第⑯話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ハボックの興味津々な視線にセルシアは小さく笑う。
「ハボック少尉、興味津々が丸出しですよ。
少しは隠しなさい」
「中尉、ハボにそれは無理です」
「酷くないか?
確かに分かりやすいけど。
それよりもどうなんですか?」
『確かに戦闘能力は低いわね。
体力もなくて敵に投げ飛ばされるし、どちらが上官なんだと言われるくらいに。
試験は技術はギリギリラインだけど、筆記が満点でほかの上官はそれに気づいていなかった。
現場ではなくて裏に回してみたら案の定、発揮してくれたわ。
記憶力も観察力も私が教えることはないくらいに』
軍にも何人かそういう人がいて足手まとい扱いされるのも事実だ。
「君が銃の訓練場にいるなんて珍しいな」
『…マスタング将軍』
「うむ、悪くはないな」
『慰めはいいです。
中尉みたいに抜群ではないですし』
真ん中の的から外れているが、的から外れている訳ではない。
数発は的の真ん中に埋まっていて7割り程度だろう。
「そういうつもりではないが。
訓練してたのか?」
『訓練、まではいきませんけど。
ある程度は出来ないと。
錬金術だけに頼りたくないんです』
「感覚は悪くないんだけどな。
ちょっと銃を貸して」
『はい』
ロイはセルシアから銃を借りて的を撃ち、真ん中に銃弾が埋まる。
周りの軍人達は得意と思ってなかったから驚愕した。
セルシアは不思議そうにロイを見つめる。
「これ、練習用ではないだろ。
中尉が選んだのか?」
『よく分かりましたね』
「…癖があるから。
それに、いつも銃を持ち歩いてるから中尉は女性のわりに力もある。
セルシアには重いんだ。
ちょっと待ってなさい。
そうだな、この中ならこれがいいかもな。
そこまで撃ち易い訳ではないが…」
(さっきのよりも軽くて持ちやすい)
セルシアは国家錬金術師で軍に入隊したから銃の訓練も受けてないのだから銃の知識も銃の腕もよくない。
「どうして急に?
中尉を頼ったなら中尉が理由ではないんだろう?」
『北の将軍に会いました。
あんな若造と婚約までしてバカな奴だと言われました。
そんな奴だから銃も下手なんだと言われてムカつきました』
「それは…、すまない。
君は悪くない」
『銃が下手と言われて返せない自分にも嫌だったんです!』
「7割りなら下手では」
『それはあくまでも試験上だけの数字です。
現場ではそれ以下で役立ちません』
「そこまで言うか?」
オリヴィア将軍も余計な嫌味を言ったなとロイは苦笑い。
『足手まといになりたくはないんです』
「ふむ…、それなら訓練してみるか?」
『ふぇ?』
「教えてやるから」
『でも…』
「大丈夫だよ。
感覚はいいし、基礎と知識が曖昧なんだ。
それを理解しているだけでも違うから」
セルシアが小さく頷くとロイに連れられて移動した。
どこだったかなとロイは資料室で本を探す。
「ロイ、何してんだ?」
「ヒューズ、銃の資料はどこだ?」
「銃?
何でまた急に…
おまえには必要ないだろ」
「私ではなくてな」
「そういうことか。
まぁ、それなら分かりやすい方がいいよな。
解説はロイがするにしてもイラストよりも写真がいいか。
これなんて分かりやすいぞ」
「助かった」
『ありがとうございます』
資料の中には銃の資料も保管されている。
「君のことだからまったく知識がない訳ではないんだし。
今更、学ぶべきでもないとは思うんだけどな」
『銃を使うのがゼロではありませんから。
北の将軍を見返します』
「…意外と負けず嫌いなんだよな」
『嫌いな人に言われるのは不愉快なだけです』
「ロイ、笑いすぎ」
「くくっ…仮にも上官を。
君らしいけどな」
口に手を当てながらロイが肩を震わせて笑っていた。
『中尉だけに任せておくのは嫌なんです。
錬金術だけでは未来は分かりませんから』
「…そうだな。
国民の為ならそういう未来は幸せになるだろう。
そうなったら私は」
『逮捕されようが、階級を奪われても追放されてもついて行きますよ』
「なっ!」
『命が尽きるまで貴方と共に』
「いや、捨てろよ!
