第⑭話
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筆記試験の内容は毎回異なるが、銃の実技試験は変わらない。
「推薦するのは構わないが…
全員が受けるのか?」
「いえ、僕はまだ早いかなと」
「そうか?
受けるだけ受けてみてもいいんじゃないか?」
「まだ銃が安定しなくて」
「…それでよく卒業が出来たな」
「実技はギリギリの点数です」
「では、またの機会にするか。
無理強いはしないし、受けたくなったら言ってくれ。
私が推薦するから」
「ありがとうございます!」
「私も今回はパスで」
「そうなのか?」
「この地位で私は満足してますし、あまり目立ち過ぎるのは」
「分かった。
ハボックとブレダの推薦だな」
「「はい!」」
「何年も前に書いたきりだからな。
ちょっと待てよ」
書き方を忘れてロイは机の引き出しから探す。
「ロイ、忘れ物。
探し物か?」
「ヒューズ、推薦書いたことあるか?」
「上官の代理で」
「どう書くのか忘れた。
中佐の時にしか書いてなくて」
「マスタング将軍、何やってんだ」
「仕方ないだろ」
ヒューズと言い合いながらもロイは推薦状を書く。
「…確認して来ますか?」
『いいんじゃない?
あれはあれで2人して楽しそうだし、
提出前に確認すれば問題ないよ』
「まぁ、そうですね」
特にロイの楽しそうな笑顔に中尉達は頷いた。
推薦状を書いてくれているロイを見てふと考える。
「…将軍」
「ん?」
「隊の2人に推薦状を書いたら嫌味が増えるのでは…」
「えっ!
それならブレダと時期をずらした方がいいか?」
「馬鹿者。
それくらいで増えてそれが何だ。
多少、増えたとこで変わらん。
私の心配するなら左官クラスになってから言うんだな。
副官の役職もないくせに上官の心配などするな。
自分のことを優先しろ」
ロイに新聞を丸めて叩かれた頭をハボックとブレダはさすりながら苦笑いする。
『この私がそれを黙って見逃すとでも?』
「リーゼル大佐、怖すぎます」
「目が笑ってませんけど!?」
「それはともかくとして。
銃の腕があった記憶がないんだが…」
「そこまで悪くはないですけど」
「8割程度…ですかね」
「訓練しておくようにな。
活躍を見せて損はないから。
いつまでも私の側に居させるよりも成長させてくれる上官と出会えたらそちらに行きなさい」
「それなら大丈夫です」
「将軍ほど成長させて人として向き合ってくれる上官はいませんから」
「はっ?」
「俺等、今更になって将軍と離れるつもりありませんから」
「危険だぞ」
「承知しております」
「今更、遅いっス!」
「…そうか」
ロイは微かに口元を緩めて推薦状を手渡した。
ヒューズがニヤニヤと笑いながらロイの肩に手を回す。
「おまえは気色悪いんだよ。
離れろって!」
「冷たいんだから。
そういや、上官の奴等の処分が決まったらしいぞ」
「随分と早いな。
将軍階級だし、減給くらいだろ」
「噂を聞くと違うみたいだぞ。
ロイなら分かると思ったんだが」
「私は将軍になったばかりだし、探って面倒なのは嫌だ」
「分かってるよ」
軍の誰もが興味のある処分ではあるのだろう。
「正式な処分なら掲示板に張り出されてるのでは?」
「そうだな。
よし、行くぞ!」
「ちょっ…何で私まで行くんだ。
ヒューズ、離せ!」
半ば強引に連れ出されるロイに中尉達は苦笑いして追いかける。
『ヒューズ中佐、何をしているんですか。
あれですよね?』
「マスタング将軍!」
「失礼しました」
「さすが将軍殿がいると楽だな」
「その為に私を連れ出したのか?」
「いででっ!
足を踏むなよ」
「これだけで済ましてやるよ」
ロイに足を踏まれながらヒューズは視線を掲示板に向ける。
「な、何なんだ!
これはありえないだろ」
「…本当なのか?」
『減給と降格。
まぁ、降格しても将軍だけど』
掲示板に貼られた紙には軍法違反と職場放棄で閣下から逃げ出した上官達の減給と降格の発表。
「推薦するのは構わないが…
全員が受けるのか?」
「いえ、僕はまだ早いかなと」
「そうか?
