第⑭話
夢小説設定
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ロイの乱れた髪に笑いながらヒューズは満足そうだ。
「おまえがしといて何なんだ!」
「少しは楽になったか?」
「はぁ?」
「辛いなら口に出せ。
溜め込むなよ」
「あ…っ」
「人を恐れるな。
奪うのも人だが、救えるのも人なんだ」
「どれくらい奪った私にも?」
「救えるよ。
少なくともおまえの隊にいた奴等と家族、今の仲間は救われた。
過去は変えられない。
でも、やり方次第で未来は変わる。
将軍になったからと何か変える必要がないんだよ」
「…そうだな。
私は知らぬ間に自分を追い込んで視野を狭くしていたのか」
簡単なことだからこそ、難しくて自分では気づけないことがある。
「世話が焼けるな」
「あぁ、これからも世話焼かしてやるよ」
「何なんだよ、それは!」
ロイの目に不安は見えずに元通りかとヒューズは安堵して笑う。
『…戻ろうか』
「はい、そうですね」
「いいんですか?」
『これはヒューズ中佐の役目だったのよ』
「私達が聞いてたと知ったら将軍は気はずくなるだろうし」
「そう、ですね」
「まったく。
あの人は賢いくせにバカですね。
いや、賢いから考えんのか。
俺等が離れるはずないのにさ」
「支えようとして守ろうと自分達の力量以上のことをしようとしてたのは事実だ。
それを敏感に将軍は感じてしまったんだよ」
「距離感が離れてると勘違いさせてしまった責任はあります」
勉強会をしていてそれを敏感に感じたのかもしれない。
素直にロイが聞けないと分かっていたのに配慮が足らなかったと反省。
「すまない、遅くなって」
「大丈夫ですよ」
「…そうか」
ロイは書類を手にして将軍の執務室に入って行く。
(なんか邪魔してしまったか?
私がいてやりづらいならこれからはこっちでした方がいいのか?
将軍が左官より下の者達と同じ執務室でするのはおかしいよな。
いや、分かってはいたけど)
ため息をついてロイは書類の内容が頭に入らず、自分の幼稚な思考に呆れてしまう。
「どうかしましたか?」
「ちょっ、ハボック」
「何でそっちの執務室に行くんですか?
極秘資料とかなら仕方ないですけど、それは違うし。
将軍はお喋りではないですけど、寂しいじゃないですか!」
「は、はい?」
「勉強会してたんですよ!
俺なんてバカだし、理解するのも大変だから時間も掛かるから」
「…ストレート過ぎだ」
「全部を話しましたね」
(話を聞いていたこと以外はすべて。
この短縮した話も将軍なら分かるだろうし)
案の定、ロイは瞬きして驚いてハボックを凝視する。
「大変なのは将軍を見て理解してるつもりです!
それ以上に将軍の力になりたいし、バカなりに考えて出した答えです!」
「…そうか。
そう、だったのか」
「あぁっ!
全部話してしまったぁ!」
「今更ですよ」
「ハボック少尉が黙ってられる訳ないものね」
ロイは肩を震わせて笑っていてハボックは今更ながら気恥ずかしくなる。
ハボックらしいなと思いながらも自分に隠して勉強していたのも思いやりなのだろう。
「あぁ、そうか。
一般軍人は上官からの推薦と筆記試験なんだったな」
『私も言われて思い出しました。
左官から下はそうだったなと』
「あぁ、私達は経験ないからな。
ヒューズが勉強してたし。
私も付き合わせられたよ」
「はっ?
