第⑭話
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閣下の執務室に到着するとロイが報告したと知らず、上官達は嘘を並べてロイに責任を押し付けようとする。
「やはり、まだ少将など早かったんですよ」
「まだ若造ですからね」
「うむ…」
「閣下、こちらが例のものと報告書です」
「ご苦労」
「まだ私達が話している最中だ」
「失礼しました」
「無駄話は不必要だと思ったのだろう。
それに、これは私がマスタング将軍に頼んだものだ」
「無駄話とはどういう意味で?」
「マスタング将軍などに頼まなくても!」
「現場に駆けつけて司令官として指揮を取ったのは誰だ。
留守をしていたと嘘を言い、権力争いに利用をするな!
逃げ出したのだろう。
国民も司令部も見捨てて。
知らないとでも思ったか?」
「そ、それは…」
「何故…っ」
意気込んでいた上官達は青ざめて立場逆転。
「マスタング将軍、下がってよろしい」
「はっ!」
「よくぞ司令部と国民を守ってくれた。
礼を言う、助かった」
「とんでもございません。
私1人の力ではありません。
失礼しました」
待機していた中尉達に頷くと安堵した様子だ。
「お疲れ様です」
『大丈夫でしたか?』
「あぁ、問題ないだろう。
閣下次第だからあとは私には無関係だ。
完全に無関係かと聞かれると難しいのだがな」
「あの補佐官は何なんですか。
北の司令官ではないんだし」
「知らんのか、北方司令部出身だ」
それなら納得だとハボックは苦笑いする。
無茶振りする閣下と同様に厄介な相手ではある。
「そういや、ハクロのおっさんはまだ自宅謹慎?」
「…どうなんだろうな」
「聞いてないんですか?」
「忙しくてそれどころではなかったし。
まぁ、時期的にそろそろ解かれるだろうな。
人材不足なんだろうから」
『また同じようなことしたら絶対に吹き飛ばしてやります』
「そっちなんですか?」
「そういう発言は控えてください」
『むぅ…』
「マスタング将軍に関することは無理ですって。
諦めましょうや、中尉」
セルシアが不満顔でロイの腕に抱きついていた。
「ロイっ!
大丈夫だったのか?
上官の奴等と閣下に…」
「あぁ、罠に掛かりそうにはなったけどな。
先手を打っていてよかったよ。
信じてもらえなければ、危なかったのだが」
「またおまえって奴は。
ロイ、焦るなよ」
「はぁ?」
じっと見つめるヒューズにロイは微かに顔を歪めた。
執務室までついて来るヒューズにロイはため息をつく。
「ヒューズ中佐、仕事は?」
「大丈夫だよ。
最近のおまえは焦っているように見える」
「何なんだ、それは」
呆れたようにヒューズを見てロイは書類を手にする。
「ロイ、大事なもんを見失うなよ。
当たり前にあるものなんてものはない」
「ヒューズ、書類を返せ」
「いいから聞けよ」
(何なんだ。
いつもはからかったり来るくせに。
当たり前にあるものなんて…
いや、慣れすぎているものはあるだろうな)
セルシアとの日常や中尉を始めとした仲間達が浮かんだ。
ヒューズの手から書類を奪うとロイはため息をつく。
「当たり前だとは思ってない。
当たり前にあるものなど何もない。
ただ、失いたくないだけだ。
私は我儘なんだよ。
全部を欲しがってるだけだ。
でも、それを弱味にするつもりはないけどな。
中央勤務になって将軍クラスになって多忙だし、それ以上に…」
ロイは椅子に座りながら机に顔を埋める。
「辛いか?
予想以上にプレッシャーあるか?
なぁ、頼れよ。
おまえが思ってるほど、周りは弱くないぞ。
自分1人で抱えるのは限界あるし、そうやって抱えるのはおまえの悪い癖だよ」
「そんなことない」
「ずっと強くなくていい。
たとえ離されても切り離されることはない」
「…離されるのは嫌だな」
「そうならないことは願ってる。
おまえは注目されてる自覚を持てよ」
「自覚あるよ」
「もっと自覚しろよ」
「何なんだ」
「ロイ、もっと頼れ。
焦るなよ」
くしゃっと乱暴に頭を撫でるヒューズにロイは顔を歪め、乱れた髪を手で整えた。
「何なんだ」
「さぁな。
あまり無茶をするなよ。
俺が出来るのは限られてるし。
まぁ、俺には俺の役割をやるさ」
「ヒューズ?」
「何でもないよ」
「言うだけ言っといて」
「気になるか?
