第⑯話
夢小説設定
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奥様は世間知らずのお嬢様で天然ゆえに計算もない。
「さあ、遠慮せずに食べなさい」
「ありがとうございます」
何故か奥様に気に入られてロイは質問攻め。
「そのくらいにしなさい。
食事も出来ないだろう?
すまないね、マスタング将軍」
「いえ…明るくて素敵な奥様で羨ましいです」
奥様が理由で閣下は何度もロイに謝罪している。
「マスタング将軍には彼女が居るんですよね。
お見合い話も沢山、来ていたのよ。
私にも貴族の娘さんに紹介して欲しいと言われたわ。
主人にお断りするように言われたからお断りしたのよ」
「そうなのですか」
「1人だけ特別扱いは出来んし、取り合いになるだろうと思ってな」
「ありがとうございます」
どこまで本音なのか閣下は読めないなとロイは思う。
ヒューズが以前に言っていたお見合い話は本当だったのかと理解した。
「マスタングさん、せっかくなら彼女もお呼びになっては?
まだ遅くもないし。
ホテルの電話を貸してもらいましょう」
「はい‼?
ヘアメイクやドレスも用意しなくてはなりませんから」
「何着か持ってるでしょう?」
「それは持っていますが…」
閣下も将軍達も気まずそうに目を合わせない。
(セルシア、すまない。
断れなかったよ)
心の中で謝罪してロイは自宅に電話して呼び出す。
ロイからの連絡で中尉にも協力してもらって慌てて支度を済ませて駆けつけた。
『お待たせしました。
マスタング将軍、何故このようなことに?』
「何故、だろうな。
閣下と遭遇したんだが。
いろんなものが重なったのだろうな」
(将軍達まで深く頷いてるし、閣下は遠くを見つめてるし。
何があったんだろう)
天然ゆえに閣下の奥様に閣下も含めて振り回されていたらしい。
それでもロイはうまく交わしていたのだが。
『初めまして、奥様』
「ええ、話は主人からよく聞いていますよ」
『そうなんですか』
「有名ですもの」
『どちらのことですか?』
「女性の最年少の国家錬金術師としてもマスタング将軍の彼女としても」
『最近はペアにされます』
ロイは静かに立ち上がり、男性店員を手で下げるとセルシアをエスコートして座らせる。
「あらあら。
そういう風に自然に出来るのはいいことですね」
「…はい?」
「マスタング将軍、上官がそれをするのは如何なのかと」
「全員にする訳ではありませんよ。
会議室でなら問題ありますが、勤務外のプライベートですし」
「そうかもしれんが」
「では、将軍は奥様をエスコートしないと?」
「そんなことは言っておらん」
「閣下と奥様の前ですよ。
怒鳴るのはおやめになられては?」
余裕で微笑むロイに将軍は顔を歪めて座り直す。
将軍が座るとヒュンッと風の刃が通り抜ける。
『警告です。
マスタング将軍を悪く言うなら私が許しません』
「なっ!
君はどんな教育をしているんだ。
こんな野蛮な…」
にっこりと笑いながら将軍の前髪を焦がすロイを見ると目は鋭い。
「言ったはずです、閣下と奥様の前だと。
料理が冷めてしまいますよ。
女性差別では?
私は教育しているつもりはありません。
個々の能力ですよ。
それを引き出せるようにサポートしているだけですから。
閣下、お見苦しいところを失礼しました」
「…構わんよ。
プライベートだからな」
自業自得な面もあるが、女性推進している上に奥様の前で将軍の方が不利だと誰もが理解していた。
それも含めた計算ゆえの行動なのだろう。
「閣下、こちらに居たのですか。
お願いですから同行させてくださいよ」
「何かあってからでは遅いんですから」
「…何がどうなったんですか」
「妻の希望だ。
偶然に遭遇したのだよ」
閣下の護衛が駆けつけて来て説明には納得してないが、閣下に言われてはそれ以上は言えない。
護衛達は個室の安全を確認すると出て行き、廊下で待機している。
「ところで、セルシア」
『はい?』
「そのドレスは買ったのか?
