇ…」
「そんな歴史あるんですか」
「おまえらが興味深く聞くな」
「いや、意外に分かりやすくて」
いつの間にかハボック達まで混ざってるからロイは苦笑い。