君はイシュヴァールに参加してないのだから罪にもならんし、生きていけるんだ」
『初めて拒否します』
にっこりと笑ってセルシアはロイを見上げる。
「ハボック少尉、興味津々が丸出しですよ。
少しは隠しなさい」
「中尉、ハボにそれは無理です」
「酷くないか?
確かに分かりやすいけど。
それよりもどうなんですか?」
『確かに戦闘能力は低いわね。
体力もなくて敵に投げ飛ばされるし、どちらが上官なんだと言われるくらいに。
試験は技術はギリギリラインだけど、筆記が満点でほかの上官はそれに気づいていなかった。
現場ではなくて裏に回してみたら案の定、発揮してくれたわ。
記憶力も観察力も私が教えることはないくらいに』
軍にも何人かそういう人がいて足手まとい扱いされるのも事実だ。
「君が銃の訓練場にいるなんて珍しいな」
『…マスタング将軍』
「うむ、悪くはないな」
『慰めはいいです。
中尉みたいに抜群ではないですし』
真ん中の的から外れているが、的から外れている訳ではない。
数発は的の真ん中に埋まっていて7割り程度だろう。
「そういうつもりではないが。
訓練してたのか?」
『訓練、まではいきませんけど。
ある程度は出来ないと。
錬金術だけに頼りたくないんです』
「感覚は悪くないんだけどな。
ちょっと銃を貸して」
『はい』
ロイはセルシアから銃を借りて的を撃ち、真ん中に銃弾が埋まる。
周りの軍人達は得意と思ってなかったから驚愕した。
セルシアは不思議そうにロイを見つめる。
「これ、練習用ではないだろ。
中尉が選んだのか?」
『よく分かりましたね』
「…癖があるから。
それに、いつも銃を持ち歩いてるから中尉は女性のわりに力もある。
セルシアには重いんだ。
ちょっと待ってなさい。
そうだな、この中ならこれがいいかもな。
そこまで撃ち易い訳ではないが…」
(さっきのよりも軽くて持ちやすい)
セルシアは国家錬金術師で軍に入隊したから銃の訓練も受けてないのだから銃の知識も銃の腕もよくない。
「どうして急に?
中尉を頼ったなら中尉が理由ではないんだろう?」
『北の将軍に会いました。
あんな若造と婚約までしてバカな奴だと言われました。
そんな奴だから銃も下手なんだと言われてムカつきました』
「それは…、すまない。
君は悪くない」
『銃が下手と言われて返せない自分にも嫌だったんです!』
「7割りなら下手では」
『それはあくまでも試験上だけの数字です。
現場ではそれ以下で役立ちません』
「そこまで言うか?」
オリヴィア将軍も余計な嫌味を言ったなとロイは苦笑い。
『足手まといになりたくはないんです』
「ふむ…、それなら訓練してみるか?」
『ふぇ?』
「教えてやるから」
『でも…』
「大丈夫だよ。
感覚はいいし、基礎と知識が曖昧なんだ。
それを理解しているだけでも違うから」
セルシアが小さく頷くとロイに連れられて移動した。
どこだったかなとロイは資料室で本を探す。
「ロイ、何してんだ?」
「ヒューズ、銃の資料はどこだ?」
「銃?
何でまた急に…
おまえには必要ないだろ」
「私ではなくてな」
「そういうことか。
まぁ、それなら分かりやすい方がいいよな。
解説はロイがするにしてもイラストよりも写真がいいか。
これなんて分かりやすいぞ」
「助かった」
『ありがとうございます』
資料の中には銃の資料も保管されている。
「君のことだからまったく知識がない訳ではないんだし。
今更、学ぶべきでもないとは思うんだけどな」
『銃を使うのがゼロではありませんから。
北の将軍を見返します』
「…意外と負けず嫌いなんだよな」
『嫌いな人に言われるのは不愉快なだけです』
「ロイ、笑いすぎ」
「くくっ…仮にも上官を。
君らしいけどな」
口に手を当てながらロイが肩を震わせて笑っていた。
『中尉だけに任せておくのは嫌なんです。
錬金術だけでは未来は分かりませんから』
「…そうだな。
国民の為ならそういう未来は幸せになるだろう。
そうなったら私は」
『逮捕されようが、階級を奪われても追放されてもついて行きますよ』
「なっ!」
『命が尽きるまで貴方と共に』
「いや、捨てろよ!
君はイシュヴァールに参加してないのだから罪にもならんし、生きていけるんだ」
『初めて拒否します』
にっこりと笑ってセルシアはロイを見上げる。