受けるだけ受けてみてもいいんじゃないか?」
「まだ銃が安定しなくて」
「…それでよく卒業が出来たな」
「実技はギリギリの点数です」
「では、またの機会にするか。
無理強いはしないし、受けたくなったら言ってくれ。
私が推薦するから」
「ありがとうございます!」
「私も今回はパスで」
「そうなのか?」
「この地位で私は満足してますし、あまり目立ち過ぎるのは」
「分かった。
ハボックとブレダの推薦だな」
「「はい!」」
「何年も前に書いたきりだからな。
ちょっと待てよ」
書き方を忘れてロイは机の引き出しから探す。
「ロイ、忘れ物。
探し物か?」
「ヒューズ、推薦書いたことあるか?」
「上官の代理で」
「どう書くのか忘れた。
中佐の時にしか書いてなくて」
「マスタング将軍、何やってんだ」
「仕方ないだろ」
ヒューズと言い合いながらもロイは推薦状を書く。
「…確認して来ますか?」
『いいんじゃない?
あれはあれで2人して楽しそうだし、
提出前に確認すれば問題ないよ』
「まぁ、そうですね」
特にロイの楽しそうな笑顔に中尉達は頷いた。
推薦状を書いてくれているロイを見てふと考える。
「…将軍」
「ん?」
「隊の2人に推薦状を書いたら嫌味が増えるのでは…」
「えっ!
それならブレダと時期をずらした方がいいか?」
「馬鹿者。
それくらいで増えてそれが何だ。
多少、増えたとこで変わらん。
私の心配するなら左官クラスになってから言うんだな。
副官の役職もないくせに上官の心配などするな。
自分のことを優先しろ」
ロイに新聞を丸めて叩かれた頭をハボックとブレダはさすりながら苦笑いする。
『この私がそれを黙って見逃すとでも?』
「リーゼル大佐、怖すぎます」
「目が笑ってませんけど!?」
「それはともかくとして。
銃の腕があった記憶がないんだが…」
「そこまで悪くはないですけど」
「8割程度…ですかね」
「訓練しておくようにな。
活躍を見せて損はないから。
いつまでも私の側に居させるよりも成長させてくれる上官と出会えたらそちらに行きなさい」
「それなら大丈夫です」
「将軍ほど成長させて人として向き合ってくれる上官はいませんから」
「はっ?」
「俺等、今更になって将軍と離れるつもりありませんから」
「危険だぞ」
「承知しております」
「今更、遅いっス!」
「…そうか」
ロイは微かに口元を緩めて推薦状を手渡した。
ヒューズがニヤニヤと笑いながらロイの肩に手を回す。
「おまえは気色悪いんだよ。
離れろって!」
「冷たいんだから。
そういや、上官の奴等の処分が決まったらしいぞ」
「随分と早いな。
将軍階級だし、減給くらいだろ」
「噂を聞くと違うみたいだぞ。
ロイなら分かると思ったんだが」
「私は将軍になったばかりだし、探って面倒なのは嫌だ」
「分かってるよ」
軍の誰もが興味のある処分ではあるのだろう。
「正式な処分なら掲示板に張り出されてるのでは?」
「そうだな。
よし、行くぞ!」
「ちょっ…何で私まで行くんだ。
ヒューズ、離せ!」
半ば強引に連れ出されるロイに中尉達は苦笑いして追いかける。
『ヒューズ中佐、何をしているんですか。
あれですよね?』
「マスタング将軍!」
「失礼しました」
「さすが将軍殿がいると楽だな」
「その為に私を連れ出したのか?」
「いででっ!
足を踏むなよ」
「これだけで済ましてやるよ」
ロイに足を踏まれながらヒューズは視線を掲示板に向ける。
「な、何なんだ!
これはありえないだろ」
「…本当なのか?」
『減給と降格。
まぁ、降格しても将軍だけど』
掲示板に貼られた紙には軍法違反と職場放棄で閣下から逃げ出した上官達の減給と降格の発表。