第⑯話
夢小説設定
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ヒューズがどう声を掛けるべきか躊躇しているとセルシアはロイの手を握り締めた。
『貴方に助けられた、救われた命があるのも事実です。
そして、貴方は私の希望です』
「セルシア…」
『英雄なんてものは名称に過ぎません。
マスタング将軍、形は貴方の功績でもみんなで取ったものです。
私達はちゃんと分かってますよ。
それでいいんです。
自分が勲章授与よりも貴方に私は…、私達は授与して欲しいですから。
マスタング将軍、おめでとうございます』
微かに笑みを浮かべてロイはセルシアを抱き締めた。
「…参ったな。
君は本当に」
『何がですか?』
「いや、何でもない。
ありがとう。
帰ろうか」
『はい』
「送って行くよ。
かなり飲まされたのか?」
「閣下と食事になってからはそうでもないが。
何故か奥様からは質問攻めでセルシアも呼ぶことになったし。
すまなかったな」
『私はロイさんのお役に立てるならいくらでも協力致します』
「ありがとう」
ヒューズが運転する車にロイと共に乗り込んだ。
「結局、どれくらい飲んだんだ?」
「ん~…詳しくは覚えておらんが、ワイン10杯にウィスキーのロックを5杯に異国の酒というのを3杯。
そのほかにも飲んだ」
(そりゃ、酔っ払うわ。
よくそんだけで済んでるな)
弱くも強くもないので多分、表情に出てないだけなのかもしれない。
翌朝、閣下からマスコミに向けて“ロイ・マスタング将軍にキメラ事件の功績として勲章を授与する”と発表され、異例の新聞記者を始めとしたマスコミも授与式に招待される。
ロイの知名度もあってそれを閣下も理解しているのだろう。
「「マスタング将軍!」」
「おわっ!
何故、ここにマスコミが…」
「閣下に招待されました」
「招待?」
「マスタング将軍の勲章授与式に」
「は、はい?
初耳なんですが」
自分の支持率を低下させない為にも授与式も利用するつもりなんだろうとロイは理解する。
「貴方達、何をしているんですか!
マスタング将軍からお離れください!」
「中尉…」
「将軍、遅くなって申し訳ありません!」
「大丈夫だ」
マスコミ達を威嚇し、駆けつけて敬礼する中尉にロイは微かに笑う。
「マスタング将軍!
こちらの方が婚約者ですか?」
「将軍、いいですからこちらに」
「お下がりください!」
「こちらは関係者以外は立ち入り禁止です」
警備の軍人達も集まって来てロイを護衛する。
(同じ地位に立った途端にあれだけで勲章だと?
だから、嫌なんだ)
この地位も追い抜かされそうで焦りと苛立ちが募る。
マスコミに囲まれているロイに顔を歪めて見つめていた。
中尉との距離感が近いこともあり、美男美女だから勘違いされてしまうことが多々ある。
セルシアのことを知っている人もいるが、軍服と私服では髪型も雰囲気も異なるから同一人物には思われていないようだ。
「補佐官との恋愛は軍法違反では?」
「将軍の中佐時代からの副官ですよね」
(よく調べてるが、そこまで隠している訳ではないのに。
中尉だと決めつけてるな)
マスコミに何を言われても中尉は気にする様子はない。
「私の相手は中尉ではない。
中尉はあくまでも私の補佐官です。
過去も含めてそういう関係になったことはありません」
「将軍、いいですから」
「ここは誤解されたままではお互いによくないだろう?」
「そうですが…」
「プライベートなことなのでそれ以上の詮索はお控えください」
それ以上はマスコミの問い掛けに答えない。
「朝から大変でしたね」
「…やれやれ」
「マスコミの存在を把握していませんでした。
将軍、申し訳ありませんでした」
「構わないよ。
閣下の思いつきの可能性もあるし」
「それは言えてる。
まだ中尉との関係を疑ってる人もいるんですね」