そのうち教えてやるよ」
意味が分からずに口元を緩めて去って行くヒューズにロイは微かに顔を歪めた。
「やはり、まだ少将など早かったんですよ」
「まだ若造ですからね」
「うむ…」
「閣下、こちらが例のものと報告書です」
「ご苦労」
「まだ私達が話している最中だ」
「失礼しました」
「無駄話は不必要だと思ったのだろう。
それに、これは私がマスタング将軍に頼んだものだ」
「無駄話とはどういう意味で?」
「マスタング将軍などに頼まなくても!」
「現場に駆けつけて司令官として指揮を取ったのは誰だ。
留守をしていたと嘘を言い、権力争いに利用をするな!
逃げ出したのだろう。
国民も司令部も見捨てて。
知らないとでも思ったか?」
「そ、それは…」
「何故…っ」
意気込んでいた上官達は青ざめて立場逆転。
「マスタング将軍、下がってよろしい」
「はっ!」
「よくぞ司令部と国民を守ってくれた。
礼を言う、助かった」
「とんでもございません。
私1人の力ではありません。
失礼しました」
待機していた中尉達に頷くと安堵した様子だ。
「お疲れ様です」
『大丈夫でしたか?』
「あぁ、問題ないだろう。
閣下次第だからあとは私には無関係だ。
完全に無関係かと聞かれると難しいのだがな」
「あの補佐官は何なんですか。
北の司令官ではないんだし」
「知らんのか、北方司令部出身だ」
それなら納得だとハボックは苦笑いする。
無茶振りする閣下と同様に厄介な相手ではある。
「そういや、ハクロのおっさんはまだ自宅謹慎?」
「…どうなんだろうな」
「聞いてないんですか?」
「忙しくてそれどころではなかったし。
まぁ、時期的にそろそろ解かれるだろうな。
人材不足なんだろうから」
『また同じようなことしたら絶対に吹き飛ばしてやります』
「そっちなんですか?」
「そういう発言は控えてください」
『むぅ…』
「マスタング将軍に関することは無理ですって。
諦めましょうや、中尉」
セルシアが不満顔でロイの腕に抱きついていた。
「ロイっ!
大丈夫だったのか?
上官の奴等と閣下に…」
「あぁ、罠に掛かりそうにはなったけどな。
先手を打っていてよかったよ。
信じてもらえなければ、危なかったのだが」
「またおまえって奴は。
ロイ、焦るなよ」
「はぁ?」
じっと見つめるヒューズにロイは微かに顔を歪めた。
執務室までついて来るヒューズにロイはため息をつく。
「ヒューズ中佐、仕事は?」
「大丈夫だよ。
最近のおまえは焦っているように見える」
「何なんだ、それは」
呆れたようにヒューズを見てロイは書類を手にする。
「ロイ、大事なもんを見失うなよ。
当たり前にあるものなんてものはない」
「ヒューズ、書類を返せ」
「いいから聞けよ」
(何なんだ。
いつもはからかったり来るくせに。
当たり前にあるものなんて…
いや、慣れすぎているものはあるだろうな)
セルシアとの日常や中尉を始めとした仲間達が浮かんだ。
ヒューズの手から書類を奪うとロイはため息をつく。
「当たり前だとは思ってない。
当たり前にあるものなど何もない。
ただ、失いたくないだけだ。
私は我儘なんだよ。
全部を欲しがってるだけだ。
でも、それを弱味にするつもりはないけどな。
中央勤務になって将軍クラスになって多忙だし、それ以上に…」
ロイは椅子に座りながら机に顔を埋める。
「辛いか?
予想以上にプレッシャーあるか?
なぁ、頼れよ。
おまえが思ってるほど、周りは弱くないぞ。
自分1人で抱えるのは限界あるし、そうやって抱えるのはおまえの悪い癖だよ」
「そんなことない」
「ずっと強くなくていい。
たとえ離されても切り離されることはない」
「…離されるのは嫌だな」
「そうならないことは願ってる。
おまえは注目されてる自覚を持てよ」
「自覚あるよ」
「もっと自覚しろよ」
「何なんだ」
「ロイ、もっと頼れ。
焦るなよ」
くしゃっと乱暴に頭を撫でるヒューズにロイは顔を歪め、乱れた髪を手で整えた。
「何なんだ」
「さぁな。
あまり無茶をするなよ。
俺が出来るのは限られてるし。
まぁ、俺には俺の役割をやるさ」
「ヒューズ?」
「何でもないよ」
「言うだけ言っといて」
「気になるか?
そのうち教えてやるよ」
意味が分からずに口元を緩めて去って行くヒューズにロイは微かに顔を歪めた。