受けてないって」
「国家錬金術師は少佐の地位を与えられるからな」
「あぁ、そうでしたね」
ハボック達は苦笑いしながらも羨ましい気持ちになる。
「ところで推薦は誰に書いてもらうつもりだったんだ?」
「お願いしようかと」
「ギリギリになってから頼む予定でした」
「まぁ、試験合格したからって昇進とは限らないんですけどね」
「能力判断みたいなものだし。
それでも昇進の近道ではあるけど」
上官にアピール出来る機会でもあるので受験数は多い。
「筆記試験と銃の実技だったか?」
「はい、そうです」
「中尉は受けたんだったな」
「…将軍が強引に推薦したんじゃないですか。
その時は中佐でしたけど」
「どんなものかなって。
それに、ずっと誰も推薦しないのは問題あったからな」
結局はロイに押しきられる形で参加させられたらしい。
「おまえがしといて何なんだ!」
「少しは楽になったか?」
「はぁ?」
「辛いなら口に出せ。
溜め込むなよ」
「あ…っ」
「人を恐れるな。
奪うのも人だが、救えるのも人なんだ」
「どれくらい奪った私にも?」
「救えるよ。
少なくともおまえの隊にいた奴等と家族、今の仲間は救われた。
過去は変えられない。
でも、やり方次第で未来は変わる。
将軍になったからと何か変える必要がないんだよ」
「…そうだな。
私は知らぬ間に自分を追い込んで視野を狭くしていたのか」
簡単なことだからこそ、難しくて自分では気づけないことがある。
「世話が焼けるな」
「あぁ、これからも世話焼かしてやるよ」
「何なんだよ、それは!」
ロイの目に不安は見えずに元通りかとヒューズは安堵して笑う。
『…戻ろうか』
「はい、そうですね」
「いいんですか?」
『これはヒューズ中佐の役目だったのよ』
「私達が聞いてたと知ったら将軍は気はずくなるだろうし」
「そう、ですね」
「まったく。
あの人は賢いくせにバカですね。
いや、賢いから考えんのか。
俺等が離れるはずないのにさ」
「支えようとして守ろうと自分達の力量以上のことをしようとしてたのは事実だ。
それを敏感に将軍は感じてしまったんだよ」
「距離感が離れてると勘違いさせてしまった責任はあります」
勉強会をしていてそれを敏感に感じたのかもしれない。
素直にロイが聞けないと分かっていたのに配慮が足らなかったと反省。
「すまない、遅くなって」
「大丈夫ですよ」
「…そうか」
ロイは書類を手にして将軍の執務室に入って行く。
(なんか邪魔してしまったか?
私がいてやりづらいならこれからはこっちでした方がいいのか?
将軍が左官より下の者達と同じ執務室でするのはおかしいよな。
いや、分かってはいたけど)
ため息をついてロイは書類の内容が頭に入らず、自分の幼稚な思考に呆れてしまう。
「どうかしましたか?」
「ちょっ、ハボック」
「何でそっちの執務室に行くんですか?
極秘資料とかなら仕方ないですけど、それは違うし。
将軍はお喋りではないですけど、寂しいじゃないですか!」
「は、はい?」
「勉強会してたんですよ!
俺なんてバカだし、理解するのも大変だから時間も掛かるから」
「…ストレート過ぎだ」
「全部を話しましたね」
(話を聞いていたこと以外はすべて。
この短縮した話も将軍なら分かるだろうし)
案の定、ロイは瞬きして驚いてハボックを凝視する。
「大変なのは将軍を見て理解してるつもりです!
それ以上に将軍の力になりたいし、バカなりに考えて出した答えです!」
「…そうか。
そう、だったのか」
「あぁっ!
全部話してしまったぁ!」
「今更ですよ」
「ハボック少尉が黙ってられる訳ないものね」
ロイは肩を震わせて笑っていてハボックは今更ながら気恥ずかしくなる。
ハボックらしいなと思いながらも自分に隠して勉強していたのも思いやりなのだろう。
「あぁ、そうか。
一般軍人は上官からの推薦と筆記試験なんだったな」
『私も言われて思い出しました。
左官から下はそうだったなと』
「あぁ、私達は経験ないからな。
ヒューズが勉強してたし。
私も付き合わせられたよ」
「はっ?
受けてないって」
「国家錬金術師は少佐の地位を与えられるからな」
「あぁ、そうでしたね」
ハボック達は苦笑いしながらも羨ましい気持ちになる。
「ところで推薦は誰に書いてもらうつもりだったんだ?」
「お願いしようかと」
「ギリギリになってから頼む予定でした」
「まぁ、試験合格したからって昇進とは限らないんですけどね」
「能力判断みたいなものだし。
それでも昇進の近道ではあるけど」
上官にアピール出来る機会でもあるので受験数は多い。
「筆記試験と銃の実技だったか?」
「はい、そうです」
「中尉は受けたんだったな」
「…将軍が強引に推薦したんじゃないですか。
その時は中佐でしたけど」
「どんなものかなって。
それに、ずっと誰も推薦しないのは問題あったからな」
結局はロイに押しきられる形で参加させられたらしい。