「軍関係者ではありえないけどな」
日頃のセルシアとの関わりを見ていたら誰も中尉との関係を疑いもしないだろう。
『貴方に助けられた、救われた命があるのも事実です。
そして、貴方は私の希望です』
「セルシア…」
『英雄なんてものは名称に過ぎません。
マスタング将軍、形は貴方の功績でもみんなで取ったものです。
私達はちゃんと分かってますよ。
それでいいんです。
自分が勲章授与よりも貴方に私は…、私達は授与して欲しいですから。
マスタング将軍、おめでとうございます』
微かに笑みを浮かべてロイはセルシアを抱き締めた。
「…参ったな。
君は本当に」
『何がですか?』
「いや、何でもない。
ありがとう。
帰ろうか」
『はい』
「送って行くよ。
かなり飲まされたのか?」
「閣下と食事になってからはそうでもないが。
何故か奥様からは質問攻めでセルシアも呼ぶことになったし。
すまなかったな」
『私はロイさんのお役に立てるならいくらでも協力致します』
「ありがとう」
ヒューズが運転する車にロイと共に乗り込んだ。
「結局、どれくらい飲んだんだ?」
「ん~…詳しくは覚えておらんが、ワイン10杯にウィスキーのロックを5杯に異国の酒というのを3杯。
そのほかにも飲んだ」
(そりゃ、酔っ払うわ。
よくそんだけで済んでるな)
弱くも強くもないので多分、表情に出てないだけなのかもしれない。
翌朝、閣下からマスコミに向けて“ロイ・マスタング将軍にキメラ事件の功績として勲章を授与する”と発表され、異例の新聞記者を始めとしたマスコミも授与式に招待される。
ロイの知名度もあってそれを閣下も理解しているのだろう。
「「マスタング将軍!」」
「おわっ!
何故、ここにマスコミが…」
「閣下に招待されました」
「招待?」
「マスタング将軍の勲章授与式に」
「は、はい?
初耳なんですが」
自分の支持率を低下させない為にも授与式も利用するつもりなんだろうとロイは理解する。
「貴方達、何をしているんですか!
マスタング将軍からお離れください!」
「中尉…」
「将軍、遅くなって申し訳ありません!」
「大丈夫だ」
マスコミ達を威嚇し、駆けつけて敬礼する中尉にロイは微かに笑う。
「マスタング将軍!
こちらの方が婚約者ですか?」
「将軍、いいですからこちらに」
「お下がりください!」
「こちらは関係者以外は立ち入り禁止です」
警備の軍人達も集まって来てロイを護衛する。
(同じ地位に立った途端にあれだけで勲章だと?
だから、嫌なんだ)
この地位も追い抜かされそうで焦りと苛立ちが募る。
マスコミに囲まれているロイに顔を歪めて見つめていた。
中尉との距離感が近いこともあり、美男美女だから勘違いされてしまうことが多々ある。
セルシアのことを知っている人もいるが、軍服と私服では髪型も雰囲気も異なるから同一人物には思われていないようだ。
「補佐官との恋愛は軍法違反では?」
「将軍の中佐時代からの副官ですよね」
(よく調べてるが、そこまで隠している訳ではないのに。
中尉だと決めつけてるな)
マスコミに何を言われても中尉は気にする様子はない。
「私の相手は中尉ではない。
中尉はあくまでも私の補佐官です。
過去も含めてそういう関係になったことはありません」
「将軍、いいですから」
「ここは誤解されたままではお互いによくないだろう?」
「そうですが…」
「プライベートなことなのでそれ以上の詮索はお控えください」
それ以上はマスコミの問い掛けに答えない。
「朝から大変でしたね」
「…やれやれ」
「マスコミの存在を把握していませんでした。
将軍、申し訳ありませんでした」
「構わないよ。
閣下の思いつきの可能性もあるし」
「それは言えてる。
まだ中尉との関係を疑ってる人もいるんですね」
「軍関係者ではありえないけどな」
日頃のセルシアとの関わりを見ていたら誰も中尉との関係を疑いもしないだろう。