この色に見覚えはないが」
『色が気に入らなかったので錬金術で染めました』
「あぁ、言ってたな」
形に見覚えあったのは間違いではなかったようだ。
「さあ、遠慮せずに食べなさい」
「ありがとうございます」
何故か奥様に気に入られてロイは質問攻め。
「そのくらいにしなさい。
食事も出来ないだろう?
すまないね、マスタング将軍」
「いえ…明るくて素敵な奥様で羨ましいです」
奥様が理由で閣下は何度もロイに謝罪している。
「マスタング将軍には彼女が居るんですよね。
お見合い話も沢山、来ていたのよ。
私にも貴族の娘さんに紹介して欲しいと言われたわ。
主人にお断りするように言われたからお断りしたのよ」
「そうなのですか」
「1人だけ特別扱いは出来んし、取り合いになるだろうと思ってな」
「ありがとうございます」
どこまで本音なのか閣下は読めないなとロイは思う。
ヒューズが以前に言っていたお見合い話は本当だったのかと理解した。
「マスタングさん、せっかくなら彼女もお呼びになっては?
まだ遅くもないし。
ホテルの電話を貸してもらいましょう」
「はい‼?
ヘアメイクやドレスも用意しなくてはなりませんから」
「何着か持ってるでしょう?」
「それは持っていますが…」
閣下も将軍達も気まずそうに目を合わせない。
(セルシア、すまない。
断れなかったよ)
心の中で謝罪してロイは自宅に電話して呼び出す。
ロイからの連絡で中尉にも協力してもらって慌てて支度を済ませて駆けつけた。
『お待たせしました。
マスタング将軍、何故このようなことに?』
「何故、だろうな。
閣下と遭遇したんだが。
いろんなものが重なったのだろうな」
(将軍達まで深く頷いてるし、閣下は遠くを見つめてるし。
何があったんだろう)
天然ゆえに閣下の奥様に閣下も含めて振り回されていたらしい。
それでもロイはうまく交わしていたのだが。
『初めまして、奥様』
「ええ、話は主人からよく聞いていますよ」
『そうなんですか』
「有名ですもの」
『どちらのことですか?』
「女性の最年少の国家錬金術師としてもマスタング将軍の彼女としても」
『最近はペアにされます』
ロイは静かに立ち上がり、男性店員を手で下げるとセルシアをエスコートして座らせる。
「あらあら。
そういう風に自然に出来るのはいいことですね」
「…はい?」
「マスタング将軍、上官がそれをするのは如何なのかと」
「全員にする訳ではありませんよ。
会議室でなら問題ありますが、勤務外のプライベートですし」
「そうかもしれんが」
「では、将軍は奥様をエスコートしないと?」
「そんなことは言っておらん」
「閣下と奥様の前ですよ。
怒鳴るのはおやめになられては?」
余裕で微笑むロイに将軍は顔を歪めて座り直す。
将軍が座るとヒュンッと風の刃が通り抜ける。
『警告です。
マスタング将軍を悪く言うなら私が許しません』
「なっ!
君はどんな教育をしているんだ。
こんな野蛮な…」
にっこりと笑いながら将軍の前髪を焦がすロイを見ると目は鋭い。
「言ったはずです、閣下と奥様の前だと。
料理が冷めてしまいますよ。
女性差別では?
私は教育しているつもりはありません。
個々の能力ですよ。
それを引き出せるようにサポートしているだけですから。
閣下、お見苦しいところを失礼しました」
「…構わんよ。
プライベートだからな」
自業自得な面もあるが、女性推進している上に奥様の前で将軍の方が不利だと誰もが理解していた。
それも含めた計算ゆえの行動なのだろう。
「閣下、こちらに居たのですか。
お願いですから同行させてくださいよ」
「何かあってからでは遅いんですから」
「…何がどうなったんですか」
「妻の希望だ。
偶然に遭遇したのだよ」
閣下の護衛が駆けつけて来て説明には納得してないが、閣下に言われてはそれ以上は言えない。
護衛達は個室の安全を確認すると出て行き、廊下で待機している。
「ところで、セルシア」
『はい?』
「そのドレスは買ったのか?
この色に見覚えはないが」
『色が気に入らなかったので錬金術で染めました』
「あぁ、言ってたな」
形に見覚えあったのは間違いではなかったようだ。